今回から本格的にオリキャラ1人追加します。
今回は何も起こりません。
ただ、転校してきたよって話。
渚の自爆テロから数日が経った。
あれから暗殺教室では色んなことがあった。
超生物の名前が殺せんせーと決まったこと。
烏間先生が副担任兼体育教師着任したこと。
様々なことが起こるがE組は柔軟に対応していった。
さて、時は早朝の6時。
E組校舎の裏山。
朝早くにも関わらず、乾いた音が鳴り響く。
その音の正体は……
「うーん………また外したー。」
銃を持った新太の姿があった。
10m先には射撃用の的が建てられていた。
どうやら射撃の訓練をしているようだ。
しかし、うまく当たっていない。
「殺せんせーほどの速い相手を仕留めるためには必要だと思ったけどなかなかに難しいや。」
新太は頭をポリポリ掻きながら言う。
なぜ、射撃が得意な彼が的に当たらないかというと……
「射撃の練習か?」
「あ、千葉君だー!」
声がした方には千葉がいた。
彼は普段あまり早く学校に来ないが今日はたまたま早く起きて学校へと来たのだ。
その時、エアガンの発砲音が聞こえて来てみると新太がいたということだ。
新太はいつも通り「おはよー!」と大きな声で挨拶をすると千葉は「おはよ」と小さく返す。
「にしても、意外だな。元A組だから努力とかしないもんかと思ってた。」
「もーーう!だから、A組とかそういうの関係ないから!!」
新太はプンプンと効果音がつきそうな怒り方をする。
千葉は「ああ、悪い」と若干引き気味だった。
「そういえばお前、射撃得意じゃなかったか?」
千葉のその言葉に新太は「待ってました!」と言わんばかりにえっへんと胸を張る。
「僕がやってるのは普通の射撃ではないのだ。僕が練習しているのは………」
「皆さん、おはようございます!今日は嬉しいお知らせがあります。なんと、このクラスに転校生が来ます!」
いつもの朝のHR。
教室へと入ってきた殺せんせーは開口一番でそう告げた。
その直後、クラスがざわつく。
この暗殺教室に転入してくることもあって期待の声や不審に思う声など様々なものであった。
現在は4月。
時期的にも転校生が入ってきてもおかしくはない。
「殺せんせー、どんな人ー!?」
新太がピンと手を挙げ、クラスの気持ちを代弁する。
殺せんせーは「ニュルフフ…」と笑った後でこう言った。
「なかなかにビックな方ですよ。おそらく、暗殺の強力な手助けとなってくれるでしょう。それでは、入ってきて下さい。」
そう言われ入ってきたのはダークブルーの髪で目の下には大きなくまが出来ていた。
背は170くらいだろう。
何より特徴的なのは極端な猫背であること。
「どうも、皆さん。私は天津英樹と言います。よろしくお願いします。」
その自己紹介にクラスはシーンとなる。
別に格段おかしなことがあったわけではないのだ。
いや、極端な猫背の時点でおかしくはあるが…
クラスが驚いているのは名前である。
「もしかして………………あの俳優の天津英樹さん!?」
矢田がテンションを上げながら天津に質問する。
その直後、女子からは黄色い声援が飛び交う。
天津英樹とは最近有名なイケメン俳優の名前である。
しかし、そんな有名人がこのE組に来るはずもなく…
「いえ、期待させてしまって申しわけないのですが単なる同姓同名です。」
天津は謝罪を交えながらに話した。
女子はガクッと肩を落とす。
「先生、席はどこですか?」
「天津君の席はこの列の1番後ろです。」
天津はポリポリと頭を掻きながら質問し、殺せんせーに席を聞くとスタスタと席の方に歩いていく。
猫背のまま歩く姿はクラスの印象に残っている。
時は過ぎて昼休み。
天津は「用事があります。」と言って教室を出ていく。
それを眺める一同。
「なんか、少しそっけないよね。」
天津が出ていった後に倉橋がさみしそうに話す。
それに同意するかのように矢田が話し出す。
「なんかあからさまに壁を作ってるよね。」
「どんな奴かと思ったけどつまらなそうな奴だよな。」
木村も転校生に期待してた部分もあり、ガッカリとしている。
クラスの殆どはそういった意見だろう。
しかし、1人だけを除いて。
「そうかな。僕はいろんな意味で面白い人だと思ったよ。」
「な、なんで日ノ丸がいるんだ?」
「なんとなく!!」
木村の疑問に即座に新太は答える。
いつもは磯貝たちと共に昼休みを過ごしているが今日はなぜか倉橋たちのところに来ていた。
「ねえねえ、天津君が面白い人ってどういうこと?」
矢田がワクワクした表情で新太に聞く。
新太は頬に人差し指を置き、考えるしぐさをした。
「天津君は、たぶんだけど殺せんせーを殺す気ないからかな?」
その言葉に驚きの顔を見せる倉橋たち。
すかさず、倉橋が新太に質問する。
「え、それどういうこと?」
「今日ずっと天津君を観察してたけど、天津君の目から殺意が伝わって来ないもん。何か殺せんせーを観察している感じがするよ。」
新太は「ニシシ」と笑いを付け足して言う。
新太はE組の誰よりも子どもである。
だからこそ、人の意思に敏感なところがある。
「でも、それはあくまで予想だろ?」
「うん。だから、確かめようと思うんだ。」
新太たちの会話が進む中、「ガラッ」と教室のドアが開く。
入ってきたのは、今話題になっていた天津である。
それを確認するなり、新太は走っていく。
「天津君!!」
「君は確か………日ノ丸新太氏でしたね」
「凄い!もう名前覚えたの!?でも、僕は新太でいいよ!」
「では、新太氏で。」
「エヘヘ」とニコニコ笑う新太、ボリボリまいう棒を食べる天津。
「それで、何でしょうか?」
「天津君はさ、なんで殺せんせーに対して殺る気がないの?」
「さあ、何のことでしょうか…?」
クラスが先ほどの倉橋たちと同じく驚く。
天津の反応に満足のいかない新太は「ムムム」と頬を膨らます。
一方の天津はボリボリとまいう棒を食べ進めていた。
「言う気がないならいいよ。賭けしよっか!」
「賭け………ですか。」
新太は怒ると思いきや指を差して唐突な提案をする。
天津はまいう棒を食べる手が止まっていた。
「どんな賭け事ですか?」
「へへへ…………使うのはこれだよ!」
そう言って新太が出したのは対殺せんせー用のナイフと銃である。
「ここは暗殺教室。だから、模擬暗殺で賭けようよ!ルールは簡単!このナイフか銃を使って相手に攻撃を与えたら勝ち。負けた方は勝った方に頼みごとができる。これでいいよね?」
新太は説明を終えると天津の様子を見る。
あまり乗り気ではないかと思ったがそうでもなく、意外とランランと目を輝かせていた。
まるで、獲物を見つけた狼のようであった。
「いいのですか?僕はこういう賭けは負けたことないですよ?」
「じゃあ、今日が初の敗北記念日になるね!」
天津は薄らながらにニヤリと、新太はニコニコよ笑顔を見せていた。
決戦は放課後。
開始のベルが高々と鳴る。
次回はまさかの新太vs天津!?
新太のとっておきが出る……かも。
そして、天津の正体が明らかに!?
……いや、だいたい分かるか……