俺はMUGENの可能性   作:轟く雷鳴のギース

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ガイアが俺にもっと輝けとささやいている











49話

 

 

「まずはお手並み拝見といこうか」

 

腰を叩きながら歯車はそう言うと何もない空間から顔のついた鍵のような斧のようなものを取り出した

 

「お、おい…それ…」

 

「あぁ〜。やっぱ知ってるよな、知ってるよなぁ!!」

 

間違いない

だって…俺もそのキャラを入れてるんだから!

 

「お前の知ってる通りさ。こいつはパラケルス。誰の武器かなんて言わなくても分かるだろォォォ!?」

 

当たり前だ!

そのキャラの名前はA.B.A

ギルティギアに登場するかなり尖った性能のキャラだ

その理由は素の基本性能は動きが遅い、攻撃速度も遅く隙がデカイという弱キャラのようなものだが諸刃モードと呼ばれるこのキャラ特有の設定がありそのモードを使用している間は攻撃力と移動速度を上昇させる代わりに攻撃ごとに体力を消費するという特徴を持つ

特定の必殺技を使用してこの諸刃モードを解除した場合消費した分の体力を回復できる使用する人の腕次第で厨キャラにもカモキャラにもなる極端なキャラだ

もしもこいつの武器がA.B.Aの持つパラケルスと同じだと考えるなら迂闊に近寄るのは危ない

諸刃モードにならない限りは基本的に移動速度は遅い、だから…

 

 

「A.B.Aの性質上、落ちついて対処すればいいって?甘ぇな、ホイップクリームよりも甘ぇなぁ嶽ぅぅ!!」

 

大声で笑った歯車は何処かから取り出した輸血パックをパラケルスに呑ませた

 

「まっず!諸刃入りやがった」

 

「気合入れろよ、まだ始まったばかりの様子見だぜ?」

 

ぐっと歯車が脚に力を込めた瞬間だった

決して油断してたわけじゃないのに関わらず視界から奴が消えたのだ

 

「何!?」

 

咄嗟に後ろや左右を確認するが何処にも姿は見えない

なら、と思って上を見たときだった

既に俺の眼の前にパラケルスが迫っていた

 

「まずっ!」

 

回避しようと後ろに跳ぶが間に合わない

左腕をパラケルスによって斬られてしまい血が流れ落ちている

 

「くっ…、まさか俺と同じ系統の個性があるとは思わなかった…」

 

「おいおい、体育祭でも個性被ってた奴いたじゃん。それとも何?格ゲー出来るのは俺だけ〜なんて思ってたのか?」

 

地面に突き刺したパラケルスに体を預けながら歯車は笑っている

 

「この世界に特別なんて呼ばれる存在はほんの一握りしかいない。お前みたいなちっぽけな存在がその特別なわけねぇだろ、もっと世間見渡せクソガキ」

 

まだこの合宿でリザは使ってない

普段のようにゲジマユ状態で戦ってもいいが最大ゲージ量4本じゃ再現できるキャラも限られてくる

最後の手段として球磨川再現によってゲージ1本消費で無限にリザする事もできるがそれじゃ本当に時間稼ぎにしかならない

こいつは俺が倒さなきゃならない

いや、俺しか倒せない

 

「ずいぶんといってくれるじゃねぇか!」

 

痛む左腕の感覚を無視して立ち上がる

 

「お前だけは俺が倒す」

 

「はっ!良い目になったな。こいよ、ぶちのめしてやる」

 

そう言って歯車はパラケルスを消して中国拳法の構えを取る

奴がギルティギアを再現する個性だと考えれば間違いなく蔵土縁紗夢だ

リーチが短い代わりに高い攻撃力と怒涛のラッシュ性能を併せ持つインファイター

紗夢の理想の立ち回り方は懐に飛び込んでコンボで体力を削ること

ならば近付けさせなければいい!

