俺はMUGENの可能性 作:轟く雷鳴のギース
昇華ァァ!!
「おろやん!」
俺の声は既におろやんには届かない
俺を導いてくれた存在はここから消えてしまった
その悲しき事実が俺に叩き付けられた
『下を向くな。うぬだけは奴の思いを無駄するでない』
振り返るとそこに立っていたのは世紀末覇者ラオウ
『奴はあの巫女たちと同じくうぬの事を想っておった。ならばうぬはそれに応えねばならん。立て、ここで立てぬならうぬはジャギと同じ屑だ』
ラオウは俺に発破をかけるように言い放つ
『前を向け、まだうぬにはやるべきことがある。彼奴が残したモノを無駄にするでない』
「残した…モノ?」
『ふん、うぬには見えていなかったか。彼奴は散り際にあるモノを殺して逝った。その答えがアレよ』
目線でラオウはその答えを示す
それに倣って目線の先を見ると立っていたのはオールマイトだった
『うぬや他の人間等は気付いてはいなかったがアレはもう戦える状態ではなかった。だが
どういう…ことだ?
オールマイトが戦える状態じゃなかったって?
様々な疑問が湧き上がるが今は捨て置く
「ラオウ。俺は今、何をすればいい?」
『良き眼になったな。うぬがすべきことはここからの離脱位だろう。アレも
ラオウは冷静に考えその答えを俺に出してくれる
『だが…』
と、ラオウは続ける
『うぬに逃げるという選択肢などないのは分かっておる。我らはうぬの事は全てではないが分かっておるつもりだ。故にうぬは我らを使えばいい、使役すればいい。我らはうぬが信じられるならば幾らでも力を貸す』
ラオウは俺の肩を叩く
そして送り出すように前に押し出してくれた
『行け!うぬの道を阻むものは我らが須らく排除しよう』
下を見るな、後ろを見るな
ラオウは告げる
MUGENという個性を持ったちっぽけな俺に宿った多くの戦士たちの力
それを自覚しろ
何度倒れたってその回数よりも一回多く立ち上がればいい
俺に、ヒーローに負けはあってはならない
最後まで立っているのがヒーローだ
「ラオウ」
『………』
「行ってくる」
俺の宣言を聞いたラオウは優しい笑みを浮かべると頷いた
☆☆☆
「私はお前を倒す準備が整った!!」
オールマイトの宣言を聞いたオールフォーワンは「へぇ」と呟いた
それと同時に先程までとは比べ物にならない力の波動を感じ取っていた
それ故にオールマイトの宣言が戯言ではないとも確信ができた
「何をしていたかはわからないけど確かに力を取り戻しているようだ。だけどそれも限定的なものだろう?長くは続かないはずだ、その刻限までに私を倒せるかな?」
「倒すさ、オールマイトは必ずな」
オールフォーワンの問いを答えたのはオールマイトではなく俺だ
「おや、やっと本人のお目覚めかい。随分長い間眠っていたね、君の個性は君からちゃんと奪わないといけないみたいだからちょうどよかったよ」
こいつはまたあの巫女たちを怒らせたいのだろうか…
流石に今度やったら世界壊れるレベルで暴れるとおもうんだけど
「またあいつら怒らせたいならいつでもどうぞ。次は俺も止めないからな?」
「君の中の住人の誰が出ようとも先の殺人者と同じように奪い取ってしまえば手も出せないだろう?」
ちっ!
一々癇の触る言い方をする奴だな
絶対に許さんぞ
「君たちには聞こえるかい?今この状況での市民の声が」
あ、どういう事だ?
聞こえるわけねぇだろんなもん
「
何が言いたい?
オールマイトの方をチラッと見るが彼は黙ってあいつを見つめたままだ
「市民は皆今回も
そこまで言われてやっとあいつが何を言いたいかを理解した
要は今の世間というものを壊したい
今の世界を壊したいのだ
「弔が頑張ってきた、君たちへの市民からの信頼を崩す決定打を僕が打つ事になってしまうのは仕方ないかな。でもねオールマイト。君が僕を憎いようにまた僕も君が憎いんだよ?僕は君の師を殺したけれど君も僕が築き上げてきたモノを奪った。君が僕にしたことと同じさ。だから恨むなんてことはしないでくれよ?」
その言葉とともにオールフォーワンの腕が膨張する
間違いなくデカイ一撃である
「オールマイト!避けて!」
俺の声に反応したオールマイトが飛びのこうと足に力を込める
だがそれを良しとしないオールフォーワンはオールマイトに向けて最悪のカードを切る
「避けてもいいのかな?」
オールフォーワンの伸ばした腕の先
オールマイトのさらに後方でガラッと瓦礫が崩れる音が鳴る
「まさか!」
取り残していた!?
