東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結 作:ラギアz
パ「・・・ピョンピョン?」
ラ「うん!午後一杯テニスの試合してたんだよ。ダブルスで、俺は前衛です」
パ「ふうん。何で前衛になったの?」
ラ「何かスマッシュとかボレーとかカッコいいよな!よし、前衛だ!」
パ「・・・という安直な考えから、ね。」
ラ「うん。で、スマッシュって言うのは普通地面に足を付けて思いっきりボールを叩きつける技なんだけど、」
パ「技なんだけど?」
ラ「今日沢山スマッシュ打って、一発もミスらなかったけど、」
パ「けど?」
ラ「一回も地面に足を付けてスマッシュ打ってないです!」
パ「ば、馬鹿の世界チャンピオン・・・!?」
ラ「パチュリー、褒めても何も出ないぜ?」
パ「褒めてないのだけれど。というか、出番頂戴」
ラ「・・・暁のターンをしててね。隔と暁と妖夢にメインヒロイン絞られたよ」
パ「進展合って良かったじゃない。では、どうぞ」
パ・・・パチュリー
「・・・」
目が覚めると同時に、俺はぼんやりと目を開く。
蹴られた部分はもう痛くないが、小石のある場所で寝ていた為背中のあちこちが痛い。
上体をむくりと起こし、眼鏡を一度外し寝ぼけた目を擦る。
そして眼鏡をかけ直し、改めて俺は辺りを見回した。
「・・・っ!!脱がされる・・・っ!」
「脱がさないから!」
すると、もう赤くなり始めた夕日をその身に受けながら体育座りをしている暁と目が合う。
びくっと体を震わせた暁に鋭く言い返し、眼を見開く暁に向かって・・・向かって・・・?
「ねえ、なんで暁スク水なの?」
「ッッ!!??」
素朴な疑問。
体育座りのまま俺の方へと向いている暁は、さっきまでのビキニでは無く中学校や高校の水泳で使われるような紺のスクール水着であった。
膝で隠してある胸の部分にはちらちらと平仮名で『あかつき』と書いてあり、俺に指摘され頬を紅く染めた暁はくっつけた膝頭に顔を押し付け、もじもじと呟く。
「・・・霖之助さんが、何か荷物の中から取り出して・・・サイズぴったりで・・・これしか着るもの無くて、これ着てる・・・」
霖之助さん、一体何者なのか。
というか警察に突き出したら捕まりそう・・・。
白く綺麗な長い脚はかなり際どい所で生地と隔たれており、剥き出しになった肩は滑らかに。
胡坐を掻く俺に、上目遣いのまま暁はぽつりと口を開く。
「・・・変、かな?」
「全然変じゃないです」
俺自身、自分の頬が熱くなるのを感じ、そっと暁から目を逸らす。
このままここに居たら恥ずか死ぬ。
俺は静かに立ち上がり、そのまま川へと歩いていった。
何故か、暁が、寂しそうに俯いていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あ、真君。暁ちゃんの胸はどうだった?スク水はどうだった?いやあ、名前を平仮名で書いてあるのがポイントなんだよね!スリーサイズは服の上からでも見てミリ単位まで分かるから、スク水のサイズもぴったりだったろ!?」
「霖之助さんは少し自重した方が良いと思う。胸は教えない、スク水は可愛かった。」
「・・・教えない!?まて真君!君は見たのkっ!」
川に足を付け、ひんやりとした感触を楽しんでいると横で霖之助さんがスイカを冷やし始めていた。
そのまま変態になっていく霖之助さんの質問に小声で答えた瞬間、発狂しかけた霖之助さんへと何かが振り下ろされ、霖之助さんは川面へ顔面から突っ込む。
「・・・ふう、変態は倒せたわね」
「れ、霊夢・・・」
紅白のビキニを着た霊夢は霖之助さんの頭を蹴り飛ばし(割と本気で蹴ってた)ため息を一回付き、俺に向かって口を開いた。
「もうそろそろ肝試しするんですって。真も来なさい?」
「ああ、行く行く。ありがと」
「良いのよ、それより右腕・・・大丈夫?」
「うん、華仙が退魔の鎖っての付けてくれたから」
首を傾げる霊夢に向かって、俺は自身の右腕を少しだけ上げて見せる。
ふうん、と呟き、霊夢は何ともなさそうに
「で?暁の胸を見た感想は?」
「何でそればっかり聞いてくるの!?」
「冗談冗談。さ、行きましょ」
ぼそりと俺を揶揄い、幻夢に良く似た笑みを浮かべつつ皆の方へと歩いていった。
俺もそれを追いかけつつ、空を見上げる。
茜色に染まり始めた夕空は、遠くの山すそに紫色の雲を浮かべ、藍色の空を広げ。
楽しかった一日も、そろそろ終わりを迎えようとしていた―――――
霖之助「ぼ、僕、は・・・?」ガクッ