【完結済み】東方贖罪譚〜3人目の覚妖怪〜   作:黒犬51

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40話 こころ

向けられた笑み。それはとても暖かくて。優しくて。もしこの人が家族だったらなんて思ってしまう。きっとこの人なら私を閉じ込めたりしない。私を大事にしてくれる。そう信じたい自分がいた。でも、それは危ないと、まだ会ってから1時間も経っていないと、警告する理性がいる。

 

「私は....」

 

相変わらず少年は優しい笑みを浮かべている。目が離せない。どうせ戻ってもまた閉じ込められる。それはきっと間違いない。お姉様は、もう私を家族とは思っていない。咲夜も、メイドも、美鈴も、パチュリーだってこあだって。誰も私を愛していない。

 

「私は」

 

理性が、危険だと、何かがおかしいと声を上げる。少年はいつまででも待つとでも言いたげに傷だらけのまま微笑んでいる。

理性が叫ぶ、だって私はこいつを殺そうとしたんだ。そんなすぐに許すわけがない。これは罠だと、きっと酷い目に合うのだと。

 

「わ、私...は」

 

酷い目に合う?でもそれは戻っても一緒。ならどちらに転んでも結局酷い目に合うのなら。お兄様と暮らした方が、幸せかもしれない、それにお兄様が私を酷い目に合わせるという確率は100パーセントじゃない。でも、帰ってしまったら間違いなく、酷い目に合う。

 

「ゆっくりと時間をかけて良いんだ。何も今ここで答えを出してくれとは言わない。フランは悪魔の妹と呼ばれているみたいだが、良く考えてみろ。ここは忌まれ、嫌われた妖怪が集まる場所だ。地上より、過ごし易いとは思う」

 

お兄様の暖かすぎる一言一言が頭をぐるぐる回る。もう口は閉じているのにまだ話している様な、そんな気がする。優しい、でも何処か違う不思議な感じ。

 

「お兄様はなんで私に優しくするの?そんな、家族みたいに扱ってくれるの?私はお兄様を殺そうとしたんだよ?」

 

お兄様はそれを聞いて満足そうに頷く。ただ、その顔はまだ聖母の様に笑っている。まるで全てを許すとでも言いたげに、優しく包み込む様な笑顔。

 

「簡単な事だ。純粋に考えてフランにはこっちが良いと思った、だからここに住まないかと聞いてみたんだ。でも、フランが家に帰りたいなら止めはしない。帰りたいと思ったタイミングで紫に頼めば良い。それに、俺を殺せと命令されたんだろ?なら仕方がない。それに命令は基本的に絶対だったと思う。俺は少々経験したことがあるから多少は理解できる」

 

彼の口から綴られたのは純粋な優しさ、それ以外の何でもない。ただ、彼には感情がない。それをフランドールが知る余地はなかった。ならば何故、彼はフランドール・スカーレット、幻想郷で悪魔の妹と呼ばれ忌まれ嫌われ。遂には家族からも暖かさを感じれなくなった少女に地底で過ごさないか?と伝えたか。

それは、単純な話。地底を護りやすくしたかった。それだけだ。彼女は今心が衰弱している。そんな事は読心をせずとも挙動でわかる。そんな精神状態の者に突然頼る当てを渡したら。きっと受け取るだろう。きっと、喜んで縋るだろう。眼前に突然たれ下げられた蜘蛛の糸、もう2度と来ないだろうと思えば思う程、心で葛藤が起きる。

 

きっと理性が言うのだ、いや待て危ない

と。

きっと理性が叫ぶのだこれは罠かもしれないと。

 

だが、これは彼女が酷い扱いを受けていれば、心が弱っていればそれだけ簡単に黙る。感情があれば幸せななりたいとそう思うのが生物だ。酷い状況から脱せるかもしれない。そう思うと状況が酷ければ酷い程、盲目的になる。例え騙されているとわかっていても、きっと今よりはマシだろうと思うからだ。救われるかもしれないと思うからだ。

