本当に酷く伝わりにくいのでっ! 覚悟してご覧ください(それが無理って言う人はブラウザバックをオススメします)
「くるぞッ!」
目の前のガストレアが、こちらに突っ込んでくる。突っ込むと言うよりジャンプしてこちらに近づいてくる感じだ。
「スッゲージャンプ力!」
「感心してる場合かッ!」
二人は左右に別れてかわす。ガストレアもすぐに体勢を立て直し、音波たちの方に向き直る。
「こいつは単因子・ハエトリグモのガストレアだ」
「ハエトリグモってぴょんぴょんしてるやつか?」
「ああ、オリジナルは体長の何十倍もの距離を跳躍して餌をとるくもだ。あの特徴的な模様でわかる。」
「……里見くんって虫マニア?」
「・・・・・さっさと片付けるぞ!」
「話反らしやがったなっ!」
再度ガストレアは音波たちの方に跳躍する。すると今度は避けることはせず、蓮太郎は腰から銃を取りだしガストレアに向かって発砲。音波はコートの中から黒光りする円形の何かを取り出して投げた。
まずは蓮太郎の放った弾が、ガストレアの赤く光る目に直撃。続いて音波が投げた黒い円形がガストレアの足を切り落とし、手元に戻ってきた。
「…バラニウムの…円手裏剣か……しかも戻ってくるのか」
「そそ、俺が愛を込めて研ぎ澄ましたから切れ味抜群だぜ! あと戻ってくるのは企業秘密だよ」
ガストレアは回復力が高く、通常の弾やら刀での攻撃だと傷がすぐに回復してしまうが。バラニウムという黒い鉱石で出来たものでの攻撃は、再生能力を阻害する力を持っているため、ガストレアにダメージを与えられる。
ちなみに民警は、全員バラニウム製の武器を持つことが定められているため、高校生の音波や蓮太郎も銃刀法違反にはならないのだ。
それとガストレアを倒すには方法が二つ、回復不可能まで木っ端微塵にするか、バラニウムでの脳と心臓に攻撃を当てるかだ。
なので、あのガストレアは音波と蓮太郎のバラニウム製の武器によって、傷の再生を阻害されて大ダメージを受けているが、死までは追い込めていないのだ。
「九魅ッ! さらに上にあげろッ!」
「ハイッ!」
音波が声をあげるといつの間にか音波のすぐ横に九魅が立っていた。
さっきまで音波たちがガストレアの注意を反らしているときに、蜘蛛の糸をほどき、延珠と一緒に急いで音波の元に戻ったのだ。
九魅はガストレアの落下位地に走って行く。その時、狐のお面の目が真っ赤に光る。
ガストレアウイルスを体内に宿す子供たちを『呪われた子供たち』と言う。その子供たちは、ガストレアと同じく、超人的な回復力を持ち、人間離れした身体能力をも持つ。さらにはそれぞれに特殊な力を持っている。
例えば九魅の場合は………。
「ハァァァッ!」
落ちてくるガストレアの体の中心に
これが九魅のもう一つの能力である。細い腕にも関わらず、腕の筋力が尋常なく強い。
「あれが音波のイニシエーター……」
「里見くん、最後は君に任せたよ!」
「あぁ、延珠ッ!」
蓮太郎の一声で延珠はその場で跳躍する。その高さは五階建てのマンションに達するぐらいの高さだった。
「カンガルー、いや、ウサギの因子か」
「ああ、延珠はモデル・ラビットのイニシエーター、お前のイニシエーターはなんだ?」
「九魅はシャコ、モデル・マンティスクラブ、シャコのなかでも、もっとも凶暴と言われてるモンハナシャコの因子だよ」
「モンハナシャコ……ダイバーの指をへし折る程のパンチ力を持った生き物か……。」
「流石、物知り博士だね」
「少しだけ詳しいだけだ…」
「へぇ? あっ決着がついたね」
ちょうど上を見上げると、上がってくるガストレアの顔に延珠が蹴りをめり込ませているところだった。
ガストレアはそのまま地面に急降下、叩きつけられた衝撃で、体が四散する。
「ひぇぇガストレアの花火か」
「あんまり良いもんじゃあねぇな」
「音波ッ私花火がしたい!」
「蓮太郎ッ妾もしたいぞ!」
「「また今度な」」
「「えェェェ!」」
花火がしたいと駄々をこねる二人を無視して、音波と蓮太郎は
あまり長く見ていられるものじゃないので、早めにこの仕事を切り上げることにした。
「「ステージⅠ・モデル・スパイダーの沈黙を確認、交戦を終了する」」
そして二人は警戒をとき、溜め息を吐いた。
これは筆者の妄想と趣味が重なって爆発して生まれたものです。暖かい目でこれからも見守ってください。
そしてついに、九魅のモデルと音波の武器が出てきました。この二人のことはいつか番外編で紹介していきたいと思います。
これからも何卒よろしくお願いします。