346のプロデューサー達の女難な日常   作:黒いファラオ

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美波、お誕生日おめでとう!(遅刻)

自分の誕生日(26日)の次の日なんだよね。

※この話は現在進行中のストーリーとは関係ありません。時間軸?さあ、パラレルなんじゃね(適当)


外伝
誕生日おめでとうなお話『新田美波』


「それじゃあ改めて。誕生日おめでとう、美波」

「Поздравляю! ミナミ!」

「ありがとうございます!」

 

 7月27日。この日は、美波の誕生日だ。それなのにこの場にいるのは俺とアーニャ、そして張本人の美波の3人がだけが俺の家にいる。もちろんこの状況には理由がある。

 

「みんなで祝った後だって言っても良かったのか? 俺とアーニャだけで」

「いいんですよ。1番祝ってほしいのは遼哉さんとアーニャにですから」

「私もミナミのдень рождения、アー……誕生日、ですね。祝えて嬉しいです!」

「ありがとうアーニャちゃん! 私もアーニャに祝ってもらって嬉しいよ!」

 

 お互いに笑顔で抱き合う2人。あら^~なんて素敵なシチュエーションではあるのだが……

 

「美波、せっかくの誕生日だし何か欲しいものあるか? 可能な限りで叶えてやるけど」

「じゃあ遼哉さんの童貞ください」

「Нет! ミナミ、独り占めはダメです。アーニャも混ぜてください!」

「可能な限りだっつってんだろうが。人の話聴けよ」

 

 本性はこれだ。専務が恋愛推奨を発表した辺りからリミッターが外れたのか、アプローチがヤバい。前にも言っただろうが、身体つきがご存知の通りだ。ヤバい。

 

「可能じゃないですか! 遼哉さんが私に身体を差し出すだけですよ!?」

「不可能です。だってそもそもが俺童貞じゃねぇし」

「嘘っ!?」

「嘘をつくメリットが何処にあるんだよ」

 

 ガチ童貞のいわゆる、「ど、どどどどど童貞ちゃうわ!」とかの言い訳ではないのだ。ヤることはヤってる。

 

「アー……もしかしてフミカ、ですか?」

「文香ちゃん!? 遼哉さんいつの間に文香ちゃんに手出してたんですか!? アイドルに手を出すんだったら私にしてくれればいいのに!」

「ステイステイ、言ってることがおかしいよ。ん、あれ、美波は知らないんだっけ?」

「? 何がですか?」

 

 とっくに知ってるものだと思ってたんだけど。という意味の視線をアーニャに向ける。

 

「アーニャはあの時 раздевалка……アー、楽屋にいました。でもミナミは、シンデレラプロジェクトのアイドルとしてステージに立っていましたね」

「あれから知る機会はいっぱいあっただろうに」

「ミナミは、働き者ですから」

「もー! アーニャちゃんも遼哉さんも2人だけで話さないでよ! 私、なんの話かサッパリ分からないんだから!」

 

 おっと、このままでは美波が拗ねてしまいそうだ。というか、若干既に拗ねかかっている。そろそろ美波に説明をした方がよさそうだ。

 

 ~現在美波に説明中~

 

「遼哉さんと文香ちゃんが昔付き合ってたなんて知りませんでした……」

「まあ、大学の時の話だしな。この話も冬のあの時以来、話すことも無かったしな。広まっていい話という訳でもないし」

「そうですね。ところで遼哉さん」

「ん? どうした?」

 

 話し続けで疲れた喉に飲み物を流し込む。あれ、これさっきまで俺が飲んでたヤツと違うな。まあいいけど。それから美波の方を向くと服のボタンを外しながらこっちに迫って来ていた。

 

「この際童貞は仕方がありません。なので普通に〇クロスしましょう。大丈夫、〇に何を入れるかによっては私たちがやっていることはスポーツになりますから!」

「そう言ってる時点で〇にラが入ることをやる訳じゃないってのが明白なんですが!?」

「ミナミ、私も混ざっていいですか?」

「もちろん! 一緒にやれば怖くないよ!」

「赤信号一緒に渡ればの理論じゃねぇーか! てか身体……あっつぅ……」

「あれ、遼哉さんいつの間に飲んだんですか!?」

「何を?」

 

 確かにさっき何か変なの飲んだけどさ。

 

