黒と紫のソードアートオンライン   作:壺井 遼太郎

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問題が解決したので、こちらも上げていきます


98層ボス攻略

98層ボス部屋前

 

「皆、今からボスに挑むが、いつもの事は忘れていないよな?75層を突破したおれ達は、今までのボスが弱く感じた。だが、死者を出さないように最新の注意をはらってかかるぞ。」

 

全員が頷き武器の確認を始めた。スカルリーパーのような、一撃で全損のモンスターは今の今まで存在しなかった。だが、そこで浮き足立ってしまっては、75層の惨劇を引き起こすだけだ。そこで攻略組全員が、全てのボスが一撃必殺の攻撃力を持っていると考え、75層以来犠牲者はただの一人も出ていない。

 

「じゃあ、開けるぞ。」

 

そう言い、振り向くと大きな扉を力いっぱい押して、全員が一気になだれ込んだ。

 

ボス部屋に入り、10秒後、ボスが出現した。HP5本、《カイザードラゴン》

 

「全員、最初は行動パターンを見るぞ!!タンク隊は前に!!ユウキ、アスナ、フィリア、リズ、シリカ、クライン、リーファは隙を見付けたら即攻撃で、防御力を確かめてくれ!!シノンは援護を!!」

 

「了解!!」

 

タンク隊が前に出ると直ぐ様、ファイアーブレスを放ってきた。それをタンク隊が受け止めてから、ユウキ達の攻撃。HPは少し減った。高防御力出ないのなら、隙を突いて一撃が思い技が有効。それなら、

 

「エギル!!次にやつが隙を見せたらすぐに《ダイナミックヴァイオレンス》を頼む!!」

 

「オウ!!」

 

流石に相手はドラゴンなだけあって、空は飛ぶ、火を吐いてくる、爪で攻撃するなど、ダークリパルサーを取りに行った時に出てきた、白竜ゼーファンと行動パターンが同じだ。

 

「シノン!!空を飛んだら額の宝石に攻撃を!!」

 

「了解。」

 

「ストレア!!エギルと一緒に隙が出来た所に最上位剣技を!!」

 

「わかった!!」

 

攻略組の中で、火力が高いのは、ストレアとエギルの二人、なら、今回のボスに攻撃のメインはストレアとエギル。この二人を全力でサポートする。

 

「二人共失敗するなよ。」

 

「誰に言ってんだ!!」

 

「そうそう、私達が失敗した所、見たことある?」

 

「無いから、いつものように全力で叩き込め!!」

 

雄叫びを上げながら飛び上がるドラゴンを、シノンがすぐに射ち落とす。アルゴの情報なら、ボスは落とされると、20秒はスタンがかかる。20秒もあれば、上位スキルを2回は打てる。シノンが射った瞬間二人は、ボスの落下地点を予測し、スキルの準備をした。

 

「全員!!エギルとストレアが攻撃した直後に上位スキルを打て!!」

 

全員がオー!!と叫んでから、各々が習得してるスキルの最上位スキルの準備をした。

 

「うおおらあああ!!」

 

「えええい!!」

 

二人が攻撃を始めてから、3秒を数える。

 

「3、2、1、今だ!!全員突撃ー!!」

 

全員が動き出したのは、ほぼ同時だった。98層はそのフロアをボス部屋が占めている為、ボスの図体も、部屋の広さもスカルリーパーより上であるため、間違えて仲間に被弾する可能性を避けれている。

 

スキルの硬直はカテゴリにもよるものだが、両手斧のような物は最高でも1,5秒、技の発動時間は、二刀流スキルを持つキリトのジ・イクリプスでも6秒。

 

「良いぞ!!このまま倒す!!」

 

端から見ればこのような行動はボスを倒す為とは言え、唯のイジメにしか見えない。だが、それは他のゲームでの話だ。ソードアートオンラインのようなデスゲームに、そんな心配りは絶対にしてはならない。ここは生きるか死ぬかのデスゲーム。デスゲームにそんな配慮などすればこちらの命が無い。

 

「残りゲージ残り1本でイエローだ!!」

 

全員が第2波の攻撃の終わり辺りに、攻略組全員がこちらを振り向き、

 

「キリト「くん」「さん」!!スイッチ!!」

 

全員が一気にボスからどき、キリトにスイッチをした。後から聞いた話だが、ヒースクリフが居た時でも、ヒースクリフよりキリトに着いていこうとするプレイヤーが多かったそうだ。だが、攻略組のほとんどはギルドに所属しており、当然、キリトを嫌う者も居る為、仕方なく、キリトに邪見をしていた。

 

だが、ヒースクリフが茅場昌彦と判明し、一度全員が慌てるも、キリトが攻略組のリーダーになってから、攻略組の士気が上がった。その時点で腹は決まったらしく、攻略組、攻略組関係のギルドもキリトの事を認め、本人は嫌がっているのだが、ギルドを建てようとすれば、攻略組関係のギルドが合併を考える程だった。

 

「スターバースト・ストリーム!!」

 

キリトは二刀流の中では、最も強く、攻撃回数の多い、ジ・イクリプスよりもスターバースト・ストリームを強く信頼していた。

 

「いっけえええ!!」

 

「ゴアアアアアア!!」

 

断末魔の雄叫びを上げながら、カイザードラゴンはポリゴンになり、四散した。同時にラストアタックボーナスが手に入り、何かを確認する前に、攻略組全員が倒れていく。

 

「どうし、」

 

キリトが声をかけようとした瞬間、キリトも倒れてしまった。HPゲージを確認すると、麻痺のデバフが入っていた。

 

「やあやあ、攻略組の皆さん、お久しぶりです。」

 

声を聞いてから、キリト達は、特にアスナが警戒した。そこに居たのは、高笑いを上げながら、剣を振り回す者が居た。

 

「やってくれたねキリト君。僕の研究データ、そして76層以上のコンソールを破棄するとは、おっと、麻痺結晶を使う必要はない。2分でその麻痺のデバフは切れる。」

 

「お、お前、アルベリヒ!!」


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