ソードアート・オンライン 黒と紫の軌跡   作:藤崎葵

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書けた書けた書けました♪

テンションがおかしいって?
寝不足だからですwww


ではでは始まります!どうぞ~


第三十一話 会談場へ

『ルグルー』の城門をくぐると、BGM代わりのNPC楽団の陽気な演奏と、幾つもの槌音が三人を出迎えた。

街の規模はそう大きくはないが、中央の目抜き通りを挟むようにそびえる岩壁に、様々な店や工房が積層構造を成して密集している様は見事なものである。

プレイヤーの数も思ったより多く、音楽妖精族や鍛冶妖精族などがパーティーを組み、談笑しながら歩いている。

 

「へぇー。ここがルグルー』かぁ」

 

「結構キレイな所だねぇ」

 

街を見渡してリーファとアスナが感嘆の声を漏らす。

 

「うぅ、いててて」

 

その後ろでキリトはアスナに叩かれた頬を擦りながらとぼとぼと歩いていた。

 

「さっきのはパパが悪いですよ!」

 

「まったく、デリカシーがないよ!」

 

「ホントよ。失礼しちゃうわ」

 

そんな彼を見ながら女性達は口々にそう言った。

キリトは叱られた子供のような顔で抗弁する。

 

「殺伐とした空気を和ませようというウィットに満ちたジョークじゃないか……」

 

「次やったらぶった斬るよ?」

 

「私は突き刺すからね?」

 

2人の冷やかな声と視線にキリトは思わず萎縮してしまい

 

「は、はい」

 

と、小さく項垂れてそう返した。

気を取り直したようにリーファは近くにあった武器屋へと駆け出す。

陳列されている剣を一つ取って、楽しそうに見ている。

その時、アスナはふと何かを思い出し

 

「ね、リーファちゃん。サラマンダーに襲撃される前にレコン君からメッセージ届いてたよね?」

 

そう尋ねる。

それを聞いてリーファは

 

「あ……忘れてた」

 

苦笑いで答えた。

呆れているのか、悲しんでいるのか微妙な表情のキリトとアスナ。

リーファは軽く咳払いをしてメニューを開く。

フレンドリストを表示して、そこからレコンにメッセージを打とうとしたが彼の名はグレーとなって消灯していた。

どうやらオフライン状態のようだ。

リーファは溜息を吐く。

 

「ったく、寝ちゃったのかなぁ」

 

「一応、向こうで確認してみたら?」

 

キリトの言葉にリーファは少し思案して

 

「じゃぁ、ちょっとだけ落ちて確認してみるね。ユイちゃん、アスナさん、私の身体をよろしく」

 

そう言ってベンチに座ってメニューを開く。

ユイは疑問符を浮かべているが、アスナはその意図を察して笑っている。

 

「パパがイタズラしないように、ね?」

 

「りょーかいです!」

 

「おい!」

 

心外だといわんばかりにキリトは叫んだ。

リーファは軽く笑ってログアウトボタンを押す。

途端にリーファの身体が脱力した。

ログアウトして待機状態になったのだろう。

その横にアスナは腰を降ろした。

少し離れた道具屋で何かを買っているキリトに視線を向けた。

しばらくして戻ってきたキリトはアスナの横に腰掛ける。

右手には串焼きのようなものを持っている。

刺さっているのは小さな爬虫類みたいなものだった。

それを食べようと口を開けたその時

 

「キリト君」

 

アスナが声をかけてきた。

キリトは食べるのを止めてアスナに視線を向ける。

 

「君が無茶な戦い方する理由がやっとわかったよ」

 

視線は彼に向けられてはいないが、真剣な声でアスナは言った。

 

「君はずっと、SAOで仲間を死なせないように戦ってたんだね。自分を犠牲にして」

 

