東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「はい、新章突入!」
真「今回の章は?」
ラ「日常パート多め!からの急展開!」
真「おっけい護れない奴だ!短めです、ではどうぞ!」



第四章「無意識の裏側で」
第四章第一話「無意識に」


「へえ、つまり真は私が攫われているのにも関わらず、まぁた別の女の子と仲良くなってたと?」

「いやその、別に仲良くなった訳j

「仲良くなってたと?」

「・・・はい」

 

とある病室。

夢月のお見舞いの後、隔のお見舞いに来た俺は何故か白い床に正座させられていた。

向かい、ベッドの上で上体だけを起こし上から隔が睨みつけて来る。

とても怖いです。はい。

 

「言う事は?」

「ごめんなさい」

 

俯いたまま、素直に俺は謝る。

別段幻想郷で強くない隔から放たれる殺気は、静かに微笑む咲夜さん並だった。

 

「別の女の人の事考えてた?」

「何で分かr・・・ゲフンゲフン。そんな事ある訳無いじゃないですか」

「ごめん妖夢、短い方の刀貸してくれる?」

「どうぞ」

「いや何するつもりなの!?後渡さないでよっ!!」

 

清々しい程の笑みで隔は妖夢に手を差し出し、妖夢は何の躊躇いも無くその手に白楼剣を乗せる。

後ずさりしつつ妖夢に突っ込みを入れ、俺は其の場でため息を付いた。

 

すると、病室のドアが急に開く。

俺達の眼が自然に集まると、そこには、

 

「・・・あら、妖夢に真。こんにちは。隔も・・・元気そうね。」

 

十六夜咲夜さんが、バスケットを片手に立って居た。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「ああ・・・分かるわ、それ。こっちは苦労してるのに真だけ女の子と仲良くなってるんだものね。」

「本当にそうですよ・・・少しはこっちの分まで苦労してほしいですね」

「無駄にボロボロになるしね?」

「心配するってんですよ、全く・・・」

 

「・・・」

「止めて妖夢っ!そんな目で俺を見ないでっ!肩に手を置かないでエエエエエエエエ!!!」

 

隔と咲夜さんがボソボソと会話しているのを見つつ、俺は悲痛の叫びをあげる。

とんでもないくらいに純粋な笑みを向けて来る妖夢から目線を逸らし、俺は顔を手で覆う。

 

「そういえば・・・」

 

そうやって逃げていた俺に。

 

咲夜さんが、本当に落としてはいけない爆弾を投下した。

 

 

 

 

「真、デートの件ってどうなったの?」

 

「よし妖夢、殺ろっか♪」

「はい、賛成です♪」

 

「誤解を招く言い方は止めて下さあああああいっ!!!!」

 

 

 

 

「え?人里に一緒に行くって約束したじゃない」

 

整い過ぎている笑顔で、咲夜さんが微笑む。

妖夢と隔、二人とも笑っている。

しかし、逆らう事を許さない笑み。もう恐怖しか抱けない二人に対して、俺はずりずりと距離を取り始めた。

 

「真さん」

 

「ナンデショウカ」

 

ぽつり、と。

妖夢が呟き。

 

 

 

「殴らせて下さい変態ッ!!」

「殴り始めてから言わないdグホアアッッ!!」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

がやがや がやがや

 

無意識の裏側で、音は聞こえないも同然だった。

 

低い視点からの、色の付いていない視界。

 

全ては、無意識に過ぎ去っていく。

 

「・・・どこ?」

 

少女は、ぽつりと、誰にも気づかれないままに呟いた。

 

人は、まるで少女に気づかない様にすぐ横を通り過ぎて行く。

 

決して、当たりはしない。

人々は、少女を避けて行く。

 

それは、無意識に。




無意識・・・

まあ、一人だけですねっ!

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