暁型は今日も元気です!   作:ノラ猫0329

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今回はストーリーメインの話になります。
少し違う雰囲気になると思います(-ω-;)
今回は提督が主役です



注意※
【シリアス】さんがログインしました。


提督は呼び出される

部屋を出た俺を本部の命令で遣わされたであろう

男ふたりが鎮守府の海岸で待っていた。

ビシッとしたスーツを着こなし威圧的にこちらを見つめ

 

 

「結喜准将ですね?お待ちしておりました。どうぞこちらへ」

 

提督や司令官と呼ばれすぎて一瞬自分が呼ばれたことに

気付かなかったが言われるがままに船に乗り込んだ。

 

 

 

 

「今回は何のようなのかな?わざわざ本部からお迎えまで寄越してさ。」

 

 

「すみませんがお答えできません。」

 

「ですよね〜……」

 

答えられないと言うより知らないのだろうな。

さて……なかなかめんどくさい事になったな。

流石に逃げるわけにはいかんし……

まぁ……誤魔化すしかないだろうが。

 

 

そんなこんなを考えていると

本部が見えてきた。

 

 

「ずいぶんと早いな。まだ1時間くらいしかたってないぞ?……前まで2時間は余裕で掛かってたはずだが?」

 

 

「日々進歩していると言う事です。あなたが抜けた今でも」

 

「さいですか。」

 

 

艦娘の艤装が元なんだろうな。

 

しかしただの船に護衛も無しとは本当に平和になったんだな。

もしくは攻撃されたらそれはそれで……と言うことか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

«コンコンッ»

 

「入りたまえ。」

 

「失礼いたします。」

 

船で早々に着いてしまった俺はスーツ男に案内されながら

元帥殿の部屋に案内された…元帥かまじかよ

 

 

「結喜准将です!ただいま到着致しました!」

 

「うむ…ご苦労…座りたまえ。」

 

俺は椅子に座り窓を見てこちらを全く見ようとしない

元帥の言葉を聞き高そうなソファに座った。

 

 

 

「あの……今回はどう言ったご要件でしょうか?」

 

重たい空気をヒシヒシと感じながらついに耐えられなくなり

話しかけた。

 

「海色……と言えば分かるかね?」

 

海色……その言葉を聞いた瞬間すべてを理解した。

バレている……あの子のことが。

 

 

「……分かりません。」

誤魔化せ

 

「そうか……君の娘だろう?」

 

「私に娘はいません」

誤魔化せ

 

「思い出したくないか?」

 

「最初からいません。」

誤魔化せ

 

「2年前のことを」

 

「私はここで科学者をしていましたね。」

誤魔化せ誤魔化せ誤魔化せ!

 

 

「海の底に沈んだあの娘のことを」

 

「…」ドクンドクンッ!

 

 

「すべての始まりのあの娘のことを」

 

「やめ……」

 

「戦争の開幕を告げたあの日のことを」

 

「やめてください!!」ハァハァッ

 

心臓が飛び出そうだ。

血管がはち切れそうだ。

脳が砕けそうだ。

体が発火しそうだ。

怒りで憤りで悲しみで……

 

 

「……すまんな。歳をとるといらんことばかり言ってしまう。」

 

 

そう言うと元帥はこちらに歩み寄り

俺の目を見て

 

 

「そっちょくに聞こう。あの娘……海色はどこにいる?」

 

ドスの聴いた声で見下げながら言った。

恐怖で口を開きそうになるが言葉を飲み込み。

 

 

「……あの娘は沈みました。もういません。」

 

「……それが答えか?」

 

「はい。」

 

「……残念だ。」

 

「居たとして……」

 

「ん?」

 

「居たとして見つけてどうするのですか?」

 

「……あの娘はすべての始まり。可愛そうだが処分するしかない。」

 

 

「それが聴けただけで充分です。」

 

俺はそう言うと立ち上がり

 

「失礼します。」

 

「……それが嫌なら。」

 

俺が扉に手をかけた瞬間に元帥が口を開き

 

「それが嫌なら証明して見せろ。貴様の娘の無害さを。」

 

「どうやって?」

 

「簡単だ。鎮守府で生活させろ。」

 

「なっ!?」

 

「鎮守府で生活をさせてみて何も無いなら無害だろう。失敗しても一つの鎮守府が無くなるだけだ。」

 

元帥は優しい口調で残酷に告げた。

 

「こちらにもリスクがある以上貴様にもリスクを背負ってもらう。当然監視は付けるがな。おい入ってこい。」

 

 

元帥がそう言うと部屋の奥の扉から銀髪の少女(ビッグサイズ)が現れ

 

 

「駆逐艦……浜風です。」

 

「駆逐艦ではあるが非常に優秀な艦娘だ。対人訓練も受けている。彼女なら適任だろうからね。」

 

あの娘を鎮守府に置くだけでも大変なのに

監視までとは……これは大変なことになりそうだ。

 

 

「では浜風よろしく頼む。そして結喜君……まぁ頑張りたまえ。できる限りの助けはしよう。」

 

そう言うと元帥は奥の部屋に入って行った。

 

「今日から宜しくお願いします提督。」

 

偉いことになりそうだ……

俺は頭を抱え本部をあとにした。


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