俺はMUGENの可能性   作:轟く雷鳴のギース

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ライジングタックル!









42話

「予鈴が鳴ったら席につけ」

 

テストが終わった次の日

実技で満足な結果を得られなかった奴らが泣き喚いている中相澤先生が教室に入ってきた

 

「おはよう。今回の期末テストなんだが…残念ながら赤点が出てしまった…」

 

相澤先生は静かに語っていく

 

 

 

「したがって林間合宿は全員で行くことにします!」

 

 

「どんでん返しきたぁぁ!!」

 

赤点自覚組がガッツポーズとともに大声をあげる

 

「筆記の方はゼロだったが実技の方で切島、上鳴、芦戸、砂糖に瀬呂が赤点の対象になる」

 

淡々と赤点対象者の名を述べていく

だが林間合宿は赤点を取れば連れて行けないという条件だったはず

一体何故こうなったんだ?という疑問はすぐに相澤先生によって解消された

 

「今回の試験では我々は生徒に勝ち筋を残しながらもその課題にどう立ち向かうかを見るように動いていた。中には気づいていた奴もいるようだがな。でもそうしなければ最初から詰んでる奴ばかりになっちまう」

 

なるほどな…

確かに俺もよく緑谷と爆豪がオールマイトに勝てたなって思ってたし

いくら体重半分の重りをつけてたと言ってもあのオールマイトじゃ無理だろ

 

「本気で叩き潰すみたいなことを仰っていたのは?」

 

「お前らを本気にさせるためさ。そもそま林間合宿は所謂強化合宿だ。赤点をとったやつにこそそこで頑張ってもらわなきゃいけない。ま、合理的虚偽ってやつだ」

 

またかよ!

この先生前もそんなこと言ってたやん

けどそれじゃ俺ら頑張った意味なくね?

どのみち連れて行ってもらえるならさ別に始めから赤点とってもいいみたいになるやん

 

「だが全部が嘘ってわけじゃない。赤点は赤点、対象者には別で補習の時間を設けることになる。ぶっちゃけ学校に残って補習受ける方が楽だ。というわけで合宿の内容が書かれたしおりを配るぞ」

 

 

その言葉を受けた補習組は顔から血の気がなくなっていた…

 

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「一週間の強化合宿か…」

 

「かなりの大荷物になりそうだね」

 

とみんなが話している

そんな時だった

めちゃくちゃ元気な声で葉隠がこう言ったのだ

「それじゃぁA組のみんなで買い物に行こうよ!」と

それに対して一部生徒を除いてみんなが賛成した

因みに俺もその案には乗った

山に行くみたいな話なので持ち運び可能なWiFiとそれなりのスペックを持ったPCが必要になったからだ

個性の都合上俺はこれがないと調整ができない

家にある自作のPCは神ランク同士のタッグ戦を行ってもカクつかないハイスペだ

まぁ一年に一度買い換えないといけないくらいMUGEN内での処理等で寿命を削ってるけどさ

そこらへんの安いPC買えば下手すれば一週間持たないくらいで寿命迎えるくらい無理させてるのは自覚してるけどさ

 

「ってな感じでやってきました!」

 

俺たちが買い物の場所に選んだのは県内最多店舗数を誇る超大型のショッピングモールだ

しかしここで1つ問題が起きた

みんなが買いたいものがバラバラだったのだ

だからといってみんなが買いたい店を回っていては時間がいくらあっても終わらないので時間を決めてそれまで自由時間にすることになったのだ

まぁ俺は買いたいもん決まってるから電化製品の店に向かうだけなんだけどさ

ゆっくり時間かけて選べばいいかとみんなが去った場所から移動しようとした時にふと目に入った奴がいた

緑谷だ

 

「緑谷は何買いたいの?俺はPCとポケットWiFiなんだけどさ」

 

せっかくこんなところに来たんだから誰かと回りたいって思うのは間違っちゃいないだろう?

まぁ折角だから女の子と回りたかったけど流石に何買うの?って聞かれてパソコンだから電化製品店行きたいなんて言いにくいしな

そんな時にいきなり後ろから

 

「うわぁ!遊英の人だ!すげぇー」

 

という間延びした声をかけてきた長身で痩せ型の男が緑谷と俺の肩を組むようにのしかかってきた

 

「体育祭でボロボロになってた人と暴れまくってた人だよな?」

 

その瞬間だった

俺は全身からこの男をぶっとばせという本能に近い反応が起きたのだ

なんとか引き剥がすことには成功したが緑谷は以前肩を組まれたままだ

 

「いやぁ君たちってほんと凄いよなぁ。たしかヒーロー殺しとも遭遇したんだって?」

 

この言葉で俺はこいつが誰だか肌で感じ取っていた

こいつが纏っている空気

それは依然俺が実際に感じ取ったものだったからだ

この死がまとわり付くようなおもくだるい空気の正体は…

 

「まさかこんな所でまた(・・)お前らに出逢えるとは思わなかったぜ」

 

「死柄木…」「弔…」

 

「因縁でもあるんかなぁ、俺とお前らはさぁ。まぁゆっくりお茶でもしようや、緑谷出久に嶽京よぉ」

 

 

 

USJで出会ったあの男だった!!

 

 

 

 


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