言いながらアスナは少し俯いた。

そうして思い返したのは先程のサラマンダー戦でキリトが放った言葉。

『俺が生きてる間は、パーティーメンバーを殺させはしない』

この言葉にどれ程の重みが込められていたのだろう。

そう考えると、途端にアスナは自分が情けなく感じてしまった。

勝ち目がないと思い、そこでやられてしまうのも仕方ない。

これは所詮『遊び』なんだと心の中で思っていた。

しかし、キリトは違う。

世界は違っても彼にとってVRMMOは現実と変わらないのだ。

だからこそ、絶体絶命だった状況でも活路を探して戦っていた。

自分はすぐに諦めようとしてしまったにもかかわらず……

落ち込んだように俯いたままのアスナ。

そんな彼女に

 

「……俺は」

 

ポツリとキリトが口を開いた。

 

「俺はSAOで……護れなかった人達がいたんだ」

 

「え?」

 

放たれた言葉にアスナは驚いて顔を上げる。

視界に映ったキリトの表情は悲しそうであり、寂しそうな表情だった。

 

「SAOに囚われて半年くらいの時にさ、あるギルドに出会ったんだ。メンバーは皆いい人たちでさ……彼らの傍に居ると潰れそうな気持ちが軽くなっていったのを今でも覚えてるよ……でも、ある日、その人達は死んでしまった。アラームトラップに、それも結晶無効化も付加された最悪の罠にかかったんだ。俺は皆を助けようと戦ったけど、結局誰も助けられなかった……」

 

「キリト君……」

 

「それから自暴自棄になって、ユウキのもとから離れて独りで無茶したよ。俺の所為で皆が死んでしまったって……」

 

言いながらキリトの脳裏にあの日の出来事が蘇ってくる。

否、忘れることなどできはしなかった。

 

「でも、メンバーの一人がさ……俺とユウキにメッセージを残してくれてたんだ。そこには『私が死んでも頑張って生きてほしい。出会えて、友達になれてよかった』って。それを聞いた時さ、俺はもう誰も見捨てないって決めたんだ。何があっても、生きている限り目の前の人を護り抜こうって」

 

そう言ってキリトはアスナに視線を向けた。

そこには何処か悲しそうだが、温かい笑顔があった。

 

「そっか……」

 

アスナは納得したように頷く。

しんみりした空気が2人を包む。

が、キリトは気を取り直したように

 

「ま、アスナが気に病む事ないさ。気持ちの整理はとうについてるし、その人達の事は絶対に忘れないからさ」

 

言いながら謎の串焼きを一口かじった。

アスナは小さく頷く。

その時だった。

 

「急がなきゃ!」

 

待機状態だったリーファが勢いよく立ちあがる。

 

「んぐ! げふげふっ……お、おかえり、リーファ」

 

驚いたキリトは咀嚼していたモノを喉に詰まらせかけるも、なんとか呑みこんでそう返す。

 

「リーファちゃん? どうしたの?」

 

様子がおかしい事にアスナは気付いて問いかけた。

すると、リーファは申し訳なさそうな表情で2人に視線を向ける。

 

「キリト君、アスナさん。私、急いで行かないといけない用事が出来たの。説明してる暇もなさそうだし、多分、ここにも帰ってこれないと思う……」

 

リーファの言葉にキリト達は顔を見合わせて、リーファに視線を向けた。

少しの間、彼女をジッと見つめ2人は頷き

 

「そうか。じゃあ、移動しながら話を聞こう」

 

「そうだね。そうしようか」

 

立ち上がって歩き出すキリトとアスナ。

 

「え?」

 

「どっちにしても、ここからは足を使って出ないといけないんだろ?」

 

右手に持つ謎の串焼きをひらひら動かしならキリトは言う。

隣のアスナは何も言わずにリーファに頷いて見せた。

 

「……わかった。じゃぁ、走りながら話すね」

 

そう言ってリーファは走り出す。

キリト達もその後に続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ルグルーの目抜き通りを走り抜けて、アルン側の城門を潜る三人。

