Fate/make.of.install   作:ドラギオン

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アルカVSケイネス

アルカが撃たれた日。謎に包まれた奇跡を体現したアルカ。本人や周囲も理解できない奇跡は、失われたはずの日常を取り戻していた。

 

遅くまで起きていたため、寝坊したウェイバー。10時過ぎまで寝ていたため、体を起こせば部屋に誰もいない。いつもは煎餅をかじっているライダーがいると言うのに。それにアルカも居ない。何か起こるかもしれないと、ウェイバーが床に布団を敷き、アルカをベッドで眠らせたが彼女の姿もない。

 

 

「何処行ったんだ……んん? これは教会か」

 

 目覚めたウェイバーは、魔術師にのみ感じ取れる魔力の振動を感じ取り、窓から外を見る。すると、監督役の教会の方角から、信号弾のようなものが飛ばされ、その意味は非常呼集だった。監督役が聖杯戦争の参加者に緊急招集を掛けた証拠だった。ウェイバーは寝起きながらも、すぐに近くに忍ばせていた使い魔を教会へと走らせる。

 

(なんだっていうんだ)

 

――――

 

 朝の静かな空気と窓から差し込む温かな光が、教会の礼拝堂に差し込む。そして、礼拝堂の中心に立つ、年を取りながらも背筋が伸び、その人生の積み重ねが現れた威厳のある神父。言峰璃正は、緊急呼集をかけた事で、集まった使い魔達に対して、話し始めた。使い魔の数は5体、昨晩にビルの爆破に巻き込まれ、生死不明だったロードエルメロイの使い魔かは謎だが、ライダーとブレイカーは共同陣営であるのなら、エルメロイの生存の可能性も浮上した。

 

「今、聖杯戦争は重大な危機に見舞われている。キャスターのマスターは昨今、冬木市を騒がせている連続誘拐事件の犯人であることが判明した。よって私は非常時における監督権限を此処に発動し、暫定的ルール変更を設定する」

 

 穏やかな声で、聖杯戦争を大きく揺るがす事を口にする監督役。その真意は読みとれないが、彼がキャスターの存在を容認できず、それだけ大事になっていると言う事だけはわかる。

 

「全てのマスターは、直ちに戦闘行為を中断し、各々キャスター討伐に尽力せよ。そして、見事キャスターとそのマスターを討ち取ったものには特例措置として追加の令呪を寄贈する」

 

 言峰神父は、自らの僧衣のそでをめくりあげる。すると彼の右腕には無数の令呪が刻まれていた。それを使い魔達に見せるように、掲示する。

 

「これは過去の聖杯戦争で脱落したマスター達が使い残した令呪である。諸君らにとって、この刻印は貴重極まりない価値を持つはずだ……キャスターの消滅が確認された時点で改めて聖杯戦争を再開するものとする」

 

 

 そう言って再び僧衣を、元に戻した彼は腰に手を組みながら、にこやかに使い魔達に話しかけた。聖杯戦争で令呪とは、サーヴァントを縛る戒めでもあり、強化する切り札でもある。その一角が手に入るのはアドバンテージに他ならない。

「さて、何か質問があるものは今、この場で申し出るがいい。もっとも人語を発音できる者のみに限らせてもらうがね」

 

 周りに使い魔しかいない状況では、質問など出るはずもない。使い魔の気配が消え話は終わりだと、言峰神父もお開きにしようとした時、一番奥の席で手を挙げた存在が居た。

 

「……し、つもん」

「な!? えあ」

 

 油断した所に突然現れた人物に、威厳に溢れる言峰神父の顔も驚愕に染まる。慌てて振り返った彼の前には、お行儀よく座った七色の光を宿す瞳と美しい金髪の少女が居た。人形の様な造形と無表情さから、ホムンクルスと言われても納得できる。その少女の上げた手には、一角を消費しているが、後二つの令呪が浮かび上がっている。それは、マスターの証である。

 何故か、唯一残っていたネズミの使い魔が、少女の頭までよじ登って、髪の毛を引っ張っているが、それより気になる事があった。

 

「な、なにかね。君はたしか」

「私のマスターだ神父。どうしても、聞いておきたい事があるらしくてな」

 

 アルカの隣に実体化したブレイカーと名乗り、バーサーカーを撤退させた実力を持つ英霊がマスターの代わりに話す。再び突然現れた英霊に言峰神父も冷静さを欠いてしまう。

 

「まさか、子供だからって質問しちゃいけないってルールがあるのか?」

「いや、神の家はどんな人間にも等しく扉を開く。して、質問とは?」

 

 言峰神父は、ブレイカーの隣に座るマスターに話しかける。元々孤児院も営む性質から、子供に対する対応にも慣れていた。あわよくば、情報を引き出そうと思案していた。

 

