テストがやっと終わった・・・。そのせいで気が抜けていたのか投稿予約をするのを忘れていました。すいません。それでは二週間振りの投稿です。どうぞ。
※エレナの名前をエレナ・エレインからエレナ・ルタスに変更いたしました。理由としては既にエレインというキャラがいるのに気がついたので変更いたしました。ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
教会での戦いを終えた俺は魔方陣を展開し、ミッテルト達を肩に抱えてヘルハウンドと共に家に帰ってきた。
魔方陣を通してリビングに着くとそこにはエレナと真紀が待っていた。
「お疲れ様です、ハース。・・・彼女たちはなんですか」
エレナの視線はミッテルト達に向けられていた。この時エレナの疑問にどう答えるか一瞬だけ迷ってしまった。何故なら俺はこの町にいる堕天使を全て殺すために出掛けたのに、その堕天使を連れて帰ってきたんだ。だからどう説明するか迷ってしまった。
「その事についてはあとで説明する。とりあえず今はシャワーを浴びたいんだ。真紀、彼女たちをソファーに寝かしておいてくれ」
エレナはどこか納得できないところもあるようだが、それでも俺の頼みを聞くと小さく溜め息をし、真紀はソファーに座っていたがその事を聞くとすぐに立ち上がった。
「分かりました。先程の質問はあとで教えてください」
「あいよ、任せときな。ついでにこいつの面倒も見といてやるよ」
シャワーを浴びるためにミッテルト達を真紀に預けるとヘルハウンドの面倒も見てくれると言ってきてくれた。
真紀がミッテルト達を寝かせるためにヘルハウンドを連れてソファーに向かって行った。
真紀がソファーに向かうのを確認した俺はシャワーを浴びるために風呂場に向かい、シャワーを浴び始めた。
シャワーを浴び始めてから数十分程の時間が経ち、髪の毛をタオルで拭き取りながらリビングに向かって歩いていた。
リビングに着くと、そこではエレナがヘルハウンドの頭を撫でながら毛繕いをしていた。ヘルハウンドは毛繕いをされていて気持ちが良いのかすでに寝息をたてながら寝ていた。
その様子を見ていて微笑ましいと思っていたが、ヘルハウンドは一応、教会で死体の山を作り出した元凶だということを忘れてはいけない。
真紀はリビングの奥にある台所で料理を作っていた。彼女は和食をよく作るので、今も和食を作っているんだろう。
ミッテルト達は未だにソファーの上で寝ていた。
彼女達の事を確認した俺は自分の部屋に行くために階段を登って行く。
部屋の中に入った俺は受話器を取った。そして電話先の番号を打ち込んでいき、相手が電話にでるのを待つ。電話が三回鳴り終わると同時に電話先の相手が出た。
『お前さんから電話が来るなんて珍しい日もあるんだ。ひさしぶりだな、ハース』
電話先の相手は陽気な声で俺の電話に出てきた。
「そんな日もあるさ、アザゼル。そっちはどうだ?」
電話先の相手は堕天使の総督をしているアザゼルという堕天使の男だ。彼に電話をしたのはミッテルト達の事を報告するためだ。
『こっちは新しく考えついた人工神器の作成が楽しくて充実した日々を送っているぜ。まあ、仕事を忘れてはシェムハザに無理矢理、仕事をさせられているがな』
「何をやってるんだ、あんたは。・・・まあ、いい。今日は伝えなければならないことがあるんだ」
『伝えたいこと?どういう内容だ?』
「
手を出したと言うと、電話越しでアザゼルが何かの飲み物を吹き出した音が聞こえた。
『・・・ハースが言ったことが事実なら手を出したのはサーゼクスの妹か?』
「正解だ、アザゼル。魔王の実妹、正確にはその妹の眷属に手を出したんだ」
アザゼルは俺が住んでいる町に魔王の妹が二人もいることは知っており、
魔王の妹の一人はグレモリー家の者で、堕天使が手を出したのはリアスだけになる。
