東方猫戦争 ~ネコと女神と幻想と~   作:築地マグロ

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マグロなのん。
今回は大盛りサービス、4000字でお送りしますよー。

今回はまた、新しい超激レアキャラが登場しまっせ。

では後ほど。


Ep9「狂いし怪物」

「もっとモッと・・・あソぼうよ・・・!」

霊夢と魔理沙によってフランは撃破された。

そう思われていたにも関わらず、彼女は湖から再び姿を現したのだ。

予想外の出来事に、一同は呆気にとられる。

「霊夢!魔理沙!なぜ奴はまだ戦えるのだ!?」

「し、知らないわよ!私だって!」

「とっておきの一発をかましてやったんだぜ!?」

刹那、ヴァルキリーの目の前にフランが現れた。

「!?」

「ア・ソ・ボ?」

まさに瞬間移動の如き速さで現れたフランは、ヴァルキリーの眼前に迫った。

驚愕しているヴァルキリーの足に、フランの尻尾が絡みつく。

「なッ!?」

そのまま尻尾は振り回され、ヴァルキリーは地面へ打ち付けられる。

「グアッ!?」

「あハははッ!それソれ~♪」

何度も、何度も叩きつけられる。

強く巻かれた尻尾からは逃れられず、抵抗すら出来ない。

「ヴァルキリー!」

「フラン!やめろ!」

霊夢は札、魔理沙は八卦路を取り出す。

「邪魔ダよ。」

ヴァルキリーを巻きつけたままの尻尾が、霊夢達に直撃する。

「あがっ!?」

「ぶっ!?」

凄まじい勢いの一撃。霊夢と魔理沙は場外へと弾き飛ばされ、湖に落下してしまった。

「ひいぃっ!やばいにゃ!やばいにゃ!」

「ぼ、僕達は一旦退くにゃ!」

その様子を目撃したネコ達は、気絶したわんこ達を入れたケージを持ち、階段へと逃げて行ってしまった。

「ア~あ。後で遊ぼウと思っテたのに、死ンじゃったカな?」

「貴様・・・!よくも・・・二人を・・・!」

ボロボロのヴァルキリーは、かすれた声で口にする。

「おモちゃは黙ッて遊バれるノが礼儀だヨ?」

フランは不適な笑みを浮かべた。

そしてまた、尻尾を上へ持ち上げた。

(ここまでか・・・!?)

これ以上ダメージを受ければ、もう体は耐え切れない。

死を覚悟し、目を閉じる。

その時、

「・・・あ?」

突然、フランの尻尾の力が抜け、ヴァルキリーは落下した。

幸い打ち所が良く、死は免れた。

(一体何が・・・?)

何が起こったのかを確認しようと、フランへ目を向ける。

そこにいたフランは、胴体を槍のような物で貫かれていた。

血は出ておらず、ただフランの表情が固まっていた。

「ハァ・・・ハァ・・・!」

自分とは別の、荒い息遣いが聞こえた。

(霊夢や魔理沙では無い・・・誰だ?)

何者の仕業か確認しようと、今度は背後へ目を向ける。

そこにいたのは、

「フラン・・・!もうやめなさい・・・!」

ほぼ倒れ伏した状態の、[レミリア]だった。

どうやらフランい刺された槍は、[グングニル]だったようだ。

「何、姉様?余計な事はシナい方が身のたメだヨ?」

よほど姉の妨害が頭に来たのか、フランはレミリアへ歩み寄り、頭を踏みつけた。

そして紅い剣、[レーヴァティン]を手にした。

「邪魔しなケれバ良かっタの二ね・・・。」

先程よりも強くレミリアを踏みつけ、レーヴァティンを掲げる。

「じゃ、姉様。先に壊しテもイイよネ?」

レミリアには抵抗する力も無く、ヴァルキリーも阻止できる状態では無かった。

振り下ろされた剣先が、レミリアの背中に触れる。

しかし、その直後―

「テヤァッ!」

一筋の雷が、フランへ直撃した。

「あぁぁぁッ!?」

突然の攻撃に、流石のフランも怯んだ。

フランが持ってたレーヴァティンは地面へ落下し、二つに折れてしまった。

「痛イィィィ・・・!誰よォォォッ!!」

ひどく激情したフランは、鬼のような形相で四方を見回す。

声の主は、自ら居場所を示した。

「こっちよこっち!」

声は、時計塔の頂上から降って来た。

その場にいた全員が、声のした方向へ顔を向ける。

そこにいた少女は、極めて異様な風貌をしていた。

露出度の高い紫色の鎧、一部が湾曲した後髪、身にまとった稲妻・・・。

(超激ユニット・・・!?)

