東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「gwだー!!」
真「小説もっと書け」
ラ「勿論」
真「・・・で?部活で失敗したから凹んでるんじゃねえよ殴るぞ」
ラ「流石に紙メンタルの俺にあれはきつかった。」
真「まあ無理やり書かせるから安心してくれ。では、どうぞ」


第三章第四話「始動」

「惜しい」

「べぐああっ!!」

 

しかし、渾身の一撃も妹紅は軽く受け流し、俺の顎に強烈な蹴りを喰らわせた。

体から力が抜け、そのまま地面に崩れ落ちる。

視界がグワングワン揺れる中、俺は喉から声を絞り出す。

 

「ま、負けました」

「ありがとうございました。んー、真っ向勝負は嫌いじゃないけど少しだけひねくれた技も使ってみようか。」

「はい・・・」

 

準備運動を済ませた程度の間隔で妹紅は話し、俺は地面に横たわったまま相槌を打つ。

上を見上げれば、妹紅が得意げな顔で言い放つところだった。

 

「よし、じゃあ私の言う事聞く、だけど。」

 

そして、彼女は俺に向かって手を差し伸べる。

 

「一日だけ、真の時間を私に頂戴。貴方に合う技を全て叩きこむから」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そこからは、中々に過酷な物だった。

まずは火のコントロールから始まり、次いで”火”を”炎”に昇格させる為に霊力の最大出力の底上げ(、、、、、、、、、、、)をこなす。

 

『火は最大の矛であり、最大の盾だ』

 

妹紅はそう言い、丸太に手を振り下ろした。

 

瞬間、手が当たった所から黒ずんだ灰になり、一回もつっかえる事無く手は丸太を通り抜ける。

 

『こんなふうに。鉄を切れる刀は少ないけど、霊力を纏わせ刀に火を付与できる真なら鉄をも切れる力を手に入れたも同義になる。後は襲い掛かって来たものを全て灰にしたりね』

 

 

 

 

――――そして、一日が過ぎた。

 

足早に駆け抜けて行った数十時間。

 

これで強くなれた。

 

隔も、前よりは守れるようになっている。

 

そう、思っていた。

 

でも―――――

 

 

 

 

妹紅と別れ、次の日。

俺はお見舞いに来てくれた咲夜さんにお礼を言いに、紅魔館まで足を運んだ。

そして、レミリア様の自室に着いたところで、突然、レミリア様が口を開いた。

 

 

「・・・真、体調はどう?」

「万全です。強いていうならば筋肉痛が酷いですが・・・。」

「・・・そう。」

 

暗い表情のままレミリア様は言葉を繋ぐが、やはり不自然な間が出来てしまった。

それに疑問を抱いていると、意を決したかのようにレミリア様は長く息を吐き、鋭い眼で俺を見据える。

 

「真。良く聞いて」

 

カーテンで陽光が遮られている窓を背に、彼女は一息に言い放つ。

 

 

 

 

「魂魄隔が攫われたわ」

 

 

 

一瞬、時が止まったかと錯覚した。

凍り付いた世界、動かない思考。

たった一言の言葉を噛み砕き、理解するのに俺は数秒を消費し、

 

「誰に」

 

小さく呟いた。

 

その時俺は、異常なまでの殺意を纏っていたのだろう。

レミリア様の顔が一瞬だが恐怖に見開かれ、紅の動向が小さく縮んだ。

 

「闇鬼よ。・・・鬼の四天王の一人」

 

しかしそこは当主、直ぐに自分を取り戻し質問に答える。

 

「何処に?」

「ここからずっと東の方角・・・月と太陽が昇る場所」

 

「分かりました」

 

必要な情報だけを頭に叩き入れ、俺はレミリア様に背を向ける。

 

「あっちょっと待ちなさい!」

 

後ろでレミリア様が何かを叫んでいたが。

 

 

俺はそれを無視して、部屋を飛び出した。

一番近い窓を開け放ち、迷いなくそこから飛び降りる。

 

「バースト」

 

出力、10%(、、、)

 

 

何も考えれない。

あるのは。

 

 

黒い黒い、真夜中の様な憎悪だけ

 


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