紅美鈴には秘密がある   作:テッソルムリア

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第二章 紅魔館より、愛をこめて
「メアリー・スカーレット矯正計画」


side メアリー

 

―――紅魔館 大図書館―――

 

「こんにちわ、フラン、レミィ」

「駄目よそんなんじゃ」

「……駄目?」

「ダメ。もっと表情を柔らかくしなさい」

「……緊張するのよ」

「何で今更緊張する必要があるのよ。というか門番の時はもっと自然だったじゃない。その時を思い出して、笑顔で、フランクにいきなさい」

「にぱー☆」

「は?」

「あ、すいません調子のりましただからロイヤルフレアはやめてくださいお願いします」

「……まったく」

 

あ、どうも。メアリーです。

今パチュリーに色々と指導されてるところです。

何でこうなってるのかって話なんですけどね。

 

ゆかりんもいますけど隣でニヤニヤしてるだけです。

そう、見てるだけです。助けてくれません。

ゆかりんだったら乗ってくれるネタも、パッチェさんには通用しません。

この前のセリフからパチュリーもこっち側かと思いましたけど、偶然だったみたいです。

 

あ、何でこうなったかって話でしたね。

まぁちょっと最初の一歩(紅魔館住人との顔合わせ)を失敗しまして……

その時の皆さんの反応がこちら。

 

 

 

 

 

―――レミリア・スカーレットの場合―――

「だからあんたは母親とは認めないって言ったでしょ!分かったらさっさと行きなさい!」

 

レミィは相変わらずでした。何かきっかけがないとレミィを納得させるのは難しいかもしれません。

 

 

 

―――十六夜咲夜の場合―――

「……お嬢様が認めないと言うならば、私はそれに従うまでです。よってそのように振る舞います」

 

咲夜はレミィの判断に沿う って感じですかね。まぁあくまでレミィの従者であって私の従者ではありませんからね。そこあたりは従者としての矜持なんかもあるんでしょう。

 

 

 

―――フランドール・スカーレットの場合―――

「だ、大丈夫だよ!私は信じるから!だから気落ちしないで?お母様」

 

フランは一筋の光でした。天使です(悪魔ですけど)。でも娘に慰められる母親ってのもどうなの……

 

 

 

―――小悪魔の場合―――

「まさか美鈴さんがお嬢様方の母親だったとは……ああ今はメアリー様でしたね。これは失礼致しました……いえ(わたくし)など下級の悪魔ですから……お声を掛けて頂けただけでも光栄です……」

 

……あれ?小悪魔ってこんな感じだったでしょうか……何となく……ニヤニヤじゃないですけど常に微笑を浮かべているような雰囲気なのが気になります。今度しっかり話してみましょう。

 

 

 

―――とまぁ、こんなことがありまして。

どうしたもんかと思っていたらゆかりんが現れたんです。

そのまま連れられるがまま大図書館へ。

 

どうやらゆかりん、パチュリーにはある程度本当のことを話した模様(ネタやってるだけってこととか)

いつの間に話したんでしょう……その御蔭でパチュリーとはすごい打ち解けたんですけどね。

それはともかく、パチュリーが「まずは見た目から」と色々レクチャーしてくれることになりましてこうなった次第です。

 

 

「まったく……どうして貴女たちはそうふざけたがるのかしら。それが勘違いの元でしょうに」

呆れたように言うパチュリー。

 

「あら、面白さは全てにおいて優先されるのよ」

「異議なし」

さっすがゆかりん。全面的に同意です。

 

「……もういいわ。あと、まずその威圧感をどうにかしなさい。というより何でそんなに威圧感あるのよ」

「いやーそれは修羅の国を生き抜くために必須条件だったからでしてね……」

本当に。あの頃(メアリーとして過ごしてた頃)とか力こそ正義な世界だったからね。吸血鬼フォルムだと自然と出ちゃうんですよね。身体に染み付いてる感じで。

 

 

 

 

「それもどうにかしていく必要があるわね。……まぁ貴女たちの悪ふざけに巻き込まれない限り、協力はするわ。少し練習してからまた来なさい」

「あら?何を言っているのかしら?魔女さん」

「そうだよパチュリー」

「……何ですって?」

パチュリーがピタッと停止してこちらを振り向く。

 

「ここまで私たちの秘密に踏み込んでおきながら、無関係は無理でしてよ。貴女にもこっち側に来てもらいましょう」

「そーそーパチュリーも勇者パーティーの仲間入りだよー」

吸血鬼と賢者しかいないけど。

 

「歓迎いたしますわ、盛大に」

「っ!……ならないわよ。そうするメリットもないわ」

そう身構えるパチュリー。でもねーそれはゆかりんに対しては悪手だよ。

 

「そうかもしれないわね。……でもならないが故のデメリットはありましてよ?」

「!………」

まぁゆかりんなら(ほぼ)何でも出来るし。

この図書館丸ごと人質とかも出来るんじゃない?

ここに私たちを招き入れた時点で詰んでいたんだよパチュリー。

 

「大丈夫、そんなに無茶なことは言いませんわ。私たちの秘密に対して口をつむってくれるのと、有事の際にちょっと手を貸してくれればいいの」

「……」

これは追い込みにかかってるね。憐れパチュリー(でも反省しない)

 

 

「……分かったわ。でも本当に必要な時だけよ。嫌な時は容赦なく拒否するから」

「ええ、それで構いませんわ」

 

ぱちゅりーが なかまに なった!

これで運命共同体が三人になりました!

これから先が楽しみですね!

 

 

 

 

 




あぁー貴重なシリアス要員のパッチェさんが二人に侵食されていくー(棒読み)





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