東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「パズドラ、始めました」
真「遅くない!?いや遅すぎない!!??」
ラ「低ランクで、らぎゃー って言うのが居たら九割がた俺です」
真「皆さんどうぞスルーしてあげて下さい」
ラ「ちょおま」
真「では、どうぞ!」


第八章第九話「暗雲」

レミリア様の部屋の前で立ち止まり、ノックする。

直後に帰って来る『入って良いわよ』という声。それに従い、俺はドアを開けた。

中ではそろそろ朝食だというのにも関わらず、奥のソファに座り机に肘を着くレミリア様の姿が。

彼女は見透かしていたのだろうか。何も言わず、その紅い瞳で俺をじっと見つめた。

 

「・・・隔の、事なんですが」

「ええ」

 

座りなさい、も何も無く。

突然、レミリア様は俺を手招きした。

近くに寄ると、小さい声で話せとジェスチャーで教えられる。俺は焦る気持ちを押さえ、話を続ける事にした。

 

「昨日の夜・・・というか、今日の早朝。隔と戦いました」

「詳しく教えて頂戴」

 

「はい、朝の三時頃ですが、ちょっと森の方で騒がしくて。・・・行ってみたら、大量の妖怪の死骸と隔が居ました」

「・・・隔は、人間よね?」

「はい」

 

訝し気に眉を顰めるレミリア様。

指先でトントンとテーブルを叩き、そして彼女は続きを促す。

 

ここから先は、結構の重要な話だ。

 

ドアの辺りに気配が無い事を確認し、俺は長く息を吐いた。

 

「その場で、黒い刀を持った隔と交戦。・・・その時、分かったのは―――――――」

 

 

 

「隔は、

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

同時刻。

霊夢は朝食になっても来ない真を呼びに、彼の部屋へと向かっていた。

隔は恐らく仕事だろうなー、とか朝ご飯何かなー、とかマイペースに思いつつ。

何時もの紅白の巫女服に身を包み、眠そうに目元を擦る。

窓の外には青空と白い雲が広がっている。蝉時雨が遠くの森から聞こえて来る。

雨は止んだらしい。爆睡していた霊夢は改めて窓の外を眺め、そして再び歩き出す。

 

「入るわよー」

 

ドンドンとノックして、霊夢は声を掛け直ぐに入る。

遠慮何て物はない。ノックしたから良いだろうがという考え方である。

実際魔理沙はそれで困ったりしているのだが、気にしない。

 

だがしかし、この時だけは霊夢でさえも硬直せざるを得なかった。

 

だって。

 

ドアを開いたら。

 

見知った黒髪の少女、魂魄隔が天音真のベッドで寝ているのだ。

それも、物凄く幸せそうに。

 

ドアノブを握る手ががたがたと震える。青ざめつつ、霊夢は静かにドアを閉めた。

 

「・・・ふふふ・・・」

 

震える手で顔を覆い、不気味に笑う。

見間違いだ。きっと、見間違いだ。

 

現実逃避しながら、霊夢はもう一度ドアを開けた。

 

やっぱり居た。

 

今度こそ、霊夢はにっこりと笑いドアを閉める。

 

そしてそのまま、鋭い眼光をきらつかせ。

 

「真の奴を・・・とっちめるッ!!」

 

と小声で叫び、全速力で紅魔館の廊下を駆け抜けた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「――――――隔は、暴走妖です」

 

きっぱりと。

俺は、レミリア様に向けて断言する。

心臓の上部分にあった黒い霊力。急激に戦闘力が上がり、理性は崩壊。

それに、あんな禍々しい霊力を俺は暴走妖以外に見た事が無い。

 

「・・・」

 

深刻な面持ちで、レミリア様は俯いた。

自身の従者が、暴走妖なのだ。きっと衝撃は大きい筈。

 

「・・・記憶は、本人には無いようです」

 

俺はそっと付け加える。

 

今まで、俺達は恐らく大体の暴走妖は殺して来た(、、、、、)

 

地霊殿の八咫烏の少女、お空とかを除いて。

もしも、だ。

 

もしも隔が、幻想郷にとって脅威になるならば。理性を失ったなら。危害を加えるのならば。

 

きっと、誰かが隔を――――

 

 

 

 

始末しなければならない。


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