東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「明日早いから中途半端な終わり方ですすみません!」
真「てめえがリゼロ読んでるからだろうがああああ!!」
ラ「レム良いよね。うん。明日六時・・・起きか。だからね!?」
真「リゼロ読んでねーでさっさと寝ろ」
ラ「・・・では、どうぞ!」



第六章第六話「考える事も。全てを…」

卵焼きが完成し、鮭も焼き始め、次はお味噌汁となった。

 

「赤味噌、白味噌、脳味噌、合わせ味噌・・・どれにしましょうか」

「何か可笑しくないですか!?」

「冗談よ。赤味噌の、具材はなめこで良いわね」

 

ぽぽいと、レミリア様は材料を大なべに投げ入れる。

最後に水を入れ、蓋を閉じ、レミリア様は俺を引き連れて井戸まで行った。

 

「・・・そういえば、何で急にご飯を創ろうと思ったんですか?」

「単純に興味があったのと・・・少し、咲夜達を休ませてあげたくてね」

 

井戸に桶を投げ入れ、滑車も使わず満タンの水を引き上げる。

軽々と持ち上げているが、はっきり言って常人は滑車を使わなければ引き上げられない。

俺は次々に渡される桶を頑張って棒に括り付けながら、レミリア様の話を聞く。

 

「何というか、主って言うよりも・・・仲間で居たいのよね。勿論上下関係は必要だと思う。でも、それ以上に必要な物は沢山ある。だから私は、この小さい幼児みたいな体は寧ろありがたいわ。怖いイメージとかを、初見で与えずに済むもの」

 

ご飯を炊くための水を確保したレミリア様は、白玉楼にも登り始めた太陽を見つめる。

 

「太陽みたいに遠い存在じゃ無くて・・・そうね、空の様に手が届く、それでいて皆を包み込んで大きくありたい。強く無くても良いのだけれど、まあどっかの執事さんが無茶する所為で最近は実力があって良かったと思い始めたわね」

 

パチュリーの魔法で弱点を全て消されたレミリア様は、恐らく幻想郷でも屈指の強さを持つだろう。

そして、優しさも。

誰かのためにここまで身を粉にし、疎かにしない。

 

だからこそ、皆はこの人に付いていくのだろう。

 

幽々子様や紫とは違うベクトルのオーラ。

俺はこれくらい強くありたいと、密かに思いを溜めた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

この幻想郷に、電気は無ければ炊飯器も無い。

なので、お米を炊くときは土鍋で炊くのだが。

 

「ねえ真・・・どれくらい待てばいいの・・・!?」

「えっとですね。確か30分で炊けて、10分くらい蒸すらしいです」

「長い!長すぎる!」

「いやまあ・・・殆どの料理は後焼いたりするだけですもんね」

 

台所の中、ふつふつと煮えている土鍋を前にレミリア様は顔をしかめる。

さて、ご飯が炊き終わればもう10分くらいでご飯の準備は整う。

 

「じゃあレミリア様、ちょっと皆を起こして着ます」

「分かったわ。えっと、その・・・話し相手になってくれそうな人を連れて来てくれる?」

「おっけーです。では」

 

 

 

女子部屋の場所は、お風呂とトイレに近くも無く遠くも無い場所にある。

昨日何故か咲夜さんと隔にしつこいほど教えられたので、場所は覚えてしまった。

白玉楼の廊下を一人でとぼとぼと歩きながら、赤く燃え上がり登っていく太陽を見つめる。

沈むときと登る時。

太陽の動きは、その時だけやけに速く感じる。

 

―――――――俺は、本当に皆を護れるくらいの力が付いているのか?

フルバーストは、本当に通用するのか?

新たに得た力。しかしそれはまだ一回しか使えておらず、しかも直ぐにその時間は終わってしまった。

 

どうやったら幻夢の様に強くなれるのだろうか。

幻夢の力はあるのに、どうして俺は上手く使いこなせない?

 

自問自答、答える者は誰も居ない。

 

俺は辿り着いた女子部屋の障子を開け、そして大きく宣言した。

 

「朝ですよー!起きてー!」

 

だがしかし、次の瞬間に俺は部屋の外へと連れ出されていた。

瞬間移動の様な早業。何があったか理解する前に、目の前で微笑む女性に声を掛けられる。

 

「真・・・私は良いのだけれど、他の人がまだ・・・着替えてるからね?」

「えっ」

 

さりげなくとんでもない事を言って居る様な咲夜さんは、白い方を剥き出しにしている白いワンピースを着たまま、目の前で苦笑していた。

着替え中。

 

そうか。そうだ。

 

朝六時ぴったりに起床する隔が、居るじゃないか――――!!

 

「咲夜さん。すみません。俺は後数分の命みたいです」

「えっと・・・別に皆真に怒って無かったわよ?私が直ぐに真を外に出したし、着替えてたの隔ちゃんだけだから」

「オワタ」

 

 

覗かれた事に関しては、ね(、、、、、、、、、、、、)

 

咲夜さんは瞬時に黒い、それはそれは冷たい笑みを浮かべる。

眼が笑って居ない。この状態の咲夜さんに、俺は逆らえない。

 

 

 

 

「ねえ真。・・・妖夢知らないかしら?」

 

 

刹那。

俺は、考える事を。そして、全てを諦めた。

 


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