俺はMUGENの可能性   作:轟く雷鳴のギース

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バーリバリパワー











64話

あれから起きた話をしよう

俺は夜も遅いということで取り調べは次の日に持ち越しになり警察署で一夜を過ごした

それに関しては別になにも思わなかったし親元を離れて暮らしていたから家に帰らないからといって心配をかけることはなかった

まあ、あんだけ大々的にテレビに俺が暴れてる姿を放映されたせいでガチでキレた親父からの電話がかかってきたのは置いておくとする

あえて何か言うとしたら親父の個性も俺と同じようなもんだったってことがわかったくらいか

因みに世紀末バスケの再現でした

 

で、次の日になって取り調べを行うといって部屋を移動したその先にはなんと相澤先生がいた

身元引受人兼教師としてきてくれたらしい

ただその表情はいつもの気の抜けたものじゃなくて『怒』に満ち溢れていたんだけど…

そんな相澤先生の横に座って俺は面構さんと何故あんなことをしたのかといったことを聞かれた

緑谷達が爆豪、常闇の救出計画を立てていたこと

それを止めようとしたが止められなかったこと

むしろあいつらの想いに感化されてそれを手伝ったこと

その全てを素直に答えた

そして話はいよいよ本題に入った

それは面構さんの問いかけの時、相澤先生と2人の空気が一気に変わったのが肌で感じられたからだ

その問いかけは「君はあそこまでの破壊行為を本気で行ったのかい?」というものだった

 

「はい」

 

俺は面構さんの目をまっすぐ捉えてそう返した

面構さんは俺の目をジッと見つめたまま黙り込む

隣の相澤先生もただ黙ったまま俺の言葉の続きを待っている

だが俺はなにも言わない、否言えないのだ

あの破壊を行なったのが俺じゃなくて巫女達だったとしても俺の個性によって再現された巫女達が原因なのだ

なにを言おうと俺がやったという事実は変わらない

 

「個性の暴走、言い逃れをするならばそう言えます。でも、それが理由だったとしても例え暴走だったとしても俺がやったことに変わりはないです。だからあれは俺の仕業です」

 

だから俺はなにか言うとするならばそう言うしかない

俺の言葉を聞いた面構さんは目を瞑って一度頷くと相澤先生に向けて「だそうだワン」と告げた

相澤先生は重く長いため息を吐く

 

「自分のしでかしたことがどれだけのことか本当に理解しているのか?」

 

相澤先生は静かに呟く

 

「………」

 

「お前たちの行った考えなしの行動がどれだけの人に迷惑をかけたか、分かっているのか?」

 

「正直に言うとまだ完全に理解できてないです。学校にどれだけの迷惑をかけたとか、あの場に居た他のヒーローたちがどんなことを考えているとか、この一晩考えたけどわからないです。でも俺の背中を押してくれた人がいた。俺の味方だと言ってくれる人がいる。俺の力になってくれる人がいる。その人たちがいる以上俺は立ち止まるわけにはいかないんです。雄英を退学になったとしても他のヒーロー科に編入します。俺はヒーローになることを諦める選択肢はないです」

 

「……。ったく、面構さん、聞いての通りこいつはバカです。周りの迷惑や他人の心配なんてもんを度外視して物事を考える自分勝手な奴です。ですがそんな奴でもこいつは我が校の生徒です。今言った通りまだヒーローになることを諦めていません。こいつがヒーローになることを諦めるまでは責任を持って面倒を見ることを約束します」

 

え?

俺は相澤先生の言葉の意味が理解できず惚けていただろう

でも仕方なくないか?

何かしらのペナルティーを受けて退学なりなんなりされると思っていたからまさか守ってくれらとは思わなかったんだし

 

「ワン。我々もこうなるだろうと思っていたワン。だから昨日嶽君の取り調べを行わずにメディアにあらゆる手を回して嶽君の情報漏洩を防いだワン。ただあの時生中継された映像だけはどうすることもできなかったからそこからある程度の情報が流れているのは避けられなかったワンが」

 

「いえ、それだけの手を回してもらえただけで充分です。ありがとうございます」

 

「あ、ありがとうございます」

 

いまいち話の流れが掴めないが取りあえずお礼を言っておいた

それからめちゃくちゃ話の展開は早かった

俺がついて行く前に相澤先生が素早く話を進めていき俺は解放され、相澤先生の運転のもと家に送られることになった

 

ただ車の中では沈黙が続いており途轍もなく居心地が悪かった

そんな時、やっと相澤先生が口を開いた

 

「嶽、お前は一人暮らしだったな」

 

「え、はい。両親は関西圏でヒーローしてますし…」

 

「母親でも父親でもいい。こっちに来てもらえるように頼んでおけ」

 

「ん?どういうことですか?」

 

「雄英学園は間も無く全寮制に切り替わる。だが両親の許可なく生徒を寮に放り込むなんてことは出来ないからな。話をするために両親のどちらかをこっちに呼んでほしいというわけだ」

 

「あー、その程度の内容なら電話でいいっていうと思いますよ。昨日親父から電話あったんですけどその時に、何か学校から用があるって言われたら電話かけてこいって言ってましたし」

 

「はぁ…。お前がそういうならそれでいいのかもしれないがこっちにも立場がある。一度はちゃんと顔を合わせて話をしなきゃいけない」

 

むぅ、説明するんだるいなぁ

親父だったら「しるか!」の一言で済まされそうだし、こうなったらおかんに頼るしかないか…

でもおかんの方が怖いんだよなぁ

何言われるかもわかんないし、それ見越して親父が先に俺に電話をかけて来たんだろうし

気が重いってーの

 

「わかりましたけど…来てくれるかわかんないですよ?」

 

「その時はその時だ。なんとかする」

 

相澤先生がそう言った後程なくして車は停車した

俺の家に着いたのだ

 

「んじゃこれ以上面倒は起こすなよ。流石にこれ以上は庇えない」

 

「わかりました。ありがとうございました」

 

そして相澤先生の車は走り去っていった

 

「さて、鬼に電話をかけるとするか…」

 

俺はポケットから震える手で携帯を取り出しながら家の中に入っていった

 

 

 

 

 

 

 

 








10割フレンズ大会がヤバイ
なんであんなに「あ〜あ、出会っちまったか」してんだよ

はい、そんなわけで投稿しました
一応これでひと段落という感じです
次回から仮免編に移行します(多分)
ただ投稿ペースは以前ほど早くはないと思います
まだ原作の動きが読めない以上下手な展開をするわけにもいかないので…

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