ご注文は猫ですか?   作:峰白麻耶

5 / 9
ココア登場です。

誤字の報告が沢山きます。びっくりするぐらいきます
徐々に直すので暖かい目で見て下さい。




一目で尋常じゃないモフモフとサラサラって気づいたよ!

3月の終わりに入り春休みもあと残り少しのようだ。俺は関係ない。何時もrabbit houseで働いて居るからな。学生の頃って……二年も前の話だからな。

 

「鈴さん。そんな昔を思い出すような顔をしないで手を動かし………ってちゃんと動いてますね」

 

今は皿洗いをしているところだ。お客さんが来ないから皿洗いしかやることがない。皿洗いぐらいなら考え込んでも手が滑る事はない。そこでさっきチノがボソッと言ったもうすぐ学校ですねと言う言葉を思い出したのだ

 

「学生の時の春休みを思い出してな」

「鈴さんは学生の時春休みをどんな風に過ごしていたんですか?」

「……本読んだり、お菓子作ったり、後は実家に戻ってよみと遊んだり、店を手伝ったり」

「何とも鈴さんらしいですね」

 

チノは納得したように頷くとため息を1つつく

 

「お客さん来ませんね」

「そうだな。ここの店の経営は大丈夫なのか?」

「それは問題ないです。父のバータイムが盛況なので」

「そうか……」

 

バータイムがここの収入源なのか。まあ。朝と昼しかここにいないからな。

 

 

カラーンコローン

 

 

とドアのベルが鳴る

 

 

入ってきたのは旅行鞄を引いている高校生位の女の子。

 

 

「あれ?あれ?」

 

女の子は机の下を覗いたりして何かを探しているような素振りをする

 

「いない!いない!」

 

だからなにが居ないんだ?俺はチノの方を見るが何とも反応に困っているようだった。

 

女の子はそんな俺達の反応などお構い無しに何かを探してる

 

 

「いない!いない!うさぎがいない!」

 

 

 

うさぎ?

 

 

「「………なんだ?この客」」

 

 

 

 

 

 

「鈴さん。接客お願いします」

 

そう言うとチノはそそくさと頭のティッピーを揺らしながらコーヒーを入れる準備をする。

 

「ちょっと待てよチノ」

「ファイトです」

「何だと」

 

仕方ない。行こうじゃないか。よみが俺の足を軽く叩いて励まして俺の頭に乗ってくる

 

俺は女の子の所に行き注文を聞く事にする

 

「ご注文はお決まりですか?」

 

俺がそう聞くと少女はうーん考えると俺の頭とチノの頭を指差し

 

「うさぎとねこ!」

「猫は非売品です。うさぎは?」

「なに言ってるんですか。非売品です。」

 

といつの間にかお盆を持ったチノがこっちに来ていた

少女はがくーんとテーブルに伏せたかと思うと急に起き上がり

 

「それならモフモフさせて!!」

 

俺はチノの方を見る。チノもこっちを見る。俺は小声で任せたと言うと

 

「コーヒー一杯で一回です」

「それなら三杯!!」

 

少女がそう言うとチノはコーヒーを入れるためにカウンターに行く。俺は特にやることがないので下がろうとするが

 

「店員さん。店員さん。コーヒーが来るまでお話ししよ?」

 

と少女が言う。この少女のコミュ力を数値化するとどうなるのか。俺気になります!はい、きもいですね。止めます

 

「いいですけど……」

「ねえ、ねえ。頭に乗ってるねこちゃんをなでなでしてもいい?」

 

俺はよみに視線を向ける

 

「にゃーー。にゃにゃ」

 

仕方ない。なでさせてあげるとのことだ。俺は頭を少し下げるとよみがテーブルの上に跳ぶ

 

「わあー。すごーい」

「コーヒー三杯なのでうさぎとねこで1,5回の権利です」

「えー。それはずるいよー」

 

と少女はほっぺを膨らます。

 

「それなら後三杯頼めばいいと思いますよ?」

「さ、流石にお金が……。仕方ない我慢するよ」

 

そう言って少女はよみを撫でる。

 

「うわー。毛がさらさら。気持ちいいー」

「毎日ブラッシングしてますから」

「そう言えばこの子の名前は何なの?」

「よみです」

「そっかあー。それじゃ!店員さんの名前は?」

 

 

そこでこうくるとは。こいつコミュ力が高すぎる。天然なのか?

