俺はMUGENの可能性   作:轟く雷鳴のギース

54 / 72








死ぬか!
消えるか!
土下座してでも生き延びるのか!










53話

 

歯車有罪

俺と最も個性が似ていてそして最も個性が似てないのはこの先どんな(ヴィラン)と出会ったとしてもあいつ以外に存在しないだろう

ギルティギアとMUGENという両方とも格闘ゲームの再現をするという共通の個性でありながら

俺のMUGENは格闘ゲームの範疇を軽く超越しているのだから…

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「くっ、まだ耐えるのか…」

 

絶え間なく俺は俺の中のデータ(キャラ)を送り続ける

ストライカーとして使う時のメリットは俺本人の体で再現させる訳ではないため俺の体に負担が全くないという点

その代わりゲージを消費しなきゃならないのが欠点だがそれはゲジマユ設定に切り替えればなんとかなる

まぁその為には最大ゲージの量も減るし普段よりも集中しなきゃならないから別の意味で負担はかかってるわけだが…

 

「ふはははは!おもしれぇ!」

 

ミカエルソードやミカエルブレードといった黒ジャスティス(暴力)のゴリ押しで歯車は俺が出すストライカーを相殺しながらこちらに近づいて来る

その光景は一騎当千の悪鬼のようだ

 

「BASARAかよ…」

 

突撃していくストライカーを全て薙ぎ倒す歯車という思わず苦笑いを浮かべたくなっちまう

その時だった

ストライカーとして出たキャラが戦況をガラリと変えた

俺自身そいつを意図して出したわけでもない

むしろあれだけの改変キャラがいるのにこれまで出てこなかった方が凄いくらいだ

 

 

そのキャラが技を行使した瞬間、辺りが闇に包まれる

 

 

『ンンンンンンンンンン』

 

 

そこに立っていたのはネスツで最高幹部に当たる男、ゼロ(オリジナル)

直立の姿勢で片手を握る彼を中心に死んだ星の成れの果てであるブラックホールが現れている

俺の一部であるストライカーが出した技のため俺には害はないが歯車は違う

先程まで様々なストライカーを避け続けていた時とはうって変わって吸い寄せられる

だが姿勢を崩すだけがこの技ではない

ゼロの周りを無数の黒い球体が弧を描いていく

その無数の黒い球体が歯車に襲いかかる

 

そのエフェクトのかっこよさから数多のキャラに搭載されているゼロ及びクローンゼロの超必殺技【白羅滅精】だ

 

「おいおい!マジかよ!」

 

それによってガード態勢を崩された歯車が驚きの色を浮かべる

ミカエルブレードによる無敵時間のゴリ押しでストライカーを殲滅してきた歯車でも白羅の発生時間の長さによって無敵の切れ目を見事に拾われたのだ

それを好機と見た俺は立て続けにストライカーを連発させる

やつに復帰の隙を与えてはいけない

その思いしかなかった俺は単発火力よりも拾うことを優先させる

 

ベール=ゼファーやオロミズ系、禍忌などの全画面攻撃を可能とするキャラを放出していく

そしてトドメにとあるお方を出した

確かに全画面技を持ってるけどあれだけの攻撃に耐えた歯車だ

ほぼ確実に戦闘不能にするためだけにoverkillだろうが関係ない

 

そのお方は歯車を掴むと御大のナイスボイスで雄叫びをあげる

 

『今死ね!』

 

そのお方は完全に歯車を殺す勢いで連撃を開始する

実際に歯車の命がなくなることはないんだけどあの様を見てるとかなり心配になる

 

『すぐ死ね!』

 

これ、原作だとほんとやばいんだよなぁ…

バルバトスさん…まじぱねぇっす

 

なんて俺が思ってるとあろうことか歯車が禁忌を犯しやがった

 

『骨まd「ふっっざけんなオラァ!」!!』

 

バーストで無理矢理抜けたのだ

 

「あっ、やらかした」

 

