東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「ふう、これでこの章はコメディ路線に走れる」
真「珍しいな。お前がコメディに挑戦するなんて」
ラ「このすばからネタをパkゲフンゲフン!!ネタが思いついたから」
真「おいダメじゃねえか」
ラ「何とかなるさ!」
真「馬鹿野郎!!」
ラ「あ、後今回は少しネットを活用して最後を書きました。ふふふ・・・」
真「気持ち悪い。では、どうぞ!」


最後に真の見た目を乗せました!
美術の成績良い人なら分かるかも・・・!?


第四章第五話「1%の望み」

華仙に連れられ、空を飛んでやって来たのは妖怪の山の頂上付近、大きな屋敷だった。

質素でも無く、豪華でも無い。

丁度良いくらいの華仙の家に俺は招かれ、そして今はとある一室に居た。

 

 

「事情を聴いた上で、何もしないと言う訳には行きません。しかし、私では貴方に掛けられた呪いを解くことが出来ない。」

 

広く、赤い絨緞に白いシャンデリアが光る一室。

入り口の正面にある窓からは雄大な幻想郷が望め、華仙はその窓へと歩み寄る。

 

「ならば、何を出来るか。それは貴方を、最低ラインまでですが戦えるようにすることです。」

 

そして、包帯を纏った右手をその窓へと突き刺す。

 

グニュウ、と次元が歪むような感じに窓が波打ち、それと同時に華仙は右手を強く引き抜く。

その後、左手で窓を一回叩いた華仙は、俺に向かって右手を差し出した。

 

少し駆け寄り、覗いた右手に掴まれているのは―――――銀色の、鎖。

 

「これは”封魔の鎖”。文字通り魔を封じ込める鎖です。まあ、私が改造しましたが。」

 

華仙はそう言うと俺の右手を取り、鎖をクロスに成る様に巻き付ける。

そして、ブツブツと何かを唱えた瞬間。

 

バヂィッ!!

 

白い閃光と、焦げ臭い匂いを突然発し鎖が消えた。

 

否。

 

俺の右手に、吸い込まれた。

 

「あ・・・なっあああああああ!!??」

 

右腕に刻まれたクロスの鎖は、肌に黒くその紋様を残している。

 

「安心しなさい。それは封魔の鎖を貴方に定着させただけ。特に害はありません。」

「あ、安心しろと言われても・・・」

 

実を言うと、俺は右腕の神経と骨がぐちゃぐちゃに成った事がある。

だからなのか、今の右腕にもそんなに違和感はない。

 

 

「・・・効果は貴方の刻印の効果を無くします。付けている間だけですが。そして、貴方の一番の問題は生身でも無茶をする事」

 

華仙が桃色の瞳で俺を鋭く見据えながら言葉を紡いでいく。

淡々と告げられていく真実に、俺は思わず右手をさする。

 

「その鎖を付けている間だけ、貴方は霊力を1パーセントのみ使える様に成ります。」

「おお・・・ありがとうございます!」

「喜ぶには早すぎます。鎖が壊れたらダメです。壊れた状態で霊力を使えば勿論記憶が吹き飛びますから、鎖が壊れたら必ず私の元へ来る事。1パーセント以上使った瞬間か、強い衝撃を受けた瞬間に壊れます。壊れた鎖は具現化しますから、もし妖怪に壊されたとしたら封魔の鎖の破片を投げなさい。少しの間は効力が残りますので、逃げる時間は稼げると思います」

 

「・・・かなり条件が多いですね。戦いは勿論避けないとですね」

 

真剣に話を聞き、俺は感想を漏らした。

それに頷いた華仙は俺の額に人差し指を当て、再び口を開く。

 

「真は普通の人間です。本来、命がけの戦いなんてしません。少し休んでも良いんじゃないですか?最近暑いですから、お友達と川遊びとか、まったり過ごして良いと思いますよ?」

 

最後に付け加え、華仙はにっこりと笑みを浮かべた。

 

そういえば、幻想郷に来てから俺は一度もそう言う事をしていなかった気がする。

 

悪夢は最近見ないし、闇鬼を倒したから特に大きな事件も起きないだろう。

 

 

魅力的な提案に、俺は夏休み間近の子供の様に脳内で直ぐに計画を立て始める。

 

しかし、俺はそれよりも先に華仙に頼まなければならない事があった。

 

 

「あの、華仙」

「なんですか?」

 

 

「白玉楼まで連れてってください」

 

 

「・・・飛べないんですね」

「はい」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

青く青く広がる空。

太陽は森の中に木漏れ日を作り、葉は光を受けとめ成長していく。

 

「・・・今が狙い目?」

 

その中に。

 

場違いな少年が、一人いた。

 

白い髪に、夕日の様に茜色の眼。

雷のように、深みのある暗めの黄色の日本刀を腰に携えた少年は、空を見上げ呟いていた。

 

「霊力が使えないんだ。へえ。」

 

徐に、少年は刀を抜き放つ。

降り注ぐ雷帝を思わせる、黄色の刃。その刃の先端―――――斬れる所だけが、漆黒に染まっていた。

 

「でもさ、つまんなくない?」

 

少年は刀を、手首のスナップだけで横薙ぎに払った。

 

刹那。

 

 

 

少年を中心に、半径150m程の木々が瞬く間に消滅する。

 

無音。静寂。

 

そして、斬られたはずの木は、消滅していた。

 

まるで焼かれたかのような、強い電気を受けたかのように黒い灰だけが降り注ぐ。

静電気がバヂバヂ…と音を立てる中。

その少年は、刀を収め呟いた。

 

 

 

 

「|天音真を殺すだけなんて簡単な事、あいつが霊力を20%使えたとしても簡単なのにさ《、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、》」

 

 

 

漆黒の軌跡を宙に描きながら、見えない何かと会話しながら、少年は歩き始めた。

 

 

天音真は、まだ知らない。

 

 

己の事を。

 

 

そして。

 

 

これから始まる、悪夢(あくむ)も――――――――

 

 

彼は、知らない。




天音真

黒い和服

黒い髪

蒼い眼

日本刀の鞘は黒・所々に桜の蕾が描かれている。(黄緑色)
刃は銀色。

桜の蕾。・・・”蕾”は、まだ”開花”してないですねっ♪

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