ご注文は猫ですか?   作:峰白麻耶

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書いていた物が途中で消えて書く気が消えそうになりましたが早く全キャラ出したいので頑張りました。

今回オリキャラ登場です。


突然の来訪者

rabbit houseにココアがバイトに入り、4月に入いると桜が本格的に咲き始める

 

ココアはもうすぐ春休みが終わることを悲しんでいたがチノはそうでもなさそうだった。同級生の顔が見たいのだろう。同い年の友達は作っていた方がいいと思うよ。俺の場合、同級生って年上だし。同年代の友達は作れるときに作った方がいい。重要だから二回言った

 

 

まあ。人の心配するより自分の心配しろって感じだけどね。

 

 

「はあ。眠い。研究所に居たときより起きるのは遅いけど眠いものは眠い」

 

 

俺はそう言いながらいつも通りの朝食を作る。やっぱり朝はパン。パンですよ奥さん。

 

心の中でパンの宣伝をしながらモチモチパンを食べコーヒーを飲む。はあ。こんなにゆっくりとした朝を迎えられるとは……素晴らしい。

 

俺はカウンターから外の様子を見るとサラリーマン達が会社に行くためにせっせと走っていた。俺の少し前まであれに加わって居たんだよな。そうみると何だか懐かしさが出てくる。あっ。職場に未練はありませんよ?研究者は今はコリゴリです。

 

流れゆく人ごみの中、1人の影がこの店の前に止まりコンコンという音が聞こえた。

 

「なんだ?」

 

俺が居るから店がやってると思ったか?でもcloseの方に替えたからそれはない。なら道案内だろう。

 

この時期観光の人はそれなりに多いはずだ。何せうさぎが多くいるのだからうさぎ好きにはたまらない観光地だろう。何ならrabbit houseに案内しよう。ダンディーな喋るアンゴラウサギが居るからな。

 

俺はドアを開けると女性。まあ、高校生だけど。大体150後半。薄緑色の髪に赤色の目。その子が手に紙を持ち店の前に立っていた。

 

「どうかしましたか?」

 

取りあえず理由を聞かねば始まらない。

 

後俺が敬語なのは接客業と言うことの前に基本的に年上が話し相手だったこと。単純に俺が砕けた言葉を話すのに時間がかかるからだ。

 

まあ。嫌いな奴は基本敬語だよね

 

「あの。ここは猫屋敷ですよね?」

「はい?」

 

猫屋敷?名字もそうだし、ここが猫屋敷と呼ばれても違和感は無いけど。

 

俺の返事が気の抜けたものでどうやら説明が足らない事に気づいたと言うより色々省略し過ぎた事に気がついたようだ

 

「すいません。言葉が足りませんでした。猫屋敷さんのお宅はこちらですよね?」

「そうですけど……。家に何かようですか?」

 

俺には誰かが。それこそ客以外は家には来ないはずだ。この客が今は休業状態の為来ないため来客はゼロだ。どんなようだ?心当たりがまるでない。

 

「あれ?おかしいな…‥。手紙にも後は息子が何とかするって書いてあるし、特徴も合ってるからここでいいと思うんだけど。僕が地図読み間違えたのかな?」

「すいません。その手紙見せて貰ってもいいですか?」

「はい。どうぞ」

 

俺は少女から手紙を受け取り中身を見るとそこには身に覚えのある字体と俺の親の名前。猫屋敷 香織の文字があった。内容は家の地図と俺の特徴。何でこの子がここに居る理由はわからない。

 

そしてその手紙の最後には同封したもう一つの手紙は息子に渡してくれと言うやな予感しかしない文があった。

 

「恐らく。いや、間違いなくこれは親から俺に充てた手紙です。同封されているもう一つの手紙を見せてくれませんか?」

「これです」

 

少女は鞄から手紙を出し俺に手渡す。俺はその手紙を開く。初めに目には入ったのはただの真っ白な紙だった。

 

はあ。またこれか。つまらないことするなと言うより間違えて開けたときの配慮とも取れるけど。

 

少女は俺に当てられたら手紙を見ようと背伸びをして俺の横やから見ようとする。

 

少女は中を見て白紙だと気づき首を傾げる

 