ヴァルキリーはそう推測した。

格好から見て、幻想郷の住人では無いだろう。

となると、付近に落ちていた超激ユニットカードが反応したものと考えられた。

「・・・殺シテヤルゥゥゥッ!!」

遊戯に水を差された事が余程頭に来たのか、元の幼い子供の表情を捨て去ったフランは、一目散にその少女の元へ。

「ブッ壊スッ!」

標的を少女へ移し、再びレーヴァティンを振りかざす。

「おわっと!」

少女は目の前の[怪物]の速さに少々驚いたようだが、難なく腕の装甲で剣を受け止める。

「ッ!」

剣を受け止められたフランは、そのままの状態で足を払った。

蹴りは、少女の腹部側面に命中する。

「がはっ!?」

「アハハハハハッ!!」

余裕だった少女の表情は、一気に苦痛へ変化した。

しかしその表情は再び移り変わり、自信の溢れた表情になる。

そして、少女が腹に当てられた足を掴む。

「!?離セッ!」

「これでも・・・喰らえぇぇぇッ!!」

直後、二人の間に強烈な電流が発生した。

少女から発生した電流は、掴まれた足を通じてフランへ直接流れ込み、バチバチと音を立てる。

蒼い閃光を放ち、周囲にも火花が拡散する。

「アァァァァァァッ!?」

フランは甲高い悲鳴を上げ続ける。

吸血鬼と言えど、雷が直撃するのと同等の電流を浴びせられれば、ひとたまりも無い。

「このくらいかな?」

少女が電流を止め、足を手放すと、フランは煙を立てながら倒れてしまった。

気を失ったのか、呼吸はあるものの、目を瞑ったままピクリとも動かない。

「あ、ちょっとやり過ぎちゃったかな・・・?」

少女はフランのカチューシャを外すと、フランを優しく抱えた。

ヴァルキリーは一部始終を眺めていたが、昏睡状態に耐えられず、意識を失ってしまった。

 

数時間後―

「・・・うぅ?」

ヴァルキリーが目覚めると、いつの間にかベッドの上に寝かされていた。

「お目覚めになられましたか。」

「・・・貴様は・・・。」

傍らに座っていたのは、紅魔館へ入った途端に襲ってきた、メイド服の少女だった。

「私は[十六夜咲夜]と申します。この紅魔館で、メイド長を務めております。咲夜と呼んで構いません。」

「・・・そうか。私はネコヴァルキリーだ。」

「ネコヴァルキリー様。私達紅魔館の者達が、貴方様や霊夢達にご迷惑をお掛けしたと伺っております。主に代わり、謝罪申し上げます。」

咲夜が頭を下げる。

「いや、謝る必要など無い。むしろ、こちらが頭を下げたい程だ。そちらの主がいなければ、私は着実に息の根を止められていた。それに、この件はわんこ軍団が仕組んだ事だ。」

「わんこ軍団・・・とは?」

咲夜は表を上げるなり、首を傾げる。わんこ軍団の存在を知っているはずが無い。

ヴァルキリーは一通りの事情を打ち明けた。

咲夜はコクコクと頷き、ヴァルキリーの話に聞き入った。

「―という次第だ。この幻想郷自体が、もはや我々にゃんこ軍団の敵だ。」

「左様ですか・・・。」

事態の深刻さを理解し、咲夜の表情は暗くなった。

「後ほどレミリア様に報告し、お力添えができないか検討します。」

「あぁ。それだと助かる。」

ヴァルキリーはため息をつく。

ふと隣のベッドを見ると、霊夢と魔理沙が横になっていた。

「・・・咲夜。」

「何でしょうか。」

「二人とそちらの主と妹は無事なのか?」

「レミリア様とフラン様の事でしょうか?心配には及びません。あの方々は吸血鬼ですので、今回の程度の傷ならすぐ治るとおっしゃっておりました。霊夢と魔理沙も、あと数時間程で回復します。」

