ネギ・ギア   作:はーめるんな男

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ギア7

翌年の春

 

「もーやだ!」

「ホームに来たとたんにどうしたの?千雨」

「剛か、今日中学の入学式だったんだけどな」

「そうなの?じゃあお祝いしなくちゃね」

「それはうれしいけどちょっと話聞いてくれよ

入学式でそのあとクラスに分かれてホームルームだったんだけどよ

そのクラスが異常すぎたんだよ」

「?いつもの麻帆良じゃないか」

「どう見ても小学低学年並みの身長が3人、ロボが一人、高校生みたいなのが2人、初日からさぼりが1人」

「それは、多すぎるね」

「極めつけに学園長の孫娘がいたんだが

そいつが、まともだったんだ」

「え?まともなことのどこが異常なのさ」

「よく考えてみろ、あの学園長の孫娘だぞ」

「まさか、後頭部がまともだったとか?」

「正解だよ!遺伝子仕事しろよ!」

「ははは、すごすぎだね」

「ほんとだよ

それになんか変なロリッ子に絡まれるし」

「からまれる?なんで?」

「なんでもA・Tに興味があるらしいよ」

「あれ?千雨学校にA・T持ってったの?」

「ん?いや、持っていってないけど」

「じゃあ、なんで千雨ちゃんがライダーってわかるのさ

千雨ちゃんを知っているのは傘下チームだけでネットとかには載せてないはずだし

練習はずっとこのホームの中でやってたんだから」

「大方、町を走ってるのを見たことがあるとかそんなもんだろ?」

「でも、千雨ってあの癖あんじゃん」

「あ~、そうか、じゃあなんでだ?」

「一応宙に伝えておこうか、そうすれば学園長経由で何とかしてくれるでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん、了解

何とかやってみる」

『頼むぜ、宙』

「じゃあね、千雨」

プチっ

「さて、わざわざ呼び出して何の用だ?学園長」

「なに、紹介したい者がおっての

入ってくれ」

ガチャ

「ようやくかじじぃ、さっさと紹介すればいいものを」

「なんだこのロリッこは」

「この者はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル

雷の王の同級生じゃ」

「だからそれがどうしたんだよ」

「鈍い奴だな

本当にこんなやつが空の王なのか?」

「あん?なんで知ってんだよ

学園長、てめぇ契約に違反する気か?」

「ふぉ、そんなつもりはないぞ」

「じゃあどういうつもりだ

契約の中に部外者に俺の存在、素性、あらゆることを教えることを禁止するってあるはずだが?」

「関係者じゃよ裏のな」

「裏だぁ?魔法関係かよ

その魔法使いが何の用だよ」

「簡単なことだ

その玉璽を渡せ」

「はぁ?何言ってんだこのバカは」

「すまんの

どうしても会って話してみたいというのでな」

「ふざけるな、却下だ」

「貴様に拒否権はないぞ」

「黙れ、消えろ、二度と視界に入ってくるな」

「ほう、よほど死にたいらしいな」

「死ぬのはてめぇだ馬鹿」

 

 

 

 

 

 

 

 

学園長室から突如聞こえた爆音

その音の正体は宙が発動した牙の玉璽による牙だ

それは学園長室を切り裂き、正確にエヴァの胴体をとらえていた

普通ならば体は牙によって真っ二つに分かれるはずなのだがエヴァは普通ではなかった

魔法使いという点ではなく吸血鬼であるという点がエヴァを救った

それでも衝撃を防ぎきることはできなく、外に弾き飛ばされた

エヴァは内心驚いていた

その少年の能力に、何よりも玉璽のスペックに

(じじぃからの頼みだからと思っていいたが

これはなかなかいい発見をした)

彼女は今空を飛んでいる

そしてそんな彼女に突風が襲いかかった

それは宙が生み出した風、空気の密度の差の面に力を加えることによって起こした風だ

思わず目を覆ってしまうエヴァだがそれが致命的だった

彼女が目を開いたときその目に映ったのは空に浮かぶ宙の姿だった

自らが作った風に乗り、そしていま、その風を吸い込んでいる

轟の玉璽、それは空気を圧縮し超臨界流体に変え、壁を作り出す

その玉璽がとてつもない量の風を吸い込んでいる

そして生み出された壁はとても大きなものだった

そんな壁が吹き飛ばされた、エヴァに向かって

それをエヴァはよけずに受け止めきった

今回は魔力による身体強化を行って受け止めた

だが受け切ったからと言って宙の攻撃が終わったわけではない

むしろここから始まるのだ


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