「……令呪、キャスター倒したら、ウェイバーにあげたい」

「ふむ。君とブレイカーのサーヴァントだけで、打倒すれば譲渡は出来ない。だが、ライダーと協力して討伐すれば、その場合は二人に一つずつ譲渡させて貰おう。いかがかね?」

「……」

 

 黙りこんで、目をぱちくりさせるアルカ。彼女の頭の上で、ペチペチと頭を叩く使い魔がシュールだが、言峰神父も反応がない彼女に困惑する。だんまりしてしまったマスターを見かねたのか、ブレイカーが代わりに話はじめる。

 

「ウェイバーに令呪2つは、無理だってさ。でも一緒にキャスターを倒せば、一個ずつくれるってよ。それで我慢しろ。すまないな神父、こんなマスターの質問に答えて貰って」 

「いや、当然の事をしているまでのこと」

「もし俺が脱落したら、マスターを保護してやってくれ。アンタの良心に期待してるよ」

 

 意味深な言葉を残し、マスターである少女を抱き上げるブレイカー。抱きあげられたアルカは、言峰神父に頭を下げて「……さよなら」と言い、ブレイカーに掴まる。そのまま、扉を開けた主従は、教会の外に出る。

 

「な!?」

 

 扉が閉まる寸前に見た光景に、言峰神父は声をあげて驚愕した。彼の目に映ったのは、ブレイカーの主従が霊体化して消えたからだ。アルカの頭に乗っていたネズミは、霊体化されたアルカに触れる事が出来ずに地面に墜ち、キョロキョロした後、走り去って行った。

 

「どうなっている」

 

 これは、時臣に報告せねばならないと、踵を返して教会の地下室に向かう。

 

 

――ー――ー――

 

 一方マッケンジー宅で使い魔を操っていたウェイバーは怒りながら階段を下りていた。まさか、あの場所にアルカが現れると思っておらず、ずっこけていた。昨夜銃弾で死にかけたと言うのに、勝手な行動を取るアルカとブレイカー。

 

 そして、リビングでガサゴソと音が聞こえライダーの存在を感知する。

 

 

「説明しろライダー! あ、なんだそれ」

 

 なぜアルカ達の行動を許したのか、怒鳴る。だが、ライダーに呆気に取られてしまう。自分のマントや鎧を椅子にかけ、開いた段ボールが机に放置されている。そして、当の本人は、胸に世界地図とアドミラブル大戦略と書かれた白いシャツ(特大サイズ)を着たライダーが居た。彼はたいそうシャツが気に入った様子で、軽快に笑いながらポージングを取っていた。

 

「通信販売とやらをを試してみたのだ」

「おまえ、二階から出るなって言っておいただろうが!」

「とはいえ、家主はまだ帰っておらん。貴様も使い魔に感けている以上、余が受け取る他あるまい?」

「それ以前の問題だ! なんで通信販売なんて」

 

 そもそも英霊が通信販売をする理由が分からない。そして、何故通信販売なんて手段をこの男が知っているのかも不可解。

「昨夜のセイバーを見てな。余もひらめいたばかりなのだ。この時代の衣服を纏えば、実体化したまま町を出歩いたって文句あるまい?」

 

 シャツを身に纏って、ではと玄関へと歩くライダーをウェイバーは、慌てて制止する。

 

 

「おい、待て! 外に出る前にズボンくらい履け!」

「ああ脚絆か……そういえばこの国では皆履いておったっけな」

 

 ライダーは、失念していたと拳を額に当てる。本気で考えていなかったらしいが、彼の生きた時代でもズボンはあった筈。普段からズボン無しの丸出しでうろつくような文明でない限り、人としてどうなのかとウェイバーは思う。

 

「アレは必須か?」

「必要不可欠だ!!」

 

 此処でこの男を解放すれば、たちまち警察のお世話になる事請け合いだろう。猥褻物陳列罪で捕まる英霊など情ない事この上なく、引き取りに行く事になるのは自分なのだ。精一杯阻止するのも当然。

「最初に断っておくが、僕は貴様のために町まで出向いて特大ズボンを買って来るなんて事は、絶対しないからな」

「なんだと!? 坊主、きさま余の覇道に異を唱えると申すか!?」

 

 よほどショックなのかライダーがウェイバーに突っかかる。だが、ウェイバーも納得できない事に金も労力を割くつもりもない。そして、覇道とズボンは、何のつながりもない。

 

「覇道とお前のズボンとは一切合財、金輪際、全くもって関係ない! 外を遊び歩く算段なんてする前に敵サーヴァントの一人でも討ち取ってきてみろ!? そしたらズボンでも何でも買ってやる!」

 

 ウェイバーの怒りの勢いが強い上に、正論で責められたライダーがたじたじとする。滅多に押されない彼だが、今回に限っては百人が百人ともウェイバーに味方するだろう。

 しかし、ライダー。征服王イスカンダルの辞書に『諦める』という言葉はない。すぐさま、ズボンを手に入れる覚悟を決める。

 