「そうか。・・・あともう一つ、いいか?」

「はい。」

続いて、ヴァルキリーが肝心な質問をする。

「[カード]を見なかったか?」

「カード・・・ですか?」

「少女の絵が描かれた物だと思うのだが・・・。」

「さぁ・・・。見てません。」

「そうなのか・・・。」

ヴァルキリーの脳裏に、あの少女が浮かぶ。

カードが見当たらないならば、あれは幻想郷の住人だったのだろうか。いや、そんなはずは・・・

「ヴァルキリーさん!大丈夫かにゃ!?」

「お見舞いに来たにゃ!」

思考を巡らせるヴァルキリーの元へ、騒がしいネコ達がやってきた。

「では、私は一度レミリア様の様子を見てきます。」

「あぁ。分かった。」

ネコ達と入れ替わりに、咲夜が退室した。

「ヴァルキリーさん!」

「死んじゃうにゃんて嫌にゃ!」

「不吉な事を言うな馬鹿者。私はお前達を残して死んだりなどしない。」

ネコ達のブラックジョークに苦笑いする。

「・・・ところでお前達、超激ユニットカードを知らないか?」

「にゃ、そういえば・・・」

先程助け出した方のネコが、カードを取り出す。

「この世界に来た時、一緒に落ちてたにゃ。」

カードを受け取ると、やはりそうだった。

描かれていたのは、見た通りのあの少女だった。

名前は[雷神のサンディアβ]。

「お前!なぜカードを持っている事を言わなかった!」

「いやー、可愛いカードだったから、僕が持っていようかと・・・。」

「この大馬鹿者ッ!」

ネコの頭(そもそもどこが胴体なのか)に、強烈なゲンコツが響いた。

 

それから数時間後―

「本当に、多大な迷惑を掛けてしまったようね。紅魔館の頭として、心から謝罪させてもらうわ。」

ヴァルキリー達を前に、レミリアは頭を下げる。

「その件はもういい。咲夜から聞いている。」

ヴァルキリーは既に聞き飽きている。

「そんな事より、さっさと霧を消して頂戴。」

「これじゃ朝も夜も分かったもんじゃねぇぜ。」

霊夢と魔理沙は初対面ではないだけあって、言葉が辛辣である。

「そうね。じゃ、」

レミリアが指を鳴らすと、紅魔館の付近に充満していた赤い霧が少しずつ薄まっていった。

その場の誰もが、安堵のため息をつき、窓からその様子を眺めていた。

・・・だが、それは甘かった。

「・・・!?」

霧が晴れ、湖の外側の景色を目にした時、ヴァルキリーの背筋が凍りついた。

外部に広がっている光景は、まさに天変地異と言うに相応しかった。

雪が降り注ぎ、空は夜に染まり、陸地はおびただしい数の花に覆われ、あちこちで間欠泉が噴出している。

無論、季節は春。その上、時計は正午を指している。

突然花々が咲き乱れ、間欠泉が噴出すなど、とうてい同時に起こるはずが無い。

「なんで・・・!?」

「いままでに解決してきたはずの異変が・・・!?」

霊夢と魔理沙は、ただ呆然と窓の外を眺めていた・・・。




あぁ^~サンディア欲しいんじゃ^~。
という訳で、二体目超激レアは「雷神のサンディア」です。
やっぱりね、個人的にね、入れたかったんですねぇww
「紅魔郷」となれば実質的に敵キャラは「赤い敵」。という滅茶苦茶な理由で起用しました。
ま、いいですよね?(チラッ)

そんな事よりPONOSさん、デビルサンディア第三形態はあるんですかね?
もしあるんでしたら、もっと露出度上げて下さいますか?あ、じゃあいっその事胸は透け透けd(ry

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