俺はMUGENの可能性   作:轟く雷鳴のギース

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ハイパークロックアップ!








67話

 

 

 

 

「あー、昨日話した通り、まずは“仮免”の取得が当面の目標だ。ヒーロー免許ってのは人命に直接関わる責任重大な資格だ。当然その試験はとんでもなく厳しい。仮免だといっても合格率は例年5割は切ってる」

 

次の日の朝のホームルームで相澤先生が今後の方針を説明する

 

「そこで今日から君たちには1人最低でも2つ」

 

相澤先生は一度区切りタメを作る

 

「必殺技を作ってもらう!!」

 

相澤先生のその宣言によりクラス中が盛り上がる

理由は言わずもがな、超テンションの上がる内容だからだ

因みに俺も少しテンションが上がったが…俺の場合全部が全部必殺技といえる代物ばかりなのだ

作ろうと思えばすぐにデータを入力さえすれば出来上がる

最近はロズウェルでも入れようかと思ってるところだったわけだし

いやぁ希望軍だけじゃなく絶望軍のキャラも再現できるようになったって思うと感慨深いものがある

 

「あぁ、それからGrand Orderを始め、様々な先生たちに手伝いを依頼してる。自分が得意とするタイプの先生について色々教えてもらうといい」

 

やっぱり来るよな母さん

来ないわけないもん

でも俺的には父さんに教えてもらいたかったかな

世紀末バスケは俺もできるけど母さん曰く父さんの場合は本物の北斗神拳が使えるらしいし

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

それから俺たちは各々コスチュームに着替え体育館γ、通称トレーニングの台所ランド(TDL)に移動した

 

(ヴィラン)の乱入などにより中断された個性伸ばしはこの必殺技の開発の準備段階だった。つまり、何がいいたいかわかるか?」

 

ちょっと待って?

それってまさか…

 

「そうだ。君たちはこれから後期始業までの10日余りの夏休みは個性を伸ばしつつ必殺技を編み出す圧縮訓練となる!」

 

マジかよ…

 

俺は背中に冷や汗が滲み出るのを認識する

 

「それから、個性の伸びや技の性質に合わせ、コスチュームの改良も視野に入れて行くといい」

 

そして相澤先生は告げる

 

 

 

「プルスウルトラの精神で乗り越えろ、準備はいいか!?」

 

 

 

 

その一言によりクラス中の空気が一変する

やる気の目だ

俺も置いていかれるわけにはいかない

なまじ個性が強力だからってそれに甘えてちゃいけないな

俺は俺だけじゃない

やるしかないならやるだけだ

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

俺はTDLの隅っこで胡座をかいて目を閉じていた

訳は単純、中に入っているからだ

あれから中のみんなとの対話を続けていった結果自由に出入りが可能になった

ではなぜ必殺技を編み出す訓練なのに中にいるのか

 

「うっし、もう一回だ!」」

 

「甘い!」

 

俺の攻撃はたやすく目の前の人物、アカツキに防がれる

それだけでなくわけのわからない軌道で俺はひっくり返る

やっぱり何が起きてるのかわからない

 

「くそ…」

 

俺が中に入った理由

それは己自身の技術の向上

外ではエクトプラズムが創り出した分身を相手に必殺技を試すことができるがそれだけじゃダメだという考えに至った俺は対戦が本職の奴らを相手に鍛えて貰えばいいと結論が出た

こいつらに勝てる、なんて思っちゃいない

再現可能なランク自体はあの巫女たちのせいで底上げされた

だがそれは個性が伸びただけで俺本人の技術は何1つ上がっちゃいない

レベルが低い奴にどれだけ強力な武器を与えても焼け石に水なような状態になっているのだ

同じ再現系の父さんや母さんは個性だけでなく本人の戦闘技術もハンパなく高い

母さんに至っては剣からビーム出すからなビーム

父さんの場合は戦闘中であろうも御構い無しで「かかって来るがいい」とかいいながらスライド移動したり、変な軌道でふわっと飛んだりするからな

それ例のあの人の作ったトキだろ…

 

と、まあそんな感じでやれることがあるんならなんでもやろうって感じに今はアカツキに稽古をつけてもらってるわけだ

あ、アカツキに師事を受けてるのはアカツキの技のコンセプトが空手だからだ

一番戦闘をイメージしやすいのが空手や合気道といった武道だったからそれならば、と思って始めた

たまにギースが乱入してきて色々教えてくれるけど、正直まだ早い気がした

羅生門はあなたを再現してないとまだできません

 

「ハァ!!」

 

「ぐへっ!」

 

そんな俺は今、桜花をまともに受け地面に大の字で倒れていた

いや、無理無理

流石に無理っす、体がついていかない

でもそんなこと言ってられないし体に鞭打って立ち上がる

一応ここは精神世界のため肉体に影響はないが、それでも精神はヘロヘロになるわけで俺はアカツキに拳を向けたところで倒れこみ精神世界から弾き出された

 

 

 

 

「あーくそ!追い出された。また当分入れねえぞこれ…」

 

ふらふらと立ち上がりながら俺は頬をかく

するといつの間にか横にいた母さんが心配そうに声をかけてきた

 

「また中にいたのですか?」

 

「うん。相澤先生にもアドバイス貰って中の奴らと戦って再現させてない状態に戦いを染み込ませておかないとダメだなって思ってさ。常に誰かを再現させてるわけじゃないし、そんな状態だと俺も疲れるから」

 

「ええ、それはわかりますが程々にしておいてくださいね?」

 

「わかってるよ、そんな心配しなくても大丈夫だって。確かに悪のカリスマやら神やら悪魔とか人類の敵みたいな見た目の奴らとかもいるけどみんな俺が強くなるって点には好意的で率先して面倒見てくれてるし」

 

個人的に驚いたのはあの誰にも干渉しないようなキャラである八雲紫をはじめとした設定そのものが人類とは別の存在であるキャラまで俺の稽古をつけてくれていることだ

いや、ギースの時点でかなりびっくりなんだけどね?

マガキに至っては「人の可能性を自分で育てるのも悪くない」とかいいながらめっちゃ積極的だし

けどみんながそんな風に気にかけてくれるから俺も強くならなくちゃって思えるわけで、今は少しでも長くみんなと稽古をしたい気持ちしかない

 

「よし、それじゃ母さん俺行ってくるわ」

 

「もう中にですか?」

 

母さんはまた表情を曇らせる

けど俺はそれに対して「違うよ」と返す

すると母さんは不思議そうな顔で首をかしげる、可愛い

 

「ちょっとエクトプラズム相手に今の俺がどんなもんか試してくる」

 

肉体は元気だからな

また中に戻れるようになるまでにエクトプラズム相手にアカツキ直伝のKARATEを試したい

 

「ええ、頑張ってくださいね」

 

母さんは微笑むと他の生徒(爆豪)の元に向かって行った

なんでも爆豪が手のかかる子供のようでお気に召したらしい

爆豪も爆豪で試しに挑んでぼっこぼこにやられてからやたらと敵視して母さんに必殺技を編み出しては挑んでを繰り返してる

まるで姉弟のように

 

「んじゃま。やりますかね」

 

目の前に沸いたエクトプラズムの分身相手に俺は気合を入れ直したのだった

 

 

 

 

 







先生たちの説明パートはだいぶはしょりました
みんな漫画を読んでどんな台詞か知ってるだろうしつらつらと書いていても文字数が増えるだけでダラダラとするだけかなぁと思いましたので…

ゲージマックスのタッグ大会が面白い
さっき(別の大会で)見た、の流れツボだった

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