とある科学の青春ラブコメは間違っている   作:一級狙撃手

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はいどうも、一級狙撃手です。

まず一番はじめに、

比企谷八幡君、誕生日おめでとうございます。


今回は俺ガイルにしようと思ったらまさかのとあるへ。

そして、色々動かしたら時間移動が多くなってしまい、わけが分からなくなってしまった…。


なのでもうその辺は諦めました。読みづらいと思いますが本編をどうぞ。


第九話

ppppppppppp!

 

という、けたたましくはないが、それなりにはうるさいアラームに俺は起こされた。

 

窓からは朝日が射し込んでいて、起きたばかりで曖昧な意識に猛烈な一撃を見舞う。

 

それによって、完全ではないながらも、一応意識の覚醒を果たし、今日もまた一日、学校生活を始める事になると考えて憂鬱になる身体を引きずって洗面所まで行き、顔を洗う。

 

顔を洗い終えて、タオルで拭くという何ともないいつもの動作を行い、それが終わらない内に、ふと、気付いた事があった。

 

「……そう言えば昨日から折本が泊まってんだった。ってかアイツどこいったんだ?」

 

思い出し、ここからでも見えるベッドの上を確認しても姿はなく、タオルを置いて、リビングの隅までよくみよう、と少し歩いた時、いい匂いが鼻腔をくすぐり、意識がそっちに傾けられる。

 

そっちを向くと、先程の折本の件の答えも、一緒についていた。簡単にいえば、折本が料理をしているのだ。

 

そして、向こうもこっちに気付いたらしく、挨拶をしてくる。

 

「あ、比企谷起きたんだ。おはよっ!」

 

「……ああ。折本は朝から元気だな」

 

折本の挨拶に、こう返事した俺なのだが、

 

「プッ。比企谷テンション低すぎ。ウケるっ」

 

「………お前は何を基準にウケてんだよ」

 

「別に何だっていいよ。比企谷もテンション上げて」

 

そして何故かテンションを上げる事を要求されたが、無視してとりあえず台所へ向かう。

 

「なんか手伝う事はあるか?」

 

「特に無いよ。………あえて言うなら………やっぱ無いわ」

 

「そこであえて言う必要あったのか?」

 

という俺の疑問は軽く無視され、結局何もすることがなかった俺は、仕方なく席に戻った。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

ーー(上条&佐天side)ーー

 

時刻は戻りに戻り、昨夜のパーティーが気付けば終わっていたという驚愕の事実を佐天さんから知らされたあたり。

 

それまで俺は佐天さんの肘や膝を横っ腹にくらって悶絶していたところ。

 

どうやら彼女の中では俺は既に候補に上がっていて、しかも将来は確定らしい。……性格もそうだが、恐ろしい娘だ。

 

まあ、何はともあれそんな訳で、とりあえず今は俺は風呂に入っている。

 

某人曰く、風呂は生命の洗濯なのだそう。

 

 

なので、俺も疲れを癒してこのちっちゃいバスルームでくつろげるのかは知らないが、とりあえず引っ越し初日のようにはなりたくないな。と、思い返しながら、バスルームの天井を見上げていた。

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

 

時は更に戻り、千葉に引っ越した初日。正確にいえばその日の夜。

 

引っ越しから最初の夜ご飯を食べ終えた俺と佐天さんは、食後休憩をとっていた。

 

「うわー、やっぱり新しい家って慣れない上に何かわくわくしますね」

 

「ああ。それはわかるわ。……でも今日は色々疲れたから早く寝たい……」

 

「先輩は寝たいんですか?学園都市での寮生活もこのくらいの時間に?」

 

「いや、学園都市にいた頃はもっと不規則な生活だったぜ。インデックスの話はしたろ?あいつは多分俺ん家にいる時間と小萌先生ん家にいる時間は対して変わらないんじゃないか?……俺の不幸体質が災いして家に二日、三日いないのはザラだったしな」

 

「相変わらずですねー、先輩は。流石の不幸体質。先輩はあれですね」

 

流石って言われてもな。とか思いつつ、アレってどれでしょう?などと考える。

 

「不幸自慢なら負けない、……いや、負けられない人ですね。頑張って考えなくても色々出てきちゃう程の数を有してる特殊タイプ」

 

「そんな特殊なタイプはいやだぞ!」

 

「でも先輩はそうならざるを得ない運命です。その右手がある限り」

 

確かにそうだ。と思ったが、かと言ってどうにかなるわけでもないので、諦める。

 

