ハイスクールD×D 死を宿した人外   作:ゼルトナー

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どうしよう、最近忙しくて投稿する時間がない・・・。とりあえず、出せるところまで頑張ろう。それではどうぞ。


Life.3 友人のいる日常

 リアス達オカルト研究部との話し合いが終わった後、俺はエレナと一緒に小猫に教えてもらった店に行き、羊羮を買い終えて帰路についていた。

 

「それが、ハースの言っていた羊羮ですか。食べるのが楽しみです」

 

 エレナは、俺の持っている袋の中身を興味深く見ていた。それもそのはず、彼女は甘いものが大好きすぎて、俺たちに黙って、甘いものを一人で買ってこっそり食べている位だからな。

 

 なぜ、エレナがこっそり食べているのかは俺にはさっぱりわからない。別に隠れて食べるようなことでもないだろ。

 

 まあ、エレナは誰にも自分が甘いもの好きだと思われていないと考えているようだが、実は俺の仲間は全員この事を知っている。

 

 無理もない。エレナは甘いものを見ると、誰から見てもわかるぐらいに目の色が変わるからな。

 

 俺の知る限り、その時だけは普段の彼女からは想像もできないくらいだしな。しかし、なんでそんなに甘いもの好きになったんだ?

 

 エレナの甘いもの好きのことを考えていると、制服のポケットから携帯電話が鳴り始めた。

 

 誰からだ?今日は特に依頼とかはないはずだが。

 

 ポケットから携帯電話を取り出して画面を見てみると、『真紀』と出ていた。なんか嫌な予感がする。とりあえずでるか。

 

「どうしたんだ、真紀?電話なんかしてきて。なんかあったのか?」

 

 俺はそう言うが、返事がない。むしろ、電話越しで騒ぎが起きてるような物音がしている。嫌な予感が当たったな。

 

『ハース、助けて!!』

 

 やっと電話に出たか。そろそろ切ろうかと思っていたぞ。

 

「電話をしておいて、人を待たせるとはいい度胸しているな?・・・と、言いたいところだが、何があった。詳しく教えろ」

 

 少し怒気を含めて話して見るが、俺はそれより電話越しから聞こえる物音のほうが気になった。

 

『電話にすぐ出れなかったのは謝るけど、今それどころじゃないの!また何時もの奴らが来ていて、ハースはまだ帰ってないのかって騒いでるのよ!少しは大人しくしてる人もいるけどね』

 

 ・・・はあ。またかよ。ここ最近毎日来てないか。

 

「とりあえず、もうすぐで家に着くから、俺が家に着くまでにどんな手段を使ってもいいから騒いでる奴らを黙らせておけ」

 

 そう言うと、電話越しで溜め息をつかれた。

 

『容赦ないのね。わかったわ。なるべく早く黙らせておくわ。それじゃ』

 

 会話が終わると、電話が切れた。なぜ溜め息をつかれた?

 

「真紀からですか?かなり慌てていたみたいですけど」

 

「そうだ。何でも、何時もの奴らが来ているらしい」

 

 真紀からの電話内容を話すと、しんどそうに溜め息をついた。

 

「またですか。懲りない人達ですね」

 

 確かにそうだ。しかし、なんであいつら毎日来るようになったんだ?それについても聞いておくか。

 

「とりあえず、早く家に帰るぞ」

 

 そうして、俺達は家に急いで帰ることにした。

 

 

 

 

 

「で、この惨状はどういうことだ」

 

 俺の家の周りには人払いの結界が強固に貼られている。

それはいい。だが、なぜ俺の家が全壊しているんだ。

 

「いやー、つい力を入れすぎちゃって・・・」

 

 今俺の目の前には黒髪のロングヘアーの美女が正座をしている。彼女の名前は土御門真紀、さっきまで俺と電話をしていた本人だ。

 

「へえ、力をいれすぎただけで俺の家が全壊したのか」

 

 俺は少し怒気を含めて話してみると、真紀は冷や汗をかきはじめた。

 

「えっと、あの、その・・・」

 

 俺が真紀を睨み付け続けると、彼女は今にも泣きそうな顔で土下座をした。

 

「ごめんなさい。次からは気を付けます」

 

 ・・・まあ、今回は俺もどんな手段を使ってもいいから黙らせろって言ったんだ。俺にも非があるな。それに、女性の涙を見るのは辛いしな。

 

