みんなの笑顔~日ノ丸新太の非日常~   作:人生美味礼讚

6 / 14
登場キャラ多いと空気にならないようにするのはすごく難しい
そう考えると『暗殺教室』ってホントにすごい漫画だと思う今日この頃
今回は新太視点からの第三者視点です


マンガ…それは人類が生み出した奇跡 by不破優月

Side新太

 

今日は月曜日

それは週明けといわれ、みんなにとっては夏休み最終日や連休最終日の次に憂鬱となる日

しかし、そんな月曜日だけど僕は日課としていることがある

その日課をこなすためにとある場所に来ていた

 

「いらっしゃいませー!」

 

店員さんの元気の良い挨拶がまだ目覚めきっていない僕の頭へと響く

僕は今、コンビニに来ている

そして、すぐさま雑誌コーナーへと歩いていく

月曜日、コンビニ、雑誌…

この単語でたいていの人はお分かりいただけたであろう

ジャンプを買いに来たのだ

ジャンプを買って登校…

それが僕の日課となっていた

雑誌コーナーには目当てのジャンプが運良く一冊だけ残っていた

 

「ラッキー!」

 

そう言ってジャンプに手を伸ばす

その時、僕と横から出てきた誰かの手が重なった

そろりと横を見ると、僕と同じ椚ヶ丘中の制服に身を包みボブカットが特徴的な女子だった

それは……

 

「不破さん?/日ノ丸くん?」

 

さきほど手が重なったようにして声も重なる

これが週明けの日のちょっとした出来事だ

 

 

 

 

 

 

 

 

Side第三者

「へえー、日ノ丸くんもジャンプ読むんだね。意外だなー」

 

「そりゃあ、僕だってジャンプは読むよ」

 

不破の発言に新太は不満そうに頬を膨らます

あの後新太は結局ジャンプは見せてもらうことを条件として不破に譲ったのだった

 

「いやー、ごめんごめん。A組だったからてっきりこういうものは読まないのかと思った」

 

不破は最後に「てへへ」と付け加える

その発言に新太はさらにプクッと頬を膨らます

 

「A組とか関係ない!!読みたいもんは読みたいんだい!!」

 

新太は不破をポカポカと叩きながら叫ぶ

不破は「ごめんって」と謝る

それでも、新太の機嫌は治らない

そこで、不破は先ほどジャンプと一緒に買ったトッポをカバンから出す

 

「これひとつ上げるから許してよ」

 

不破はウィンクしながら言う

新太は目をキラキラと輝かせてトッポを見つめていた

 

「ありがとー!!」

 

新太はトッポを受け取るとすぐさま袋から1本取り出し口の中に入れる

その直後、「んー!!」と唸る

 

「やっぱりトッポは……」

 

「「最後までチョコたっぷり!!!」」

 

新太と不破は同時にお菓子のキャッチフレーズを叫ぶ

その後、2人はさっきので上がりきったテンションのままで登校するのだった

尾行している彼女に気づかずに……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

所変わって、E組の教室

新太は不破とマンガの話ですっかり意気投合してしまい、仲良く話していた

 

「最近始まった『僕のヒーローアカデミア』なんだけどさ…………」

 

「やっぱりそう思う!?さっすが新太くんだね!」

 

そんな会話をしている最中だった

突然、割り込んできた人がいた

 

「おーおー、仲睦まじいことで」

 

腕を背後に回し2人の肩を組んで割り込んできたのは中村だ

新太は「おはよー!」と元気良く挨拶していた

この子は基本どんな時もブレない

 

「朝からなに?中村さん」

 

「いやー、朝から良いものが手に入りましてなぁ〜」

 

そう言って中村はケータイを見せる

そこには、仲良く会話している不破と新太の写真があった

 

「もしかして、つきあってたりするの?」

 

「ち、違うよ!!」

 

「なんだと……」

 

ニヤニヤしながら聞いてくる中村に手を振って否定する不破

そして、中村の言葉に反応してやってきたのは岡島だった

その手には何故かカメラが握られていた

 

「つきあっているとは………どういうことだ!!!」

 

「だから、つきあってないって!」

 