「成る程、あい判った。とりあえず敵の首を上げれば、その時は余にズボンを履かすと、そう誓うわけだな?」

「お前、そんなに現代の格好で外を出歩きたいのか?」

 

 決意の籠った目に、ウェイバーは呆れて脱力する。何が此処まで彼をかき立てるのか? それが気になって仕方ない。

 

「騎士王の奴めがやっておったのだ。余も王として遅れをとるわけにはいかん……この服の柄は気に入った。覇王の装束に相応しい」

「……頭痛くなってきた」

 

 なんてマイペースなサーヴァントだと、気疲れで肩をなで降ろしたウェイバー。だが、本題を思い出したウェイバーがライダーに問い詰める。その勢いと形相は、ライダーでも少し引いてしまう物だった。

 

「それどころじゃない! アルカとブレイカーが勝手に外に出てるんだ! 何で行かせた!」

「お、おお。忘れておったわ」

「きっちりかっちり説明しろ!」

「とは言ってもの。小娘が外に行きたいと言ってな」

 

 朝の出来事を思い出して、ライダーが説明する。ウェイバーより先に目覚めたアルカは、ブレイカーが用意した朝食を食べた後、外に出たいと言い始めた。当然、ライダーも昨日が昨日なので止めたが、霊体化して移動すれば大丈夫といい、ブレイカーも伴って行くと言い始めた。

 ブレイカーも最初は悩んでいたが、彼の目的はアルカの人間性の確立。なればこそ、興味を持った者には触れさせる方針を取った。霊体化したマスターに攻撃を出来る存在など、滅多にいないし銃弾も意味を成さない。それに、二度と同じ轍は踏まないと言うブレイカーを信じぬ訳にもいかなかった。

 

 

「それで外出を許したと?」

「仕方あるまい。あの小娘、大人しいように見えて余より行動的な所があるのだ」

「後でお説教だな……まぁいい。閉じ込めておくつもりはなかったしな……ただ、声くらいは掛けて欲しかった」

 

 少し拗ねているウェイバーの姿を見て、ライダーは何か忘れているような気がした。そして、ポンと掌に拳を置いて思い出す。ライダーは再びリビングに戻ると、掌に小さな指輪を持って見せた。

 

「何だよこれ」

「昨日ブレイカーが作っておった礼装らしい。なんでも小娘と連絡できる上に、小娘の持つ指輪はそれを目指して反応するとか」

「馬鹿! もっとそれを早く言え!!」

 

 ライダーから指輪を取り上げ、自分の指にはめる。すると、指輪を通してアルカへとラインが通じる。

 

『……ウェイバー?』

「あぁ。僕だ……」

『……おはよう?』

「そうじゃない。……今度から外を出るときは、僕に一言言ってから行け。いいな?」

『……ん』

 

 恐らくアルカは、通信しながら首を傾げているだろう。言い付けは基本守るが、何故駄目かという理解をしていない彼女は、その意味を知りたがる。けれど、何で何でと問い詰める事もせず、納得してしまう謙虚さもあった。

 

『お、起きたかライダーのマスター』

「勝手に連れ出したんだ。お爺さんお婆さんには、地元の友達の家に行くと伝えておく」

『すまないな。後で合流するか?』

「いや、いい。今日は様子を見ようと思う。だけど、何かあったら連絡しろよ」

 

 そう言って通信を切ったウェイバー。本当は文句がもっとあったが、比較的安全な時間位は自由にしてやりたいと思った。警戒するべくは、あの倉庫街での狙撃だが、今のアルカは銃弾じゃ傷一つ負わない。それでも危険が無い訳ではないが、何かあれば報告するように告げた。ライダーの神威の車輪なら、すぐさま駆けつける事も出来る。ブレイカーも強い英霊なのは疑いようもない。

 

 

 

――ー――

 

 ウェイバーからのお許しが出たアルカは、ブレイカーに運んで貰い新都の高層ビルのてっぺんに居た。抜群のバランス感覚を持って、鉄塔のてっぺんに直立する彼女は、瞼を閉じて風を感じる。そして、ゆっくりと開眼した目には、これまでにない輝きを放っていた。七色のオーロラのように色素が変化する魔眼に魔力を込めた彼女は下界を見下ろす。

 

「install」

 

 平均的な魔術師すら及ばない程の霊視と魔力を視覚化する魔眼。見る事に現在特化している魔眼で彼女は、冬木そのものを理解しようとする。目に入る魔力の流れや、使用された魔力の痕跡、それらですらも千里眼のような視力で見通し、解析して行く。アルカが現在探しているのは、キャスターの行方と他のマスターの行方。だが、冬木はあまりに魔力が濃過ぎて彼女の目を持ってしても、いや持っているからこそ情報量が多すぎる。

 だが、あらゆる情報を取り入れていることで、アルカの魔術に対する知識も少しづつ増加して行く。

 