『妹の方に直接手を出さなかっただけまだましか。だが、グレモリー家の者は眷属に対しては慈愛が深いからな、眷属に手を出した時点でそいつらは終わっていたんだろうな』
「当然だな、実際に魔王の妹は眷属が襲われたのを知ったらすぐに報復しようとしたんだからな」
『そうか。それで、俺の部下がどうなったのかを教えてくれるか?』
「少し長くなるぞ」
それから俺は兵藤がリアスの眷属になるまでの経緯を詳細に話始めた。その話が終わると堕天使が兵藤に何をしたのかを話し、最後にそいつらがどうなったのかを教えた。
『そうか、その眷属に手を出した二人は既に処分されたのか。他の二人は今もお前さんのところに居るんだな』
「そうだ。彼女たちの処遇は堕天使総督としてどうするつもりだ?」
『魔王の血縁者、それも実の妹に手を出したんだ。そいつらが手を出していなくてもそれなりの罰を与えないといけないな』
「それで、結局どうするつもりだ?」
『そいつらが
この世から消す、つまり彼女達を殺すということだな。だが、アザゼルは俺に預けるとも言った。これはつまり、彼女達を殺すか、あるいは俺が彼女達の身柄を預かり育てるかは俺が決めていいことになる。その事については既にどうするか決まっている。
「なら、俺が預かることにしよう。俺が殺さなかったのも中々の逸材だと感じたからだしな」
『お前さんが気になるレベルか、惜しい奴らを無くしたよ。とりあえずそいつらにはもう
「分かった。俺が教えておきたかったのはこれだけだ。またな、アザゼル」
『ああ、またな。そいつにしっかり教えておいてくれくれよ』
そして電話を切ろうとしたが、ヴァーリに教えなければならないことを思い出して切るのを止めた。
「待った、アザゼル。一つが伝え忘れていたことがあったんだ」
『ん?どうしたんだ』
「ヴァーリに伝えておいてくれ。『赤龍帝』が目覚めたぞってな、それだけだ」
『・・・おいおい、遂に今代の『赤龍帝』が目覚めたのかよ。ヴァーリが聞いたら喜びそうだな』
「ちなみにその『赤龍帝』はさっき話した眷属のことだからな」
『・・・・・そうか、まあ、その、なんだ。頑張るように言っといてくれ』
アザゼルは何かを察したのか申し訳なさそうに言ってきた。まあ、しょうがないよな。この間まで一般人だったやつがいきなり悪魔になったと思ったら今度は『赤龍帝』だと言われたんだ。そんなやつが歴代最強の白龍皇とまで言われるヴァーリにまともに戦えるかどうかはわからないんだ。アザゼルが何を思ったのかは何となく分かるよ。
「そういうことで、ヴァーリによろしく伝えておいてくれよ」
『分かった。それじゃあな』
今度こそ電話を切った俺は、自分の部屋を出てリビングがある一階に降りていった。
リビングに着くとそこではエレナと真紀が料理を机の上に並べていた。ミッテルト達はソファーの上で俺たちの事を警戒していた。
「やっと目が覚めたか。ミッテルト、カラワーナ」
声に反応して彼女たちは俺の方に勢いよく振り向いた。
「貴様、あの時の!!」
「ドーナシークの旦那を殺した人間!!」
彼女たちは光の槍を形成しようとしたが、その前に彼女達の背後に一瞬で回り込み、彼女達の手首を掴んだ。
背後にいつの間にか居たことに彼女達は驚いたのか槍を形成するのを止めてしまっていた。
「いきなり攻撃しようとするのは止めてくれないか?話したいことがあるのに話せないじゃないか」
彼女達は俺を見上げるような体勢で見てきたが、すぐに顔を反らした。なんでだ?そんなときにも俺は空腹を感じていたので、台所に居る真紀に声を掛けた。
「真紀、夜食の準備はできたか?」
真紀に夜食が食べられるか聞いてみたが、夜食だろうと思われる物は既に机の上に並べられていた。
「いつでも食べられるよ。今日は何時もより多めに作っておいたからね」
