黒と紫のソードアートオンライン   作:壺井 遼太郎

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ヒースクリフ

翌日の朝にアスナに持ってきて貰った新聞には、74層突発、残り25層と書かれていたが、もうひとつの記事も書かれていた、

 

「これ、尾ひれつくにも程がある、なんだよ、ボスを撃破した50連撃と20連撃って。」

 

「ぼくのは近いけど、キリトは34も上乗せだからね♪」

 

ユウキが笑いながら言っていると、扉が開いた。

 

「確認しに行ってみたけど、50層のキリト君とユウキのホームに大量の人がいたわ。」

 

「こりゃもう帰れないな。」

 

「まぁ、大事なものは全部持ってるから良いけどね♪」

 

「どっかの田舎みてぇな所に引っ越そう。」

 

「そうするしかないね。」

 

アスナが言った途端にドアがノックされた。

 

「は~いって、え?」

 

「すまないねアスナ君、キリト君とユウキ君はいるかな?」

 

アスナが驚きの声をあげ急いで様子を見たときにいたのは、

 

「《ヒースクリフ》。」

 

「やぁ、キリト君、ユウキ君ちょっと話があってね。」

 

アスナはヒースクリフを家にあげると、ソファーに座り話し出した。

 

「単刀直入に言おう、私のギルドに入らないかい?」

 

「断る、おれ達がギルドに入るわけない、入ったとしてもおれ達に何の得がある。」

 

「君達は家に帰れないんだろう?」

 

その答えは図星だった。

 

「入ったら、家をプレゼントするならどうだろう?」

 

「断る!!自分達の事は自分達でする!!」

 

「そうか、なら残念だ。」

 

ヒースクリフはこの答えをわかってたのか、笑いながら言った。

 

「なら、私ともフレンドになってくれないか?その方が攻略会議の時に楽だ。」

 

「それくらいなら良いぞ。」

 

フレンドになってから、ヒースクリフは帰っていった。

 

「で、あんなこと言って、家はどうするの?」

 

「あぁ、それなら宛がある、22層に良さそうなログハウスがある。」

 

「じゃあ、そこに引っ越すんだね。」

 

「じゃあアスナ、ぼくたち家を買いに行ってくる。」

 

「ええ、行ってらっしゃい。」

 

「じゃあ、勿体ないけど転移結晶で行こうか?」

 

「そうするしかないな。」

 

腰から転移結晶を取りだし。

 

「「転移!!始まりの街!!」」

 

目の前が青い光に包まれてから目の前に広がったのは、懐かしい建物と石畳だった。

 

「さて、ちゃっちゃと買いに行くか。」

 

「うん♪」

 

そのあとに始まりの街を走り、不動産に家を買う手順を済ませ22層に向かった。

 

「へぇ、物凄く良い家だね♪」

 

「あぁ、この層ではモンスターが湧かないから、休むのならこの層が一番だ。一面草原と少しの森だけだからな。」

 

「綺麗な場所だね♪」

 

「じゃあ、家具を出すか。」

 

家具を一つずつ出し、部屋の角に置いた。

 

「このくらいで良いね♪」

 

「で、唐突だけど、おれは両手剣スキルを消して釣りスキルを取るから、料理を頼むぞ。」

 

「了解♪」

 

「じゃあ、行ってくる。」

 

「行ってらっしゃい♪」

 

キリトは私服に着替えてから、湖に向かった。


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