「マスター。無理はするなよ」

「……魔力属性解析、使用魔術の解析……性質の把握と理解。追及、く」

 

 突然ひどい頭痛に襲われたアルカは頭を抱える。明らかに情報を取り込み過ぎて、脳が限界を迎えているのだ。だが、魔眼の使用をやめないアルカ。彼女にあるのはウェイバー・ベルベットを有利に勝たせると言う目的だけ。自我が薄い中で、記憶も目的もない彼女は、自分を助けてくれたウェイバーに依存する。人と言う存在を改めて学習するうちに、そのような形に歪んでいた。

 特に大きかったのが、アイリスフィールと久宇舞弥との接触。彼女達を断片的に読み取った所、他者に対する優先順位を確立してしまっていた。

 

「……見つけた」

「何をだ?」 

 

 アルカの見ている世界を理解出来ないブレイカーは、彼女の隣で視力を強化し続けて、其処を見る。こと視力に関しては、第四次聖杯戦争最強の主従である2人。アルカの目線を追って行くと、遥か遠くに廃れた廃墟が映る。そこに映る人影の一つに、見覚えのある人物がいた。

 

「ランサーか」

「ランサーのマスター、昨日見た」

 

 どうやらアルカには、ランサーのマスターも捉える事が出来ているらしい。情報収集に特化したマスターの性能に舌を巻く。アルカの魔眼もそうだが、彼女は魔力から魔術まで、他芸すぎるのだ。そもそも6歳ほどの子供が、どうやって多数の魔術を学んだのか、ホムンクルスのように生まれる前に知識を移植する方法もあるが、マスターは毛色が違う。彼女ほどのホムンクルスが完成すれば、みすみす時計塔に保管などさせない。

 

「ウェイバーの敵、倒す」

「おい、マスター。それはやめておけ」

「……だめ」

「な……」

 

 許容できない案を否定したブレイカー。だが、アルカはブレイカーに無表情な顔を向けながら、それを否定する。まさか反抗されると思っていなかったブレイカーは驚いて声が出ない。危険なのはわかりきっているが、自身の目的には彼女の進化は必要不可欠。

 

「……ウェイバー泣かせた。敵」

「御執心なウェイバーに言ったら、確実に反対されるぞマスター。第一、昼間から戦闘なんて」

「……マスター、倒す」

「あ? お前が戦うつもりか? ただ嬲り殺されるだけだ」

「……倒す」

 

 ブレイカーは頭を抱える他なかった。現実を知らない子供が嬲り殺されに行きたいと言うのだ。霊体化出来る事を考えれば、死ににくい。だが、首や心臓を潰されればアルカは死ぬ可能性がある。霊核を持たない謎の霊体化の限界が分からない以上、どうすればいいのかわからない。どう考えたって、いい案が浮ばない。

 

(首吊った方が早いぞ。ばれたら俺がウェイバーとライダーに殺される気がする)

 

「あぁもう! ウェイバーじゃないが、この馬鹿娘!」

「……痛い」

 

 ぺシッと懇願する目で見つめるアルカの頭部を叩いたブレイカー。彼は、心底納得できない表情で彼女に耳打ちした。どう考えたって手痛い代償を負う社会勉強になる。授業料はアルカの命で得る事が出来るのは、死のみ。だが、アルカには教えなければいけない。死と言う概念とその恐怖、それらを知らなければアルカは、どの道死ぬだろう。

 

「わかったか?」

「……ん」

 

 もうやる前から疲れたと一気に年を取ったような感覚で、ブレイカーは死地に赴いた。アルカとブレイカー両者ともに霊体化し、ブレイカーに抱えられたまま下界に降り立つ。そして、屋根を飛び越えながら目的地へとたどり着いた。

 次々に屋根を飛び越えて駆け抜けるブレイカーにアルカは小さく拍手をしていた。少しは見直したかとブレイカーが徐々に速度を上げる。そして、そう時間がかからないうちに目的の廃墟に辿り着く。

 その建物に先に足を踏み入れたブレイカーだが、瞬時に結界に阻まれる。

 

「そりゃそうか」

「……」

 

 霊体化のままでは通り抜けられないブレイカーとアルカは実体化と受肉する。受肉したアルカは、結界の影響を受けないがブレイカーは阻まれたため。強引に結界を殴りつけた。破壊者のクラスに恥じない問答無用の破壊行為は、厳重に張られた結界を同時に複数破壊した。彼に殴られた結界は基点から砕け散り、消滅してしまう。

 

「こんな昼間から、随分乱暴に押し入ったな破壊者の英霊よ」

「昨日ぶりだなランサー」

 

