東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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えっと、昨日ネット回線を親が切りまして投稿できませんでした・・・
すみません。
後、風神録の1~4面は軽く流し、早苗、諏訪子様、神奈子様戦をメインにする予定です。

では、どうぞ!


第二章第五話「蝶の腕輪」

「異変?」

「ええ、そうよ~」

 

朝食を食べ終わり、食器を片付けた朝九時ごろ。

俺と妖夢は幽々子様に呼ばれ、白玉楼のとある一室に行き、そこで二通の手紙を渡された。

 

「何かねえ、妖怪の山に変な神社が現れたから、それの調査をして欲しいんです、だって。パパッと解決できるはずだから、早く戻って来てね?」

 

「おお・・・遂に私も異変に行けるとは・・・!」

「えっと、桜ノ蕾・・・刀はこの前暁に返してもらったから、直ぐ行けるな。」

 

妖夢が隣で目を輝かせている間、俺は注意事項を一つずつ確認していく。

魔理沙や咲夜さん、霊夢の様に道具を大量に使い戦う人は荷物の確認が必須だ。

しかし俺や妖夢、俗に剣士と呼ばれる人は剣があれば戦える。そのため、こういった緊急出動に対応しやすい。

 

「さあ、善は急げよ~、行ってらっしゃい、妖夢。真。」

 

手紙を懐にしまった所で、幽々子様が微笑みながら告げた。

扇子の所為で表情は余り見えないが、それでも応援してくれている事だけは分かる。

俺と妖夢は同時に立ち上がり、これまた同時に、

 

「行ってきます!」

 

と幽々子様に挨拶した。

桜ノ蕾を腰に括り付け、久々の相棒の感触を確かめる。

 

以前幻想郷に居た時、この桜ノ蕾(さくらのつぼみ)はずっと俺と一緒に戦っていた。

一度も砕けずに、魂を集めている奴を倒してくれた相棒。

およそ二か月ぶりに感じる刀の重みは、頼もしさを掌から伝えてくれる。

 

「・・・うーん、真、ちょっと待ってくれるかしら?」

「はい?何でしょうか?」

 

障子を開け、外に出ようとした瞬間に、幽々子様は俺を呼び止めた。

少し考える素振りをしつつ、躊躇う様に幽々子様は口を開いた。

 

「ん・・・そうね、真。右手を出して?」

「?どうぞ」

 

言われた通りに手を出すと、幽々子様のしなやかな白い指が俺の手首に触れる。

そして、幽々子様が人差し指で俺の手首を軽く叩いた。

 

・・・すると、紫色の蝶が象られた腕飾りが俺の手に巻かれ、鱗粉の様に紫色の粒子を散らし始める。

 

「んとね・・・これが壊されたら、何か起きるわ」

「何か!?」

「ええ。今は言えないのだけれど、これがあるのとないのとでは大違いなのよ。」

「そ、そうなんですか」

 

 

 

 

「確実に悪い方向へ進もうとしてる運命を、巻き戻すのにも使えるしね」

 

 

 

「・・・え?」

 

ぽつり、と呟かれた言葉にその一室は固まった。

空気が凝固し、汗が一筋背筋を流れる。

 

『悪い方向に進もうとしている運命』

 

彼女は、確実にそう言った。

紫色の腕輪が、妙に冷たく感じる。

鉄の鎖のように、それを破壊しなければ外に出られないような。

無慈悲な、束縛の感覚。

 

「・・・ああ、気にしないで頂戴。ほら、早く行って来なさい?」

「あ、はい。・・・いって、来ます・・・」

 

ぼそぼそと自然に声が小さくなりつつも、俺と妖夢は部屋を出て行った。

さっきの言葉がまだ頭に残っている中、冥界から通常世界への入り口まで続く長い長い階段を降りる。

どちらも一言も話さないまま、俺達は黒い渦の中へと身を躍らせた。

 

 

 

 

 

 

「うーん、あれは言わなくて良かったかしらね?」

 

幽々子は一人呟き、扇子を閉じた。

 

 

 

「・・・まあ良いわ。あの腕輪が壊れる様な強敵に会ったら、真自身の能力(、、、、、、)がなきゃ勝てないものねえ・・・」




真自身の能力は、何なんでしょうか?

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