オールマイトはおろやんが表に出ていたときに周辺の逃げ遅れた人々を救助していた
だが最後の1人を救助する前におろやんが奪われ嶽が倒れたところで急いでこの話駆けつけたため最後の1人を見逃していたのだ
「アレは俺たちがなんとかする!貴方は早くあの人を!」
オールマイトの横に並び立ち早く助けに行けと押し出す
それと同時に俺はその身に守護者を宿す
『I am the bone of my sword』
守護者は自身の心象風景を具現化する
『
その直後オールフォーワンから放たれた一撃を防ぐように7枚の花びらのような盾が展開される
「へぇ、そんなものまで持ってるのか。だがそれで耐えられるのかな?」
オールフォーワンはさらにその攻撃の威力を上げる
すると一撃を防いでいた7枚の花びらが一枚、また一枚と割れて散っていく
『くっ!これ以上は保たないか!?』
守護者はさらに力を込める
なけなしのゲージを全て消費してその盾に注ぎ込む
そのときだった
「よく耐えた、よく頑張った」
その声と共にまるで大砲でもぶち込まれたかのように盾とオールフォーワンの攻撃が爆散する
「あとは私が引き受けよう」
「オール…マイト…」
ハッとして後ろを振り返るとそこには虎さんが瓦礫に挟まれ逃げ遅れた最後の1人を救助していた
「お前も緑谷によく似て無茶をする。親の顔が見てみたいわ」
俺の横に立ちながら老人のヒーローが真剣な眼差しでオールマイトとオールフォーワンを見つめながらそう言った
「グラントリノ…」
ヒーロー殺しの時に出会っただけだったけど今回の作戦に参加していたのか
「お前さんがオールマイトになにをしたか知らんが今のあいつは負けん。お前はもう退がれ。これ以上お前が戦う必要はない」
「しかし「お前はまだヒーローじゃない。まだ産まれたばかりのヒヨコのような存在がここまで戦えていたことの方が奇跡だ。お前が稼いだ時間や労力は決して無駄にはならん。ただ、お前は少々やり過ぎた。あの惨劇が中継されちまってたせいで雄英もあんたに何かしらの処分をしなきゃならんだろうし、警察だって動くことになる。このままおとなしくなるならまだしもまだ戦うって言うんなら俺たちはお前を力尽くでも止めなきゃならん。それが俺たちヒーローって存在だからな」
「わかりました。ですが…」
「まだなにか言い足りねぇってのか?」
「恐らくですが今のオールマイトは一時的に限界を超えている状態です。分かりやすくいうなら『枷を殺した』状態になります。ですがその状態がいつまで保つかわからない。それにその後オールマイトの体に何が起こるかもわからないです。もしかすると二度と個性が使えなくなってしまうかもしれない…」
「ほぅ、俊典が全盛期の力を取り戻しているのはそういう訳かい。わかった。だがあいつは二度と個性が使えなくなったとしても戦うことをやめないだろうよ。で、他に言いたいことはもうないな?ならさっさと退がれ。我々の仕事の邪魔だ」
わかりました
俺はそう言うと虎さんに連れられて近場に設置されていた救助本部に送られた
その道中、虎さんが俺に短く「馬鹿者」と叱ってくれた
俺が本部で虎さんの監視のもと軟禁されていたためあの2人になにが起きたかその時は知らなかった
その戦いの末になにがあったかもすぐに知らされることはなかった
何故なら…
「嶽京君。すまないが署まで同行してもらうワン。要件は言わなくてもわかるワンね?」
面構さんが後ろに沢山の警官を引き連れて俺を警察署まで連れて行ったからだ
まぁ、想像できたことだわな
俺じゃ無かったとしても
グラントリノにも言われてたし覚悟はしてた
「わかりました」
俺は面構さんの方を向いてそう言った
「では行くワン」
まぁどうなるかなんて俺が考えてもわからんからな
面構さんに任せるしかない
全部正直に話せばもしかしたら厳重注意とかで済まして貰えるかもしれないからな
それが終われば次は雄英だ
確実に相澤先生に殺されるな、目に見えてる
てかマジで「俺の戦いはこれからだ!」って状態じゃね?
はぁ、今から考えるだけでため息が出るわ
俺、どうなるんだろ…
最近気になる、見たいMUGENの大会が多過ぎて時間が足りない私です
てか見返していて思ったんですがなんで投稿者の方々はあんなに投稿スピード早いんですかねぇ?