東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結 作:ラギアz
真「今回の話何なの?」
ラ「んとね・・・隔の現在状況と、真君の現在状況」
真「俺の能力を速く教えろお!」
ラ「ダメですー」
真「何でだよ!」
ラ「真君の能力は次回明らかになって、もこたん行って二話使って、そこから三章の本題だから」
真「博麗を継ぎし者・・・?」
ラ「うん。では、どうぞ!」
第三章第一話「新たなる波乱」
暗闇の中で、目が覚めた。
ああ、今は何時ごろなのか。目隠しをされた今の状況では、昼か夜かさえもわからない。
私、魂魄隔は紅魔館で雇ってもらい(主が面白そうという理由で)、西洋風のメイド服を着て掃除に励んでいたときのことだ。
急に視界が暗くなったと思ったら、手足を拘束されて。
これまた気を失ったと思えば、確実に紅魔館じゃない所に連れ去られていた。
半そでだから剥き出しの素手がひんやりとした床に触れていて、ピチョン、とどこかで水音が聞こえる。湿った臭い、そして、何かの気配。
重々しい、剣道でよく向けられる密度の濃い殺気。
嫌でも肌を刺すそれは、私の鼓動を速くするには十分すぎる。
横たわったまま、粘着質な音と骨が削れる様な音に体を強張らせながら、私は心の中で呟く。
――――助けて、真―――
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「ほら、あーん」
「いや自分で食べれますから!」
「何言ってるの。月のお姫様が直々にあーんして上げてるのよ?ほおら、口あけて」
「いや要らないですって!俺は一人で食べれますから!」
白い病室。
ピンクを基調とし、白いフリルが沢山付いた和服を纏っている女性に、俺は絡まれていた。
名前は蓬莱山輝夜。驚いたことに不老不死であり、永遠亭の裏ボスみたいな人である。
長い黒髪に大きく黒い瞳、しなやかな肢体はかぐや姫伝説が実話であったということを思い知らされる。
「・・・永淋から聞いたわよ。火を出せるんですって?」
「え、ええまあ。発動条件は分からないですけぶふぉっ」
「ふふふ、どうかしらこの豆腐ハンバーグ。美味しいでしょう?」
「むぐっ・・・ぷはあっ、美味しいですけど勝手にぶち込まないでください!」
「まあまあ。で,火の事なんだけどね。それ、多分貴方の能力じゃない?」
「能力?」
「ええ。私の友達?に炎を使う不老不死が要るんだけどね。そっちは霊力を無理やり肌の上で爆発させて火を肌につけて、無限に再生する着火材、燃料として戦うんだけど・・・貴方の火は、貴方自身が一つも外傷を負っていない。だから・・・そうね、」
輝夜はそこで言葉を止め、瞳を輝かせて提案した。
「地獄の焔を召還し我が手中の中で扱う程度の能力、とかは?」
「厨二病全開だあああああああああああああああああ!!!!」
「冗談冗談、『霊力を火に変換する程度の能力』が妥当じゃないかしら。」
「最初っからそれで良いんですよ・・・」
「ふふふ、まあ・・・それだけじゃなさそうだけど」
「?」
輝夜が含みを持たせながら呟くが、彼女はそれ以上喋らなかった。
代わりに、病室のドアが軽快に開け放たれ、
「へえ真さん早速女の人を病室に連れ込んでるんですか」
「まず刀を置いてください妖夢様」
最早見慣れた妖夢と、白玉楼の主、西行寺幽々子様が病室に入ってきた。