桜と海と、艦娘と   作:万年デルタ

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今回はやや物語が
走り過ぎているかもしれません。

敵機動部隊に空襲を掛けます。
妖精と空自パイロットとの
やり取りもあったりします。




2-3 空襲成功と旗艦変更 【『加賀』→『??』】

『敵艦隊まで215マイル!』

 

 

司令部の幕僚から

敵艦隊までの情報が入った。

 

ふむ、1マイル(海里)は

たしか1852mだから…

 

 

「…約400キロメートル。

偶然でしょうがこの距離、

あの『真珠湾攻撃』の時と同じです。」

 

「そっか…」

 

 

帝国海軍が米海軍太平洋艦隊へ

初撃を与えたあの大作戦。

 

「深海棲艦の艦載機も

同じ距離を飛んできた。

敵も再び来襲するかもしれん」

 

村上が考察する。

 

「来ようが来まいが

こちらの攻撃隊はもう飛んだんだ。

防御と攻撃は別に考えようぜ…」

 

俺の言いたいことをわかってくれたのか

村上と加賀は座っていた椅子に深く座り

話を聞く体勢を取った。

 

「まずこの攻撃隊に求められるのは

敵機動部隊の撃滅じゃない」

 

えっ、と意外そうな顔をする二人。

 

「第一目標は敵の航空戦力を

無力化することにある、戦果はオマケだ」

 

 

※※※※

 

東方海上

攻撃隊指揮官機

 

 

『…隊長、今の話マジですか?』

 

「出撃前に提督から言われたんだ、

マジの真面目なガチ話だ」

 

編隊無線で他の妖精と話しつつ

航空図に航行した経路を記入する。

 

コンパスの様な道具、

デバイダーで今までの飛行距離を測る。

 

「この攻撃が終わったら

次は西之島に行かにゃならん。

こんなとこで消耗したら

倒せる敵も倒せなくなっちまう」

 

現在約320キロメートル地点。

巡航速度で飛んで1時間と少し経過、

もうすぐ敵の防空圏内に侵入する。

 

「各機こちら隊長機、

敵まで残り80キロを切る。

見張りを厳となせ、

指示した飛行速度を厳守、

変更あるまで維持せよ!」

 

敵の戦闘機を警戒しつつ

攻撃隊はゆっくりと進む。

ゆっくりといっても新幹線や

F1に勝るスピードである、

あくまで最高速度に比べて

遅く感じるという意味だ。

 

そのまま飛行すると打ち合わせ通り

海自の哨戒機と空自の戦闘機と

合流し、最後の打ち合わせを行う。

 

『この後の流れをおさらいする。

空自501Sqの偵察機が

強行偵察を図る、その後同じく

空自302Sqと貴隊の戦闘機隊が

敵の迎撃隊を蹴散らし制空権を確保。

それから海自の哨戒機、空自戦闘機

による対艦ミサイル発射、貴隊の

爆雷撃による飽和攻撃…』

 

海自哨戒機に搭乗する指揮官が

戦闘の流れを示達する。

 

『もちろん全てが順調に

いくとも限らんだろう。

これはあくまで理想論に過ぎん…』

 

 

空自のジェット戦闘機が敵の戦闘機を

蹴散らせばいいじゃないかと思うかも

しれないが、現状では不可能であった。

 

護衛艦の殆どがこの作戦に参加して

いる為、本土防衛は空自の戦闘機が

担っている。

 

かつて『支援戦闘機』と呼称された

F-4EJ改、F-2戦闘機は日本近海に

出没する深海棲艦への対処を余儀なく

され、こうして一個飛行隊が参加

できただけでもマシなのである。

 

それも提督が空自の上層部に

直訴して融通してもらった事実は

村上3佐や攻撃隊指揮官の妖精といった

僅かな者しか知らない。

 

艦娘でさえ知らないのは、

提督が要らぬ気遣いをさせまいと

隠蔽したからに他ならない。

 

 

(今は作戦に集中せねば…)

 

指揮官妖精は提督に感謝しつつ、

考えを目の前のことに切り替えた。

 

「しかし偵察機は大丈夫だろうか?」

 

『おいおい妖精サンよ、

ファントムIIを舐めないでくれよ…?』

 

空自の偵察機を駆るパイロットであろう、

突如通信に割り込む若い声は主張する。

 

『コイツはもうジーサンだし

性能もF-2に比べりゃ低いのは否めない。

…だが見りゃわかる通り

【海洋迷彩】に塗装替えをしてるし

敵からも視認し辛いはずだ。

まさに【幻影】、老いぼれの

ジーサンの最後の見せ場だぜ!