ごつごつした岩道を走りながらリーファは事情を説明する。

ログアウトした彼女がレコンから聞いたのはとんでもない内容だった。

スイルベーンでキリト達に因縁をつけてきたシグルドというプレイヤーがサラマンダーと内通していた事。

彼らがリーファにトレーサーをつけていた事。

そして、シルフ、ケットシーの両領主が会談を行う為に、極秘で中立域に出向いている事。

極めつけは、その会談場をサラマンダーが強襲しようとしている事だった。

因みにレコンは現在、毒矢で麻痺状態になりサラマンダーに捕まっているらしい。

 

「────なるほど」

 

事情を聞いたキリトは納得したように頷き

 

「いくつか質問してもいいか?」

 

「どうぞ」

 

「シルフとケットシーの領主を襲う事で、サラマンダーにどんなメリットがあるんだ?」

 

「えっと。まず、同盟を邪魔出来るよね。シルフ側から洩れた情報で領主が討たれたらケットシー側が黙ってないし、下手すればシルフとケットシーでの全面戦争になるよ」

 

言いながらリーファはマップを確認し走り続ける。

 

「それと、領主を討つと大きなボーナスを得る事が出来るの。討たれた側に蓄積されてる資金の三割を無条件で入手できて、十日間街を占領して自由に税金を掛けられるの」

 

キリトの横を走るアスナがそう補足を付け足した。

 

「そうなのか」

 

「だからね、キリト君、アスナさん」

 

先行して走るリーファは2人の名を呼んで不意に立ち止った。

疑問符を浮かべてキリト達も立ち止まる。

 

「これは、シルフ族の問題だから……これ以上、貴方達が付き合ってくれる理由はないよ……多分、会談場に行けば生きて帰れないだろうし、またスイルベーンからやり直しになると思う。―――ううん、もっと言えば」

 

リーファは振り返り

 

「世界樹に行きたいなら、サラマンダーに協力するのが最善かもしれない。この作戦が成功したら、サラマンダーは万全の態勢で世界樹攻略に臨む筈だから。ウンディーネのアスナさんは解らないけど、スプリガンのキリト君なら傭兵として雇ってくれるかもしれないし……今、ここで私を斬っても文句は言わないよ」

 

言いながらキリトを見た。

視界に映った彼の表情は真剣なものだった。

思わずその表情にリーファはドキリとする。

やがて

 

「所詮はゲームだ。殺したければ殺すし、奪いたければ奪う」

 

そう言葉を発した。

少し間を置いて

 

「そんな奴には嫌ってほど出くわしたよ。一面ではそれも事実だ。俺も昔はそう思っていた。でも、違うんだ。どんなに愚かしく見えても、守らなきゃいけないものがある。俺はそれを───大切な人に教わった」

 

そう言って彼の脳裏に浮かんだのは、SAOで出会った人々。

はじまりの街で最初に出会ったクライン。

一層のボス戦からの友人のソラ。

なんだかんだで面倒見のよかったエギル。

小さな子竜を連れ、自分を兄のように慕ってくれたシリカ。

最高の剣を打ってくれたリズベット。

そして、こんな自分を支え、愛してくれたユウキ。

大切で愛おしい彼女達を思い浮かべながら、キリトは優しい口調で想いを口にする。

 

「VRMMOっていうこのゲームでは、矛盾するようだけど、プレイヤーと分離したロールプレイは有り得ないって思うんだ。この世界で欲望に身を任せれば、その代償はリアルの人格に還ってくる。プレイヤーとキャラクターは一体なんだ。俺、リーファの事、好きだよ。友達になりたいと思ってる。たとえどんな理由があっても、自分の利益の為にそういう相手を斬るような事は、俺は絶対にしない」

 

「キリト君……」

 

放たれたキリトの言葉にリーファは言いようのない感情が込み上げてきた。

両手を身体の前でギュッと握り、目の前の少年を見る。

その瞳には一点の曇りもなかった。

 