「今回は俺にも非があったからな。今度からは気を付けてさえくれればいいさ。頼むから泣かないでくれ」

 

 俺がそう言うと、真紀は土下座をやめて立ち上がり、涙を拭った。

 

「うん、ありがとう。今度からは気を付けるよ」

 

 そう言った彼女は全壊した家に向かい、魔法を使って家を直し始めた。俺が言う前からやってくれるのはありがたいな。さてと、次はこいつらか。

 

 そう思いながら振り向いたが、突然俺の背中に何が乗っかってきた。その重みと背中に押し付けられてる弾力には心当たりがあった。

 

「・・・急に何をするんだ、黒歌?」

 

 俺の背中に乗っかってきた人、黒歌は悪戯な表情を浮かべて俺を見た。彼女の名前は黒歌。黒髪に着物を着崩したダイナマイトボディの持ち主だ。

 

「にゃは。ハースに抱きつきたくなっただけにゃん」

 

 黒歌はそう言いながら、俺の背中に胸をさらに押しつけてきた。はあ、これから真面目な話をしようとした矢先にこれか。

 

「黒歌。俺は今から大切な話をしようとしてるんだ。少しの間、離れていてくれないか」

 

 そう言うと、黒歌は不満げなをしながら離れた。頼むからそんな顔をするなよ。

 

「はあ、後で何時ものあれをやるから我慢してくれ」

 

 その事を聞くと、黒歌は先ほどとは違い嬉しそうな顔になった。

 

「本当かにゃ?だったら我慢しておいてあげるにゃん」

 

 そう言って彼女はエレナの所に向かった。ふう、これで黒歌の機嫌はとれたかな。さてと、話を戻すか。

 

「それで、一体何のようで俺の家に来たんだ?ヴァーリ、美猴、アーサー」

 

 俺の目の前で正座をさせている奴等は、右から順に見ると、ダークカラーの強い銀髪で透き通った蒼い目の美少年ヴァーリ。中国の三國志に出る武将が着ている鎧を身に付けている爽やかそうなイケメンの美猴。メガネをかけ、背広を着た金髪の紳士的な好青年のアーサー・ペンドラゴンがいる。こいつらは俺の家を壊した為、正座をさせている。

 

 彼ら以外にも、魔法使いの衣装に身を包んだアーサーの妹で、小柄な少女のルフェイ・ペンドラゴンがいる。彼女は、俺の家で大人しくしていた為、正座はさせていない。今は、エレナと黒歌の所にいて話をしている。

 

「その前に、正座をやめさせてくれねえか?」

 

 俺の家を壊したくせに、よくそんなことを言えるな、美猴。そう言った美猴にだけ、俺は殺気を向けた。そうすると、美猴はさっきまで前のめりに正座をしていたが、背筋を伸ばしてくれた。

 

「美猴、お前は状況を理解していないのか?」

 

 そう言うと、美猴は「すまねえ」とだけ言って頭を下げた。なんか反省している様には見えないな。こいつはしばらく放置しておこう。

 

 だが、今回は俺も驚いたことがあった。

 

「まさか、アーサーが家を壊す様なことをするなんてな、一体どういうことだ」

 

 そう、普段のアーサーは俺の家で大人しくしているんだが、なぜか今回は家を壊した原因になっていた。

 

「ええ、今日は何時もより騒がしかったので、真紀さんと一緒にヴァーリ達を止めようとしたんです」

 

 つまり、アーサーは家を壊すつもりはなかったと。

 

「俺の家を壊すつもりはなかったんだな?アーサー」

 

 俺がそう言うと、アーサーは頷いた。嘘をついてはいないな。そうか、ならこうして正座させているのは少し違うな。

 

「アーサー、お前はもう正座しなくていいぞ。真紀と一緒に家を直してくれ」

 

 俺がそう言うと、アーサーは俺の家を直しに向かった。すると、アーサーが移動したのを確認したルフェイがアーサーの手伝いに行った。優しい妹を持ったな、アーサー。

 

 さてと、最後はヴァーリか。

 

「ヴァーリ、なんでこうなったのか説明しろ」

 

 俺はまだ肝心なことを聞いていない。アーサーが原因ではないことは分かった。あとは、ヴァーリから話を聞けばわかる。

 

「ああ、分かった。まず、俺達がハースの家に来た理由は、何時もとお同じだ」

 

 やっぱりな。それ以外の理由でヴァーリ達が来るはずがないからな。

 