 

「私は....帰りたくない...」

 

目から大粒の涙が溢れる。この判断が果たして正しいのか。それは分からない。けれどきっと幸せになれるだろうと今よりは楽しく過ごせるだろうと思ってしまった。

 

「わかった。さとり、良いか?」

 

さとりは無言で頷く。正直、心からの賛成は得られていないだろう。だが、これはさとりの為でもある。後々伝えればきっと変わるだろう。

 

「取り敢えず、流石に傷が痛くてそろそろ意識が飛びそうだ。俺は紫に送ってもらう。面会できそうになったら紫に伝えてもらうから来てくれ」

 

そう言うと少年は真横に座っているフランドールの触り心地の良い髪を少し撫でてから、紫の開いた裂け目に向かい、産まれたての子鹿のような足取りで歩き出す。しかし少年はその裂け目の横を通り過ぎると未だに壁よりにいたさとりの元へと歩いていく。

 

「空...?」

 

足取りからしても既に満身創痍すらも通り越しているのは目に見えている。だが、空はなんとかさとりの元へと歩いて行くと。そのまま抱きついた。

 

「え...?」

 

突然の彼の行動に一時的に思考回路が止まってしまう。心臓が跳ねる様になり、音が耳までも聞こえてくる。段々と、頭が回り出し、今の状況を把握してしまい顔が紅潮する。

まるで、それを見越したかの様に空はさとりの頭の後ろに手を回し、そのままさらに強く抱きしめる。そしてさとりの耳元で呟いた。

 

「その短剣はお前にあげよう。俺にはもう、必要無い物だ。だが間違ってもそれで自分を切らない様にしてくれ、大百足の溶解液が混ざっている」

 

さとりが予想していた物とは大きく逸れた言葉。もしかするとあの回答をくれるかもしれないと期待してしまった自分が恥ずかしい。

 

「ありがとうございます。空。すぐに治してくださいね?」

 

抱きとめる腕を離し、スキマへ向かう空へさとりがまた別れを告げる。

 

「出来るだけ頑張ろう」

 

そう言って、彼は振り返り。さとりに笑顔を向ける。それはまるで幼い少年のものの様だった。スキマに入る直前、彼は指を鳴らし、残された体力でさとりの服に付いた血を水に帰るとそのまま倒れこむ様にスキマの中へ入って行った。

 

「よろしくお願いします」

 

残された紫にさとりが頭を下げる。

それを見た紫は少し躊躇う様なそぶりを見せた後意を決した様で口を開く。

 

「彼、何者なのか知っているかしら?」

 

いつか来るだろう。そう思っていた質問だった。無論、さとりは知っている。だが、言うことは出来ない。何故ならこれは彼女だけが知っている彼の秘密なのだから。私だけが知っている彼の大きな秘密。それを知っている時点で、彼は私を手放せない。

 

「私も知りたくて探ってはいるんですが。どうも掴めないんです」

 

嘘を吐いた。だが、彼女に後悔や罪悪感は無い。何故ならこれは愛しい彼を護るためだから。

残された、数少ない仲間を護る為だから。

 

「そう。あなた何故、そんな男と恋仲になれるのかしら、他人を疑いやすい気質ではなかったかしら?」

 

「彼は優しいですから」

 

たった一言。ただ、それには狂信的なまでの愛が込められていた。初めて優しく接してくれた家族以外の存在。そんな彼を彼女は愛していた。心から。

 

「そう。じゃあ、面会可能になったら知らせに来るわ」

 

「分かりました」

 

さとりの返答を背中で受け、八雲 紫もスキマへと入って行く。その姿を見送るとさとりはフランの横に座り、談話を始めた。

一方、空は椅子に座らされていた。正面に座るのは相変わらず奇妙な配色の服を着ている八意 永琳。赤と青のツートンカラーの服を着こなし、艶やかな銀髪は三つ編みで束ねられている。