 

それに俺は腕に自信がある、

逃げるのは戦闘機部隊にいた頃から

慣れてんだ、対空砲を避けるのは

ドッグファイトに比べりゃ

飛行訓練みたいなもんだっての』

 

「アンタ…」

 

『装甲だって零戦に比べりゃ

ダンチで厚いし心配すんな。

俺はむしろ【紙装甲】で

突っ込む妖精サンが心配だ、

そんなわけでちょっくら

偵察に行ってくるぜ〜!』

 

 

編隊から1機の偵察機が抜き出る。

アフターバーナーを吹かし、

加速して音速を軽く突破した偵察機は

そのまま敵機動部隊上空を乱舞する。

 

米粒の様な攻撃隊から音速で

近付いてきた偵察機に敵は動揺した。

 

迎撃機は、自分たちを追い抜いたソレを

反転して追い縋るが速度が違い過ぎる。

 

空母や護衛艦艇からは

対空砲火が応戦するがそれらを

嘲笑うかの様に偵察機は飛ぶ。

 

パイロットが操縦する間に

偵察員が撮影を行い、深海棲艦の

装備や性能を見逃さまいと記録する。

 

味方の対空砲火を躱しつつ

迎撃機は偵察機へと肉薄する。

 

「そんな豆鉄砲で落とされるかよッ!」

 

機体を捻り敵機の銃撃を

ローリングで避ける偵察機。

 

攻撃隊へと向かう筈の迎撃機は

たった1機の偵察機に翻弄される。

 

10分程の偵察と威嚇飛行は

敵の迎撃態勢をかなり乱した。

 

「あばよ深海ナントカども!」

 

敵が聞いているか知らないが

捨て台詞を吐き、翼を翻す。

 

ここまで馬鹿にされて

みすみす帰すわけにはいかぬと

敵迎撃機は更に追い縋る。

 

その光景は例えるなら…

 

 

※※※※

 

「蚊に翻弄される烏合の衆だな…」

 

制空隊の指揮官はポツリと呟いた。

 

それと同時に空自の戦闘機から

対空ミサイルが発射され、

後ろがガラ空きな敵迎撃機は

いとも容易く撃墜される。

 

5、60機いた敵機は

初撃で10機は飛び散った。

 

攻撃隊の存在を思い出したかのように

追跡を中止し、反転しようとする。

 

「へっ、遅ぇってんだ!」

 

その時既に零戦が背後を取っていた。

7.7mm機銃弾は敵の『F4F』戦闘機の

コックピットに殺到する。

 

いかに深海棲艦といえども

パイロットを殺せば唯の案山子。

迎撃機はあっという間に蹴散らされ、

敵機動部隊の上空は『掃除』された。

 

「おっしぁ、全機突撃せよ!」

 

攻撃隊指揮官はすかさず

『ト連送』を打電した。

 

何故なら編隊無線は届く距離も限られ

艦隊に届かないから使用しない。

 

また、戦闘中に言葉を発しても

味方が聞き取れない場合もあるため、

単純なモールス信号により

攻撃隊各機へと命令が確達できる

という利点もあるからだ。

 

ローテクというのは

信頼性が高いのが強みだ。

 

艦爆隊と艦攻隊は上と下から

同時に攻撃を仕掛ける。

 

哨戒機と空自戦闘機から

対艦ミサイルが発射され、

輪形陣の外側の軽巡や駆逐艦は

対空砲弾に誘爆したのか大爆発を

起こして沈黙するものが少なくない。

 

破った敵の輪形陣の穴から

艦攻隊が敵空母へと殺到する。

 

「狙うは敵空母群!