「またか。お前らよく飽きないよな」

 

「それぐらい、ハースのあれは良いものだからな」

 

 はあ、そのために俺の家が壊されたのか。しょうがない。とりあえず、誰が家を壊したのか聞くか。

 

「で、誰が俺の家を全壊するようなことをしたんだ?」

 

 これが一番重要だ。全壊させた奴にはそれなりのお仕置きをしないとな。

 

「ああ、それなら、ハースの家を壊したのは美猴が如意棒を使ってやったことだぞ」

 

 美猴の名前が上がった瞬間、俺は美猴のいる方に振り向いた。すると美猴は筋斗雲に乗って逃げ出していた。はあ、しょうがない。

 

「ヴァーリも家を直しておけ。全部直したら、今回のことはなかったことにしてやるよ」

 

 俺がそう言うと、ヴァーリは家を直しに行った。さてと次は美猴だな。

 

「美猴。まさか、この俺から逃げ切れると思っているのか?」

 

 そして俺は、逃げ出した美猴を追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 美猴が逃げ出してから数分がたった。今俺の手には、頭にたんこぶが出来て気を失っている美猴がいる。さすがに

筋斗雲は速かったな。久しぶりに走り疲れたよ。

 

 さて、家の状態はどうなっているかな。早く美猴を連れて帰ろう。

 

 

 

 美猴を連れて家に着くと、そこは二階建ての一軒家が建っていた。良かった。ちゃんと直してくれたんだな。そう考えながら俺は、家のドアを開けた。

 

「ただいま」

 

 うん。やっぱりこの言葉を言って初めて帰って来たという気分になるな。

 

「お帰りなさい、先生。言うのが遅れましたが、お邪魔してます」

 

 リビングから迎えに来てくれたのは、帽子を外したルフェイだった。なぜルフェイが先生と呼んでいるのかというと、俺はエレナとルフェイの二人に魔法の使い方を教えているからだ。とは言っても、ルフェイの場合は、魔法書を貸してわからないことを聞かれたらそれを教えたりしているだけだがな。

 

「ああ、ルフェイか。さっきは家を直す手伝いをしてくれてありがとうな」

 

 そう言いながら俺はルフェイの頭を撫でた。すると、ルフェイは笑顔を向けてきた。やっぱり、女は笑顔が一番だな。

 

「いいえ、先生のお役に立てて嬉しいです」

 

 本当にいい子だな。さて、そろそろリビングに行くか。そう考えながら俺は、ルフェイと一緒に美猴を引き摺りながらリビングに向かった。

 

 

 

 

 リビングに着くと、そこではエレナ達が羊羮を食べていた。ヴァーリ達も来るだろうと思って多めに買っておいて良かった。リビングにある机の上には食べかけの羊羮が残っていた。おそらくルフェイのだろう。

 

「机の上に乗っている羊羮はルフェイのか?」

 

「はい、先生が買ってきた羊羮ですよね。エレナさんから聞きました。とても美味しいです!」

 

 そうか、それは良かった。ルフェイ以外の奴らも見ると、全員美味しそうに羊羮を食べているな。

 

 さて、俺もやることやるか。その前にヴァーリにもう一度確認しておこう。

 

「ヴァーリ。今は羊羮を食べているみたいだが、例のあれもいけるか?」

 

 俺がそう言うと、ヴァーリは「問題ない」と言った。そうか、ヴァーリが大丈夫ならヴァーリ以外も問題ないだろうな。そう判断した俺はキッチンに行き、あるものを調理し始めた。

 

 

 

 

 調理を始めてから時間が過ぎて、今はエレナに真紀、ヴァーリ達も含めて俺の作った料理を食べている。俺の作った料理は誰もが一度は食べたことのあるものだ。

 

 その料理とは、カレーのことだ。なぜかは知らないが、ヴァーリ達は俺の作った料理のことを、美味しいと言ってくれる。俺の作った料理が美味しいと言われるのはかなり嬉しかった。

 

 別に毎日カレーを作っている訳ではない。毎日別の料理を作るし、素材も少しは変えている。ただ、最近はヴァーリ達が毎日来るようになったから、カレーを作る機会が増えてしまっているだけだ。

 

「やはり、ハースの作るカレーだけは今まで食べてきた物とは味が全然違うな。とても美味しいな」

 

 ヴァーリが美味しそうに食べながら感想を言っていた。作った本人としては嬉しい限りだ。

 