「白紙?でも同封されてたのはそれで間違ないですよ」

「大丈夫。分かってるから。取りあえず中に入って。コーヒー飲んで落ち着いてから話そう」

 

俺は少女を中に入れて席に座らせるとカウンターに行きコーヒーを入れる。

 

チノのコーヒー教室のおかげで素人の俺でもなかなかのものが入れられるようになった。

 

俺は何時もの工程を行い少女にコーヒーを出す。

 

「どうぞ」

「あ。ありがとうございます」

 

少女は少しコーヒーを口に入れると顔をしかめる。

もしかしてまずかったか?この少女がコーヒー党ならチノに美味しいと言わせるのと同じだ。

 

「あの。美味しいくなかったでしょうか?」

「い、いえ。そう言うわけではないんです。私猫舌なんです」

 

少女はあははと笑いながら頭を少しかく。

確かに猫舌にはコーヒーの温度は熱いだろう。次に来るときには飲みやすい温度にしてから出してあげよう。

 

「美味しいですね。このコーヒー。コロンビアですか?」

「正解です」

 

マジの人じゃないか。この子すげー。尊敬する。

 

「え?コロンビアなんですか?」

 

少女はキョトンとした顔で俺に聞き返す

 

「そうですよ」

 

少女はポカンとして

 

「感で言ったら当たってしまった」

「感かよ」

 

ちょっと俺の尊敬返してくれよ

 

その後は少女は静かにコーヒーを飲み終わるのを本を読んで待っていた。

 

「手紙は読まないんですか?」

「出来れば読みたくないかな。このタイミングで来る手紙にろくな事が書いてあった試しが無いんです」

「例えばどんな事が?」

 

俺は思い出す。

 

「手紙ではなく会話なんですが、父親が帰ってきたら突然明日からエジプトでミイラを研究する事になった。エジプト行くぞ。寝床は勿論ピラミッドだと物凄いいい笑顔で言ったのを覚えてます。まあ、実際はちゃんとした場所で泊まりましたけど」

「何というかエキセントリックなお父さんですね」

 

少女は苦笑を浮かべたあと

 

「でも、ちゃんと見ないとダメだと思いますよ」

 

と優しげな笑顔をうかべる

 

「それもそうか。ちょっと発狂しそうになったら後はよろしく頼む」

「内容がハード過ぎると思うんですが……」

 

俺はカウンターからライターを取り出す。そして火が出ることを確認した後に手紙に……

 

「てちょっと何やってるんですか!火事になりますよ!」

 

少女は慌てた形相で俺の方に詰め寄る

 

「あ。すまん。これ火炙りして読むんだよ」

「え?」

「毎回親が遊び心でやってくるんだよ」

「そうだったんですか。すいません急に声をあげてしまって」

「気にしない下さい。それでは改めて」

 

俺は少女に見えないように隠し、不穏な空気のある手紙を火であぶる。そして浮かび上がった手紙で初めに目に入ったのは

 

『ごっめーん。女の子が下宿しに来るの忘れてた!』

 

という何とも軽い一言だった。

 

「は?」

 

おいおいこいつは予想外だ。この婆は俺の想像の斜め上を平然と行きやがる。憧れもしないし、格好良くもないからお願いです。自重して下さい。

 

俺は心配そうな目をする少女を見て流石に不味いと考えた。心を落ち着かせ……

 

『テヘペロ!』

 

「られるか!あんたの黄金期はもう20年前に終わってるわ!」

「きゃ!お、落ち着いて下さい」

 

どうどうと宥めるように俺を落ち着かせようとする。

 

「はっ!すいません。取り乱しました」

 

『全く。女の子を驚かせるんじゃないよ』

誰のせいだ。誰の

『あと私の黄金期はまだ終わってないよ』

エスパーか?この婆。いや。エスパーより魔女の方がいいな。老婆の魔女

『あんた。帰国したら覚えときな』

マジで魔女だ

 

『それじゃ、後は頼んだ。その子が行く学校は下宿先の家に奉仕活動をする事になっているから人手が足らないなら手伝って貰いな。

 

 

     ps 同意の上で襲えよ?       』

 

「意味分からんわ!」

 

俺はこの手紙が少女に見られないように復元が不可能なレベルまで破く

 