「ま、この話はこのくらいにしましょう。……それよりも、先輩」

 

「ん?」

 

「寝たいんですよね?」

 

そうニヤニヤしながら言う佐天さん。明らかに何かある。もうすでに分かっている事だが、佐天さんは周りを操るのが上手いから気を付けないと何をするか、何をされるかわかったもんじゃない。

 

一応予防線をはっておく。

 

「一緒に寝る、とかいうのはなしだぞ。あらかじめ言うが俺は遠慮……と言うか拒否するからな」

 

「え?でもそしたらどこで寝るんですか?布団は一枚しかないですし、私は先輩とか、お義母さん(おかあさん)お義父さん(おとうさん)に泊めてもらってる身なので、先輩が床で寝るって言うなら、私も床で寝ないといけない事になるんです。だったら、先輩が布団で寝て、私が床で寝る方が……」

 

だが、この時佐天さんは上条当麻がそういう場面を前に経験していた事を知らない。

 

そして、それを既に経験している側の当麻からすれば、どう切り抜ければ正解なのかを知っていた。

 

「……つまり佐天さんは、俺のが身分が高いから俺に布団で寝て、自分は床で寝るから、と言いたい訳か?この寒い時期に床で」

 

この時、当麻は佐天さんの考えの大まかなラインは見切っていた。

 

おそらく、俺を布団に寝かせ、その上で自分は床で寝る。そして、どんどん冷えていく佐天さんを見た当麻は、仕方なく自分の布団に入れ、自分は布団から出る。そこを、どうにかこうにか言って無理矢理止めて、最終的には二人で一緒に寝る、という形をとるのが狙いだろう。

 

だが、

 

次の佐天さんの返答次第ではこの計画は崩れ去る事になるからな。小さい頃に近所だったポニテのアイツで練習しただけはある。……そういや名前思い出せねぇな。顔は何となく覚えてるけど。………アイツもしつこかったな。ああ言えばこう言う。おかげでどう言えば回避できるか学べたけど。結局最終的には泣きまくって挙げ句の果てに親に言われて何故か親は親でアイツの味方するし。大変だったぜ。……っと、話を戻すか。

 

そして、ついに佐天さんの返答が来た。それは、俺の望んだ展開になった。

 

「まあ、端的に言えばそうなりますね」

 

勝った。俺はここで勝ちを確信した。ここで肯定を示せば俺の勝ちだ。

 

「んじゃあさ、その俺が、……佐天さんがさっき認めたように、俺のが身分が高いんだから、俺が佐天さんに布団で寝るように強要したって問題無いよな。んじゃそういう事で。俺は向こう(学園都市)と同じように風呂で寝るわ」

 

と言って、かっこ良く勝ちを決めたはいいが、

 

「………寒い、………硬い、………狭い、……………寝られねえ」

 

三十分後には、歯をガチガチならしながら硬いバスタブの中で震えていた。

 

予備の布団が無いという事は、つまりは掛け布団、その他もないので、仕方なくバスタオルを掛けて寝ていたのだが、寒いし、硬いし、狭いしで、なかなか寝付けず、そんなこんなで三十分経ってしまった。

 

(これは予想外だった。学園都市の風呂は断熱性の高い風呂だったし部屋自体も冷えにくい構造と素材たったからしばらくはあったかかったけど、ここは全然だ。風呂上がってから一時間も経ってないのにここ来たら既に寒かったし)

 

などと考えて、バスタオルの数を増やそうと思い、鍵を開けた時、急に横から抱きつかれた。

 

ビックリして自分でも気持ち悪いと思うような声を短くあげた後、そっちを見ると、佐天さんがくっついていた。

 

そして、

 

「なんだ、佐天さ……」

 

そこまで言った俺は、その先を口にできなかった。

 

なぜなら、

 

ゴンっ!

