東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結 作:ラギアz
真「毎回毎回やめろつってんだろ!」
ラ「ふへへ・・・友達ナニソレクエンノ」
真「もう駄目だな」
隔「あの、私攫われてるんだけど」
優「私もまだ出て来て無いんですけど」
藍「作者が作者だけに仕方ないだろう」
隔「というか、最後に出て来る人が分かったら相当凄いよね」
藍「ラギアは登場人物が少ない分全ての人物に個性をつけたいらしい」
優「へえ。でもあいつ、悪役は悪役にする!!」
藍「がポイントと言っていたが・・・」
隔「何か、可笑しくない?」
藍「本当の悪役なのか、そうじゃないのか・・・」
優「はたまたどっちもか・・・?」
隔「難しいわね。では、どうぞ♪」
隔・・・メインヒロイン(笑)
優・・・優曇華さん
藍・・・八雲藍
『馬鹿だね』
「返す言葉もございません」
夢月の事、隔の事、そして力を貸してほしいと言う事を陽炎に話したところ、ずっと静かに聞いてくれていた陽炎の第一声がこれだった。
『多分あんたが本気出しても全力の夢月とやらには勝てんだろうよ。でもね、隔の事を忘れてない?確かに夢月には幻夢が必要だったよ?鬼の四天王とか言う化け物に一人では勝てないからさ。だからと言ってみ渡して良いの?もし私があんたに力を貸さないと言ったらどうするつもりだったの?男なら女の子一人ぐらい自分で救って見せろや!!それが出来なくても、もっと出来る事はあった筈だよ!』
「うん・・・」
香霖堂の中、俺は椅子に腰かけ頭の中で叫ぶ陽炎に小さく頷く。
ぐうの音も出ない。正論で叩き潰されつつも、俺は口を尖らせ反論する。
「でも、陽炎が力を貸してくれるって信じてたから・・・」
『今すぐに裏切ってやろうか』
「ごめんなさい」
ダメでした。
『・・・まあ、私は幸いあんたが嫌いじゃない。力は貸すよ。』
「やったあありがとう陽炎ちゃん!!」
『陽炎ちゃん言うな!・・・で、100%は貸せないかんね。私の能力、そしてバースト15%分の霊力が使えるのは2分。インターバルは1分。つまりあんたは二分戦ったら一分休まなきゃいけないって事。おけ?』
「おーけーおーけー」
ため息を付き、陽炎は条件を俺に言い渡す。
なんだかんだ言いつつも優しい陽炎は、最後に語気を強める。
『絶対に、隔を助ける為に力を使え』
「分かった」
俺はそれに即答し、膝の上に置いていた右拳を握りしめた。
休んいる暇は無い。
今すぐ、走らなければならない。
俺は座っていた椅子から立ち上がり、店内の掃除をしていた暁に声を掛ける。
「暁、ありがとうね!助かった!」
「ううん、良いの!・・・もう行っちゃうの?」
「ああ、ちょっと急がなきゃならなくて」
一旦掃除の手を止め、顔を上げた暁と会話しながら俺はドアに向かって小走りで進む。
久しぶりの暁との再会。まだまだ話していたいが、生憎そんな暇も無く。
ドアノブを掴み、捻った所で俺は暁に顔を向けた。
「じゃあ、またな」
「うん。頑張ってね!」
そしてそのまま、闇夜に俺は駆け出した。
明り何て一つも無い、真っ暗な世界。
ただ一つ、俺の行く道を示すように、月が青白く光っていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
子鬼は言って居た。
『今頃お前の人里は壊滅しているだろう』と。
だから私は全力で走って来た。
のに―――――
「なん・・・で・・・?」
月明かりに照らされ佇む人里。
そこは、全くの無傷だった。
(少し、お節介かな?)
暗い暗い森の中。
(でも、絶対夢月は間に合ってなかったから良いよね、うん)
深紅の瞳を持つ少女は、一人心の中で呟いた。