 

「取り敢えず寝て貰えるかしら」

 

スキマから出るなり、彼は血塗れの体で横にあるベッドではなく。彼女の正面の椅子に座らされていた。正しく言えばスキマから出た先が椅子の上だった。

 

「ああ、すまない」

 

そう言うと彼は血まみれの体を起こし寝台に横になる。永琳は立ち上がり彼の体を観察し、怪我の状況、深刻さ、どの処置をするのが最善かを考えていく。

 

「想像以上に酷いわね。取り敢えず能力はもう解除していいわ。優曇華!」

 

そう呼ぶと部屋の扉が開き、優曇華と呼ばれた者が入ってきた。

 

「何でしょうか、お師匠様」

 

まるで高校生の制服の様な物を着こなし、腰まで伸びた紫髪は手入れをされている様でお師匠様と呼ばれた永琳と同様に艶やかだ。しかし、特徴的なのはその頭部から生えた兎の耳だろう。

 

「急患よ。取り敢えず、能力で痛覚を薄れさせて頂戴、その間にわたしは薬と寝台の準備をして来るわ」

 

「分かりました」

 

そう言うと、空の寝かされている寝台に近付き、目を見開く。

 

「空さん?!一体何が...」

 

「鈴仙か、戦闘で無理をしただけだ」

 

「だけって...取り敢えず。私の目を見て下さい、多少妙な気分になるかも知れませんが安心して下さい。痛覚を飛ばすためです」

 

「ああ」

 

鈴仙の指示に従い、彼は彼女の瞳を見る。まるで紅色の宝石の様な目が妖しく光ったかと思うと彼の体から力が抜ける。

 

「凄いな、痛みが無くなった」

 

力が抜けた四肢を広げ、空は口を開いた。その声を聞いた鈴仙の光が消えかけていた目が見開かれる。

 

「通りが悪いですね。今度はもう少し強めでいきます」

 

先程よりも強目に、ただ狂わない様に。そのギリギリを攻めた。本来、患者に対しては使ってはいけない出力だ。目の光は先程より増し、空の瞳に鈴仙の赤い瞳が映し出され、彼の瞳も赤く染まる。

 

「これで大丈夫です。安静にしていて下さい」

 

赤く染まった目を見開いたままの空の頭を撫で、椅子に腰掛けようとした時だった。

 

「何となく、意味は掴めたがやめた方がいい。催眠術の類は昔から耐性が強くてな」

 

「え?」

 

思わず声をあげてしまった。寝台に横になっている彼の瞳は未だに赤い。要は狂気は解けていない。ならば何故、彼はいつも通りであるかの様にいられるのか。

 

「どういう事ですか?」

 

狂気に落ちているはずの彼からは想像も出来ない程落ち着いた声が響く。

 

「これ以上する必要はない。麻酔の効果が得られれば十分だ」

 

そこで彼女は最悪の解答を見つけてしまった。信じたくはない、それにありえる訳が無い。不可能だ。でも、事実それ以外に証明ができない。

 

「そう、ですか」

 

これは効いていない訳では無い。効いているけれど効果が無かった。と言うことは、常に狂気に染まっていると言うことになる。そうなれば、狂気は通らない。

いかにも焦っている。何かに怯えている。その様子を見て把握出来ない空ではない。当然のように、胸元に浮かぶ第3の目が彼女を見据える。瞬時に鈴仙の心を読み、一体何を考えているのかを見つけ出す。

 

「大丈夫だ。狂ってなど無い。安心してくれ、覚妖怪になったせいか随分と精神攻撃に強くなったのかも知れない」

 

空は当然のように嘘を吐く。正直、強くなってなどいないだろう。もし、強くなっているのだとすれば古明地 こいしが眼を閉じる事はなかったはずだ。

ただ、この回答には決定的な落ち度がある。彼は先程、昔からと言った。その昔からに1週間も経っていない此処で始まって生活も含まれるのか。

 

