東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「執筆時間が取れない・・・」
真「もっと頑張れよ」
ラ「ちょっと・・・初心に戻らなきゃ・・・」
真「さっさと反省して来い」


第二章第七話「東風谷早苗」

「真さん、女の子ですが手加減無用ですよ!」

「・・・無理だと思う!]

 

妖夢が刀を抜き放ち警告するが、俺は苦笑いしながら呟いた。

桜ノ蕾を鞘に納め、霊力の出力を2%に下げ。

いつもより大分遅い動きで、俺は後ろに飛び退った。

 

・・・瞬間、今まで俺の立って居た処に霊力の塊が撃ちおろされ、衝撃波で砂埃が巻き上がり―――

 

「はッ!!」

「!」

 

その砂埃ごと吹き飛ばすような神速の拳が、俺に向かって放たれた。

早苗の髪が宙に浮かび、白い肌と噴き出す緑色の霊力が尾を引く。

思わず目を見開いた俺は、その拳に自身の掌を当て、

 

「でええいい!!」

 

気合を込め、己の手ごと早苗の拳を後ろに受け流した。

悔しそうに目つきを鋭くした早苗は、受け流された勢いも使いグルンと大きく回転し、足をしならせながら回転蹴りを放つ。

空気を切り裂き、正に疾風の如くその爪先は俺の胸へと迫る。

 

ああもう!結局か!

 

俺は心中で叫び霊力の出力を8%、限界まで引き上げた。

雷が弾けるような音と同時に、青白い霊力が俺の体を一瞬で流れる。

 

ドゴン!!

 

鈍い音が響き、俺の胸の中央に早苗の回転蹴りは突き刺さったが、

 

 

「ふう・・・危ない危ない。間に合ったか」

「なっ!?」

 

俺は無傷のまま、その蹴りを受け止めていた。

赤子に殴られた程度の痛みが胸に残るが、ただそれだけ。

目の前の少女の霊力は、恐らく正面戦闘に向いていない。

だからこそ俺は受け止める事が出来たのだ。

 

「・・・あー、早苗?悪いけど、降参してくれないかな。多分君に勝ち目がない事は、今ので分かった筈だ」

 

妖夢が空中で楼観剣を構えているが、俺はそれを手で制す。

早苗に問いかけた後の、暫しの沈黙。

 

・・・しかし、それを破る事になったのは本人だった。

 

「確かに、勝てません。が、私は風祝。貴方たちみたいな不届き物を神様に会わせないために。そして、神様を守る為に私はここに来ました!全てを捨てました!諦めるつもりなんて、毛頭ありません!!」

 

啖呵を切り、早苗は右手を素早く振る。

握られているのは、光り輝く純白のカード。

 

「大奇跡[八坂の神風]」

 

呟かれた言葉。それと同時に。

 

早苗を中心にして、竜巻が巻き起こった。(、、、、、、、、、、、、、、、、、、)

 

慌てて、飛び退るも、俺は空中で浮遊出来ない。

無防備に晒されたところに、神風を纏った深緑の弾幕が降り注いできた。

 

声も出せない状況のまま、俺は死に物狂いで全てを避ける。

桜ノ蕾を抜刀したくない。すれば、恐らく早苗を傷つけてしまうだろうから。

じゃあ、どうするか。

早苗を諦めさせることは無理。俺は手を出せない。

 

だから。

 

 

「妖夢、任せた!」

「全く・・・やっぱり真さんは真さんです、ねっ!」

 

全部、妖夢に投げた。

早苗の纏う竜巻を蹴散らし、一瞬で妖夢は間合いを詰める。

零距離地点で、妖夢は一回深く身を沈め。

 

「貴方の心意気には感服致します。しかし、それでは身を滅ぼしますよ」

 

そう呟き、右手に携えた楼観剣を全力で早苗に当てた。

ガグン と早苗の体が崩れ落ち、地面に倒れる。

峰で叩いたらしい妖夢は静かに楼観剣を収めると早苗に駆け寄り、自分より大きいその体をおんぶした。

 

「流石にこのまま放ってはおけません。さっさと異変の元凶に会いに行って、早苗さんを渡しましょうか。」

「うん。そうしようか。・・・ありがとうね、妖夢」

「いえいえ、礼には及びません」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「わあ、神奈子、早苗が倒されちゃったよ?」

「へえ・・・随分と面白そうな奴だねえ」

「ふふ、女の子は殴らない、だって」

「良いプライドじゃないか。逆に女の子でも躊躇なく殴れる奴だったら私が早苗の所に行ってたさ」

「ダメだよー、神様が直接でちゃあ、さ」

「ま、後で戦うけどね。・・・はあ、あの少年の本気を見てみたいね」

「そうだね。・・・あの銀髪の女の子でも捕らえてみる?」

「いいねえ・・・そうしようか」


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