 当然そんな侵入をすれば、ランサーのマスターとランサーも黙ってない。すぐさま、中庭に実体化したランサーが怒りを目に込め、二つの槍を構える。それに合わせて、中庭に入ったアルカとブレイカーを巻き込んだ人払いの結界が貼られる。当然脱出を妨害する結界も張られ、八方塞になる。せめてもの救いは、拠点作成が途中で迎撃用の魔術が無かった事か。

 

「今宵は何用で参った?」

「聖杯戦争なんだ。とはいえ今は戦闘中断だったか……失念してたな」

「何故その子供を連れてきた。戦場に戦う力を持たぬ子供を引き連れ歩く貴様の真意が図りかねる」

 

 確かに、相手の拠点に戦う力も脳もない人間を連れてきたブレイカーがおかしい。当然ブレイカー自身も自分がおかしいのは百も承知で連れてきた。だからこそ、ブレイカーは何も語らない。

 

「主を先おいて、御客人と話すとは何事だランサー」

「主……。出過ぎた真似を致しました」

 

 ランサーがブレイカーを視線で抑えていると、背後から背中で腕を組んだ金髪の白人男性が出てくる。彼がランサーのマスターである事は、明白だった。元々アルカの記憶で知ってるブレイカーは驚かない。

 

「このような時間から、随分と乱暴な訪問だね。おや、君だったのか」

「……ウェイバーの、敵」

 

 一方侵入者であるブレイカーよりも、彼が連れているマスターにランサーのマスターであるケイネスは視線を向ける。昨夜自分を愚弄したサーヴァントであるブレイカーよりアルカに注目した。彼には2人を迎える気などなく、すぐさま始末する算段があったが、彼女の正体を知る今では違う。

 

「ウェイバー君は来ないのかね? それとも君達を斥候に隠れ潜んでいるのかな?」

「御想像にお任せするよ」

「そうか。さて、封印指定のお譲さん、正面から訪れたと言う事は、正統な決闘を御所望なのかな?」

「貴様……」

 

 アルカを見て脱獄した封印指定の被検体だと言うケイネス。彼は本来時計塔の魔術師である彼なら、誰よりも早くアルカの情報を掴んでいても不思議はない。むしろ、知った上で彼女を追ってきた可能性だってある。ブレイカーがケイネスを憎々しい目で睨むが、間にランサーが割り込み邪魔をされる。そして、ケイネスに向かいあうアルカは、無表情なまま反応を示さない。

 

「ふん。時計塔の情報の通りか。彼女は時計塔の所有物である。すでに回収段階で記憶の消去と生命活動の停止、更に封印を施されたサンプルだ。よりにもよってウェイバー・ベルベットが、私の聖遺物だけでなく、封印指定の魔術師を盗み出していようかな」

「……」

「成程。彼を見誤っていたようだね。自分に才能が無いため、自分の言う事を聞く上で、自分より優秀な人形を用意するか……。中々の策謀家だったようだ」

 

 ケイネスは、自分の意思を持たないアルカがただの操り人形だと仮定し、話し続ける。あわよくば現れたウェイバーを八つ裂きにする予定だった。だが、ウェイバーは現れない。さすがに、その程度の状況把握はできるかと考え、ケイネスはアルカに歩み寄って来る。それにアルカは、彼を睨む事で向かい合う。

 

「折角の御客人だ。このアーチボルト家9代目当主、ケイネス・エルメロイ・アーチボルトが直々に。無知な少女に本当の魔術師の魔術という物をとっくり堪能させてやろうではないか。光栄に思いたまえ」

「我が主! あいては、武器も持たぬ幼子であります! それを」

「黙れランサー。マスターである以上、敵には違いあるまい。それに、殺しはしないさ。彼女は回収する貴重なサンプルだ」

「主……」

「せいぜい、手足を引き裂くだけだ。そして、ウェイバー君の所在地を吐いて貰えば、すぐに時計塔に引き渡す」

 

 子供を嬲ると宣言するマスターに、ランサーは騎士道精神で認められるものではなかった。相手が逃げてさえくれれば、どうとでもなるが。竦み上がったのか、恐怖で動けないのか微動だにしない。アルカは、七色に輝く目でケイネスを見つめながら小さく呟いた。

 

「……ウェイバー、才能なく、ない」

「ふん、何と愚かなことだ。ハッキリ教えてあげよう。今生の最後のお勉強だよ、彼は魔術師として落第物だ。この私とは比べる事もなく、君と比べても遥かに劣るクズだ。自分を過大評価して教え込んだようだが、それは誤りだ」

 

 ケイネスがそう言った瞬間。アルカは目を瞑り、全身から結界中に広がる程の魔力を迸らせる。全身の魔術回路が全て開かれ、全身に魔術刻印が浮かび上がる。その色は、眼と同じく色が変化し続ける特異な刻印。何者でもない彼女が何かになろうとするように、無数に色が変化する。

 

「ウェイバー……バカにしないで」

「くっ。これ程までにか封印指定」

 

