ホルンカの村の近くにある森の中
「だいぶ狩ってきたな。」
「っと、言いつつ花つきはもう倒したけどナ。」
「今はユウキの分の胚珠探してるんだけどな。」
実は、アルゴがこの森に入った時に、花つきのリトルネペントを倒していたらしく、胚珠はもう既に1個手に入れているが、あと1個いるのだが、まったく見つからない。
「ユウキ、どうだ、花つき見つけたか?」
「全然見つからないよ~、って、え?」
「どうした!?花つきを見つけたのか?」
「ううん、ついてることはついてるけど、花…、じゃなくて実がついてるね」
「なに!?」
「ユーちゃん今すぐこっちに来るんダ!!」
「へ?えっと、わ、わかった」
マズイな、花つきと同じくらいのポップ率なのに、実つきを見つけたのか。
「ねぇ、どうしたの2人共?」
「ユーちゃん、あいつは実がついてるって、言ったけど本当カ?」
「あ、うん今にも割れそうな実がついたよ。」
「ユウキいいか、あの実つきの実には絶対攻撃をするな。
あの実が割れたらネペントがうようよここに来る。」
「ネペントが!?」
「あぁ、確かにおれ達はレベルが4になっているが、ネペントが大量に来たら、最悪死ぬ。」
死ぬ、つまり二度と、あの世界には帰れなくなる、それだけは避けないといけない、だから実つきは絶対に実を攻撃してはいけない。
「じゃあ、隠蔽スキルをとった方がよかったんじゃ、それで隠れてやり過ごせないの?」
「残念だガ、そいつは無理だナ。」
「ああ、隠蔽スキルは便利だが、視覚以外の感覚を持つモンスターにはほとんど意味ない。」
「だから、森に入る前に隠蔽スキルは入れなくていいって、言ったんだ。」
「あぁ、そう言うことだ、実つきがいるから他に移るぞ。」
「了解」
「わかっタ」
歩きながら、偶然にモンスターが茂みの向こう側で湧いたので、確認して見れば、花つきを見つけた、瞬間おれとユウキは飛び出ようとしたが、アルゴに襟首を持たれてしまった。
「「なにすんだよ(るの)アルゴ!?」」
「もっと見てみロ」
「「え?」」
茂みから覗いて見ると、花つきに隠れてもう一匹いることに気づいた、実つきだ、アルゴが止めてくれなかったら、実つきごと攻撃するところだった。
「ユウキ、アルゴ、実つきを抑えてタゲを取ってくれ、おれはその間に花つきを倒す。」
「わかった」
「おいサ」
花つきは通常のリトルネペントとは変わらないから、すぐに倒すことが出来た、ユウキ達に早く言わないと。
「ユウキ、アルゴ花つきを倒し…た…ぞ。」
途中に言葉がおかしくなったのは、疲労とユウキが発動している、スキルのせいだ。
ユウキは焦れったくなったのか、《バーチカル》を発動していた、バーチカルは縦の垂直切りだ、急いで止めようとしたが、長時間の戦闘の疲労によって、動かない、間に合わないと、思った瞬間、アルゴがナックル系の3連撃のスキルを使い、ユウキが実に当てる前に、ネペントを倒した。
「ユウキ!本当は説教の1つはしてやりたいが、今回はアルゴに免じて許してやる。」
「キリト、ごめんなさい。」
と、反省はしたようだから、許して、早く片手剣を貰いに行くことにした、
NPCからお礼を言われ、我が家の家宝の剣をどうぞ貰っていってください、とおれとユウキの新しい剣を手に入れた、名前は《アニールブレード》未強化でも3層の迷宮区までは、使える片手剣だ、流石にもう時間は遅い為、宿屋で寝ようと2部屋頼もうとしたが、ユウキが一部屋と、勝手に頼んだ、もう一部屋頼めばいいかと、思いNPCから部屋を借りようとした時におれは倒れた。
目が覚めたら、ベッドの中だった、どうやらおれが倒れた時にここまでユウキは運んでくれたらしい。
「昨日おれ怒っちゃったから、謝らないとな。」
起き上がろうとした瞬間、なにか乗っていることに気づいた、おれは恐る恐る見てみたが、ユウキの腕だった。
(なんだ、ユウキの腕か、え?ユウキの腕!?)
隣を見たら天使のような寝顔でスー、スーと寝てる相棒ことユウキが寝ていた。
おれを運んで疲れて一緒に寝てしまったんだな。
(おおい!おれ動けないし、二度寝できないよぉ)現在朝の3時半頃
キリトが眠れたのは1時間かかってからだった。
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