確かに俺と戦い始めた時に一度撃ってる訳だからそろそろ溜まってる筈だけどもさ

そのお方にそれはやっちゃいけねぇよ

鉄哲と拳藤離れさせて正解だったな

マジ死人が出るぞこれ

 

 

 

『貴様に!』

 

バルバトスの空気が一気に変わったのを感じ取ったのだろう

全力でバルバトスを倒そうと歯車が動き出すがもう遅い

というよりもあの状況のバルバトスとかランクがぶっ飛んでる

まぁ、あれだよあれ

 

「抜ける方が悪い」

 

憐れむように俺はそう呟きながら歯車の行く末を見つめる

こんな決着になっちまうなんて呆気ないけど仕方ない

 

『俺と戦う資格はねぇぇぇ!!』

 

手加減など一切なしの容赦のない無慈悲な一撃

それを受けた者は大体終わり

放物線を描きながら吹き飛ぶ歯車もその例に倣って地面に墜落し動きを止める

 

「ふぅ〜」

 

倒れて動かない歯車を見て俺は戦いが終わったと認識する

後ろの方から鉄哲と拳藤の声が聞こえてくるけど今はそれ以上に疲労で寝転がりたい気分だったため横になる

 

「嶽!!」

 

「大丈夫か?」

 

「おう、最後呆気なかったけどなんとかなった。やっぱバルバトスって悪魔だわ」

 

ははは、と笑う俺の様子を引き攣った笑顔でこちらを見る2人

うん、俺がお前らの立場だったとしてもそうなると思う

 

そのあと完全に意識が飛んでる歯車を俺と鉄哲の服を破って縛り上げてから鉄哲に担がせる

本気になって暴れられたらこんな拘束無駄かもしれないけど無いよりマシだろう

 

「出来れば相澤先生に渡したい所だけど…まあいいか、とりあえず広場に戻ろうぜ。誰かしらプロヒーローがいるだろ」

 

なんて俺たちが話してると遠くの方から獣の咆哮と大地が揺れる音が響き渡った

何事かと俺たちは顔をあわせる

 

「嶽、気になるから行くとか言わないよね?」

 

「うっ…ダメ?」

 

拳藤め、俺の表情を読んで先に釘をさしてきた

いや、でも気になるじゃん

行きたいよ…

 

「あんた今ペナルティだかなんだかで動けてるだけなんでしょ?これ以上無茶するっていうなら無理矢理拘束するよ」

 

と拳藤は大きな掌で俺を掴もうとしてくる

うん、これ掴まれたら逃げられないわ

 

「安心しな、ブン殴ってでも止めてやる。お前は頑張り過ぎだ。A組の奴らは勿論B組の奴らだって一部(物間)を除いて腑抜けじゃねぇ、偶には他の奴らを信用しろよ」

 

「わーったよ」

 

拳藤と鉄哲の言葉で俺はおとなしく広場に戻ることを選択した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








どうしても…やりたかったんだ…
バルバトスのペナルティ…




ゼロ(オリジナル)
kofシリーズに登場
ネスツの大幹部
2000でラスボスとして戦ったゼロの素体に当たる
ストライカーによる連続攻撃などを駆使して戦うキャラ
そして何より白羅はかっこいい

バルバトス・ゲーティア
みんなのトラウマ
当身、ダウン追撃、豊富な範囲技を兼ね備えたザ・狂キャラ
今回のように技の発動中に『抜け』たりするとペナルティが発生する
その他にも試合スタートから一定タイム以内でKOされるなど様々なペナルティが存在する

ベール=ゼファー
ぽんこつ魔王様
ヴァニティワールドしてればいいのにロマン一撃技やわざわざ近寄り反撃にあって負けるイメージが多いキャラ
因みに当たらない槍ことディバインポルノはガー不技

オロミズ
kofのオロチ、ミズチのこと

禍忌
kofシリーズに登場する最もウザいと言われているボスキャラ


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。