戦艦レ級。通称【超弩級重雷装航空巡洋戦艦】。【サーモン海域の悪夢】。空を飛ばない宇宙戦艦ヤマト。詰まる所、凄い可愛い癖に凄く凶悪な奴(by作者)。
そんな奴を預かれと。可愛いから良いけど。
「それで、俺を預かるって事は、此処が戦場になるかもって事?」
「アア、ソウダ」
「何故この子を生かそうと?」
「此奴ハナ、今此処デ一番最後二生マレタンダ。此処二居ル全員ノ妹デアリ娘デアル……家族ヲ守ルノハ当然ダロウ?」
「ええ……そうね」
「オ前二預カッテモラウ理由ハモウ一ツアル。此奴二色々ナ事ヲ知ッテ貰イタイカラダ」
「あら、それなら私は適任ね。そもそもこの世界の住人じゃないもの。この世界では知り得ない事を教えてあげるわ」
「アア、頼ンダ。南ノ方二協力シテクレテイル鎮守府ガ在ル。ソコニ向カッテクレ」
「行く前に一つ渡しておく」
本を取り出す。
「幻書と言う、在るべきでは無い知識を記した本よ。この本の題名は無いから、【
「フム、アリガトウ。使ウ事ガ無イノヲ祈ルヨ」
「ええ。健闘を祈るわ」
「頑張って、生き延びてくれよな。俺がこっちに戻ってきた時に全員死んでました、じゃ許さねーから」
「フフ、頑張ルトスルヨ。サ、モウ行ケ。何時来ルカ解ラナイカラナ」
こうして、私達は深海棲艦の基地を出た。ま、相手が船に乗ってる限り平気でしょう。あの本、船が転覆しかね無い程の嵐に見舞われた船の航海日誌だし。
☆
何事も無く鎮守府に到着……とは、行かなかった。艦娘がうつ伏せで漂っていたのだ。回収した後、鎮守府に到着した。リ級から連絡は来てるらしく、客間に案内された。あ、この艦娘入渠させないと。
一度部屋を出て入渠ドックに案内して貰う。そして、お風呂に艦娘を投入。さて、この子が気がつくまで部屋に居ようか。
「あ、俺も風呂入って良い?」
「あ、良いですよ」
答えたのは鳳翔である。案内役だとか。にしても、この子はどの艦娘なのか。白髪ロングでセーラー服の、小学生並みの身長。更に帽子にⅢのバッジ。イヤーダレナンダロウナー(棒)。
さて、おふざけは此処までにして。多分彼女は駆逐艦【響】でしょうね。思い当たるのがその子しか居ない。起きたら詳しく話を聞こう。
☆
数時間後
入渠させてた艦娘が起きたらしい。早速ドックへ向かう。あ、レ級は30分程でお風呂から上がって来ました。
「やあ、気がついたみたいだね」
「……貴女達は誰だい?」
「私は水華夏流。君は暁型二番艦の響で間違い無いかな?」
「ああ。でも、それ以外思い出せないんだ。前世……船だった頃も殆ど思い出せない。ロシア語も無理かも」
「いや、ロシア語は別に良いでしょ。にしても、落ち着いてるね」
「そりゃね。貴女は優しそうだし」
「そんなことないけどね。結構エゲツないわよ」
「それで、そっちのレ級との関係はなんだい?」
「預かった」
「預けられた」
「そ。まあ良いや。私はどうすれば良いんだい?」
「そうねー。あ、そうだ!」
「うん?」
「貴女、私の家族にならない?」
「え?」
「そーいえば俺も夏流の家族になるのかー」
「え?え?どういう事なのか説明してくれないか?」
作者がロシア語全くと言っていい程解らないので、響の癖にロシア語封印。ゴメンね。二人にはオリジナルの名前つけます。
【航海日誌】
ある船の航海日誌。書かれている事を引き起こせる幻書。元々は、ある船の船長のペットであるオウムがこの幻書だった。幻書は、正確に書かれているのならコピーでも同じ効果を発揮できる。オルゴールなどに転写して、音として残しても平気。出典は【ダンタリアンの書架】。