俺はMUGENの可能性   作:轟く雷鳴のギース

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滅びよ








34話

「うわ、爆豪なんだよその髪型」

 

一週間の職場実習が終わり久々に学校に登校した俺が一番目に付いたそれについて問いかけた

 

「笑うな!」

 

8:2で分けられた髪型をした爆豪の頭を見てクラスのやかましい組は大爆笑をしている

 

「クセついちまって洗ってもなおらねぇんだよ!!」

 

普段爆発ボンバーな髪型してるから超面白いから思わず吹き出す

 

「ぷっ。に、似合ってんじゃねーの?」

 

「笑うなっつってんだろ!ぶっ殺すぞ!」

 

「はっ!いつでも来いよ。相手になってやるよ8:2坊や」

 

うがぁぁぁ!!と吠える爆豪を軽くあしらうと俺は自分の席に着く

すると後ろの席の切島がツンツンと俺の背中をつついてきた

 

「どした?」

 

「お前、あのヒーロー殺しと戦ったんだってな」

 

「戦ったって程じゃねぇよ。実力に差がありすぎて軽くあしらわれたよ。正直エンデヴァーがこなかったら死んでたと思うわ」

 

「はぁー。やっぱ大変だったんだな。でさ、こんなこと聞くのアレかもしれないけどよ、実際目の前にしてどうだった?」

 

興味津々に俺に切島は問いかけてくる

まぁ聞きたくなる気持ちはわからんでもないけどな

 

「どうって…ただ怖かったよ。いつ殺されてもおかしくない状況だったんだ仕方ねぇだろ?」

 

「そっか。まぁ生きててよかったよ。クラスの同級生が実習で死んだ、なんて聞かされたら悲しくて参っちまう」

 

「ま、生きてるからいいじゃん。なんか向こうで飯田もヒートアップしてるしさ。あいつの言う通り授業もそろそろ始まるだろうしこの話はおしまいな」

 

おう、と若干名残惜しそうに切島は呟くとこれ以上俺がこの話をしたがらないと察したらしくこの話題を出そうとはしなかった

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 

「はい、私が来たよ」

 

いつものようなハキハキとした入りではなくかなり自然にヌルッと入ったオールマイト

かなり久々にその姿を見るから結構ドカン!としたものを期待していた分少し残念ではある

 

「ということでやっていくわけだね。ヒーロー基礎学だよ。君たち久し振りだね、元気だったかい?」

 

けどやっぱ威圧感はんぱねぇなぁ

立ってるだけでここまで覇気が伝わるってなんだよ…

さすがオールマイトだわ

 

「それじゃ今回は職場体験直後ということだから遊びの要素を含めた救助訓練レースでもしようか」

 

ん、レース?

だからそういうの俺と相性良くねぇんだって…

 

「ここは運動場γ。複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯さ。まずは5人1組を4つ作ってもらってそれぞれで訓練を開始する。私がこの場所のどこかで救難信号を出す。そしたらみんなは街外から一斉にスタート。その中で一番最初にだれが私を助けに来てくれるかを競うというわけだ」

 

なるほどね

それはかなり訓練になりそうだな

うーん、どのキャラを使うか考えないとなぁ

密集地帯ってことはやっぱ機動力のあるキャラで且つ空中主体で戦えるキャラの方がいいのか?

結構キャラの厳選難しいぞこりゃぁ…

 

と、俺が使うキャラを考えていると一緒に競争する組を分けられていく

最初に走る組は飯田や瀬呂というクラスの中でもトップの高機動を誇る2人と尾白、芦戸の運動神経がいい2人にという鬼みたいな振り分けの中に放り込まれた緑谷という組み合わせだった

 

「トップ予想しようぜ」

 

横から切島が俺に話しかけてくる

 

「ん?トップか…瀬呂か尾白じゃねぇの?」

 

「やっぱそこに行き着くかぁ」

 

「正直この条件だと芦戸と緑谷は不利過ぎる。緑谷のパワーは確かにすげぇけどいっちまえばそれだけだからな。それに芦戸は運動神経はいいがこういった立体機動との相性は悪い。上下移動が必要ってことで飯田も厳しいかもな。そうなると自由にテープ飛ばして変態軌道で動ける瀬呂や尻尾使って空中移動できる尾白に軍配があがるだろうな」

 

などと切島と話しているとレースがスタートする

そしてそれによって俺の考えは一気に払拭された

 

「はぁ!?」

 

俺はレースの状況を映す画面を見て思わず叫んでしまった

なぜならそこには俺の描いていた予想とは正反対の光景が広がっていたからだ

 

「跳んで…やがる…」

 

動きはかなり荒削りだ

要所要所でぎこちなさが見受けられる

だがそれ以上にその動きは俺にとても見覚えのある動きに近かった

 

「爆豪みたいだ…」

 

誰がそう言ったかはわからない

しかし言われてみれば確かにそうだと納得してしまう

体育祭で散々見せていた爆豪の動きに似ているのだ

 

「なるほど、赤い配管工の要領かよ。この一週間無駄に過ごしてたわけじゃなかったってか…」

 

つかこの様子だったらヒーロー殺しと戦ってた時俺1人で戦わなくてもよかったじゃん

あれ完全に個性制御してるっぽいし

 

「あっ!」

 

俺が緑谷の評価を改めていた時だった

着地をミスった緑谷はそのまま地面まで転落していったのだ

そしてそれがロスとなってしまいレースの結果としては最下位

ちょっとした気の緩みが原因だろう

だがそんなことは関係ない位に緑谷は自分の進化を俺たちに見せつけたのだ

 

「なぁ切島…」

 

「なんだ?」

 

「あんなん見せられたらさ、燃えてくるだろ?」

 

俺は自然と笑っていた

限界を超えた奴が目の前にいるという状況を前にして俺もそれを超えたいと思うのは仕方ないことだろう?

 

「あぁ。俺も緑谷には負けてらんねぇって燃えてきたぞ」

 

切島も同じ気持ちなんだろう

笑いながらそう答える

 

「んじゃちょっと俺も限界試すわ。確か俺の組爆豪いただろ?まずはあいつに勝つ」

 

「おう頑張れ頑張れ。けどあいつもお前には負けねぇみたいに思ってるだろうから限界狙い過ぎて負けてもしらねぇぞ」

 

「その辺はちゃんとするよ。けど高機動力の奴らの方が有利ってのはわかったからその辺も考慮して攻めるさ」

 

俺は切島に行ってくるわ〜と軽く返すと指定された場所に向かう

因みに再現させるキャラはもう決めてある

最初はリリカを使うつもりだったが緑谷のやつをみてやめた

まぁ理由は動きが似てるからってことだけどな

 

「さて、やりますか」

 

俺は準備体操をしてオールマイトからの合図を待つ

そして今、レース開始の閃光弾がオールマイトから放たれる

それをみた俺たちは一斉にスタートを決めた

 

 

 

 




久々のキャラ解説


リリカ・フェルフネロフ
アルカナシリーズに登場
我流スケートトリックと呼ばれる格闘スタイルを用いるキャラ
初代アルカナでは踵ループとよばれる無限ループでハメることができることで有名なキャラ

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