 

「弾幕はパワーだぜ?」

 

星を模した無数の弾を放つ

 

「成る程、近付けさせるつもりはないってか。けど忘れてねぇか、俺はギルティギアだぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

一瞬、ほんの一瞬辺りに一筋の光が貫いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「かはっ!」

 

 

 

 

 

歯車と俺は結構な距離があった

そこに霧雨魔理沙再現による弾幕を張ってたんだ

アーマー持ち位でしか突破は不可能

そう思ってたのに関わらずこいつはそんなもの知らんとばかりにGGの中でも凶悪技に分類されるそれを放ちやがった

 

 

 

 

「ミカエル…ブレード…」

 

 

 

かの有名なジャスティスの凶悪技だ

何が凶悪かって無敵時間の長さもあるがなによりこの技がヒットした後相手の体が浮くこと

これによって追撃が可能になっている点だ

けど今回はロマキャンも追撃するためにこっちにダッシュしてるわけでもない

倒れてから態勢を整えれば…

 

「あれ、まだ気付いてない?俺今テンション乗ってんだよ」

 

歯車のその言葉に俺は眼を見開いた

 

「やめ「やめねぇよ。それもういっちょくらいな!」

 

もう一度さっきの閃光の暴力が俺に襲いかかる

 

「あれ〜。お前もうちょいやると思ってたのになんか拍子抜けだなぁ」

 

「クソッタレが…言いたい放題…言いやがって…」

 

ミカエルブレード2発連発して直撃させといてなにが拍子抜けだ

ガチガチの友情崩壊コンボだろそれ

つーかジャスティスまでいんのかよ…

こりゃ他キャラも全部いると見て間違いないな

 

「考え事する余裕なんてあんのか?」

 

「しまっ!」

 

ジャスティスの馬鹿げた推進力を忘れてた

咄嗟にバックステップで恐らく個性によって生えたであろう尻尾による攻撃を回避する

 

「そうだ、そうやって神経を研ぎ澄ませ。まだまだ俺は遊びの範疇だぞ?俺を倒したいならまず俺に本気を出させてみろよ。まだ黒も金も使ってねぇぞ?」

 

がはははと歯車は豪快に笑った

 

 

 

 






改めて説明を
歯車有罪
個性 ギルティギア
嶽と同じ格ゲー再現の個性
嶽がMUGENに対して歯車はギルティギアのキャラ限定となる
嶽よりもキャラの範囲が狭い代わりに初代から最新作までに登場するキャラクターの性能を使い分けることが可能
また、嶽のようにパソコンからデータを抽出する必要はなく肉体がギルティギアで可能な動きを再現させるために最適なものに変化している
A.B.Aのパラケルスなど各キャラ固有の手持ち武器は個性出現に伴って出現した特殊な袋のようなもの(四次元ポケット)に収納されており、その袋の口の部分を叩くことで出てくる
武器が傷付けばその袋の中に入れておけば自己修復するがその間、歯車本人の免疫能力は低下する

嶽より幅が狭く、また嶽のMUGENの各キャラ達のような理不尽さも持ち合わせていない(1F投げなどは見なかったことにする)がその分嶽よりも深いレベルで個性を使いこなしている
強キャラレベルのキャラクターを狂中位から上位キャラと戦えるまで性能を底上げしている状態のようなもの




ボスキャラをイメージ
BASARA、アルカナ、ストリートファイターのどれかと悩んだんですが名前の付けやすさからギルティギアを選択しました
見た目のイメージはレオ=ホワイトファングの顔にデカイ切傷がある感じ
前髪が落ちてくるのを抑えるためにヘッドギア装備



霧雨魔理沙
東方Projectのキャラクター
弾幕、ビームと遠距離で相手を固める戦い方をするイメージが強い
また様々な改変キャラが存在しており中にはボイスパッチが存在するキャラもいる
それだけでなくドットモデルも多数存在しているがどの改変キャラにも代名詞であるマスタースパークが搭載されている

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