私のもう一人のお兄様がなんか変人   作:杉山杉崎杉田

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今更ですが、オリ主の使う魔法は全部ギャグだと思って下さい。


開戦

 

冬也は横浜に残っていた。目の前には敵兵の大群。それに恐れる事なく、赤いアタッシュケースを装着した。

 

「何ですかそれは、冬也兄様」

 

『よお、兄弟。どうした変な顔して』

 

「そのキャラ捨ててください」

 

『てかなんでお前ここにいんの』

 

「俺だけではありませんよ」

 

そう言う達也の後ろには、一条と十文字、藤林、千葉和寿が立っていた。

 

「すごい魔法ですね、冬也さん。あの建物を丸ごとループさせるなんて……」

 

「まぁ、それでも一人で残るという判断は疑問だがな」

 

「まったく……どうしてこうカッコつけるんだか」

 

「エリカに持って来た大蛇丸が無意味になっちまったな」

 

そのメンバー見て、冬也は少なからず感心した。自分の魔法から逃れた者がこれだけいた、と。それと同時に次の行動に移った。

 

『じゃあ、みんなこれ着てみてくれ』

 

冬也はどこから出したのか、いやどうせ魔法で創り上げた空間にしまっておいたんだろうけど、コスチュームを六つそろえた。

 

「今だ!やれ!」

 

敵からの攻撃を謎の……というか、どうせ魔法のバリアフィールドで防ぐと、全員言われるがまま、着替え始めた。あ、藤林はちゃんと造られた異空間で。

結果、こうなった。

アイアン冬也、キャプテン・達也、ハル文字、カズトスィ・ソー、藤林・ロマノフ、一条・アイ。

 

『いやいやいやいや、待てお前』

 

全員が声を揃えて冬也に声を掛けた。

 

「何ですかこれ。着替える必要ありました?」

 

『お前は声優同じなんだし、いいだろ。似合ってるぞ』

 

「つーか、またハルクか俺。俺だけコスチューム破れたズボンなだけの上に緑色に塗っただけなんだけど」

 

『まぁ、ゴリラは一番ガタイいいですからね』

 

「カズトスィ・ソーって無理矢理すぎるだろ。ていうか俺と君、初対面で自己紹介もしてないよね?」

 

『司波冬也です。よろちくび☆』

 

「私は特に異存はないわ。強いて言うなら、着替え用の異空間に置いてあったビデオカメラかしら?」

 

『すみませんでした。今度ケーキ奢ります』

 

「俺に至っては接点ないですよね?完全に余ったからですよね?」

 

『じゃあお前、今日は攻撃1発も外さなきゃいいじゃん』

 

ことごとく論破になってない雑な論破を返し、冬也は咳払いをした。そして、達也……いや、キャプテン・達也に聞いた。

 

『どうする、キャプテン?』

 

「一条、屋上へ行って上から見張れ、敵の位置を知らせろ。冬也、君は外側だ。横浜から出る奴は押し戻すか灰にしてやれ!千葉警部、海を頼む。出てくる奴を君の雷で痺れさせてくれ。藤林少尉は僕とここで戦闘を続ける。ハル文字!………暴れろ」

 

『お前も完コピしてんじゃねぇか』

 

「屋上ってどこだよ」

 

「ていうか、俺雷なんて撃てないよ」

 

冬也、一条、和寿のツッコミ。すると、コスプレして少しハイテンションな藤林が言った。

 

「冗談はそのくらいにして、そろそろ戦うわよ」

 

『どうするキャプテン?』

 

「一条、屋上へ……」

 

「冬也くん、黙ってて。達也くんもノらない」

 

藤林に注意された時だ。ブロロロッと車が6人の前に止まった。出て来たのは風間と真田だ。

 

「………なんだ君たちは。どこのコスプレ集団だ?」

 

風間に聞かれた直後、藤林と達也の肩がビクッと震え上がる。

 

「少尉、特尉。君達はなんて格好をしてるんだ?ここは戦場だぞ?戦場のど真ん中でハロウィンパーティか?」

 

「ち、違うんです少佐!これは冬也くんが……!」

 

「そ、そうです。冬也兄様が勝手に……!」

 

「二人ともあとで話あるから」

 

その言葉に、二人ともガックリとうな垂れた。十文字も一条も、慌てて着替え始めてそれぞれの学校の制服に戻った。

 

「十文字家次期当主、一条家次期当主。国防陸軍少佐、風間玄信です。訳あって所属についてはご勘弁願いたい」

 

「貴官があの風間少佐でいらっしゃいましたか。師族会議十文字家代表代理、十文字克人です」

 

「一条家次期当主、一条将輝です」

 

「さて、我々の状況を説明したいのだが、ここは思いっきり戦場のど真ん中だな……。特尉」

 

『了解キャプテン』

 

「キレるぞお前」

 

冬也は一度アイアンマンスーツを脱ぐと、CADを取り出した。引き金を引くと、まるで時空の穴のようなものが出て来た。

 

「この中で話をしよう」

 

全員、中に入る。中は炬燵に冷蔵庫にテレビと無駄な生活感があり、一応会議室のつもりなのか、ホワイトボードもあった。

 

「では、現状を説明する」

 

風間はホワイトボードで説明を始めた。

 

 

今後の方針が決まり、十文字と一条は魔法協会支部へ行く事になった。時空間から出て、3人は車を借りて出発した。

他の軍人達は敵の迎撃にあたる。

 

「では、大黒竜也特尉。君はムーバル・スーツを装着して柳の部隊と合流してくれ」

 

「了解」

 

そう言うと、達也は着替えて時空間から出て飛行魔法を使い、空へ駆け上がった。

 

「大黒ウィンター・エクゾディア・ルルーシュ・ランペルージ特尉、君の先ほどのスーツは実践で使用可能なのか?」

 

「可能です。最高速度はマッハ2。あと形がアイアンマンなだけでこれただの装着型CADですから、自己加速術式を使えばもっと出ますよ」

 

「なら、それを持って敵を迎撃しろ。横浜の街から敵を出すな。いいな?」

 

「了解」

 

言うと、全員時空間から出て、冬也はアタッシュケースを使って装着すると、飛び立った。

 

 


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