ネギ・ギア   作:はーめるんな男

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ギア6

 

半年後の秋

 

「よし、これで僕の教えることはほぼなくなった

免許皆伝だよ千雨ちゃん」

「ほぼってなんだよ炎馬

それにこの最後に教えられたワイヤーの扱いって役に立つのか?」

「もちろん!これは雷の玉璽に関係していくんだけどね

それじゃあ宙をよぼうか、いよいよ玉璽を受け取る日が来たよ」

「マジで!よっしゃ」

プルルルル

『もしもし?』

「もしもし?宙?

千雨ちゃんの特訓終わったよ」

『マジで?よっしゃ、じゃあこれから迎えに行くからって千雨に伝えて』

「了解、じゃあ千雨ちゃんだけここに残して僕帰っていい?」

『あん?なんだよまたデートかよ』

「うん、悪いね」

『しゃあねぇか、楽しんで来いよ』

「ありがと、じゃあね」

プチッ

「千雨ちゃん、それじゃあ今から宙が迎えに来るから待っててね

僕はこのまま出かけちゃうから」

「ん、わかった

檸檬さんによろしくな」

「わかった

またね、雷の王」

「ンだよよその呼び方、ってもういねぇし

はえぇな、オイ」

「お待たせ!」

「宙!?もう来たのかよ!炎馬以上にはえぇなオイ!」

「寮からダッシュできた!」

「は!?お前寮からここまで自転車で大体10分かかるぞ!」

「風の玉璽使ってきた!」

「お前全力かよ!」

「そんなことはどうでもいから行くぞ」

「どうでもよくねーよ!また目立つぞ!」

「いいんだよ、どうせ何にもされねーし」

「一緒に居る私に迷惑だっつーの!」

「ほら行こうぜ!もうあっちには連絡入れてあるんだ」

「あっち?サウスカンパニーか?」

「いや、ここの学園長」

「は?おいおい、そんなところでいいのかよ

この世に一つしかないんだぞ!?」

「いいんだよ、あそこはうちの会社より安全だ

何より交渉材料になってるんだから」

「交渉?なんだよそれ」

「おかしいと思ってなかったのか?

うちは自由過ぎないか?」

「まぁ、確かに思ってたけど」

「俺たちの行動に一切の干渉をしないって条件であっちに預けてるんだ

預けている間は麻帆良の技術研究部で壊さない程度なら調べていいって」

「へー、なるほど

って、解析されたらまずいんじゃぁねぇの?」

「大丈夫だよ、あれはブラックボックスで隠してある部分が相当ある

内部のつくりを調べたところでできるのは普通のよりも少し性能がいいホイールだけだ」

「なるほどね

それじゃあ行こうぜ、早く玉璽履いてみてぇ!」

「ここまで行くの伸びたのって千雨が原い…なんでもないからにらむな

あと、最低でも履けるのは明日以降だぞ?

調律とかいろいろやんなきゃいけねぇし」

「えー、まじかよ

まぁ行くだけ行こうぜ」

「よし、じゃあ行くか」

 

 

 

 

麻帆良学園 学園長室前

 

 

 

「いいか?千雨

この先に怪しいのがいたら遠慮なくワイヤーで縛り上げろ

もしも盗人だったらしょうがねぇからな」

「大丈夫って言ったの宙だろ?そんな怪しい奴なんかいるわけないだろ」

「とりあえずだよ

じゃあ入るか」

コンコン

「入ってよいぞ」

「「失礼します」」

「ようこそ、宙くん、そして新しい王よ、わしがこの学園の学園長じゃ」

「(…人間離れした後頭部、目元と口元が隠れるほどのひげ、間違いない、)

 

不審者だ!!」

「ふぉ!?いきなり不審者呼ばわりかの

わしは正真正銘の「ぬらりひょん」じゃ…って宙君、割り込んでこないでくれんかの」

「千雨、縛り上げろ!」

「わかった!」

「ふぉ!なかなかのワイヤー捌きじゃ、じゃがわしはこの程度よけられるわ!

って、体が動かん」

「ニヤリ、石の玉璽発動」

「ずるい!ずるいぞ宙君!」

「いまだ!一気に決めろ!」

「おう!」

「って、なんで亀甲縛りなのじゃ!誰が教えたのじゃ!」

「炎馬、あとで私刑だな」

「ふぅ、まぁよい

宙君、玉璽はわしの机の中にあるからとっていくのじゃ」

「わかった、じゃあな」

「ふぉ!?それだけかの!?もっとこう、ありがとうとかは」

「ない

それじゃあ千雨、ぬらりひょんはこのまま放置していいから行くか」

「え?いいのかよ」

「いいんだよ、行くぞ」

「お、おう」

バタン

「千雨、今度からはワイヤーで縛り上げたものの正体を見破れるように特訓な」

「は?どういう意味だよ」

 

 

 

 

 

「ふぅ、全くよくできた物じゃな、この人形は

宙君にはバレバレじゃったけれどもあの子にはばれておらんかったようじゃからの

それにしてもこれで残る道は一つのみ

いよいよ完成するのじゃ

空の玉璽が」

 

 

 

 

 

「あれが人形!?まじかよ」

「なんたって麻帆良だからな

異常なほど精密な人形なんて溢れてるよ」

「まあ、麻帆良だからな

ところで雷の玉璽はどんなつくりなんだ?」

「あん?この玉璽には小さな発電機が入れられていて、その発電量は東京ぐらいならまかなえるほどだ。親父の飛んでも発明の一つだな」

「半端ないなおい、あと、炎馬にワイヤーは玉璽に関係してくるって言われたけど、

もしかして流すのか?電流」

「まぁ正解だわな

つっても人が丸焦げになる程度だぞ」

「十分すぎんだろ」

「そうでもねぇよ

牙は大木切り倒すし石は空気ごと固める、

棘は衝撃波飛ばしてくるし契は王が8人に増える

轟は壁まで作れるし、風に至っては空気の密度の差を走るんだぞ

炎は特別だけどな

それに比べたらなんてことねーよ」

「そういわれて納得する自分が嫌だ」

「ははは、元気出せって」


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