 

と、いい音を鳴らして、佐天さんの頭が俺の顎に直撃したのだった。

 

「先輩は馬鹿ですか?そんなに冷えてまで私と寝るのを避けますか」

 

「………そりゃ、……避けないと………マズイ…だろ」

 

「確かにそれはわかりますが、だったら自分の身体を傷めない方法にして下さい。今日はもう何がなんでも来てもらいます。一緒に寝るのがダメって言うなら私が布団を出ますから。もし熱がでたらその時は先輩、看病を頼みます。もしそれが嫌なら私もいれて下さい」

 

 

 

ーー結局、最終的には佐天さんに負けた俺だった。

 

ちなみに、佐天さんはものすごくあったかかったので、冷えはすぐ治った。佐天さんは俺がものすごく冷たかったので、いつものようにおふざけではなく、真剣に考えて俺を温める為に抱きついてきて、そのまま寝ていたのはここだけの話だ。

 

 

ーーーーー

ーーーーーーーーーー

 

という事があった。

 

結局その翌日の内に俺は親に連絡して、布団を一組追加で持って来てもらおうとしたのだが、間に合わないらしく、二日目は佐天さんと一緒に寝る事になった。ちなみに、その翌日には布団は届いていた。

 

 

現在も、先程まで入っていた風呂から出て、着替え、部屋の真ん中に二つ敷いた布団の中に入ってテレビを見ている。ちなみに、佐天さんは現在何かを真剣に考えていて、たまにこっちを見たり、また戻して再び考えこんだり、を繰り返している。

 

俺が心配して呼びかけても慌てて反応して拒否するだけ。

 

本当に理由(わけ)がわからん。

 

女子には秘密がつきものらしいが、こういう事なのだろうか?

 

 

 

とりあえず俺が悩んでも仕方ないので、その話は隅に置いて、今テレビでやっているニュースを見る。

 

ちなみに、できるだけ節約する為に、基本的にテレビで見るのはニュースのみで、それ以外でテレビがついた事は、こっちに引っ越してから今まで一度も無い。

 

そして、一通りのニュースを見終えると、佐天さんに

 

「先に寝るぞ?」

 

と、声をかけてから、俺は自分の布団に入り、静かに眠りについた。

 

 

ーーこんなにのんびりしていられるのはいつ以来だろうか。

 

ふと、そんな事を思った。

 

 

 

ーー(学園都市side)ーー

 

「出欠をとるのですよー」

 

いつもと変わらない声が教室に響き渡る。

 

外見はランドセルを背負えばピッタリなこの女性は、本職は教師だ。

 

この朝の風景も、一部を除けば特に変わったところはない。

 

その『一部』に当たる生徒は、いつも何かしらの事件に巻き込まれ、学校に来ないこと自体はあまりめずらしくもない。なので、クラスメイト達はまた何かに巻き込まれた、くらいにしか思っていないらしい。

 

実際そうではあるのだが、今回のはちょっと事情が違う。

 

詳しくは聞けていないが、かなり長い期間帰って来れないらしいのだ。

 

 

 

出欠を取り終わり、HRが終わると、教室は喧騒にのまれる。

 

その中から、

 

「また上やんはがっこ来てへんのか」

 

「………ま、いつものことにゃー」

 

「せやけど、でもやっぱり同じ趣味を喋れる奴がおらんとなー」

 

「上やんはロリコンじゃないぜい、青ピ」

 

「いや、ロリコンだ」

 

「違うにゃー、上やんはロリじゃなくシスコンにゃー」

 

 

………この会話は心配してるのかけなしてるのかどっちなのだろう。

 

そんな事を考えながらも、私は教室を出て職員室へと向かった。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーー

学校での授業やその他が終わり、帰宅する。

 

家に着き、鍵を開けると、一人暮らしの私を迎える声が聞こえる。

 

「おかえりなんだよ、小萌」

 

「小萌先生、おかえりなさい」

 

扉を開けると、インデックスちゃんと、秋沙ちゃんが、私を迎えてくれた。

 

「ただいまなのですよ、インデックスちゃん、秋沙ちゃん。秋沙ちゃんは帰りが早かったのですね」

 

などと他愛ない話をしながら、教師としてではなく同じ家に住む住人としての秋沙ちゃんとの生活に、新たにインデックスちゃんを加えた生活が始まった。

 

 

 

 

 

ーーそんなこんなで、色んなところが同時に動きはじめていた。

 

 

 

ーー逃げる当麻たち。

 

ーー追う美琴たち。

 

ーー巻き込まれた八幡たち。

 

ーー学園都市で待つ当麻の仲間たち。

 

 

 

それぞれがそれぞれの目的の為に、動いていた。




安定の読みづらさでお送りしております。

ほんとすみません。

次回も頑張ります。


後、最近……というか今日知ったんですが、他の方が書いたssに『とある魔術の青春ラブコメは間違っている』というのがあって『!?』ってなりました。

まぁ、向こうのが先に投稿してるんで、こっちがパクッた形になるんですが。

ちょっとした話です。

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