生まれて初めて、怒りという感情が芽生えたアルカは、眼を大きく開いて、魔眼に魔力を込める。そして、迸る魔力量は代々続く名門出身であるケイネスよりも濃厚で膨大だった。

 

「そんな馬鹿な。これほどの魔力を」

「俺もビックリだ。魔力もだが、これ程までに感情を……」

 

向かい合い、牽制しあっていたブレイカーとランサーも怒りで魔力を解放したアルカの魔力量に驚く。

 

「……install、内包術式、解放」

「Fervor,mei Sanguis(沸き立て、我が血潮)」

 

アルカが、魔眼で周囲の石や瓦礫を視認。視認された石や瓦礫は彼女の所有物と化し、すべてが浮き上がる。それらには彼女の魔術が付与されていた。対するケイネスも服に隠していた水銀の入った試験管を取りだし、詠唱する。

 

「Automatoportum defensio:Automatoportum quaerere:Dilectus incrisio(自律防御:自動索敵:指定攻撃)」

「標的指定、ベクトル付与。参考封印指定【流星】。流転の星・穿て」

 

長い詠唱を終えケイネスの体目掛け、魔力により強化された石や瓦礫は、隕石のように光を迸らせ向かう。一発一発が銃弾のように突き進む。

だが、ケイネスが起動した魔術礼装の水銀が彼を守るように覆い尽くす。

 

百発近い流星を水銀の膜が回転することで、弾いていく。弾かれた流星は辺り一面に破壊をもたらし、ブレイカーやランサーも其々が流星を打ち砕かねば、成らなかった。最低でもランサーの対魔力を越える一撃だった。

 

「やるじゃないか。月霊髄液(ウォールメンハイドログラム)を突破は出来ないようだが、驚かせて貰ったよ。では、今度は此方から、Scalp(斬)」

 

アルカの攻撃を防ぎきったケイネスは、水銀の魔術礼装【月霊髄液】を変形させ高圧と高速での流動により刃として振るう。

 

「……く」

 

解析の魔眼で、性質を見抜いたアルカが攻撃を交わそうとするが、幾重にも別れた斬撃に脇と肩が切り裂かれる。致命傷ではないが痛みと

吹き出る血が、アルカの服を赤く染める。

 

「さ、降参かね?」

「術式変換、参考封印指定【固定】。封印魔術、時の鎖牢」

 

今度は、魔力の質が大きく変化。アルカの視線に魔力が乗り、その魔力を受けたケイネスは、体が金縛りにあったように、固まっていく。歯を噛み締めたケイネスを守るように水銀の膜が視線を遮る。

 

「はぁ。おのれ」

 

視線を遮った部分の水銀が固定されていくが、ケイネスは再び動くことができた。中々に多種多様な魔術を使う相手に驚きを隠そうともしなかった。

 

「術式追加。対象、魔術礼装。参考封印指定【脆月】。崩れる都」

「自立防御に穴が……Scalp(斬)」

 

固定された水銀が変色を初めて、崩れていく。それを見て攻撃に月霊髄液を動かしたケイネス。術式に集中していたアルカの左手を綺麗に切り落とし、彼女の術式を解除させた。

 

「……痛い」

「その年でこれ程までに多様な術を使いこなすとは。素直に称賛させて頂くよ。だが、我が最強の魔術礼装には及ばなかった」

 

「術式追あぐ……」

 

水銀の塊を脇に控えさせ、実質的に勝利したケイネス。だが諦めないアルカが更に術式を構築する前に、彼女の右足を月霊髄液の斬撃が切り裂いた。腕に続いて右足を失ったアルカが地面に倒れる。地面に血が多く流れる。

 

「決着だな。負けず嫌いは見苦しいぞ封印指定の少女よ。安心したまえ、君を封印した後で、ウェイバー・ベルベットも解体してあげよう。封印指定とは違うが、肉片のサンプルにはなるだろう」

「……だめ、ぐ」

「何なら君の記憶を書き換え、君にウェイバーを殺させるのも手が込んでいて、面白い余興だね」

 

残った右手で起き上がろうとしたアルカの左足を、水銀の刃は、切り取った。その様にランサーが、ケイネスの前に出る。

 

「主! お止めください……勝負はついております。これ以上は無力な人間をなぶる行為に他なりません」

「貴様、英霊風情がマスターの行為に口出しする気か!?」

「いえ……。ブレイカー! 貴様は主に何も思わぬのか?」

 

ケイネスに逆らえず、何故ブレイカーが傍観徹しているのかわからないランサー。彼の主を見捨てる態度に憤る。

だがブレイカーの様子に、怒りは収まる。ブレイカーは腕を組ながらも、歯を噛み締めすぎて口元から血が流れる。さらに組んだ腕も、爪を書き立てたのか血だらけだった。

 

「耐えているというのか……お前は」

「……」

 

