東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結 作:ラギアz
隔「おお、感想は?」
ラ「えっとですね。まず値段は300円。少し高めですね。ロー○ンです。しかし何といっても袋が可愛いですね!そして、内容量も多めです。300円でも良いかな、と思いました。味はチーズ味。ラギアは塩、キャラメルよりも好きでしたね。美味しいです。後ごちうさファンにたまらないのは・・・」
隔「長くなりそうなのでカットしました。多分、明日位にラギアの活動報告覗けば続きがあります・・・みる人居ないと思いますが。今回は真と幻夢!では、どうぞ!」
「幻夢ー!」
「おお、来たね」
ベッドに倒れ込んですぐ、俺は幻夢と白い世界で対面していた。
自身の中に居る魂の居場所。白い世界。
笑顔で手を振る幻夢に駆け寄り、俺は口を開いた。
「えっと、少しでも良いから強くなりたくて・・・何か、技教えて下さい」
「良いよー。そろそろ、私も教えなきゃダメだなと思っていたころだし」
胡坐を掻いた状態から立ち上がり、幻夢は欠伸を噛み殺す。
そして、右の掌を握ったり、開いたりし。
「来い、
呟くと同時に、その掌に2m程の柄を携え、60cm程の刃を持つ薙刀が現れた。
柄は白く、刃は黒と白で形成されたそれは幻夢の霊力の色。
俺と同じで、そして完全上位互換である”全てを護る”白き霊力。
逆の、”全てを破壊する”霊力。
凄まじい力を秘めた薙刀を幻夢は人差し指の先で回しつつ、俺へと尋ねる。
「えっと・・・二刀流がしたいんだっけ?」
「うん。霊力で強さと速さは補えるから、手数と・・・後は、戦闘方法のバリエーションも増やしたい」
「おっけおっけ。えとね、魂の世界では呪力の効果は無いから、バーストも羅刹も使えるよ」
「分かった」
「じゃあ、早速やろうか!」
にっと笑った幻夢は体に霊力を流しつつ、大きく後ろへ飛び退る。
薙刀を地面に叩きつけた瞬間、カアン…と大きな音が白き世界に響き渡った。
「バースト」
出力、10%。
最大出力を出した俺は、両手に意識を向けつつ、強く幻夢を見据える。
「霊刀[羅刹]!!」
俺自身の、皆を護ると言う意思。
それは絶対に折れない。無くなったりはしない。
真っすぐに続く光の道を、具現化したような輝きを放つ直刀を、俺は両手に構えた。
「さ、おいで」
軽く手招きする幻夢に向かって、俺は全力で地面を蹴り飛ばす。
久々の加速感。
世界が飛んで行く感覚と共に、俺は右手の剣を横へ薙いだ。
「うーん、蹴りとか使ってみたら?」
しかし、軽々と薙刀でそれは受け止められる。
余裕――――いや、いつも通りの表情を崩さない幻夢。
多少の悔しさを噛みしめ、殺し、俺は其の場で踏ん張り連撃を始めた。
「お、おおっ!?」
「射程距離拡張!」
右。左。上。
縦横無尽に、ガードが甘くなった所へ斬撃を叩き込む。
少しばかり焦ったような表情を浮かべた幻夢は、次の瞬間ニヤッと笑い。
「噛みつけ、赤蛇」
小さく宣言した。
刹那。
俺の刀が、まるで撃ちこんだのと同じ様な威力で弾き飛ばされた。
速すぎた影響。
二刀が、どちらとも高く上へと腕ごと弾きあげられ。
剥き出しになっている腹部へ向けて、幻夢の薙刀が急に変形し襲い掛かって来た!!
刃が紅くなり、蛇の牙の様にそれは俺を切り裂こうとする。
刀では間に合わない。
なら。
膝に力を溜め、おれはバネ人形のように大きく飛び跳ねた。
幻夢の赤い霊力。それは守らないし壊さない、二つの意思の真ん中。
関わらない――――”拒絶”の霊力だ。
全てを跳ね返し、受け付けない。
最強の霊力の性質を利用する。
刃の腹へと、俺は全力の蹴りを放った。
しかし刃は折れない。
寧ろ、そのまま俺を上へと弾き飛ばす。
「おお・・・避けた避けた」
幻夢の感心したような声を耳に入れつつ、俺は上空へと身を躍らせる。
自由落下に乗じて、俺は二刀を揃え思いっきり上体を逸らす。
最大威力の一撃。
霊力を使って生成された刀はその身を一つにし、巨大な、重い大剣へと姿を変える。
「おっ・・・らああああああああああああああああああああああ!!!!」
砲声と共に、繰り出される神速の斬撃。
破壊と守護。二つがぐちゃぐちゃに混ざり合った刃は。
真っすぐに、赤蛇ノ薙刀へと吸い込まれた。
ガキイイン…と手に伝わる、決して軽くは無い振動。
怪訝そうな顔を浮かべる幻夢へ向けて、俺は反動を利用してもう一度、今度は救い上げる様にして切り上げた!!
だが。
「甘いよ」
その斬撃は、初代博麗の巫女には届かない。
薙刀を投げ捨て、それが淡く宙に溶けてなくなる。
無防備になった幻夢。
その瞳は黒き無限の宇宙を思わせる。
「滅壊ノ星撃+五月雨仕掛けの泡沫」
握った拳を、幻夢は無造作に振るった。
直立不動。
ただ右腕を振り下ろしただけの、それは。
バギャアンンッッッ!!!
無数に迫りくる絶大な霊力の塊。
無限の攻撃は、俺の両手剣を砕き、そして俺自身をも吹き飛ばした!!
ドゴンッ!と強く背中を打ち付け、俺は肺から酸素が全て放出されるのを感じる。
魂の世界でも、痛みはあるんだなあ、と呑気な感想を思い描いているうちに、幻夢がすぐ傍へと近づいてきた。
「いやー、最後のは凄かったね。吃驚したよ」
「幻夢の方が凄かった・・・」
笑いながら、上体を起こした俺の背中をバシバシと叩く幻夢。
最後の幻夢の技。
あれは一見、無数の霊力の塊を放つ技なのだが。
それらが全て、滅壊ノ星撃だったのは間違いない。
俺の、恐らく一番安全に威力が出せる技。
ブーストして強化した拳を打ち込むその技は、人によって姿かたち、威力や効果を変えるのだ。
「私の滅壊ノ星撃は真のと同じさ。使ったのは、五月雨仕掛けの泡沫。これはコピーだね。まるで雨粒の様に、結界を。攻撃を。霊力がある限り分身させる技さ。まあ消費霊力が多いから、使える回数は限られてくるけどね」
その割には全然疲れていない幻夢。
立ち上がった俺の頭に手を置き、わしゃわしゃと撫でる。
「じゃあ、蹴り技と五月雨と実戦・・・気が済むまでやろっか!」
「了解!」
幻夢の、師匠の言葉に俺は頷いた。
弾ける霊力。鳴り響く打突音。
暁が呼びに来るまで延々と、俺達はそれを続けた。