「リーファちゃん。私もキリト君と同じだよ。私もリーファちゃんが好き。友達だから助けたい、そう思ってるんだ。だから、一緒に行こう?」

 

キリトの隣に居るアスナも、優しく微笑んで手を差し出してきた。

 

「アスナさん……」

 

その瞬間、リーファはある事を理解した。

それは、自分がある一定の距離以上に他人に近づけなかった理由だ。

リーファは目の前の相手が生身の人間なのか、ゲームのキャラクターなのか解らなかった。

言葉の裏に、相手は何を考えているのか……リーファはそんな事をいつも気にしていたのだ。

でも、今目の前に居るキリト達は違う。

彼らから出てくる言葉は、そんな些細な事を一切感じさせない。

自分が思った通りに動いている。

何も気にすることなく、ただ、自分が感じるままに───それだけでよかったのだ。

リーファはうっすら浮かんだ涙を拭って

 

「ありがとう」

 

笑って呟く。

キリトは照れたように頭を掻いた。

 

「ごめん、偉そうな事言って。悪い癖なんだ」

 

「ううん、嬉しかったよ」

 

「ふふっ」

 

アスナは微笑んで2人を見ている。

 

「───しまった、時間無駄にしちゃたな。ユイ、走るからナビよろしく!」

 

キリトがそう言うと

 

「了解です!」

 

肩に乗ったユイは頷いた。

それを確認したキリトは

 

「2人とも、ちょっと手を拝借」

 

言ってリーファの右手を、そしてアスナの左手を握った。

突然の事に2人が疑問符を浮かべた……その直後。

キリトが猛烈なスピードで駆け出したのだ。

空気の壁を突き破るが如き衝撃音が2人の鼓膜を叩く。

先程までも結構なペースで走っていた筈だが、まるで比較にならない。

引かれるリーファとアスナはほとんど水平に浮き上がり、コーナリングする度にブンブンと振り回される。

 

「わあああああ!!」

 

「きゃぁあぁぁ!!」

 

たまらず声を上げながら2人が前方を凝視すると、オークの群れが湧き出ていた。

 

「モ、モンスターが!」

 

戸惑いの声がリーファから出てくるがキリトは速度を緩めない。

そのままオークの群れを一直線に突き抜けていった。

怒りの声を上げながらオーク達はキリト達を追いかけてくる。

そんなことお構いなしにキリトは全速で走り抜けていった。

やがて、光が見えてくる。

 

「出口だ!」

 

その言葉が2人の耳に届いた直後、視界が真っ白に染まる。

直後、足元から地面が消えた。

 

「ひぇぇ!」

 

「あわわ!」

 

わめき声を上げつつ、身体を包んでいた轟音が拡散した事に気付くリーファとアスナ。

視界には大きく広がる空が見える。

そこはもう無限に広がる空のど真ん中だった。

どうやら山脈の中腹にある出口から、勢いを緩めず走ってカタパルトよろしく飛び出したらしい。

慌てて翅を広げて滑空姿勢に入ると、リーファとアスナは詰めていた息を吐きだした。

直後に

 

「ちょっと! キリト君!!」

 

「寿命が縮んだわよぉ!!」

 

2人は真ん中を滑空しているキリトを睨みつけて叫んだ。

当の彼はあっけらかんとした表情で

 

「あっははは。時間短縮になったじゃないか」

 

そう言っている。

溜息を吐いてリーファは改めて視線を前方に移した。

視界に入ったのは雲海の彼方に朧に浮かぶ巨大な影。

空を支える柱かと思えるような太い幹が垂直に天地を貫き、上部には別の天体にも等しいスケールで枝葉が伸びている。

 

「あれが……世界樹」

 

キリトが畏怖の籠った声で呟いた。

圧倒的な存在感で空の一角を占めている世界樹を、キリトはしばし無言で眺めていたが

 

「リーファ。領主会談の場所ってのはどのあたりなんだ?」

 

