東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「真君チート・・・だけど、しっかりペナルティは付けて行くラギアクオリティ」
隔「あれだよね。ラギアって変に制限付けるよね」
ラ「チート無双はそんなに好きじゃない。代償はあるべきです」
隔「等価交換だ!・・・って奴?」
ラ「某錬金術師じゃないですかヤダー。では、どうぞ!」


第六章第十二話「全ての力」

「久々に着てみれば、」

 

一歩も動けず、ただただ死を待つのみの俺の前で。

―――――そんな声が、響いた。

 

次の瞬間、ダガアンッ!! という音と共に天久の翼は天へと打ち上げられる。

衝撃音。天久の顔が歪み、俺の前に立ちふさがる人物へと強く殴りかかった。

 

「随分と大変な事になっているわねえ」

 

しかし、彼女はそれすらも軽くいなす。拳の威力で突風が一つ吹き荒れるが、それを気にせず右手を打ち鳴らす。

途端に現れるスキマ。境界を操る能力を持つ彼女は、天久の放つ遠距離攻撃を全て天久へと繋げていた。

 

そう。七賢者の、八雲紫は。

 

 

「全く。久しぶりね、悪夢」

 

まるで、悪夢を昔から知っているかのように紫は声を掛ける。

でも、そこに優しさは無い。冷徹な響きが当たりに響き渡り、染み込んでいく。

喉元に氷のナイフを当てられているかの様な感覚。緊張感が張り詰め、ボルテージはドンドン上がっていく。

両者とも動かない。

 

その中。

 

・・・一つ、桜の花弁が地面に舞い落ちた。

 

次の瞬間、瞬きも許されない攻防が幕を開ける。

 

 

天久の攻撃を全てスキマで躱し、そして自らは動かず全てを天久に向けて放つ。

 

明らかに防戦一方な天久。始まってから一瞬で、最早優劣は付いていた。

 

『・・・紫が、押されてる』

 

陽炎がそっと呟く。

それに、俺も頷いた。

 

紫は、場面だけを簡潔に見れば有利と言えるだろう。

しかし、彼女の妖力も無限ではない。そしてスキマと言えども、受け入れられるエネルギーには流石に限度があるだろう。

一つも残さず天久の攻撃を受けきりつつ、更に俺を守っている。

 

そこまで考えれば、優劣何て考えなくても分かるだろう。

 

 

『・・・ねえ』

 

傍観していると、突然陽炎が口を開いた。

忌々し気な声音に、俺は眉を顰める。

 

『今・・・あんたの体は、あんたの能力によって無理やり生かされてる(、、、、、、、、、、)状態なんだ』

「無理やり?」

『うん。多分さっき稼働を使ってたから・・・お腹の傷も、そろそろ塞がると思う』

 

言われ、俺は慌てて左わき腹を見る。

まだ痛みを感じる箇所。だが、そこにはもう傷の面影は無かった。

 

『いつもそうなるわけじゃない。でも、稼働をさっきまで使ってたから・・・今回だけはそれに感謝。だけど、それだけで状況は良くならない』

 

「フルバーストで行く」

 

『無理。絶対に足りない』

 

新たに得た力。それを陽炎は、ばっさりと切り捨てた。

 

『良い?真、あんたの強さはあんた一人で得た物じゃない。・・・その力は、真一人で得た物だ。悪いけど、だから脆い。直ぐに崩れる。羅刹。バースト。イクスバースト。オーバーレイ。全部、真と誰かが作り上げたものだ。何も全てに通用しないっていう訳じゃない。でも、大きい壁を乗り越えるには、誰しも一人じゃ無理なんだ』

 

『有明は鍵を出しただけ。乗り越えたのはあんた一人。・・・今まで、誰かを助ける為に誰かの力を借りなかったことは合った?無かったでしょう?』

 

今までの記憶。その中で、全ては俺一人じゃ無かった。

弱いとは言わない。でも、一人の力じゃ足りない。

陽炎はそう言っている。ならば、どうすれば良いのか。

 

皆の力を借りようにも、皆はもう動けない。

 

目の前で奮闘している紫でさえ、いつかは限界が来るだろう。

暴走状態の天久。悪夢の力が限界を超えている最中で、どうすれば良いのか―――

 

諦めるな。

 

途切れかけた思考の中で。

俺は、今までの記憶を掘り起こす。

 

諦めるな。

 

閉ざされた道の手前、俺は良く止まってしまっていた。

それじゃあダメなんだ。

 

「・・・頼む」

 

気づけば、自然と口が開いていた。

傷が塞がった左脇腹から手を離し、俺は戦闘の轟音に掻き消されない様に必死に叫ぶ。

 

「頼む!!・・・皆・・・力を、貸してくれっ!!」

 

一人じゃ何も出来ない。

そんな事は、自分自身が一番よく分かっている。

だからこそ、俺はみんなと一緒にここまで来れた。

 

たった一度でいい。

 

今、この絶望的な状況で。

 

 

全てを、打開できる力を。

 

 

 

カッ!!

 

突然、俺の心臓から青緑の光が溢れ出した。

光の渦となったそれは、幾筋もの奔流に分岐し皆の体を包み込む。

 

次の瞬間、俺の体に優しく暖かい何かが入って来た。

凄まじい力と共に。

 

魔力、妖力、霊力、呪力。

 

様々な色の光が俺から溢れ出す。

沸き上がる力。それらは全て、どこか懐かしく、それでいて親しく感じる。

 

『・・・真・・・あんたは・・・!』

 

陽炎が驚きの声を絞り出す。

青緑の光が、落ち着いていく。それと同時に、神々しい純白の光が心臓から放射状に放たれた。

暗い暗雲が立ち込める空を切り裂くその光は、静かに、熱い力を沸々と煮えたぎらせる。

 

すっと、俺は目を開く。

 

激戦を見据えつつ、俺は右手を開き天高く掲げる。

 

紫がそろそろ押し負けそうな頃合い。

でも、彼女が居なければ俺はここまで辿り着けなかった。

 

「――――――行くよ、皆」

 

呟き、微笑む。

ああ。暖かい。

俺は、誰かを守るために。

 

 

皆との絆を護る為に、戦う。

 

 

紫が強く吹き飛ばされる。でもそこに浮かんでいるのは絶望なんかじゃない、希望の笑み。

口角を少し吊り上げ、紫は空中で態勢を立て直した。

 

叫ぶ天久。醜く巨大化した黒き片翼を鋭く、気流を渦巻かせながら俺へと伸ばす。

 

 

その中。

 

 

確固たる口調で、俺は天へと向けていた右手を片翼へと向け、叫んだ。

 

 

 

 

 

「オール・・・バーストッ!!!」

 

 




真「はい、ドキラギだー」
ラ「ちょっと待って唐突過ぎる」
真「うっせえ今日も低画力晒していってね!さっさと書けオラ!」

~リアルで40分くらい~

真「はい終了晒せ」
ラ「あ、ちょ、ま」


【挿絵表示】


真「・・・暁?」
ラ「い、一応」






真「下手糞だな」
ラ「じゃあ書かせんなよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

真「もっと精進したまえよ」
ラ「うぐふあ・・・」

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