東方猫戦争 ~ネコと女神と幻想と~   作:築地マグロ

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マグロなり。
果てさて、大分更新が遅れた猫戦争でざます。
いよいよ対峙する事になったスカーレット姉妹とヴァルキリー一行!いやぁ、自分で書いててもわくわくしちゃいます。思いがままにストーリーが進む。すんごぃたのすぃ。

んじゃ本編でしゅ。(後書きあるぜよ。)


Ep8「吸血鬼の舞踏会」

「先手は頂くッ!」

ネコヴァルキリーは、先陣を切ってレミリアへ突き走った。

「無駄な事。」

当然レミリアは飛び上がり、ヴァルキリーの攻撃は外れてしまった。

「やはり飛んだか!」

しかし、それは想定の範囲であった。

足に力を込め、一気に空中へ飛び上がり、槍を素早く振り下ろす。

「タアァァッ!」

「・・・遅いわ。」

「!?」

渾身の力を込めて振り下ろしたはずの槍は、いともたやすくグングニルによって弾かれた。

状況の理解が追いつかないヴァルキリーの腹部に、強烈な蹴りが入る。

「うぐッ・・・!?」

痛みに怯んだが、すぐに羽を利用して体勢を立て直す。

「あらあら。思ってたより弱々しいわね。」

「チッ・・・。」

再び飛び立ち、素早く何度も槍で突く。

しかし、攻撃はレミリアをかすめるどころか、流れるように跳ね返される。

「ふふっ・・・人間よりは強いように見えたけど、所詮見かけ倒しね。」

「何だと・・・!」

「その威勢のいい男勝りな態度も、お飾りってことかしら?」

「ッ!」

もはやヴァルキリーには、普段の冷静な判断がつかなかった。

怒りに任せ、ひたすら闇雲に槍を振るう。当然、攻撃は当たるはずも無い。

体力を消耗し、攻撃の手を休めた直後、またも凄まじい蹴りがヴァルキリーの顔面に襲い掛かった。

「グッ・・・!?」

先程よりも激しく吹っ飛ばされる。何とか床すれすれで体勢を立て直し、衝撃を抑える。

だが、ヴァルキリーを狙っていたのは、レミリアだけでは無かった。

「ヴァルキリー!後ろ!」

「避けろヴァル!」

「!?」

霊夢達の声に気付き、周囲を見渡そうとした、その時・・・

「いっただっきまーすっ♪」

ヴァルキリーの耳元で、幼く無邪気な声が、そう囁く。

その声に気付いた時には、もう遅かった。

“ザシュッ!”

フランの鋭い牙が、ヴァルキリーの首元に深く突き刺さる。それと同時に、激しく血液が噴き出した。

あまりに一瞬の出来事であったため、思考回路は停止している。抵抗はおろか、まるで体が動かない。

体中の血の気が引き、意識が途絶えそうになる。

「・・・ぷはーっ♪」

吸い飽きたのか、フランは刺していた牙を抜いた。

ヴァルキリーはその場に倒れ込んだ。

「どう?天使もどきの血の味は?」

「うーん、ちょっと酸っぱいかなぁ?」

フランは残忍な笑顔で、返り血を拭った。

霊夢は隙ありと、レミリアに札を投げつけた。

レミリアはそれを、槍で薙ぎ払った。

「あら、彼女の弔い合戦のつもり?霊夢。」

「さぁ、それはどうかしら?」

霊夢は自信に満ち溢れた表情を見せた。

「どういう事かし・・・ら・・・?」

念のため、ヴァルキリーの様子を確認しようと振り向く。

だが、そこに彼女の姿は無かった。

「ど、どこへ・・・!?」

周囲を見回すレミリア。その真上に、一つの影が急降下した。

「ハアァァァッ!」

「!?」

間一髪、上空から現れたヴァルキリーの槍を、グングニルで受け止める。

「貴方・・・フランの吸血を受けて何故動けるの・・・!?」

「それは・・・。」

ヴァルキリーは槍を振り払い、レミリアから一度距離を置いた。

そして、懐から空の小瓶を取り出し、レミリアへ投げつけた。

レミリアは、目の前へ飛んできた小瓶のラベルが目に入り、ある事に気付いた。

(咲夜の万能薬・・・!?)

小瓶はレミリアの額に直撃した。

いくら小物とはいえ、瓶の衝撃に思わず怯んだ。

次の瞬間、レミリアが目を開けると、ヴァルキリーが目の前へ迫っていた。

「ッ!?」

「ハァッ!」

ヴァルキリーは槍を薙ぎ払い、レミリアの帽子を弾き飛ばした。

「あっ・・・!?」

それと同時に、レミリアの手からグングニルが零れ落ちる。

帽子の中に取り付けられていたカチューシャが外されたためだった。

「や、やばいわん!」

「とっとと逃げるわん!」

紅魔館の主がやられ、わんこ達は急いで階段へ向かった。

しかし、ヴァルキリーはそれを見逃さず、彼らの退路に槍を突き刺す。

「わんっ!?」

突然の出来事に、わんこ達は固まる。

「貴様ら・・・今回の計画について教えてもらおうか・・・!」

 