鬼のような顔で質問する岡島

それに対して違うと言い続ける不破

それでも、ギャーギャーと騒ぎ出した岡島は周りの迷惑お構いなしに不破に問いつめつづけた

それを見ていた新太は……

 

「うるさい。ハゲ野郎」

 

その言葉にE組の全員に戦慄が走った

いつも笑顔ニコニコの新太が、冷たい表情で殺気剥き出しにして話したからだ

いつもとは違う……

………いや、感じたことのない殺気に場が呑まれていた

 

「…………ごめん」

 

岡島はただ一言そう言った

すると、新太は冷徹な様子から一転していつものニコニコ笑顔になっていた

 

「僕はヅッキーとつきあってないけど友達なんだよ!」

 

新太は「えへへ」と付け加える

その様子に周りは驚愕する

先程まで殺気を放っていた様子からいつもの朗らかな雰囲気に一瞬で変わったからだ

まるで先程までとは別人であるかのように…

 

「あ、ごめんね。ちょっと怒りすぎたね!」

 

唖然としているまわりの様子を見て、やっちゃったと言わんばかりに頭をかきながら謝る

しかし、E組には沈黙が続いていた

 

「いやー、凄いなぁ。さすが、バスケ部のエースだな。怒り方も尋常じゃないぜ」

 

沈黙を破ったのは杉野だった

彼は野球部で同じ運動系の部活に入っている

多少ではあるが新太に面識を持つ人物である

 

「でも、ちょっとやりすぎちゃった。ごめんね、杉ちゃん」

 

「あの、その呼び方やめてくんね?芸人じゃないし、俺そんなにワイルドじゃないし……」

 

「でも、野球はワイルドなスポーツでしょ?いいじゃん!」

 

「そうなんだけどさ……」

 

ハァと杉野は頭に手を当ててため息をつく

もう何回も言っているが新太自身は改めるつもりはない

今の会話で少し場の空気が変わり、いつもの朝の雰囲気になっていた

 

「ハァ………びっくりしたわー。全く、急に怒らないでよ」

 

「ごめんごめん。えっとー………」

 

「原よ。よろしくね」

 

「うん、僕は日ノ丸新太!なんかお母さんみたいだからオカンって呼ぶね!」

 

「全然いいわよ。はい、飴ちゃんあげる」

 

原はそう言って新太の頭をなでなでと撫でながら飴をあげる

新太は「えへへ、ありがとう」と言い、喜んでいた

 

「なんか…………ごめんね」

 

「なんで謝るの中村さん?悪いのはあのゴマ卵だよ」

 

「ゴマ卵!?それ俺の事!!?」

 

岡島は自分を指さして新太に問う

 

「うん、見た目そんな感じだから。もう煩悩と一緒にそのゴマとってキレイな卵にしたら?」

 

「ゴマって髪の毛のことか!!?それに、俺から煩悩とったら何も残らんぞ!!!」

 

「じゃあ、生ゴミの日に出してあげるから安心してよ」

 

「安心できないんですけど!!?」

 

「ちょっと岡島君、うるさいわよ!」

 

「なんで俺だけなんだよ!!」

 

教室に入ってきた片岡の注意に岡島は不服を申し立てる

片岡の姿を見るなり、新太は片岡の方に走り出す

 

「メグ姉、おはよー!」

 

「おはよう新太くん」

 

「あ、モンちゃんとタラちゃんに磯にいもいる!おはよー!」

 

「新太、おはよう…………ってその名前やめてって言ってるでしょ!!」

 

「タラちゃんって呼び方止めろ!!」

 

「おう、新太。おはよう。今日も元気だな」

 

片岡に続いて入ってきた岡野、前原、磯貝の3人にも挨拶をする

3人は新太の挨拶にそれぞれの反応を見せる

ちなみに、岡野がモンちゃん、前原がタラちゃん、磯貝が磯にいというあだ名を新太はつけている

 

「ほへー、不破ちゃんだけじゃないんだ」

 

不破とつきあってると勘違いした中村は新太の社交性に感心を抱いていた

そう考える中村にトテテテと新太が走ってくる

 

