東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「100話記念の投票結果を発表します!」
真「・・・なあラギア」
ラ「ん?」
真「夏休みなんだよな」
ラ「うん」



真「全部書けよ。折角読者様が出してくれた案なんだから」



ラ「・・・ふっ。良いだろう、良いだろう!しょうがねえなあ!やってやんよ!」


と言う事で、全部で案は七個あつまりました!

ですが一応、票数的な関係で優先順位を発表します。

一位「真と隔」(まさかのこれ。ラギアは予想を外しました)
二位「真と暁」(これだと思ってました)
三位「真と妖夢」
四位「真と妖夢と隔」
五位「真と爛漸苦」(爛漸苦はらんざく。一部の最低ライバルキャラです)
六位「こいしとフラン」(ラギアはロリコンです)
七位「霖之助と幻夢」

七位は友人からの案です。
何とか夏休み中に全部出したいと思います。

それでは、六章最終話どうぞ!


第六章最終話「不穏」

嵐が過ぎ去った。

流星の衝撃。全身を叩かれた天久は吹き飛び、そして――――—

 

動かなく、なった。

 

 

初めての人殺し。手に冷たい汗がじわりと浮かび、背筋を悪寒が走り抜ける。

殺した。妖怪と人間、同じ命でも奪った時の重みは違う、命への価値観。

震える腕を必死に押さえつけ、俺は倒れた天久を見据える。

 

まだだ。あいつには、悪夢が居る。

そいつを倒さなければならない。

 

ぐっと身構え、再び俺は右手に滅壊ノ星撃を溜める。渦巻く黒と白の霊力。

 

その視界の先で、天久のロストバーストが解け、黒い靄が浮かび上がる。

 

『・・・待て!真!』

「!?」

 

突然、幻夢が脳内で叫んだ。

俺は放とうとした拳をギリギリで止め、そして目を見開く。

 

漆黒の靄が、大きく膨れ上がり、消える所を。

そして天久の体が、まるで散りゆく花の様に、灰に成り地面へと溶け込んでいくのを。

 

そう。

 

最初から、悪夢はそこに居なかった。

 

不気味に生ぬるい風が白玉楼を吹き抜ける。

幻夢が中に居て、悪夢の霊力を受け取っただけの天久と同等の戦闘力。

いや、俺と幻夢だけではそれ以下。

 

 

『・・・じゃあ、悪夢は何処に居るんだ・・・?』

 

呟いた幻夢。しかしその言葉は遥かに遠い。

 

俺と言う存在が如何に、皆にとって-になっているのか。

 

そして、人を殺すと言う感覚を、俺は知ってしまった。

 

恐い。怖い。

 

自分の所為で人を気づ付けるのも、守り切れないのも。

護る為に戦う。それが堪らなく怖い。

 

のに、護りきれないのも怖い。

 

抱える矛盾。いつもいつも何かを掴み取り、握りしめて来た右拳は。

 

 

――――ガタガタと震え、開いていた。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

白髪の、茜色の瞳をした少年はゆっくりと歩いていた。

無気力に気だるげに、しかし目的地は決まっているのかその足取りは確かだ。

 

『・・・ああ、天久が倒されちゃった』

「しょうがないでしょ。あいつ、元々死んでたし」

 

少年は脳内で呟かれた言葉に、しっかりと返す。

 

「悪趣味だよね。悪夢は。無理やり魂を閉じ込めて、交換条件を出して霊力で肉体を操ってんだからさ」

『まあ、私の妹の能力を使っただけだよ』

 

悪夢は少しだけ声のトーンを落とす。

しかし白髪の少年は何故か面白そうに、刀を引き抜いた。

 

「まあ、あいつの妹を殺すのもあいつを殺すのも楽しかったし良かったよ。なあ、悪夢?」

『・・・あんたも、大分悪趣味だと思うよ・・・雷』

 

深みのある黄色。

幻想郷の地下・・・地底へと続く大穴へと雷は身を躍らせ、叫ぶ。

 

 

「もっと・・・もっと殺そう!”現実”では出来なかった事を、もっとやろう!!」

 

 

楽しそうに。無邪気に。

ただひたすらに、夢を追いかける子供の様に。

 

 

彼は、笑い続ける。

 

 




次回、七章。

地底編!さとりんキタ――(゚∀゚)――!!

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