一方霊夢達は・・・

「うぅ・・・!」

霊夢の[夢想封印]を直撃させられたフランは、一気に窮地へ陥った。

「もう辞めましょう、フラン。ね?」

「そうだぜ。二対一じゃ勝ち目なんて無いぞ?」

フランを追い込んだ二人だったが、それでもかなりのスタミナを消費していた。

「うーん・・・確かにそうかも・・・。」

降伏を認めたのか、フランはコクリと頷いた。

「よし!じゃあ少しじっとしてろよ?」

フランのカチューシャを取ろうと、魔理沙が近づく。

魔理沙が帽子へ手を伸ばした時、フランは口の端を歪めてほくそ笑んだ。

「“二対一”なら・・・だけどね!」

フランは素早く魔理沙の手を跳ね除け、カードを取り出す。

それは超激ユニットカードではなく、[スペルカード]だった。

「“フォーオブアカインド”!」

「クッ・・・!」

「まだやる気なの・・・!?」

フランがスペルカードを宣言した途端、霊夢達を四人のフランが取り囲んだ。

「さーてと、こっからが本番本番!」

「私はどっちをヤっちゃおっかなー?」

「じゃあ私、霊夢をヤる!」

「それじゃあ、二人ずつでヤっちゃおー!」

四人のフランは、二人ずつに別れて霊夢と魔理沙へ突進した。

「来るぞ霊夢!言われた通りにやってくれよ!」

「分かってるって!」

固まっていた二人は、それぞれ別々の方向へ展開した。

その後を、フラン達が追尾する。

しかし、フランは予想以上にスピードが速く、あっと言う間に差が縮まる。

「嘘でしょ!?こんなに速いなんて・・・!」

それでも必死に誘導を続ける。魔理沙の作戦を遂行するには、まだ条件が足りない。

やっとの思いで、時計の屋根の裏側へ着地する。

「あれれー?霊夢、もう負けを認めちゃうの?」

「もっと遊ぼうよー!」

霊夢を追い込んだつもりの二人のフランは、じりじりと霊夢との感覚を狭める。

(魔理沙・・・!早く・・・!)

心の内で必死に祈る。すると・・・

「“魔砲、ファイナルスパーク”ッ!!」

フランの手が霊夢へ伸びた瞬間、辺りが一気に眩しく光る。

「!今ね!」

それが合図であると理解し、霊夢は空中へ飛び上がった。

次の瞬間、巨大な虹色の光線が、時計台を貫通し、裏側へ溢れ出す。

光線を浴びた二人のフランの内、一人は蒸発し、本物のもう一人は吹き飛ばされた。

「あああぁぁぁッ!?」

オリジナルのフランは、煙を立てながら屋根を転がる。

そしてそのまま、湖へと転落してしまった。

「ふぅ・・・。霊夢、どうだった?私の完璧な作戦は?」

魔理沙が霊夢の元へ戻ってきた。

「まぁまぁ良かったと思うわ。でも、フランが湖に落ちちゃったわよ?」

「大丈夫だろ。あのフランだぜ?しかもカチューシャまで付いてる。そう簡単に溺れ死んだりしねぇよ。」

「でもそれじゃ、また暴れ始めるんじゃない?」

「もう陸に上がった時には、体が悲鳴を上げてるだろうし。抵抗する力も無いんじゃないか?カチューシャもその時外せばいいだろ。」

「それなら・・・いいんだけど・・・。」

霊夢は、水面に広がった波紋を眺めていた。

 

「にゃ~、何とか助かったにゃ。」

「危機一髪だったにゃ。」

残り三分の所でヴァルキリーに助けられていたネコ達は、暢気に呟いた。

「まったく・・・世話が焼ける奴らだ・・・。」

ヴァルキリーが汗を拭う。そこへ、霊夢と魔理沙が戻ってきた。

「ヴァルキリー、レミリアは?」

「一応カチューシャは外しておいた。」

右手にカチューシャを持ち、左手でレミリアを指差す。

「流石ヴァルだな!お手柄だぜ♪」

「それより、あのフランという娘はどうした?」

「今は、湖の中で頭を冷やさせてるわ。その内上がってくるでしょうから、その時にカチューシャを外せばいいでしょう。」

「そうか。」

一件落着し、全員がため息をついた。

 

しかしその直後、建物全体が大きく揺れた。

「うおッ!?」

「何だ!?」

「・・・妖気!?」

三人が口々に呟く。

やがて、揺れが収まる。

それと同時に、湖の水を巻き上げ、一つの影が現れた。

「・・・!?」

その影の正体は、すぐに分かった。

紛れも無い、[フラン]だった。

「もっとモッと・・・あソぼうよ・・・!」




んにょー。今度はいつガチャを引くか迷ってます。もうちょいで11連二回分なんですがねぇ。ハロウィンで引くか、クリスマスに引くか、はたまた、年末年始に引くか。悩み所です。

そうそう、今度「猫飯拳パイパイ」とかいうまたかわええのが追加されるらしいです。ある方の推測だと、レッドバスターズ限定キャラだとか。
性能は[赤い敵に打たれ強く、超ダメージ]だそうです。ぶっちゃけ某サンディア氏より強い気もします。胸部装甲もどっこいどっこいですしお寿司。
まぁサンディアもパイパイも薄い本に起用されるのを待ちたいところです。(無謀)

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