首を振ってキリトは問いかける。

リーファはマップを開く、

 

「北西の方向、『蝶の谷』って呼ばれてる所よ」

 

「残り時間は?」

 

今度はアスナが訪ねてきた。

リーファは次いでメニューを切り替えて

 

「残り20分!」

 

そう叫んだ。

 

「間に合ってくれよ!」

 

そう言ってキリトは飛行速度を上げる。

リーファ達も続くように加速した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『蝶の谷』へ向かって全速で飛ぶキリト達。

キリトは辺りを警戒しながら

 

「サラマンダーの部隊より先に到着できるか微妙だな……」

 

その言葉にリーファが頷く。

 

「そうだね。もし間にあっても、領主だけを逃がせるか、揃って討ち死にだと思う」

 

「うまくケットシー領に逃げ込めればいいけど……」

 

アスナがそう呟いた。

その時だった。

 

「パパ! 前方にプレイヤーの反応です! 数は68人! さらにその向こうに14人、おそらくシルフ、ケットシーの会議出席者だと思われます。双方が接触するまで、後50秒です!」

 

ユイがキリトの胸ポケットから顔を出して叫んだ。

キリトは眼を凝らして前方を見た。

視線の先に、低空を這う様にして飛ぶプレイヤー集団が見えた。

あれがサラマンダーの強襲部隊だろう。

さらにその先には円形の小さな台地が見えた。

そこが会談場なのだろうが、そこに居るだろうシルフ、ケットシー達は未だサラマンダーの接近には気付いてない。

 

「間に合わなかった……」

 

ポツリとリーファは呟いて、キリトとアスナに視線を向ける。

 

「ありがとう、2人とも。ここまででいいよ。2人は世界樹に行って……少しの間だけど、楽しかった」

 

笑顔でそう言ってリーファは加速しようを翅を鋭角に畳む。

しかしそれを

 

「ここで逃げるのは、性に合わないな」

 

そう言ってキリトが制した。

 

「言ったよね? 一緒に行こうって」

 

隣に居るアスナもそう言ってリーファに視線を送る。

2人の決意に迷いはない様だ。

 

「アスナ」

 

不意にキリトがアスナに声を掛けた。

疑問符を浮かべてアスナは彼を見た。

 

「これから俺がする事に合わせてほしい。何があっても動揺したりしないで堂々としててくれ」

 

「何をする気なの?」

 

アスナの問い掛けにキリトはニッと笑って

 

「行けばわかるさ。それじゃ、いっくぜぇ────!!!!」

 

翅を鋭角に畳んでダイブを開始した。

それを見た2人も慌ててダイブに入る。

目指す先では、ようやくシルフ、ケットシーが迫ってきた大部隊に気付いたようだ。

次々に椅子を蹴って戦闘態勢に入る。

銀光を煌めかせながら抜刀しているが、重装備の攻撃隊と比べるとあまりにも貧弱に見える。

台地を取り囲むようにサラマンダーの大部隊は展開している。

殺戮の直前の静けさが一瞬、世界を包んだ。

サラマンダーの一人が右手を上げ───振り下ろそうとした───その時だった。

対峙する両者の中央、台地の端に、大きく土煙が上がった。

遅れて大きな衝撃音が辺りに響き渡り、地を揺るがした。

その場に居る全ての者が凍りついたように動きを止める。

薄れていく土煙の中、ゆっくりとキリトは身体を起こし、サラマンダーの大部隊に視線を向けた。

遅れてアスナが隣に降り立つ

キリトは胸を反らせ、一杯に息を吸い込んで

 

「双方! 剣を引け!!!」

 

出せる最大の声で叫んだのだった。

 

 

 

 

 

 

 




相対するサラマンダーの将軍

振り下ろされる剣はあらゆる防御をすり抜ける。

窮地の少年は、二振りの剣を以て迎え撃った。


次回「猛炎の将」

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