東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

40 / 224
ラ「黒より黒く闇より暗き漆黒に…」
真「え、いやお前何やってんの」
ラ「爆裂魔法の詠唱。」
真「・・・はあ、成功するわけないのにな、馬鹿な奴だな」
ラ「ははは、成功するわけないじゃん」
真「破壊対象は?」
ラ「学校」
真「馬鹿!!」
ラ「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう。覚醒のとき来たれり。無謬の境界に落ちし理。無行の歪みとなりて現出せよ!踊れ踊れ踊れ、我が力の奔流に望むは崩壊なり。並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰塵に帰し、深淵より来たれ! ぶっ壊れろ学校!! …エクスプロージョンッ!!!」
真「おお、長い詠唱d


チュドオオオオオオオオオンン!!!!




ラ・真「・・・え?」


続く・・・かも


第四章第三話「刻印の真実」

博麗神社の中。

和室の真ん中で、俺の右手は霊夢によってちゃぶ台の真ん中に置かされていた。

 

「・・・刻印が無い・・・?可笑しいわね、さっきまではあったのに・・・」

 

ぼそぼそと呟きつつ、霊夢は俺の腕をさすったりつねったりする。

まるで何が起きたか分かって居ない俺は、困惑しつつもそのままぼーっとし始めた。

 

 

「まさか・・・真、昨日の晩御飯は?」

「えっと、肉じゃが」

「誰が創ったのよ」

「妖夢」

「美味しいわよね、妖夢の作る料理。私も食べたかった・・・じゃなくて!」

「おおう!?」

 

突如訝しむ様に聞いてきた霊夢に答え、バン! と叩かれたちゃぶ台が揺れた所で霊夢は俺を見据えた。

 

「ちょっと、霊力を使ってみて。意識を保って、危なくなったらすぐに言いなさい」

「?分かった」

 

霊夢に言われた通り、俺は小さくバースト、と呟く。

すると、ぼんやりと俺の体が青白く輝き始め、

 

ブウン…

 

「っ!来た!」

「なんだ・・・これ・・・?」

 

何らかの軌道音と共に、俺の右手に黒い文字の様な刻印が浮かび上がる。

それはゆっくりと、だが確実に俺の霊力を増強し。

心から何かを取っていくような虚しさ、それが膨れ上がると比例する様に刻印が俺の体を蝕み始める。

 

「嘘でしょ?・・・これ。大妖怪レベルじゃない・・・もっと、格上・・・ッ!!」

 

呆然と眺めていると、俺の腕の刻印を指でなぞっていた霊夢が呻くように言葉を発した。

段々と上がって来た体温、速まる鼓動。

 

「霊夢、もういいか?」

「・・・ええ。」

 

一応霊夢に確認を取り、俺はバーストを解除した。

 

それと同時に、謎の虚しさも消える。

 

 

「・・・真。」

「ん?」

 

「昨日の晩御飯、何だった?」

 

「昨日?・・・昨日は、えっと・・・」

 

俺は首を傾げ、必死に昨日の晩御飯を思いだす。

 

 

ごめん、忘れた(、、、、、、、)

 

 

しかし、どうしても思い出せず、俺は素直に答える。

苦笑いを浮かべる俺に向けて、霊夢は押し殺すような声で小さく呟いた。

 

「・・・真、最近戦った強い奴は?」

 

「えっと、闇鬼って奴」

 

 

「あんたはッ・・・何で鬼の四天王と戦ってんのよおおおお!!??」

 

「成り行き?」

「倒したの?」

「倒した」

 

突然拳をちゃぶ台に打ち付け叫んだ霊夢は俺を鋭く睨み、続ける。

 

「で?何か右腕に喰らったりした?」

 

「・・・庇った時に、黒い珠は右腕で防いだよ?」

「それ!それが原因!!」

 

霊夢は突然立ち上がると、俺に人差し指をビシッ!!と突き付ける。

 

「何の話?原因って何?」

 

「だからッ・・・!」

 

わなわなと拳を握った霊夢は、端的に告げた。

 

 

「真は今!霊力を記憶と引き換えに強化される状態なのよ!!」

 

「・・・・つまり?」

 

 

受け入れたくない現実を否定ししたいがために、俺はしらばっくれた。

しかし霊夢は甘くない。きっちりと、全てを説明し始める。

 

「真の記憶を代償に、霊力を増幅させるの。そして代償になる記憶が大事であれば大事であるほど、霊力の増幅は大きくなっていく。記憶の大切さ=強い霊力。そしてそれは真の意思に関係なく発動する。今の真が霊力を使って守り続けたら、真は直ぐに記憶喪失と同じ状態になる!」

 

「・・・う、う、う、嘘だアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

『・・・う、う、う、嘘でしょおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

 

思わず叫んだ俺と陽炎。

 

 

澄んだ青空にその声は吸い込まれ、代わりに新たな客人が舞い込む。

暑い暑い初夏の日、まるで俺の周りだけが氷河期になったかのようだった。

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。