「そうですか。成る程」

 

鈴仙は少々疑いながらもその説明を信じる。当然だろう。正面にいるこの少年が常に狂気に染まっているなどと考えたくは無い。。それに、前にも彼とは会っている。その時も異常では無かった。少し薄情だと言う印象は抱いたものの、それだけだ。少し大人びた少年だと思っただけだ。だが、彼女も直ぐには信用しない。彼は外来人と聞いていた。ならば。《何故、これほどの傷を負って気を保っていれるのか》これほどの出血と傷だ、失神しても、其れこそ痛みに悶え、発狂してもおかしくは無い。いや、そうか。彼が無意識に発狂している可能性もある。そうなれば彼には狂気は通らない。その愚かな考えが彼の嘘を霧の奥に隠してしまった。

 

「そこまでにしてくれ」

 

彼女の考察は寝台に寝かされている少年の声によって遮られた。慌てて顔を上げ、師匠である八意 永琳を待つ。

 

「あまり詮索しないほうがいい。きっと後悔する事になる」

 

空は椅子に座り、彼に背を向け顔を見せ無い様警戒している鈴仙に忠告をする。

勿論、空も彼女が事の真相。彼には感情がないと言う事には気づく事はないだろうと思っている。だが、それよりも彼が懸念していたのは間違った解釈をする事だ。常に狂気に染まっている可能性があるなどと言うことを広められれば《やはり覚妖怪は狂っている》などと語られ、排除する動きが本格化してもおかしくは無い。

事実、空は既に排除された。今でさえ、覚妖怪は嫌われ、排除対象になっている。そんな所に、狂っているなどの噂が流れれば間違いなく《大衆の正義》の名の下に処されるだろう。異端は死を望まれ、消えることを望まれ、民衆の前で吊る事で王は支持を得る。これは、昔から一切変わらない。人間の罪悪の1つだ。

いつの時代も、罪なき異端は排除され、排斥される。ただ、異端というだけで。なんの罪も犯していない。何の危害もこちらからは加えていない。ただ、平和に、自由に、平穏に生活を送っている。それだけだというのに、ある日突然、《大衆の正義》が危害を加えにやって来る。抵抗すれば、やはり此奴らは危険と吊るされ殺される。なにもしなければ、一方的に、凄惨に、嘘を吐くまで拷問された末、殺される。ならば逃げるしかない。だが、逃げた所でやはり奴らに罪悪感があるから逃げるのだと謳われ。止まることはなく《大衆の正義の名の下》殺し尽くされる。

人間は、人間の惨めで、愚かで卑劣、他に害をなすその本質は石器時代から一歩足りとも進歩していない。

相変わらず無言の2人の空間を裂くように、扉の開けられる音が響く。

 

「優曇華、麻酔は終わった?」

 

扉を開け、籠を持った永琳が現れる。籠は手作りなのか、少々不格好だが役割は果たしている。

 

「はい、終わりましたが、痛みのせいですかね。意識は落ちませんでした」

 

「まぁ、その傷の量ならわからなくも無いわ。取り敢えず手術室まで運んでくれるかしら」

 

淡々と、告げられた鈴仙は能力の効かない覚妖怪の寝かされた寝台を押し、部屋から出る。

 

「そうだ、あともう一つ頼みがある」

 

突然、空が口を開く。

 

「何かしら?」

 

「x線検査をして欲しい。どうやら戦闘で体内に金属片が入ったらしい」

 

「わかったわ」

 

ただ一言、そう返すと木の扉を押しあける。

そこに広がっていたのは外の世界にもあるような手術室だった。薄暗い室内にスイッチの音と共に明かりが灯される。

 

「ここを使うのも久し振りですね」

 

「ええ、最近は平和だったものね」

 