「ちょっと。なにやってるんですか!」

 

少女が止めようとするも時はすでに遅い。もう修復が不可能なレベルまで破った。

 

「ちょっと極秘事項があるんだ。だから見たら破いて捨ててくれと書いてあったんだ」

「まあ。そう言うことにしておきます」

 

納得してないようだがあの手紙は流石にダメだ。襲うとかもうアウト。スリーアウトでチェンジするレベル

 

 

「取りあえず事情は分かった。俺の母親が忘れていて俺の方に連絡が来てなかったようだな。」

「そうだったんですか」

「まあ、こちらの不手際だ。下宿してもいいぞ」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。五十嵐 乃亜です。ノアでいいですよ」

 

そう言うと少女は頭を下げる

 

「猫屋敷 鈴だ。それなら俺も鈴でいいぞ。後敬語もなしでいい。疲れるだろ」

「わかりま、じゃなくてわかったよ。鈴さん」

「それじゃノア。君を猫の隠れ家のホール長に任命する」

「え!?いきなり過ぎる!流石に無理かな!」

「落ち着け。何も初めからポーンと放り投げる分けじゃない。ちゃんと1から教えるから安心しろ」

「むう。まあ、それなら何とか。でも何で僕の行く学校で奉仕活動するってことを知ってるのかな?」

「手紙に書いてあった」

「ま、まさか実は私が来ることを知っていて調べたのかな!?」

「んなわけあるか。あの取り乱しよう見ればわかるだろ」

「それもそうだよね~」

 

 

こやつ第一印象と変わりすぎだな。まあ、おもしろいし悪い奴ではなさそうだしいいや。

 

そう言えば奉仕活動と言えばココアの学校もしているよな。ということは同じ高校ってことか。それはそれは何とも偶然。

 

春休みが終わる前にココアに紹介してやろう。もっと面白くなるぞ。

 

「それじゃあ。荷物はそこのstaff onlyのドアを開けて階段上がって左の奥な」

「はーい」

 

そう言ってノアは自分の部屋へ荷物を置いていく。するとノアと入れ替わりで猫用のドアが開いた。

 

「よみか。縄張りの見回りは終わったのか?」

「にゃん」

 

そう言うとよみはフェンスを飛び越えてこちら側に来る。客が来なければこんな事はやらないがな。

 

「そうだ。新しい下宿の店員が入ったぞ。ココアと同じようなものだ」

「にゃ。にゃーん」

 

と言う何ともいやそうな鳴き声を上げる。初対面以来ココアはよみに避けられている。満足も触らせない。そのたびにココアは泣いてチノをもふるかティッピーをもふってもふもふ成分補給とか言っている。

 

後俺がよみを撫でる度に羨ましそうな顔をするのはやめてほしい。やりにくいんだ

 

「安心しろ。ココア見たく突発的にナデナデはされないと思うから」

 

「にゃー」

 

そうだといいなと人なきするとノアが降りて来た

 

「わ。猫だ!ロシアンブルーだ!さわってもいいかな!?」

 

降りてドアを開けてよみを発見した瞬間に満面の笑みになると言う愛猫家。まあ、ココアよりはましだろう。たぶん

 

俺はよみに視線を送る。よし。

 

「オッケだって。でも軽く撫でてだって」

「にゃーーん!?」

「やった!うわっ!逃げないでよー」

 

そう言ってノアとよみの鬼ごっこが始まる

 

本当は時間を稼いで。その間に私は逃げると言っていたのだが。あの表情を見て触らせてあげないと言って断れる男は居ないだろう

 

 

「さて。ここも賑やかになるな」

 

 

カウンターから1人と1匹を見る

 

猫の隠れ家にも春の風がやっと入ってきたような気がした

 

 

 

 

 

 

 

ついでにノアは俺が結婚していると勘違いしていたようだった。俺はそらしたかった現実を白状し独身かつ年も3つしか離れてないと言った。

 

 

そのあとどうなったのかはご想像に任せる。




さて。オリキャラ初登場回はいかがでしょうか。

中にはオリキャラ何か出す前に原作キャラを!という人もいるかもしれません。

すいませんここで入れるのがちょうど良かったんです。次回はちやが確実に出ます。シャロは同話に出すかその次です



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