東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「すみません、短いです。」
真「流石に二話目でこれは・・・」
ラ「現実が無駄に忙しい。明日の話から少し物語が動き出します。」
真「お、そうか。今のところどこら辺まで話を考えてあるんだ?」
ラ「えっと・・・六章の途中まで。」
真「・・・え?マジで?」
ラ「マジで。真君、1パーセントで頑張ってね。」
真「お、おう・・・?」


プロローグ「目的」

あの後少しばかり咲夜さんと話し、今はもう日がすっかり落ちている。

藍色に染まる空に光る月。淡い光はうっすらと雲を照らしていた。

 

取り敢えず、と言う事で俺と咲夜さんはレミリア様に挨拶をしようと紅魔館の長い廊下をただひたすら歩いていた。

 

レミリア・スカーレット。

 

見た目は幼い女の子でありながらその戦闘力は凄まじく、吸血鬼という種族に恥じない魔力と身体能力を持ち合わせている。面白い物が好きで、変な事を思いつくと眼が不気味に輝く。怖い。

 

幻想郷に来て間もなく、頼れる人も居ない時にレミリア様は俺を拾い、雇ってくれた。

その為紅魔館中には行った事があり、もうここを出て数か月経った今でも大体の通路は覚えている。

 

俺を助けてくれた緑のチャイナ服を着た女性は紅美鈴。紅魔館の門番をしている人で、体術ではレミリア様に負けず劣らず。その分遠距離戦が苦手で、スペルカードも物理系が主だった。

無論どっちもそんなに得意じゃない俺はあっさり負け、良くダメなところを指導して貰って居たりした。

 

「ほら、着いたわよ。」

 

咲夜さんが一言呟き、目の前にそびえ立つ紅い扉をノックする。

直後に入って良いわよ、と声がかかり俺と咲夜さんはドアを開けた。

 

 

「久しぶりね、真。元気だったかしら?」

 

「お久しぶりです、レミリア様。・・・すみません、急に出ていくなんて言っちゃって。」

 

「良いのよ、運命は見えてたもの。貴方の私物、部屋は全部出て行った時のままよ。こっちに来たって事は何か用があるのでしょう?ゆっくりしていきなさいな。」

 

「はい、ありがとうございます!・・・仕事もします!」

 

「しなくてもいいのに・・・」

 

大きなソファに腰かけ、彼女は優雅に挨拶を交わして来た。

幻想郷から帰る直前、レミリア様には帰る事を伝えておいたのだ。

流石に住まわせて貰って居た処の主に礼を言わないのは失礼すぎる、と言う事で真っ先に帰る事を報告した。

 

ちなみに咲夜さんには言ってない。

気づいたら酔ってた。・・・殺気が背中に突き刺さるッ!!

 

 

「・・・あのさ、真?」

 

後ろに立つ咲夜さんからの強烈な殺気を耐えていると、不意に違う少女の声が聞こえた。

室内を見渡すと、そこには長い黒髪を背中に垂らしている―

 

「あ、隔」

 

「あ、じゃ無いわよ!!」

 

魂魄隔が居た。

咲夜さんの殺気が最早弱い妖怪なら倒せるレベルまでに鋭さを増し、ソファに座っているレミリア様が少し体を震わせる。嫌な汗が背筋を滝のように流れ落ち、膝が笑い始めた。

 

「ま、まあ後でゆっくり話なさい・・・ね!?落ち着いて咲夜!!紅魔館が崩れるわ!?ほら、笑顔笑顔!」

 

「・・・ふふっ♪」

 

「「・・・」」

 

確かに、咲夜さんが浮かべたのはれっきとした笑みだ。

影が差し、眼は笑っておらず、殺気が肌に突き刺さること以外は普通だ。ウン。

 

「…所で真、あんた何をするにもまず妖怪の山に行かなきゃじゃない。」

 

「え?・・・ああ、そうでしたね。」

 

「まあ、咲夜と一緒に行ってきなさい。何も起こらないでしょうしね。・・・どうする?今から行く?」

 

「はい、行かせて貰います。」

 

「あ、咲夜さんがそう言うなら・・・」

 

レミリア様が半ば強引に話題を変え、咲夜さんが何故か即答する。

 

 

そうだ。俺は幻想郷で会わなきゃいけないのは―――――

 

 

 

初代博麗の巫女、博麗幻夢だ。




隔「私、もしかして空気?」
咲「これがヒロインの中にもある格差、ね。」

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