撃沈できなくても構わん、

奴らが発艦出来なくすればいいッ!」

 

対空砲火が炸裂する中

艦爆と艦攻は肉薄を行う。

 

 

※※※※

 

『加賀』艦橋

 

 

『攻撃隊の空襲および

哨戒機、空自戦闘機による

ミサイル攻撃開始!』

 

 

攻撃隊指揮官機のト連送は

艦隊各艦や本土の海幕でも受信された。

 

攻撃の様子は

画像情報収集機『OP-3C』や

電子戦機『EP-3』によって

実況報告が行われ、

その通信を俺たちは

固唾を飲んで聞いていた。

 

 

「できることなら全艦沈めたいが

タマが足りなくなったら進撃できん。

味気ないが敵空母群を無力化

したら次の作戦に移行するぞ」

 

「…やはり旗艦を変えるか?」

 

「それがよさそうだしなぁ…」

 

加賀には悪いが攻撃隊が

帰還したら司令艦を変えさせてもらおう。

 

案の定加賀は不満そうな顔をする。

 

「私では力不足なのですか?」

 

「そう悲しそうな顔をしないでくれよ、

加賀の能力は空母艦娘の中でも

トップだと思うけどこの後の戦闘を

考えると、ちとやり辛いのは

否めない。厳しいことだけどな…」

 

下手に誤魔化してもしょうがない。

加賀に隠し事をする方が余計に

彼女を傷付けてしまうだろう、

事実を述べたほうが彼女の為だ。

 

「はい……。」

 

「この次は西之島に進撃する。

ここから西に180キロ、敵兵力は

不明だが最後に入ってきた情報では

軽巡や駆逐艦、潜水艦もいるようだ」

 

艦橋に貼られた海図を示し

ざっくりとした説明を行う。

 

「攻撃隊が帰ってきても

整備や補給で時間がかかってしまい

即攻撃というわけにはいかんだろ?」

 

「…仰る通りです。」

 

「だが敵をトントン拍子で

攻撃しないと本土が危うい。

というわけだ、つまり水上艦による

砲雷撃を仕掛けてドンパチするのが

第二作戦の概要ってこっちゃ」

 

「…お前『ドンパチ』って言葉

好きだよな、マイブームなのか?」

 

ずっと黙っていた村上が呟く。

 

「どうだっていいだろ、

言語学者じゃあるまいし…」

 

別にいいじゃないか、

だって使いやすいしわかりやすいし。

 

「『誰』に旗艦を任せますか?」

 

「もう決めたんだろう?」

 

当然決めてある。

 

普通に変更するのもアリだが、

変更したらしたで関係部隊に電報で

知らせなければならない。

ならいっそ無線で高らかに宣言

してしまおう。

そう考え、ヘッドセットに向けて話す。

 

「全般宛、こちらCED101。

本職は次の艦艇に乗艦する、

乗艦する艦名は………」

 

 

※※※※

 

??艦 『??』

 

 

「テートクゥ!!

ようこそ高速戦艦『金剛』へ!!」

 

「ういっす、よろしく頼むぜ」

 

 

いつもならタックルで抱き付いてくる

金剛も、さすがに時間と場所は弁える。

 

ハイテンションで出迎えるが

その後は真面目な顔付きである。

 

 

攻撃隊帰還後、俺は『金剛』に移った。

『加賀』に村上を残した、

航空戦の指揮代理も任せた。

もしも俺に何かあったら

奴が提督代理を務めることになっている。

 

(『金剛』や『加賀』を沈める真似は

絶対にさせないが、万が一があるしな)

 

歓迎の挨拶が済んだところで

金剛は思っていたことを尋ねる。

 

「…ところデ、

どうしてワタシなのデスカ?」

 

「それはだな…」

 

 

今後は対水上戦が主になること。

艦載機はあくまで露払い程度の

戦闘のみに徹し、弾薬の兼ね合いで

砲雷撃戦をするにあたり戦艦を

旗艦にした方がいいことを伝えた。

 

 

「霧島じゃなくてワタシなのは

何かトクベツな理由デスカ?」

 