 

「はあ。猫屋敷 鈴です」

「おお。猫屋敷って珍しい名字だね!私は保登 心愛。よろしくね!鈴君」

「よろしく。保登」

「ココアでいいよー」

「はあ。よろしくココア」

 

 

突然の自己紹介タイムが終わるとチノが3つコーヒーを持ってきた

 

「お待たせしました」

「わーい。三杯頼んだから、1,5回モフル権利があるよ!」

「1.5回?」

 

チノが首を傾げているので説明をする。

 

「なるほど。そう言うことでしたか」

「わーい。もふらせて!」

「コーヒーが冷める前に飲んで下さい」

「うーん。それもそうだね。」

 

そう言ってココアはコーヒーを手に取り飲む。

 

「この上品な香り!ブルーマウンテンだね!」

「それはコロンビアです」

「この酸味。キリマンジャロ」

「それがブルーマウンテンです」

「この落ち着く味。インスタント」

「それは家のオリジナルブレンドです」

 

あえなく利きコーヒーは撃沈だった。ココアはそれから落ち着いて外を見ながら飲んでいた。

 

「ふう。飲み終わったからもふらせて!」

 

ココアはそう言って両手を広げる。チノは約束だからと頭のティッピーを両手で抱えココアに渡す

 

 

「わあーい。モフモフだー!」

 

 

モフモフ。モフモフ

 

「ノオーーー」

「あれ!今何か声がしなかった?」

「気のせいです」

 

モフモフ。モフモフ

 

「いけない。よだれが」

「やめろーー。やめるのじゃー」

「やっぱりダンディーな声で拒絶された!?」

「私の腹話術です」

「え?でも…」

「腹話術です」

「凄いね。チノちゃん」

 

そうしてティッピーをもふること数分

 

 

「鈴君、チノちゃん。私ねこの春からここにある高校に通う事になるんだけど」

「お、おう」

「それがどうしたんですか?」

 

 

急な話題転換だな。それがどうしたんだ?

 

 

「下宿先を探している途中に迷っちゃって。そこで休憩がてらここによったんだけど……。香風さんのお家知らないかな。地図だとここら辺なんだけど」

 

 

香風ってチノの名字だよな。

 

「香風は家ですよ」

「え!これは奇跡を通り越して運命だよ!」

「ほとんど同じだろ」

「私はここのマスターの孫でチノと言います」

「よろしくね!チノちゃん。私はココアだよ!」

 

 

凄いな。名前で名のることで名字で呼ぶと言う選択肢を消している。まあ、天然だろうが

 

「所でマスターはどこかな。挨拶をしたいんだけど」

 

ココアがそう言うとチノは顔を曇らせて下を向く

 

「祖父は去年………」

「チノちゃん……」

 

もしかしてあのダンディーな声は祖父なのか?俺はティッピーの方を見るとぷいと顔を逸らされた。あっ。これあたりだわ

 

「チノちゃん!私をお姉ちゃんって呼んでいいからね!」

「え?」

 

ココアがいきなり抱きついて驚いている。天然だけど悪い奴ではないんだな

 

「ほら、おねーちゃんって」

「こ、ココアさん?」

「おねーちゃんってよんで?」

「ココアさん。暑苦しいです。離れて下さい」

「うう。鈴君。チノちゃんがお姉ちゃんって呼んでくれない。私には姉力が足らないのかな」

「姉力ってなんだよ」

 

新しいな。コミュ力みたいなものか?

 

「それより。下宿ってことはココアはここで暮らすのか?」

「そうだよー。学校の方針で下宿先でご奉仕活動もするんだよ!」

「つまりアルバイトをするのか」

「でも家事は私1人で何とかなってますし。従業員も足りてますし」

「まあ。人は多いに越したことないだろ?」

「まあ、それもそうですね。制服を渡すのでついて来て下さい。鈴さんは店をお願いします」

 

そう言うとチノはココアを連れて二階へ上がって行った

 

「ふう。よみ。rabbit houseがこれから賑やかになるな」

「にゃーん」

 

 

 

 

 

 

 

ココア達が降りてくると制服に着替えていた。ピンクと言うのが何ともココアのイメージに合っている。ああ。脳内お花畑と言ってるわけではない。

 

「って。リゼ。お前居たのか?」

「初めから居たぞ。ただ知らない気配がしたからロッカーに隠れていたんだ」

「気配って……。よくそんなの分かるな。それでココアに見つかったのか?」

「ああ。完璧に気配を消したはずなのに。やはり軍の人間か?」

「いや。違うから」

 