「ところで、中村さん。さっきの写真どこで撮ったの?」

 

新太により急に先程のツーショット写真へと話題が戻される

中村は冷や汗をダラダラ流して話す

 

「あー、さっきのね……。何処だっけなぁー…………」

 

中村はそう言って適当にごまかすと新太は「ふーん……」と言ってトテテテとまたどこかに走り出す

 

「倉ちゃん、凛ちゃん、おはよー!」

 

「おはよー、あらちゃん!」

 

「おはよー…」

 

今度は登校してきた倉橋と速水に声をかける

2人はそれに対ししっかり返事をする

そして、新太はまたトテテテと走り出し、不破のところへ行く

 

「ごめんね、話の途中なのに」

 

新太は両手を合わせて申し訳なさそうに言う

不破はそんな新太に羨望の眼差しを向けていた

 

「すごいね、新太くんは」

 

「なんで?」

 

「すぐにいろんな人と仲良くなっちゃうから。私なんて話題が偏ってるからそんなこと出来なくて…」

 

「きっとA組でも人気者だったんでしょうね」

 

不破の話に原は同意するように頷く

しかし、新太の答えはそんな彼女たちを裏切るものだった

 

「ううん、A組の皆からは嫌われてたよ」

 

その言葉に周りの全員が驚く

新太は子供っぽいが活発で行動力があり、話題の幅も広い

だからこそ、人気があると思っていたがそうではなかった

 

「何でだよ?」

 

杉野は皆の気持ちを代弁するかのようにして新太に聞く

すると、新太は「にしし」と笑い話し出した

 

「知らないけどなんか異端者って言われ続けたよ」

 

その言葉に周りはだいたいどういうことか察していた

新太はいろんなことへの興味や関心が強い

しかし、それがA組の思想とはかけ離れたものへとなり、彼は疎外されたのだと…

場は再び気まずい雰囲気が流れる

 

「だから、嬉しいんだ。E組のみんながこうして話してくれることに、関わりを持ってくれることに。A組は周りとの関係が勉強でしか繋がらないから、趣味の話を出すとバカにされたんだ。僕からしたら、A組は牢獄だったよ。でも、E組のみんなはこうして趣味の話をしたら楽しそうに話してくれるじゃん。そんな毎日がすごく楽しいんだ」

 

それを聞いた周りは新太を元A組のやつではなく、E組の仲間として見るようになった

彼も自分たちと同じ辛いものを抱えて、このE組にいるのだ

そう考えるだけで彼を、新太をすごいと思うようになった

 

「そーだ!今日、僕の家で遊ぼーよ!第1回E組懇親会的なもんで!」

 

この指とーまれと言わんばかりに人差し指を立てて言う

この提案に新太と遊びたい人、新太をさらに知りたい人、単純な興味を持った人が集まった

さて、第1回E組懇親会はどうなることやら………

 

 

 

ーー新太は人に迷惑をかけるのは嫌い。

それは自分であれ、他人であれ関係ないーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《裏話 2》

朝のジャンプを巡っての裏話

 

新太「貴様、E組だな?」

 

不破「お前が日ノ丸だな?よくも俺の仲間を……」

 

新太「ふん、今同じところに送ってやるよ。まさか、俺に勝つつもりじゃないだろうな?下級戦士の貴様とエリートの俺では圧倒的な差がある」

 

不破「どうだろうな……。下級戦士でも必死に努力すればエリートを超えることがあるかもよ」

 

新太「ふん、面白い冗談だ。いいだろう、格の違いを思い知らせてやる…………行くぞ!!!」

 

 

 

不破「……てな感じでジャンケンした」

 

中村「そこまでやって、ジャンケンなの!!?」

 

原「完全に闘う空気だったよ!!」

 

新太「闘ったら、コンビニに迷惑じゃん」

 

中村「そうだけどさ、そのくだりいる?」

 

不破「テンション上げるには不可欠だよね?」

 

新太「やっぱりそうだよね」

 

 

新太の生態② ノリが良い

 

 




次回は新太の過去が少し明らかに!
ヒロイン候補の募集はまだ続いています
ご意見感想お願いします!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。