「別に深い理由じゃないさ。

単純に金剛で指揮が取ってみたくなった。

要は閃き、インスピレーションってやつ」

 

確かに霧島の方が金剛よりも

付き合いは10日ほど長いし

業務でも世話になることが多い。

だが、だからこそ金剛との

コミュニケーションも計らねばと

思い至っただけの話だ。

 

「そうデスカ…」

 

やや満足そうに納得する金剛。

てっきり喜びのあまり抱き付いて

くるかと身構えていたが、

その心配は無用だったようだ。

 

「まずこの後の作戦の概要だけど、

前進部隊に空母群で飛鷹と

千代田を随伴させる、他の空母は

後方部隊に一旦残置させる」

 

「正規空母は連れて行かないのデスカ?」

 

疑問に思ったことを口にする金剛。

 

「ちゃんと理由があるんだ、

まず西方の敵戦力に

空母は確認されていない。

だがもし一隻でも敵に空母がいたら

水上観測機は堕とされるだろうし

制空権は確保できない…」

 

空母艦娘の艦載機は帰還してから

整備補給を行なっている。

 

奇跡的に撃墜された機体は無かったが

被弾を受けた機体は少なくなかった。

空自の偵察機が敵の迎撃態勢を

掻き乱してもやはり侮れない。

 

そして空母艦娘から機体状況の

報告があり、その整備状況と空母の

弾薬消費や燃費の対費用効果を考慮して『軽空母』の2人を選んだわけだ。

 

「そして艦載機で全部叩こうとしたら

マーカス奪還までに航空爆弾が

無くなってしまうから、ワタシや

霧島の艦砲で倒すというわけデスネ!」

 

「ご名答、

賢い金剛には叶わないよ。

お前を旗艦に選んでよかった」

 

控えめに金剛の頭を撫でる。

サラサラな髪が心地よい。

 

「ワタシだって金剛型の

イッチバンカ〜ン!霧島には

負けマスガ伊達にお姉ちゃんは

していまセ〜ン!!」

 

ドヤ顔で強く鼻息を吐く金剛、

なんだか『白露』みたいなセリフを

言っているが一番艦の艦娘は

みんなそんな感じなのか…?

 

(いや、朝潮や川内は違うし

金剛だけなのかもしれんな)

 

ふと浮かんだ雑念を振り払い

出すべき命令を考える。

 

とはいえ出す命令は、

『いついつ』に進撃せよという

単純明快なシンプルなものだ。

まあそのタイミングこそ

何より難しいのだが…。

 

 

…………

 

「飛鷹と千代田は整備終わったか?」

 

「軽空母飛鷹、準備万端よ!」

 

「航空母艦千代田、艦載機の

整備も完了してるわッ!」

 

「…よし、流石だな。

艦載機を収容して忙しいのに

更に急がせてすまんな」

 

 

まだ攻撃隊を収容してからそんなに

時間も経っていないにもかかわらず

2人は整備を終わらせていた。

 

『金剛』に移る前『加賀』で

見た光景が思い出される。

 

軽空母が艦載機の数が少ないと

言っても、キツイのは変わらない。

発艦は無いとはいえ、

戦争に【絶対】という言葉は無い。

最悪の事態を想定しておかねば

艦娘の誰かが沈むかもしれない。

 

 

「戦闘機隊は出撃してないとはいえ

整備もラクじゃないわねぇ…」

 

「飛鷹もそう思う?!

私も参っちゃうわ!直接整備を

する訳じゃないけど緊張するし

肩も凝っちゃうしぃ〜…」

 

そりゃ2人揃って

そんな『胸部装甲』付けてたら

肩も凝りますわな…。

 

「横須賀に帰ったらディナーに

連れてってやるから任せとけ」

 

「「やったぁ!!」」

 

2人の声がハモったところで

通信回線を切り替え飛鷹にだけ

無線を繋げた。

 

 

「…実は『いずも』の医務長から

連絡があって『一番機』の容態が

落ち着いて小康状態になったそうだ」

 

「それホントっ?!