外道かと思えば、ブレイカーは主の痛みに傷ついている。さらに主の戦いを邪魔せぬよう耐えていた。だが、ブレイカーの眼には悲観はなかった……4肢を3つも失った少女の勝利を信じているようだった。

 

「これで幕切れとしよう。Scalp(斬)!」

 

ケイネスは、残った令呪の宿った右腕に斬撃を放った。ピンポイントで向かう水銀の刃は、アルカの腕に向かう。令呪を失えば、アルカはマスターでなくなる。殺す必要性はなくなり、ブレイカーのマスター権も運が良ければ手に入る。

 

そう考えての行動だったが、目論みは成功しなかった。攻撃が命中する前に、あるものがケイネスに飛来する。

そして、月霊髄液は攻撃を取り止め自立防御によって、それを阻んだ。

 

「なんだと」

「install」

 

飛来した物体は、切り落とされたアルカの左腕だった。それは、手を開いた形で月霊髄液の膜に接触。彼女の得意の魔術が発動する。瞬時に切り落とされた腕から魔術回路が水銀の膜に広がり、全てを読み込んで取り込む。

「内包完了」

 

さらに情報を読み込んだ左腕が、霊体化。魔力の粒子となってアルカの腕に戻る。それは腕だけでなく切り落とされた両足も同じく再生、彼女は自分の足で起き上がる。

 

「何をした?」

「……」

「何をしたのかと聞いている‼」

 

何かをされた事実は理解できたが、内容までは理解できない。そして、切り落とした四肢が復活した理由も。

それを問い詰めるため、掴み掛かろうとしたとき。

 

「な」

「……参考封印指定【奪取】。略奪対象、月霊髄液」

 

ケイネスの手は月霊髄液の自立防御によって阻まれた。それはアルカのとっておきだった。相手の礼装や魔術を解析するさいに、自分の魔力とラインを勝手に接続。その権限を強奪する魔術。本来なら、軽々とできる魔術ではなく、可能としたのは封印指定にされるほどの権限奪取の魔術師が居たからである。

これまでの戦闘で幾つか見せた全ても、彼女と同じく橋の底でサンプルにされた、封印指定の魔術師の魔術である。

 

「……Scalp(斬)」

「くそ」

 

月霊髄液の斬撃を模範したアルカ。彼女に半分の権限がある月霊髄液は、アルカの操る攻撃をケイネスが指定した自立防御が防ぐという状況に陥った。

 

「一旦解除だ」

 

ケイネスは眼前で繰り広げられる月霊髄液同士の攻防に業を煮やし、月霊髄液の魔術供給を停止した。それで止まるはずだった。

 

「……略奪」

「私の礼装を!」

 

権限が半分の状態で、権限を放棄したとなれば当然。権限すべてはアルカに移ってしまう。ケイネスは、アルカが流体操作に干渉しただけだと勘違いしていた。それが大きな失敗だった。

 

ケイネスには、まだ予備の月霊髄液が大量にある。しかし、起動している時間はなかった。油断一つで、窮地にたつケイネスだが、生まれてこの方ピンチを味わった事のない彼は、切り抜け方をしらない。

 

「勝負あったな」

「ふざけるな! 認めるものか、この私がサンプル風情に」

「……ウェイバーバカにした、だめ!」

 

アルカの隣で彼女の内心を表現するように、プルプル揺れた月霊髄液。それは、変形して鋭い刃として、ケイネスに襲いかかった。

 

「主! はぁ!」

 

ケイネスの危機に最速の英霊、ランサーが駆け出し月霊髄液を赤い槍で打ち払った。魔力を絶たれた部分がただの水銀として削られる。ランサーの乱入にブレイカーもアルカの前にたって向かい合う。

 

「今宵は、引き分けで手を打たないかランサー」

「なに」

「これ以上続けば、お前のマスターが死ぬぞ」

「何をしているランサー、こいつらを殺せ!」

 

プライドが傷付けられたケイネスは、彼を庇うランサーに二人を倒せと命じる。これは面倒だとブレイカーが構えたとき。最初にケイネスに防がれた石や瓦礫が、再びアルカの魔力に触れて浮き上がる。この魔術は石や瓦礫、彼女の腕など意識のないものに所有権を得る。そして、それらを指定した対象に流星として飛ばせる魔術である。

これにより石や瓦礫での多重掃射や自身の腕を飛ばした奇襲を可能とした。

 

「……流転の星は、私の魔力に反応して何度でも、起動する」

「お前、恐ろしいマスターだな」

 

最初から計算された上で、ケイネスを刈り取った化け物にブレイカーは恐怖にもにた称賛を送る。そして、彼女の魔力に触れた石や瓦礫は、ケイネス目掛けて空から降り注いだ。

 

「主! 伏せてください」

 

それらをランサーが、二本の槍で打ち砕いていく中で、中庭に落下した流転の星が爆発して煙を挙げる。これは逃げ時だと、アルカに認識阻害と気配遮断のカーテンを指輪から取りだし使用。