準備ができていたのを確認した俺はソファーにいるミッテルトとカラワーナの手首を引き上げ立たせた。
「とりあえず今は攻撃するのは止めて、一緒に飯を食べないか?そのときに全員に話したいこともあるからな」
彼女達の手首から手を放した俺は和食がメインで並べられている机の前にある椅子に座った。
エレナと真紀が椅子に座ってもミッテルト達は椅子に座ろうとしなかった。
まあ、そうだろうな。数時間前まで殺し合いをしていた相手の家にいて、更にはご飯も食べようと言われたら警戒もするさ。
「そんなに警戒しなくても大丈夫だ。取って食う訳でもないんだ、速く座れ」
優しく言ったつもりなのだが、それでも彼女達は警戒を解こうとしなかった。仕方なく俺は真紀に視線を向けて助けを求めた。
真紀は視線に気が付いたのか、やれやれと言わんばかりの表情をしていた。
「二人とも、私達はあんた達に乱暴なことをするわけじゃないんだから速くこっちに来て私の作ったご飯を食べな」
真紀は椅子から立つとミッテルト達の所まで歩いていき、彼女達の背中を押して来て椅子に座らせた。
真紀が椅子に座ったのを確認してからミッテルト達の様子を見てみるが、さっきよりは少しだけ警戒を解いているように見えた。
「ほら、ハース。みんな座ったんだから冷めないうちに速く食べるよ」
真紀に声を掛けられて、エレナ達がいつでもご飯を食べれる状態で待っていることに気が付いた。
「ああ、そうだな。それじゃあ、いただきます」
食事を始める前の挨拶を俺がすると、エレナ達も一緒に同じ事をした。挨拶をしたら、自分の前に置いてある料理に箸を伸ばしてどんどん食べ始めた。
真紀が作った和食はやはり美味しいな。俺達の中だと一番和食を作るのが上手いんだから当たり前だろうけどな。
味噌汁特有の味を楽しみながらミッテルト達の様子を見てみるが、彼女達の前に置いてある料理は手をつけられていなかった。
おそらく、彼女達は料理の中に毒が混ぜられているかもしれないと思っているんだろうな。
「毒は混ぜていないから心配さなくてもいいぞ。冷めないうちに速く食べろ」
真紀が作った料理を食べるように促すと、ミッテルトが箸を戸惑いながらも持ち上げ、目の前にある料理のひとつに箸を伸ばして掴み、自分の口の中に持っていった。すると、彼女が料理を口の中に入れてから何回かゆっくりと噛んでいるとその度に彼女の顔が明るくなっていくのが分かった。
「真紀が作った和食は美味しいだろう?まだあるからどんどん食べるといいぞ」
それを聞いたミッテルトは警戒心を解いて目の前に置いてある和食を食べ始めた。隣に座っているカラワーナは未だに戸惑いながらも先程のミッテルトのようにゆっくりとだが、真紀が作った和食に箸を伸ばして、口の中に持っていった。
カラワーナもミッテルトと同じ様な反応をしてから、俺の事を見てきたが、俺は食べても良いぞと目で教えた。
それを確認した彼女はミッテルトとは違いゆっくりとご飯を食べ始めた。
彼女達が警戒心を解きはじめてから数分が経ち、和食をそろそろ食べ終わりそうだというのを確認した俺はアザゼルと話したことを教えようとした。
「まだ食べている途中で悪いが話さなければならないことがあるからな聞いてくれ」
エレナ達は俺の呼び掛けに反応してご飯を食べるのを止めた。ミッテルト達も周りの様子に気が付いたのか箸を置いて話を聞く体勢になってくれた。
「エレナ、もう気付いているかもしれないが彼女達は俺が殺そうとした堕天使の生き残りだ」
「やはりそうでしたか。こんなことをしてリアスさんは怒らなかったんですか?」
「怒ったさ。今まで見たことがないくらいに怒っていたぞ」
当たり前だろと言わんばかりの様子で話すとエレナは溜め息をついていた。
「何をやっているんですか、ハース。リアスさんはなるべく怒らせたくないと言っていたのは貴方のはずでしょう?」