嬉しい!あの子は強いもの、

やっぱり大丈夫なのね!」

 

 

これはウソではなく本当だ。

時たまチェックする業務メールに

一番機の看護を担当する衛生幹部から

メッセージが入っていたのだ。

 

 

(失われる命と助かった命…、か)

 

 

そう感傷的になったところで

亡くなった隊員が生き返るはずもない。

 

そう気持ちを入れ替えると

喜ぶ飛鷹に更に指示を飛ばす。

 

「だから言っただろ、信じてやれってさ」

 

「うん、私が動揺しちゃダメね」

 

だが本当に良かった、

それは心の底から感じた。

 

 

……

 

 

「よし、総員に達する。

先の敵機動部隊への空襲における

戦果、及び次の作戦についてだ…」

 

「……」

 

横に座る金剛の顔が僅かに強張る。

この艦隊の艦娘は皆同じ気持ちだろう。

 

「敵大型空母2隻、軽空母4隻の内

大型空母1中破、1隻小破だが傾斜が

著しく発艦不可能!

敵軽空母1隻撃沈、

1隻撃破、2隻大破!

 

艦載機の被害については

被撃墜はあったが妖精は

不時着水し、全員無事だ。

近くの味方潜水艦に収容されて

明日以降合流し戻ってくる予定だ。

 

帰還した内1割の機体には何らかの

損傷や被弾があったが飛行不可能と

判断された機体も少なく、

次回発艦についても全力発揮は

ほぼ可能と思われる!

 

結論は言うまでもなく

敵東方機動部隊は発艦不可能、

次は西方へと進撃する!」

 

『『やったー!!』』

 

 

可愛らしい艦娘の声がスピーカーから

『金剛』の艦橋内に木霊する。

 

金剛以外の艦娘を直接

見ることはできないが、恐らく

ガッツポーズをしていることだろう。

 

 

「続いて次の作戦の詳細だ。

航空機による攻撃はしないが

戦闘機による制空権確保、

その後観測機を使った遠距離砲撃で

敵水上艦を攻撃し、規定の弾数を

撃ったら警戒しつつ突入。

残敵の掃討を計る!」

 

『あのさ提督…』

 

「どうした阿武隈?」

 

『なんだか…シンプル過ぎると

思うんですけど?』

 

ふむ、それはごもっともだが

複雑過ぎる命令よりかはマシだ。

 

「まあいいじゃないか、

戦艦はああして軽巡はこうしてみたいに

細かすぎたら困るだろ?」

 

『う〜ん確かにそうかも…』

 

「『提督』は戦闘の作戦、

戦いを作るのが仕事だから

細かいことまでは縛らないのさ」

 

(うー、言われてみればそうかも…)

 

「じゃあアブゥには単艦で

先陣を切って吶喊してもらおう!」

 

『それ全くOKじゃないですよね?!』

 

「ん〜俺的にはOKなんだけど?」

 

『何処がですか、ど・こ・がっ!!』

 

「ははっ、冗談だって。」

 

『むー!』

 

『プッ、阿武隈さんおもしろすぎ!!』

 

『ほれ阿武隈よ、提督の命令には

絶対服従せねばならんぞぉ?』

 

 

照月と利根が阿武隈を弄る。

 

 

このやりとりのおかげか

作戦開始から張り詰めていた空気が

ほぐれ、普段の艦隊らしくなった。

 

 

悲しいことがあろうとも

それを乗り越え戦わねば

更に悲しみを背負うだけだ。

 

 

それを艦娘たちも悟っているのだろう。

ややわざとらしさが感じられるやりとり

ではあったがこれも戦いの内か。

 

 

少しでもより良い結果を

手繰り寄せるため、俺は

最善の方法で戦えるようにしよう。




空襲は意外にもあっさり目です。
ジェット偵察機のおかげで
攻撃隊の被害も抑えられ、妖精も
戦死することなく戦果を叩き出せました。

次回は銃後…留守を預かる艦娘や
なんか影が薄い警務隊長が出演。
前線が悪戦苦闘していた時、
本土では何が起こっていたのか?

様々な視点から日本を取り巻く情勢、
艦娘が感じた物事をさらっと書きます!

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