 エレナや真紀、アーサー、ルフェイ、黒歌もほとんど同じような感想を言っていた。作った甲斐があったよ。

 

「おーい、ハースよ。俺っちの分はねえのかい?」

 

 美猴がリビングの奥で何重にも縄で身体を縛られていながら、俺に訪ねてきた。

 

「美猴。お前が逃げ出さないで、俺の家を直す手伝いだけでもしていれば、カレーだけは食べさせるつもりだったんだぞ」

 

 美猴がその事を聞くと、嘘だろと言わんばかりに驚いていた。何を驚いている。ちゃんと家を直してさえいれば、カレーぐらい食べさせてやるわ。その機会を逃したのは他でもない美猴自身だろう。

 

 その事を知って、ショックを受けたのか美猴は今まで見たことのないぐらい落ち込んでいた。まあ、今の美猴に同情はできないな。自業自得だ。

 

 さて、忘れないうちにヴァーリに頼みごとをしておこう。

 

「ヴァーリ。頼みたい事があるんだかいいか?」

 

「・・・頼み事は何だ?早く教えろ」

 

 ヴァーリがカレーを食べながら聞いてきた。あれ?カレーを食べている邪魔をしたせいで、少し怒っているのか、ヴァーリ?

 

「ああ、頼みの内容は簡単だ。・・・『天野夕麻』という名前を使った女堕天使について調べて欲しい」

 

 『天野夕麻』の名前を出すと、エレナが一瞬だけ反応したが、すぐにカレーを食べ始めた。

 

「堕天使・・・。それは俺が『神の子を見張る者』(グリゴリ)に所属しているからか」

 

 それもあるが、正確には違うな。俺は首を横に振った。

 

「違うぞ、ヴァーリ。俺はお前のことを信頼しているし、なにより友人だからこそ頼んでいるんだ」

 

 俺がそう言うと、ヴァーリはどこか嬉しそうに小さな笑みを浮かべた。

 

「・・・そうか、わかった。なら、出来るだけ早くその『天野夕麻』の名前を使った堕天使について調べておこう。」

 

 ありがたいな。持つべきはやはり友だな。堕天使共は必ず自分が見張っていた人間についての報告書を出すはずだ。その報告書の中に『天野夕麻』の名前があるはずだ。

 

「ところで、なぜその『天野夕麻』とやらの情報が欲しいんだ?」

 

 そうだったな、調べて欲しい理由を説明しないとな。

 

 そうして俺は、自分の後輩がその『天野夕麻』の名前を使った堕天使に襲われたということを話した。その為、また兵藤が襲われたときに相手の事を知っておきたいとも話した。

 

「成る程。確かに、相手の事を知っておいたほうがいいからな」

 

 それだけ言うとヴァーリはまたカレーを食べ始めた。さて、俺もカレーを食べるか。

 

 

 

 

 カレーを食べ終わってからしばらくすると、ヴァーリ達は帰ろうとしていた。ヴァーリが言うには、報告書を見つけたら、また来るつもりらしい。

 

 だが、ヴァーリ達が帰ろうとしてる間も美猴はヴァーリ達の影に隠れて落ち込んでいた。さすがにそこまで落ち込むとは思っていなかったが、俺は作ったカレーの余りをタッパーに入れて美猴に渡した。

 

 すると、美猴は先程とは違い、タッパーを受け取った瞬間に涙を流した。そんなに嬉しいのか。それから美猴はもう家を壊す様なことはしないと言ったした。俺はその言葉を信じてみようと思った。

 

「じゃあな、ハース。報告書を見つけたらまた全員で来るぞ」

 

「ああ、またいつでも来い。その時はまたカレーを作ってやるよ」

 

 俺がそう言い終えると、ヴァーリ達は魔方陣を使いその場から転移した。

 

 さてと、今日はもう風呂でも入って寝るか。そう思いながら風呂場に向かおうと振り向くと、さっきまでは居なかった人がいた。

 

「我、ハースのカレー食べにきた」

 

 黒髪の長髪に黒いゴスロリ服を着た幼女、いや、世界ができた時から最強の座に君臨するドラゴン。『無限の龍神』(ウロボロス・ドラゴン)オーフィスがそこにいた。

 

 




ついに、ハースの仲間とヴァーリ達にオーフィスが登場。これからも頑張って投稿しようと思います。
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