東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「全然進まねえ!」
真「アホ!てか最後いきなりシリアスってんじゃねえ!」
ラ「コメディと日常は書けないんだ!速く!速く第三章に行こう!」
真「読者様置いてけぼりにしてんじゃねえ!第三章ってなんだよ!」
ラ「第三章『はk

真「真面目に言うなああああああああ!!!」


プロローグ「出発」

「所で咲夜さん、何でこんな夜遅くに出発したんですか?」

 

まだ少し寒く、冬の名残を感じさせる夜更けに、俺と咲夜さんは紅魔館を出発した。

目指しているのは幻想郷一高い場所、妖怪の山。

その頂上には初代博麗の巫女が眠っており、俺は依然その初代の魂を自分の体の中に居れ、魂に付属している能力を使い戦っていたのだ。

能力は『莫大な霊力を操る程度の能力』。

霊力とは力の結晶であり、初代、博麗幻夢(はくれいげんむ)は人間がミジンコに見えてしまうほどの霊力(力の結晶)を持っていた。

100%中、俺が使えたのはたった8%のみ。

無理をすれば9%まで使えるが、大体は8%で戦っていた。

 

幻想郷には一年近く居たが、その中でも幻夢とはいつも一緒だった。

 

ある時は手助けしてくれ、ある時は厳しく叱り、優しく微笑んでくれた。

 

父と母が居ない俺にとっての、あたかも母さんの様な暖かい人。

 

会うのが楽しみであり、それ故に少しだけ歩く速度が速まっていた。

 

「何でって・・・真と合法的に同じ部屋で寝るため?」

 

「いや同じ部屋で寝ないですよ!?」

 

「何でよ。この時間なら空いてるのは一部屋くらいでしょうしー?」

 

「じゃあ俺が野宿しますから!」

 

「ダメ。そろそろ既成事実を作らなきゃね・・・。」

 

「何さらっと変な事呟いてんですかあ!?」

 

現実のこの時間、九時ごろにこんな会話を大声でしていれば近所迷惑だが、幸いここは人里以外に人はあまり居ない幻想郷。多少は大声を出しても平気だ。

 

「・・・どうする?妖怪の山まで一直線で行って、麓で休む?それとも次の所で泊まる?」

 

「いや、咲夜さんが決めて下さい。」

 

「そうねえ・・・今日は疲れてるでしょうし、もう泊まりましょうか。帰って来る時に・・・ね・・・?」

 

「いや何もしないですからね!?」

 

最後の方、何もしていないのに顔を赤くした咲夜さんに突っ込みを入れ、俺はため息を吐いた。

この人は本当に掴みどころがない。

完璧かと思えば天然だし、いつもニコニコしていると思えば戦闘ではナイフを駆使した絶大な戦闘力を発揮する。同じ幻想郷の住人でも、ここまで表情が読めないのは俺が知る限りレミリア様と幽々子さん、そして八雲紫だけだ。

まあこの三人にはどうあがいても勝ち目はない。大人しくしておくのが身の為だろう・・・。

 

そのままとぼとぼと歩き、俺達はやっと人里に入る事が出来た。

 

 

宿屋「すみません、空いている部屋が一つだけで・・・」

咲夜「じゃあ、その部屋を二人で使います。」

宿屋「・・・・かしこまりました、二名様ご案内しまーす!」

真 「・・・!?」

 

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二日目。

まだ太陽がオレンジ色に輝いている頃に、俺と咲夜さんは起きた。

太陽は今山の上に全身を表し、小鳥が次第に鳴き始める。

布団を手早く畳み、朝ご飯を直ぐに食べる。

 

今日は登山。

昨日の疲れはとれ、万全のまま俺は恩人との再会に望めそうだった。

 

 

 

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これは、天音真が幻想郷に来る二日前の物語。

 

 

「・・・お前、誰なんだぜ?」

 

一人の魔法使いは話しかけ。

 

 

「・・・博麗、悪夢(あむ)?」

 

一人の災厄は、答えた。

 

 

目の前にする圧倒的力を感じつつも、彼女は不敵な笑みを浮かべ悪夢と言う少女に近づいていく。

 

警戒しながら。でも。

 

 

・・・その少女の親友とよく似た紫と白の巫女服を纏っている、赤い瞳に吸い込まれるようにして。

 

 

始まるのは、血の記憶を明かしていく物語。

 

奏でられるのは、悲しき鎮魂歌(レクイエム)

 

第一章『Requiem for destiny』

 

これは、ほんの序章に過ぎない。


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