 

恐らくリゼがココアの事をガン見していたんだろ。それでココアがその視線に気づいてロッカーを開けたら中にリゼがいて拳銃って流れか?もう段々読めてきたな

 

 

「こちら。バイトのリゼさんです」

「リゼさん。こちらは今日からバイトにはいるココアさんです。先輩として色々教えてあげて下さい」

 

チノがそう言うとリゼは嬉々とした表情で

 

「そうか!私が教官か!」

「よろしくね!リゼちゃん」

「貴様!言葉の最初と最後はサーをつけろ!」

「サー。落ち着いて!サー」

「リゼ。サーは男の上官に付ける敬称だぞ」

 

こうしてココアがバイトに入った

 

 

 

 

 

 

 

「取りあえずリゼさん。ココアさんと一緒にコーヒー豆を取ってきて下さい」

「ああ。行くぞココア」

「いってらっしゃい」

「お前もこい!鈴」

 

 

そう言うとリゼは俺の服を首もとを引っ張って連れて行く

 

 

「待ってよリゼちゃん。鈴君!」

「おっい。首!首絞まってる。取ってくる前に俺の魂が死神に取られる!」

 

 

 

 

「よし!着いたぞ」

 

 

リゼは薄暗い部屋の中に入るのをついて行くと中にはコーヒー豆が沢山あった

 

 

「すごいな。」

「よし!これを上まで運ぶぞ」

 

そう言うと俺とココア、リゼが袋を持つ。リゼと俺が大きいのを二つ持つ

 

ココアはというと

 

「こ、これ重いね。普通の女の子なら一個持つので精一杯だよー」

 

俺はその台詞と共にリゼを見ると大きな袋を1つ落としもうひとつの袋は持ち上げようとする仕草をする

 

「そ、そうだな……普通の!女の子にはきついよな」

「普通なら軽々しく二つも持たないぞ。俺でも結構キツいのに」

「う、うるさいな!お前にはデリカシーという物がないのか!」

「ふっ!あるわけが無かろう!」

「自信満々に言うな!」

 

このやりとりを見て

 

「リゼちゃんと鈴君仲いいんだね!私も早く仲良くならないと」

 

 

そう言うとココアは大きいのを下ろし小さい袋を持つリゼもそれに習って小さい袋を持つようだ。

リゼは小さい袋を4つほど持つが

 

「こ、これも1つ持つのがやっとだね…リゼちゃん」

「え?あっそうだな!」

 

 

 

この一幕でリゼは普通の男の2、3倍の力は持っていると推測が出来た

 

 

 

コーヒー豆を補充しても客は来ない。のんびりとした時間が流れる

 

 

「ココア。メニューだ。覚えとけ」

 

リゼはそう言ってココアにメニューを渡す

 

「うわあ。コーヒーって沢山種類があるんだね。メニューも多いしすぐには覚えられないよ」

「そうか?私も鈴もすぐに暗記したぞ?」

「す、凄いね2人とも。はあ。私も何か特技があればなあ~」

 

 

ココアがそう言うとチノの方に目を向ける。

 

「チノちゃん。なにやってるの?」

「春休みの宿題です。空いてる時間にコツコツやっています」

「へぇー」

 

ココアが宿題を覗き込む。俺も見てみると数学のページだった。ほうほう。えーと答えは

 

 

「チノちゃん。そこの答えは126でその次は385だよ!」

「「「え?」」」

 

 

ウソ……だろ。俺は文系だが理系が苦手というわけではない。ココアに暗算で負けるだと……

 

 

「ココア。350円のコーヒーを12杯頼んだらいくらだ?」

「え?4200だよ。はあー。私にも特技があったらな」

 

 

無、無自覚って怖い

 

 

「ココア。見た目バカっぽいのに……」

「ひ、酷いよ鈴君。これでも私、理系なんだよ!」

「「「意外すぎる!(ます!)」」」

 

 

 

 

 

ココアの予想外な一面に驚きつつ今日のバイトは終わるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SIDE By???

 

 

 

「あれ?おかしいな。手紙だとここら辺何だけど……。誰もいない。息子さんが居るって書いてあるのにな。仕方ないから今日はどっかに泊まろう」

 

 

 

 

 

 




休日だったので1日1話という荒技ができましたが明日から平日。そんな荒技は無理です。気長にまってください


気づいたことがあればどしどし。感想もどうぞ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。