ただ、今の言葉が信じられないほどに、嘘だと主張するように部屋には埃の一つも落ちていない。

彼女はまるで、シャボン玉でも手に取るように慎重に持ち上げ彼を手術台へと移す。

 

「服を切るわ。構わないわね?」

 

「ああ」

 

彼の反応の直後、鈴仙と永琳は彼の赤く染まった服を傍らに置かれたハサミを使い切り取っていく。

 

「これは...」

 

そこに広がっていたのは、桜色の肉、空の能力によってなのか、妖怪としての治癒力の所為か。彼の出血は完全に停止し、その傷を塞がんと無色透明の汁が染み出している。ただ、どれも酷い傷ではあるが、古傷も混ざっているようだ。

 

「優曇華、貴方は私の助手をしてちょうだい。まずは彼をうつぶせにして」

 

「了解しました」

 

彼をうつ伏せに返すとそこに広がっていたのは更に凄惨な傷跡、皮膚は原型を留めないほどに細かく引き裂かれ、その傷がまるで何かに焼かれたように一部白くなり、肉が剥げ落ちたのであろう場所には筋肉が露出していた。肋骨に繋がる辺りには丸太にでも殴られたかの様な打撲痕が広がっており凹み過ぎている。臓器も無事では無いだろう。それに加えて彼の能力で強引に作られた筋肉のみがほぼ無傷で、かえってこの状況の異常さを物語っている。

 

「この傷...臓器は無事なの?」

 

「まぁ、何とかと言った所だろう。だが、臓器は俺が何とか出来る。もっと言えばこの傷も万全なら変えることが出来るんだが、消耗が激しくてな。不完全になるだろうと覚悟しながらやった結果がこれだ」

 

敢えて、どんな能力を持っているのかについて彼は公言しなかった。だが、これでも永琳には傷の修復では無く、自然治癒力をあげてくれということの旨は伝わっていたようだ。

 

「これは彼の妖力回復を急ぐのが最善手ね。取り敢えず、今から妖力を直接薬を使って上昇させるわ。ただ、かなり副作用が大きいわ。覚悟はあるかしら?」

 

「ああ、無論だ。だが、この傷がある間にレントゲンにかけて、体内の金属を確認して取り出してくれ」

 

特に副作用を聞くこともなく、空は傷では無く先に体内にあるであろう金属を摘出してくれと依頼した。

 

「能力で何とかならないのかしら?」

 

「位置がわかれば問題ないだろうが、位置が分からない。そんな無茶苦茶に体内を変更すると壊れかねないからな」

 

うつ伏せになりながらまるで、肉塊のような状況の少年は淡々と話し続ける。やはりこの覚妖怪は常軌を逸している。そう思うが、事実彼の依頼は理にかなっている。

彼が体を変えてしまえば彼の体に埋められていたであろうgpsがまた肉と皮膚の下に埋まってしまう。そうなると、今度はメスを入れる羽目になる。

 

「わかったわ。優曇華、X線投射の準備をするわよ」

 

「わかりました。師匠」

 

そう言うと、鈴仙は手術室の奥から白い機械を引っ張って来る。その瞳は彼をしっかりと見つめている。

 

「随分としっかりとしたものがあるんだな。外から持ってきたのか?」

 

彼の前に出されたそれは相当忠実に作られたX線照射器だった。白い機体にX線を放射する為の照射器が取り付けられている。

 

「いいえ、私の自作よ。多少の素材は外から貰ったけれどね」

 

「成る程、よく出来ているな。これ以上起きていると手術にも支障が出そうだな。ここで眠っておく。摘出した金属は後で俺に見せてくれ。じゃあ、頼んだ」

 

そう言うと少年は意識を切断する。流石に今回は無理をし過ぎたのか。少年の技術力の高さか。数十秒も経たぬ間に寝息をたて始めた。

残された鈴仙と永琳は目を見合わせると息の合った動作で次々と施術を始めていく。その中で寝息を立てる彼の寝顔は極々普通の少年のものだった。


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