東方夢幻魂歌 Memories of blood 完結   作:ラギアz

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ラ「100話だー!」
真「もうそんなに行ってたのか・・・」
ラ「それでですね、一つイベントを開きますよ!」
真「何すんの?」
ラ「番外編を書きます。そしてその中身を、読者様に少しだけ決めて貰いたいと思います!!」
真「マジで!?」
ラ「詳しくは活動報告で。是非、どうか宜しくお願い致します!」
真「気が向いたら、やってあげて下さい・・・。では、100話目、どうぞ!」


第六章第十三話「皆の力」

「ポゼッション![霊夢]!」

 

天久の黒い翼の一撃。

それに掌を向けつつ俺は叫び、直後に白い結界がその翼を止めた。

ぎりぎりと震える天久。しかし結界は壊れるどころかヒビ一つ入らず、堂々と立ちふさがる。

 

『・・・あれ!?え!?何で、私さっき天久の攻撃喰らって倒れてた・・・ってか私魂になってる!?あれ!?死んだの私!?』

「お、落ち着いて霊夢…」

 

攻防を続けていると、突然脳内で霊夢の声が響いた。

オールバースト。

これは、皆の魂を俺に宿し憑依させ使える力を変えて行きつつ、重ね合わせて強化することも出来る力。

皆の、全ての力。

 

『・・・ん?ああ、真・・・って、私真の中に居る!?なら良いか』

「良いの!?」

『良いの良いの。どうせ真の事だし、私は死んでは無いんでしょ?ならオッケー。さっさと天久倒すぞ、おー」

「お、おー」

 

気の抜けた霊夢の声。

しかしそれは余裕から来るものだろう。

それもそうだ、霊夢の才能、幻夢の霊力。理性を失い、駆け引きも出来ない天久に負けるはずがない。

・・・だが、器が俺である。

 

ガギイインッ!!

 

急に、天久が翼を引っ込め、遠くで態勢を立て直した。

俺は直ぐに結界を消し去りつつ、近距離での戦闘に成る事を見越す。

 

 

だから俺は、近距離戦闘をしないために再び憑依する。

 

「ありがとう霊夢!ポゼッション[魔理沙]!」

『ふっ・・・話は聞かせて貰ったんだぜ!行くぜ――――』

 

 

「『恋符[マスタースパーク]!!!』」

 

 

俺は両手を重ね、掌を前に突き出す。

刹那、魔理沙の魂に存在する魔力の塊と幻夢の霊力が混ざり合い、とてつもない威力の砲撃が撃ちだされた。

虹色の主砲の周りを、白き光が包み込む。

 

距離を詰めようとしていた天久は咄嗟に翼で体を覆い、マスタースパークを防ぐ。

その隙を、俺は見逃さない。

 

「ポゼッション[レミリア]!」

『行くわよ、神槍[スピア・ザ・グングニル]』

 

俺は叫びつつ、走り出す。

蒼い眼が紅く染まるのと同時に、状況を瞬時に理解したレミリア様の神槍が右手に生成される。

そしてそれを、俺は体を全力で捻りつつ投擲した。

空を切り裂きながら紅き軌跡を描く槍は一瞬で天久に突き刺さる。漆黒の鎧が大きく破壊された部分、そこを再生されない様に――――

 

「ポゼッション[暁]」

『・・・纏・紫電』

 

俺は、紫の雷を纏い超高速で天久へと接近。

そして、瞬時に抜刀した桜ノ妖で強く切りつけた!

 

「グガァアアアアアアッッ!!!」

 

天久は大きく断末魔を上げ、反撃するよりも速く飛び退る。

再びボロボロになった片翼。理性を失ったまま、天久は大きく翼を横に薙いだ。

 

すると、黒い弾幕が視界一杯を覆い尽くすほどに生成され、一斉に飛んできた。

気流が渦巻く程の速さ。突風が俺の頬を撫でるも、俺は左手に羅刹を生成し、呟く。

 

「ポゼッション[隔]・・・お前ならこれ全部叩き落とせんだろ」

『人使い荒くない!?ねえ、私の時だけ酷くないですか!』

 

瞳が黒く染まる。

脳内で隔が叫んでいるのを無視すると、やがて独りでに腕が動き始めた。

今体の支配権は隔にある。もしも隔が裏切ったりすればかなり危ないが、無論そんな心配はしていない。

 

羅刹と桜ノ妖、青白い軌跡が横に描かれれば紫紺の輝きが縦に切り裂かれる。

 

霊力の補正を受けつつも、腕が霞むほどの速さで振られる二刀はいつしか、弾幕を全て撃ち落としていた。

 

もう瀕死の天久。しかし奴はまだ諦めないと言うかのように、黒い霊力でロストバーストの上からもう片方の翼を生成する。

 

「何で、こんな事をするかは、俺には分からない」

 

俺は隔の憑依を解き、理性を失った天久へと語り掛ける。

 

「でも。俺の大切な人達を傷つけるってんなら。俺は問答無用でお前を殴る。例えそれが最大の悪意でも!悪夢、良く覚えて置け・・・お前は確かに強い!でも、それだけじゃ掴めない物を、お前は掴もうとしているんだ!」

 

右拳を強く握りしめ、俺は弓の弦を引き絞るが如く体を捻る。

ミシミシと筋肉と骨が軋みあう中、俺は地面を強く握りしめた。

 

 

 

「それがどんなに馬鹿かって事!一回ぶん殴った後に教えてやるよ!」

 

 

叫ぶ。

奴に説教出来るほど、俺も偉い訳でもない。聖人君子でも無い。

道だって何度も踏み外して来た。夢だって、我武者羅に一人で叶えようとしていた時もあった。

 

 

だからこそ、俺は奴に言える。伝えられる。

 

 

「ポゼッション―――――――[幻夢]ッッ!!」

『さあて、終わりにしようか』

 

 

最強を、俺は憑依する。

いつもとは格段に違う、感じる霊力の大きさ。初代博麗の巫女の力を、俺はひしひしと感じる。

 

 

 

「グ・・・ガアアアアアアアアアアアァアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!」

 

 

 

天久は咆哮し、両翼を大きく掲げた。

限界まで溜めたその力。俺はそれを、真正面から受け止める。

 

刹那、襲い掛かる双翼。漆黒の軌道は残像さえも残し、神速で俺の首を刈り取ろうと距離を詰める。

 

それを前に、俺はじっと構え、そして己の師と声を合わせる。

 

「『滅壊ノ星撃』」

 

淡々と呟かれた言葉とは裏腹に、突き出した拳から放たれる一撃は―――――――

 

 

 

 

まるで、流星の様だった。




ラ「思ったんだけどさ、ドキラギ今日やれば良かったよね」
真「それな」

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