迷宮図書館の館長さん【休載中】   作:零崎妖識

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二人目。


八頁目「艦娘」

戦艦レ級。通称【超弩級重雷装航空巡洋戦艦】。【サーモン海域の悪夢】。空を飛ばない宇宙戦艦ヤマト。詰まる所、凄い可愛い癖に凄く凶悪な奴(by作者)。

 

 

そんな奴を預かれと。可愛いから良いけど。

 

「それで、俺を預かるって事は、此処が戦場になるかもって事?」

 

「アア、ソウダ」

 

「何故この子を生かそうと?」

 

「此奴ハナ、今此処デ一番最後二生マレタンダ。此処二居ル全員ノ妹デアリ娘デアル……家族ヲ守ルノハ当然ダロウ?」

 

「ええ……そうね」

 

「オ前二預カッテモラウ理由ハモウ一ツアル。此奴二色々ナ事ヲ知ッテ貰イタイカラダ」

 

「あら、それなら私は適任ね。そもそもこの世界の住人じゃないもの。この世界では知り得ない事を教えてあげるわ」

 

「アア、頼ンダ。南ノ方二協力シテクレテイル鎮守府ガ在ル。ソコニ向カッテクレ」

 

「行く前に一つ渡しておく」

 

本を取り出す。

 

「幻書と言う、在るべきでは無い知識を記した本よ。この本の題名は無いから、【航海日誌(ログブック)】と呼んでいるわ。読み上げた通りの出来事が起こるけれど、元からこの本に書かれている事しか起こらない、海でしか使えないから注意してね」

 

「フム、アリガトウ。使ウ事ガ無イノヲ祈ルヨ」

 

「ええ。健闘を祈るわ」

 

「頑張って、生き延びてくれよな。俺がこっちに戻ってきた時に全員死んでました、じゃ許さねーから」

 

「フフ、頑張ルトスルヨ。サ、モウ行ケ。何時来ルカ解ラナイカラナ」

 

こうして、私達は深海棲艦の基地を出た。ま、相手が船に乗ってる限り平気でしょう。あの本、船が転覆しかね無い程の嵐に見舞われた船の航海日誌だし。

 

 

 

 

何事も無く鎮守府に到着……とは、行かなかった。艦娘がうつ伏せで漂っていたのだ。回収した後、鎮守府に到着した。リ級から連絡は来てるらしく、客間に案内された。あ、この艦娘入渠させないと。

 

一度部屋を出て入渠ドックに案内して貰う。そして、お風呂に艦娘を投入。さて、この子が気がつくまで部屋に居ようか。

 

「あ、俺も風呂入って良い?」

 

「あ、良いですよ」

 

答えたのは鳳翔である。案内役だとか。にしても、この子はどの艦娘なのか。白髪ロングでセーラー服の、小学生並みの身長。更に帽子にⅢのバッジ。イヤーダレナンダロウナー(棒)。

 

さて、おふざけは此処までにして。多分彼女は駆逐艦【響】でしょうね。思い当たるのがその子しか居ない。起きたら詳しく話を聞こう。

 

 

 

 

数時間後

 

入渠させてた艦娘が起きたらしい。早速ドックへ向かう。あ、レ級は30分程でお風呂から上がって来ました。

 

「やあ、気がついたみたいだね」

 

「……貴女達は誰だい?」

 

「私は水華夏流。君は暁型二番艦の響で間違い無いかな?」

 

「ああ。でも、それ以外思い出せないんだ。前世……船だった頃も殆ど思い出せない。ロシア語も無理かも」

 

「いや、ロシア語は別に良いでしょ。にしても、落ち着いてるね」

 

「そりゃね。貴女は優しそうだし」

 

「そんなことないけどね。結構エゲツないわよ」

 

「それで、そっちのレ級との関係はなんだい?」

 

「預かった」

 

「預けられた」

 

「そ。まあ良いや。私はどうすれば良いんだい?」

 

「そうねー。あ、そうだ!」

 

「うん?」

 

「貴女、私の家族にならない?」

 

「え?」

 

「そーいえば俺も夏流の家族になるのかー」

 

「え?え?どういう事なのか説明してくれないか?」




作者がロシア語全くと言っていい程解らないので、響の癖にロシア語封印。ゴメンね。二人にはオリジナルの名前つけます。


【航海日誌】
ある船の航海日誌。書かれている事を引き起こせる幻書。元々は、ある船の船長のペットであるオウムがこの幻書だった。幻書は、正確に書かれているのならコピーでも同じ効果を発揮できる。オルゴールなどに転写して、音として残しても平気。出典は【ダンタリアンの書架】。

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