おれ達が木の上でハイドをしている事に気付かずに2人は話を続けていた。
「とぼけんじゃねぇ!!てめぇがその剣でプレイヤーを刺して消す所をおれは見てたぞ!!」
プレイヤーを消す、つまりPK行為
「とんだ言いがかりだねぇ。他にも証拠があるのかい?」
「っく!!」
「……お前は女性プレイヤーやNPCに触ってもハラスメント警告コードが出ないようだな。」
ハイドをして話を聞いているつもりで居たかったのだが、クラインが先程言っていた。プレイヤーを消すと言う言葉で、クラインもその犠牲にする事を防ぐため、わざとハイドを破った。
「おやおや、黒の剣士様じゃないか。一体いつからそこに?」
「話を逸らすな、通常のプレイヤーならそんな事はできない。嫌、それ以前にお前はいつからアインクラッドにいたんだ?アルゴから聞いた話だとアルベリヒなんてプレイヤー、おれ達が76層に来るまで無かった。だがお前は、その腕前で恐らくおれ達よりレベルは数段上の時点でおかしい。」
「……チ!!ああ、ああ、まさかそこまで洞察力がすごいとはなぁ。」
「その様子だと当たってるようだな。」
「ああそうだよ、僕はお前達とは違う、お前達一般のプレイヤーには無い《スーパーアカウント》を持っている、つまりGMである茅場昌彦の次に高位のアカウントだよ。すごいよこのアカウントは、色んなアイテムも出せるし、レベルまで変えられる。」
「それなら、ゲームなんて詰まらないだろう。」
「フン!!僕はお前達みたく、マヌケに囚われたプレイヤーとは違うんだよ!!」
「どういう事だ?」
「僕は君達が眠っている事を利用して、研究の実験台に使おうとしていた。だがカーディナルシステムが邪魔でね、試行錯誤を繰り返してる内に、眠って気付いたらこの世界にいたのさ、けどこのスーパーアカウントだけは、僕が研究用に手に入れたナーヴギアに搭載していた物でね、それにはカーディナルシステムも無視していたよ。」
「なら、なんで攻略組に入ろうとした?」
「決まっている!!僕がこの世界から、約6000人を救った英雄になる為だ!!」
「ゲスヤロウが!!」
「以前のデュエルがまだ決着がついていなかったねぇ。あんな決着の付け方、どうせインチキをしたに決まっている!!」
インチキって、お前の方がそんなアカウント持ってるからお前の方が反則なんだけどなぁ、等と考えていると、カーソルが現れた、オレンジだった。
「キリト、あいつの剣だけは気をつけろよ。」
「わかってる。」
「準備は良いかい!?なら行くぞ!!」
アルベリヒが突進してくる3秒前にはユウキに待てと手で表した。
「お前の魂の入っていない攻撃なんて絶対に当たんないぞ。」
「舐めるな!!僕はお前なんかに負けはしない!!」
アームブラストを成功させるのは、アルベリヒ相手には容易い、だが成功させた場合また何を言われるのかはわからないので、極力しない。
「この攻撃がわかるかな?」
上段、右への切り返し、上段からの、一気に降り戻し大上段、片手剣の中位スキル、バーチカルスクエアだ。だが、このスキルはヴォーパルストライクの次に得意としているスキルだ。
だが、先程まで待機させておいたユウキが降りてきて、バーチカルスクエアを全て弾いた。バーチカルスクエアは高速4連撃の為、霞んで見えるのが普通だが、ユウキの動体視力は、キリトを上回っている。
その上でアームブラストを使え、(キリトよりは劣ってはいるが、)空絶剣による素早さを体で覚え、今では空絶剣の恩恵無しでも可能な、ユウキだけのシステム外スキル、剣技破壊《スキルブラスト》だ。
「あい変わらずそのシステム外スキルはユウキしか出来ないよな。」
「チ!!相手が悪いな。」
そう言うとアルベリヒは消えた、だが転移結晶を使っていない、それに索敵スキルにもカーソルは出ている。
「クライン、帰ってこの事を報告してくれ、おれとユウキはあいつを追いかける。」
「わかった。気を付けろよ。」
「わかってる。」
アルベリヒを追いかけていると洞窟があった。洞窟からアルベリヒが出ていった所を確認すると、洞窟の中に入った。入った瞬間、助けてくれぇ等の助けを求める声が聞こえた。
「何この檻?中にプレイヤーがいる。」
「ユウキ、あっちにコンソールがあるぞ。」
コンソールを弄っていると、アルベリヒの研究データが現れた。内容は、フルダイブをしているプレイヤーをマインドコントロールをすると言う内容だった。当然データは削除、アインクラッド側にある76以上のコンソールを破棄した。
「ユウキ。」
言葉を出さずにユウキは頷くと、檻を壊した。
「はい。今の内に逃げて。」
「おれ達も帰るぞ。」
洞窟の外に走っていったプレイヤーを全員確認した後、帰路についた。
次は申し訳無いんですが、次は一気に98層に飛んじゃいます。
スキルブラストはぼくが勝手に決めた、ユウキがスキルを叩くのを勝手につけた名前です。