確かに俺はリアスを怒らせないようにしようと言ったのは俺だが、過ぎたことを気にしたら埒が明かないだろう。
「それはそうだが、ミッテルト達については条件付きで見逃してもらったから問題はないだろ」
エレナはさっきよりも深い溜め息をついていた。
「そうですか。でしたら今度御会いする時には何かお詫びの品を渡さなければなりませんね」
エレナはリアスに迷惑を掛けたのだからそのお詫びをしようと提案してきた。勿論、明日リアスに会うときにはそうするつもりだ。
「分かっているさ、エレナ。心配しなくてもいい。さて、ここからが本題だ。話をしっかり聞いておいてくれよ」
それから俺はアザゼルとの話し合いの内容を全員が解るように説明し始めた。ミッテルト達は俺が堕天使総督と知り合いだということに驚き、話の内容を聞いたら絶望したのか顔を下に向けていた。
「というわけで、ミッテルトとカラワーナは帰る場所が無くなったわけだがこれからどうする?」
彼女達は顔を下に向けたまま小さな声で話始めた。
「そんな・・・私達の帰る場所が無くなっていたなんて、私達は何て事をしてしまったの」
それに関しては自業自得としか言いようがないな。魔王の妹に手を出さなければよかったんだけどな。
「さて、ミッテルトとカラワーナの今後についてだが、選択肢が三つある。ひとつ目はこの場で死ぬこと。二つ目は俺の仲間になること。最後の三つ目は堕天使であるということを忘れて表の世界で生きていくかのどれかだ。さあ、お前たち二人はどうするつもりだ?」
彼女達はお互いの意見を確認したいのか少し距離を取って話し合いをしていた。
話し合いをしてから数分が経つと、意見が纏まったのかこちらに戻ってきた。
「聞きたいことがあるのだが、三つ目の選択肢については、どうするつもりなんだ?」
「簡単なことだ、お前たちの堕天使だった頃の記憶を消して別の記憶を埋め込むつもりだ」
「そうか、二つ目の選択肢はどういう事をするんだ?」
俺の仲間になることか。これはその言葉の通りだな。共に協力して戦い、生活していくことだ。
「それはその言葉の通りさ。共に協力して戦い、生活していくことさ」
「・・・そうか、少しだけ考えさせてくれ」
「ああ、構わないぞ。考えるといってもそんなすぐに決められるとは思っていないからな、一週間の間は考えても良い。今後の事を決めることなんだ、ゆっくりと考えろ。それまでは俺達もそれなりの生活は保証しよう」
「ありがとう。えっと、名前は何て言うんだ?」
そう言えばお互いの自己紹介をしていなかったな。
「俺の名前はハース・ベスタード。こいつらのリーダーをしている。よろしく。で、俺の隣にいる彼女の名前はエレナ・ルタス、そしてエレナの更に隣にいるのが土御門真紀だ」
彼女達の名前を言っていくと、それぞれミッテルト達の前に出て手を差し出した。
「エレナ・ルタスです。以後、お見知りおきを」
「土御門真紀だ。よろしく頼むよ」
「ミッテルトっす。よろしくお願いしまっす」
「カラワーナだ。よろしく頼む」
彼女達はお互いの挨拶が済むと手を握り合った。その様子を見ていると右手に突然なにかが噛んできた。手を見ると、ヘルハウンドが俺の事は紹介してくれないの?、と目で訴えてきていた。
「それと俺が使役している魔物のヘルハウンドだ」
こうして今、家の中にいるメンバーの自己紹介が終わり、またご飯を食べ始めた。この時には既にミッテルトとカラワーナは警戒心を解いてエレナと真紀に話をしていた。俺はこの家族のような集まりが続いてほしいと思いながら食事を進めた。
久しぶりに投稿すると、こんなに疲れるとは思いませんでした。これからはどうにかして元の投稿ペースに戻していきたいです。
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