「私達が痛みを抑えられるかなって思って用意した媚薬なんですけど……遼哉さん飲んじゃったんですね」

「媚薬って……初めからそのつもりで……痛み? お前らもしかしてとは思ってたけど……初めて……なんだよな」

「当たり前じゃないですか。誰彼構わない訳じゃありませんよ?」

「любовь、遼哉さんのことが好き、だからです」

 

 ったく……

 

「確認するぞ、2人とも。本当に俺でいいのか? 初めてなんだし、俺より好きになる奴だって」

「いませんよ、遼哉さんより好きになる人なんて」

「да! ミナミの言う通りです」

「分かった。俺のミスだとはいえ媚薬飲んじまって正直限界なんだ。なるべく頑張るが、痛くしちまったら悪い。」

 

 抑えてはいるけど、ヤリたくて仕方がない。今いるのが、関係を持ってない美波とアーニャだったから理性が働いているが、関係を持っている文香たちだったらプッツンしてる。

 

「いいんですよ。遼哉さんになら」

「もらって……くれますか?」

「まあ……誕生日だからな。俺だってお前らのことが嫌いな訳じゃないし……我慢の限界だ」

 

 俺はとうとうこの日、2人に対する遠慮というものを取り去った。

 

 

 

 

 

 俺のベッドで眠る美波の頭を撫でながら、起きていたら照れくさくて絶対に言えないだろうことを吐き出す。

 

「美波、俺はお前に本当に感謝してる。未央のあの一件だって、ずっと張り詰めてた俺を楽にしてくれたのはお前達の遠慮のない言葉だった」

 

 あの時の俺は不安で押し潰されそうになっていた。自分の心を閉ざして誰にも漏らさず溜め込んでいた不満を美波とアーニャが吐き出させた。

 

「合宿で俺と俊輔が見てやれなかった間、美波に負担かけた。それでもしっかりとメンバーの面倒を見てくれた。……そのせいで夏フェスでお前の不調に気づけなかったんだけどな」

 

「あの時、俺はあの場にいなかったから知らないだろうけど、お前が倒れたって別の所で聴いた時膝から崩れ落ちかけたんだぜ。なんで気づけなかったんだって」

「言ったじゃないですか。そんなに自分を責めなくてもって」

「……起きてたのか」

「さっきですけどね」

 

 生まれたままの姿で起き上がる美波に薄手のブランケットを渡す。

 

「暑くなってきたとはいえ、夜は冷えるからこれだけでも一応羽織っとけ。どうしても暑かったらいいけど」

「いえ、ありがとうございます」

「寝て落ち着いたか?」

「はい。まだ違和感は残ってますけど……」

「アーニャはどうだ?」

「完全に眠っちゃってると思います。多分朝まで起きませんね」

「そうか。明日……もう今日みたいなもんか。お前もアーニャも自主レッスンだったよな」

「そうですね」

「休み取っとけ。どうせ歩くのにも違和感感じるんだ、まともに動けやしねーよ。俺んちで大人しく休んでろ」

「……分かりました」

 

 文香も同じような感じだった。言っても、俺も慣れない動きをしたせいで筋肉痛。2人仲良く大学を休んだ。

 

「俺が悔しかったのはさ、お前の疲労に気づけなかったのが一つ」

「もう一つは?」

「そんな肝心な時に側にいられなかったことだ」

「え?」

「あの時ほどプロデューサー業が嫌になったことはないね」

 

 プロデューサーの数に対して、仕事が多すぎる。

 

「不安な時は側に誰かいて欲しいものだろ」

「じゃあ今、側にいてください」

 

 そう言って、ギュッと美波に抱きつかれた。

 

「私、不安です。遼哉さんが私を抱いてくれたのも今までのも全部夢なんじゃないかって」

「夢じゃねぇよ。それとも全部夢だったことにするか?」

「そんなの嫌です!」

「だろ?」

 

 美波を抱きしめ返し、頭を撫でる。

 

「遼哉さん、私まだ不安なんです。……慰めてくれませんか?」

 

美波が耳元で甘えた声を出す。

 

「まったく、しょうがないな……」

 

美波は少し離れて、俺がすることを待っている。

 

「誕生日おめでとう……美波」

「……はい」

 

美波に真正面から口づけをし、俺はそのままベッドに押し倒した。




描写してないからR18じゃないよ、セーフセーフ。

要望があって気分がのったらR18版もあるかもね。さて、それじゃあ次の話も書かなきゃ……

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