東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「・・・このすば五巻・・・本で読みたい・・・」
真「電子書籍な・・・」
ラ「まあいいです。ぐすん。そういえばバレー勝ちましたね!」
真「若干ラギアのキャラが崩壊してる!?」
ラ「何がですか?何も可笑しくないです」
真「・・・あれ?ショック受けてない?何か猫背が更に酷くなってるんだけど」
ラ「・・・・・・・」
真「・・・・・・・」
ラ「あああああああああああああああ!!ゆんゆんの作品書いてやらああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

真「いつも通りでしたね分かりました!ではどうぞ!」


第四章第六話「人里編・1」

「真さん真さん、右手の鎖はダサいので包帯で隠しましょう」

「いやこれ仕方なくだからね!?好きで付けてないからね!?」

 

華仙に連れて帰って貰った翌日。

朝10時頃、俺と妖夢は和室でばったんばったんしていた。

 

「あれです、咲夜さんも私服で来ると思いますので真さんも和服じゃない奴で行きましょう」

「え、えーっと・・・パーカーとジーンズで」

「少しは他の服を持ってないんですか!?」

「興味ないんだよファッションには!」

 

部屋の中で俺達は駆け巡り、激しい論争をする。

取り敢えず右手に包帯を巻き、Tシャツの上にパーカーを羽織った俺はジーンズを履いた。

 

「・・・それが外の世界の服ですか。面白いですね」

「幻想郷来た時に来てた服だから少しボロボロだけどな」

 

眼鏡のレンズを拭き、髪を整える。

一応桜ノ蕾を腰に帯刀し、俺は靴を履いた。

 

「じゃあ、行ってくる」

「朝帰りになったら殺します。」

「なんないから!後さらっと怖い事言うの止めて!?」

 

にっこりと、人形のように生気の無い笑顔で妖夢は見送ってくれた。

冥界から現世への出入り口まで、長い長い階段を降りる最中に俺は財布の確認をし、ひとまず胸をなでおろす。

 

レミリア様の所で働いてた頃、俺は給料を要らないと言っていたのだがレミリア様が強引に渡して来ていた。

そして、俺はまず金を使わない。

そして、給料はものっそい高い。

 

・・・つまり、今の俺には大分お金があるのだ。

 

咲夜さんとのデーtゲフンゲフン、お出かけにも余裕だろう。

 

黒い渦に身を放り、襲い掛かる浮遊感に耐えつつ俺は地面へと跳んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「隔さん、真さんが行きました」

「そうだね。・・・よし、暁も行こう?」

「え?え?・・・追っかけ?」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ふぐっ・・・霊力1パーセントしか使えないのに・・・飛び降りたら・・・痛いに決まってるだろうが俺・・・」

 

少し涙目になりつつ、俺は林道をとぼとぼと歩いていた。

白玉楼を出たのが10時くらい。待ち合わせは十一時くらい。

まだまだだな、と思いつつ俺は空を仰いだ。

 

もうすっかり春の風景は無くなり、早くも幻想郷には夏を感じさせる風景が広がる。

大きな、綿のような雲が大空を泳ぎ、木々や葉が生い茂る。

 

長袖のパーカーでは少し暑いくらいだ。

 

俺はパーカーの裾を捲りつつ、再び歩き始めた。

 

 

 

 

「・・・暑いですね」

「暑いね」

「・・・纏・氷」

「ひゃっ、冷たいっ」

「おお。暁そんな事出来るんだ・・・!」

「う、うん・・・」

 

 

 

☆★☆

 

 

人里の、とある和菓子屋の前。

そこが今日、私と真の待ち合わせ場所だった。

今日は暑いと言う事で、普段開けないクローゼットの奥から引っ張り出して来たワンピースを私は着ている。

お嬢様によると、

 

『真はチョロイから直ぐに落とせる』

 

とか言っていた。

 

美鈴は、

 

『大丈夫です!咲夜さんなら例え小さくても落とゴフッ!!』

 

とか・・・ね・・・ふふふ・・・

 

黒い笑みを浮かべ、静かにそこに佇んでいると。

 

「咲夜さん!すみません待ちましたか!?」

 

ようやく、待ち望んでいた彼が来てくれた。

待った、と言いつつも今はまだ11時前。

・・・私は十時くらいからここに居たのだけれど・・・。

 

「ううん、今来たところ。全然待ってないわよ?」

 

何か、パチュリー様の持ってる本でこういうやりとりを見た気がする。

うん。何か緊張するわね。

 

「じゃ、じゃあ行きましょうか。最初は何処に行きますか?」

「うーん・・・まだお昼には早いし・・・真が良ければ、雑貨とか・・・」

「俺は全然いいです!」

 

私がぼそっと呟くと、笑顔で真は返してくれた。

そして、そのまま先導しようとするが、

 

「・・・えっと、真」

「はい?」

 

私は真の服の裾を指の先で掴み、引き留める。

これは流石に図々しいだろうか?いやでも、その・・・。

 

少しの葛藤の後、私は自分の頬が紅くなるのを感じつつ、真から目を逸らして呟いた。

 

 

 

「・・・敬語、無しで、話して?」

 

「ふぁっ!?」

 

「その、えっと・・・少しだけ、寂しい」

 

「ああ・・・えっと、ごめん。これで良い?」

 

「・・・うん」

 

 

本当に申し訳なさそうに尋ねて来る真の顔を直視できず、私は顔を背けたまま小さく頷いた。

異性と歩くのって、こんなに照れるものなのかしら。

 

私は真の服を摘まんだまま、真に付いていった。

 

 

 

「甘々ですね・・・ちょっと斬って来ましょうか」

「咲夜さん可愛すぎない?あれ反則だよね?」

「・・・」

 

 

 

☆★☆

 

 

雑貨屋を見終わり、移動の時間も考え、私達はお昼を食べる事にした。

しかし、その先で・・・。

 

 

 

「ごめんねえ、今火が使えなくて・・・定食メニューが出せないのよ」

 

お店のおばさんに告げられ、私と真は顔を見合わせる。

今更他のお店に行くのも気まずい。

どうするべきか、頭の中で考え始めると、

 

「あ、俺が火出しますよ」

 

突然、真が手を上げた。

あれ?真は霊力を使うだけで、火なんて使えたっけ?

 

私が首を傾げていると、ドンドン話は進んでいく。

 

「おお!それはありがたいねえ。」

「いえいえ、・・・えっと、どなたか霊力を使える方は居ませんかー?」

 

あれ?真って霊力使えるわよね?

疑問が募っていく。今度、詳しく教えて貰おう。

 

 

真が呼びかけるも、流石に人里には霊力を使える人はそうそういないだろう。

私は魔力しか使えないから、真の手助けには・・・

 

 

そう、私が思った瞬間だった。

 

 

突然、周囲の人混みが二つに割れ、その真ん中から。

 

 

 

「―――――真打ち登場、です」

 

 

 

黒い甲冑を纏い、二刀の刀を腰に付けた何かが現れた。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「頑張って妖夢!」

「・・・が、頑張れー」

「所で暁。何で甲冑なの?」

「香霖堂にあったから・・・」

「へ、へえ・・・」




次回に続きます。
が、次回はとあるキャラが出て物語が動きます。

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