 

爆発と煙を囮に離脱することに成功した。認識阻害のおかげで実体化したまま、その場から離れるアルカとブレイカー。そのあとを着ける存在が居たが、煙に巻かれた上で振りきられる。

爆撃を全て槍で打ち払ったランサーは、ケイネスの安全を確認したことで一息ついた。そして、本来なら彼らを殺せた状況で見逃したブレイカーに、悔しさと共に感謝をした。

 

当然主は恥を掻かされ、狂乱。この雪辱を晴らさんと当初の予定だったホテル爆破の犯人、アインツベルンに怒りの矛先を向けた。自分の失態ではなく、魔術工房を失う原因に、今夜乗り込むこととなった。

 

ーーーー

 

どうにか離脱出来たブレイカーは、マッケンジー宅にアルカを下ろした。だが、今回彼女はとんでもないお土産を持っていた。

 

「……プルプル」

「お前、何か重いと思ったら持って帰ってきたのか……」

 

アルカは、足元にプルんプルん動く水銀をツンツンと指でつついていた。どうやらケイネスから奪った其を掌サイズに圧縮して、ブレイカーの背中に乗せて居たらしい。何故アルカがケイネスの礼装を持ち帰ったのか謎だが、こんなことは懲り懲りだと、もう座に帰りたくなったブレイカーだった。

 

「返して来なさいとも言えないし……待ってろ」

 

見た目は小さくとも数百キロある水銀を家に入れる訳にはいかない。すぐさま月霊髄液に戦闘以外での重さ軽減の術式を組み込んだ。見た限り優秀な魔術礼装であるのだから、アルカの身の安全を考え所持を許したのだ。

 

「……プルプル」

「ウェイバーに何て説明するんだよ……」

 

その後、家に帰ったアルカ。帰宅していたマッケンジー夫妻にお土産のお菓子などを貰い、お出掛け用に水筒をもらった。これからも遊びにいくならと、運動靴なども買い物に出掛けた先で購入。

それにはウェイバーも付き合わされ、二人はマッケンジー夫妻の相手を一日勤めることになった。

 

そして、旅の疲れで熟睡した夫妻を他所に、ウェイバーの部屋で会議が開かれた。

 

「で、なんだって?」

「……」

「ランサーのマスターが、アルカを狙って来て……其を撃退した」

「なんで、そんな重要なこと連絡しなかった」

「通信阻害の結界があって……」

 

何故そんな事態になったのかと、問い詰められ。アルカが自分から襲撃したとは伝えられないブレイカーは正座のまま真実を濁した報告を続ける。酔狂だったのも認めるし、ぶん殴られる事をした。だが、己の主はアルカであり、アルカの望みを叶える事こそ目的なのだ。

 

「あぁ、もう! 最悪だ。よりによってケイネスから礼装を盗んでくるなんて。絶対つけ狙われるぞ」

「それを言うならライダーのマスターもハゲって言ってたからな。奴の口ぶりから、相当怨まれてるぞ」

「わかった。もうそれはいい。無事に帰ってきてくれてよかった」

 

 色々と言いたい事は山ほどあるが、ケイネス相手に五体満足で帰ってきたアルカの生還を喜ぶほかなかった。しかし、彼女がケイネスの礼装、今現在自分の指でつついて遊んでいる月霊髄液を盗んだ事も気になる。

 

「おいライダー」

「え? 何じゃ余はなにもしておらんぞ」

「アルカは、礼装を略奪したらしいんだ。誰の影響だろうな?」

「まてまて、確かに余は略奪と盗人の違いを語ったが、小娘に物を盗むようには言うとらんよ」

 

 突然自身に飛び火したので、ライダーは自分に非はないと弁解する。だが、悪影響を与えたのは、征服王が原因である事は、アルカの略奪発言で明白だった。ばつが悪いライダーは、訝しげな目で見るブレイカーとウェイバーから自然に目を逸らした。 

 

 

 危険を伴ったアルカの社会勉強、魔術師編。アルカの特異性が浮き彫りになった上で、得る物もあった。アルカは戦い方を学び、相手の殺意と敵意を知り、怒りを目覚めさせた。ブレイカーには彼女が、世界を呪う魔女になるか、世を慈しみ愛せる己の敵となるか、まだ分からない。

 けれど、彼女の選択には意味がある。いや、ブレイカーは自分が彼女の選択に意味を持たせるのだと、暢気に月霊髄液の形を変えて遊ぶアルカに誓った。

 

 

tobecontinued

 

 




 今回は、ケイネス先生とアルカの戦いでした。どう考えても無謀な気しかしませんね。アルカの使った魔術に関しては、色々アルカが零している上に、彼女の居た場所などから推測できるかもしれません。

 感想など頂けたら嬉しいです。

 追記:水銀ちゃん可愛い。

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